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【図解あり】BtoBマーケティングのフレームワークを用いて効果的な施策を進めよう!

BtoBマーケティングにおけるフレームワークとは?メリット・デメリットも解説

マーケティングを行う上で重要とされるフレームワーク。しかし種類が多く、内容も複雑で混乱しがちです。

 

「結局BtoB向けにはどれを使ったらいいのかわからない」

 

とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。

 

そこでこの記事では、BtoBマーケティングで活用できるフレームワークをご紹介。フレームワークを活用するメリット・デメリットも併せてご説明します。

そもそもフレームワークとは?意味や目的を理解しをよう

フレームワークとは、ある作業においての意思決定や問題解決方法をパターン化し、誰にでも一定の成果を挙げられるようにした仕組みのことです。マーケティングにおいてのフレームワークは、1920年頃にアメリカで生まれたとされています。

 

AIDMAを開発したサミュエル・ローランド・ホール氏を筆頭に、研究者や企業が提唱したものもありますが、中には発祥が定かではないものもあります。

 

しかし多くの人によって、時代や環境に則した内容に変えられつつ、今の方式が定着しました。BtoBマーケティングにおいては、市場の分析や、戦略を立てる目的で多く活用されています。

 

BtoBマーケティングのフレームワークを活用するメリット

No メリット デメリット
1 数字的根拠のある戦略 フレームワークの見極め
2 問題の原因の早期発見 新たなアイデアや提案

BtoBのマーケティングにおいてフレームワークを活用するメリットは多々ありますが、主に次の2つが挙げられます。

 

・数字的根拠のある戦略を立てられる

・問題解決の原因を見つけやすくなる

 

一つずつ順番にご説明します。

 

数字的根拠のある戦略を立てられる

フレームワークを活用すると、自社を取り巻く環境や強み・弱みなどを実績や統計の数字を用いて分析するようになります。例えば後述するビジネスモデルキャンバスでは、コスト構造を洗い出します。

 

コストのウェイトがどこに何%あるのか、改善の余地はないかが明確に判断でき、数字に基づいた戦略を立案できるようになるのです。

 

問題の原因を見つけやすくなる

戦略立案時の根拠(分析結果)が明確なため問題発生時にも原因を解明しやすく、問題の早期解決に繋がります。例えば新しく考案されたBtoB商材を営業かける際に、どのような競合が存在するのかを考える必要があります。

 

この時、後述する「ポーターの5フォース分析」を用いることで、自社の商材以外で顧客が持つ選択肢を把握することができるでしょう。

5フォース

 

BtoBマーケティングのフレームワークを活用するデメリット

反対に、BtoBマーケティングにおけるフレームワーク活用のデメリットは次の通りです。

 

・最適なフレームワークの見極めが難しい

・新たなアイデアや提案が出にくくなる

 

それぞれ詳細をご説明します。

 

最適なフレームワークの見極めが難しい

フレームワークには多くの種類があり、その要素も目的も様々です。細やかな分析ができる一方、自社の問題解決・目標達成にふさわしいものを見極めるのが難しくなっています。

 

新たなアイデアや提案が出にくくなる

フレームワークは本来、誰でも一定の成果を出せるよう考案された仕組みです。しかしその半面、フレーム内で思考がおさまってしまい、新しいアイデアや提案が出にくい・通りづらい環境になりやすいです。

 

フレームワークを活用する際の注意点

以上のメリット・デメリットを踏まえ、フレームワークを活用するにはいくつかの注意点があります。注意点を理解せずに進めてしまうと、戦略の効果が薄れてしまうどころか、かえって逆効果になってしまう恐れもあります。

 

そうならないためにも、以下の点に注意しましょう。

 

・定期的に再分析・見直しを行う

・新たなアイデアを取り込める余白を残しておく

 

順番にご説明します。

 

定期的に再分析・見直しを行う

市場は常に変化します。戦略を立てた当初は最適解でも、予測とズレが生じることも珍しくありません。国際情勢や感染症の蔓延によって市場が急激な変化を迫られる昨今、時には大きな方向転換を迫られることもあります。

 

数カ月~数年のスパンで、当初フレームワークで考案した戦略が正しかったのか、定期的に再分析・戦略の見直しを行いましょう。

 

新たなアイデアを取り込める余白を残しておく

フレームワークはその「パターン化」という特性から、しばしば柔軟性を失いがちです。いくら自社に関係のある要素でも、フレームワーク内に含まれていない要素だと見落としてしまったり、不必要と誤認してしまう恐れもあります。

 

そのため環境の変化や新たなアイデアにも対応できるよう、余白を設けておく必要があります。具体的には「人員・費用・時間」の配分に余裕を持って戦略を立てるようにしましょう

 

BtoBマーケティングで活用できるフレームワークを段階別に紹介|活用方法も解説

BtoBマーケティングを行うためには、業種やサービス内容による違いはありますが、次のような段階を踏みます。

 

1.外部(市場環境)分析

2.内部(自社環境)分析

3.戦略の立案

4.戦略の実行と評価

 

それぞれの段階で活用できるフレームワークをご紹介します。

 

段階1:外部(市場環境)分析

まずは相手=市場を知る必要があります。流行を踏まえるのも大事ですが、それだけでは市場を分析したとは言えません。また一過性のトレンドを追うだけでは、すぐに息切れしてしまいます。

 

フレームワークをうまく活用して、市場の動向を把握しましょう。外部(市場環境)の分析に使えるフレームワークは次の通りです。

 

ポーターの5フォース分析

ポーターの5フォース分析

「ポーターの5フォース分析」は、経済学者のマイケル・E・ポーター氏の著作で発表されたフレームワークです。このフレームワークは、次の5つの力を紐解くことで市場環境の内「業界の競争要因」を明確にするものです。

 

1.既存競合の存在と威力

2.新規参入競合の存在と威力

3.売り手の交渉力

4.買い手の交渉力

5.サービスの独創性(代替品の有無)

 

近年は市場の縮小から、異業種への参入も多くみられます。旅行会社として知られる株式会社エイチ・アイ・エスも、ここ数年でモバイル事業の展開や、医療情報サービスへの出資を始めました。

 

このように変化の激しい市場環境を把握するためにも、欠かせないフレームワークです。

 

PEST分析

PEST分析

PEST分析とは、下記の要因をもって自社を取り巻く環境を分析するフレームワークです。

 

・Politics(政治:法律の改正や政権の方針など)

・Economy(経済:物価や金利、景気動向など)

・Society(社会:人口変動やトレンド、世論など)

・Technology(技術:ITやDX基盤の整備、特許など)

 

特に法律や条例の改正や政権交代などのマクロ環境の変化は、自社の努力だけではその影響を避けられず、注意深く観察する必要があります。バブル崩壊やリーマンショックなどの経済要因も、その前兆や傾向を見逃さないように注意しましょう。

 

ただしこのフレームワークは、トレンドの少ない業種(建設業やエネルギー業など)ではあまり使われません。それら以外の業種では積極的に取り入れていきましょう。

 

段階2:内部(自社環境)分析

次に、内部(=自社の状況、製品・サービス)を分析します。商材のラインナップからターゲットとなる客層設定や販売方法、価格帯などを決めるために重要なステップになりますので、自社内の環境を包括的に洗い出しましょう。

 

また希望的観測に偏らないよう、情報収集時点から客観的目線を持つ必要があります。内部(自社環境)分析に活用できるフレームワークは、次の通りです。

 

SWOT分析

SWOT分析

SWOT分析は、自社の現状を再確認する際に用いられるフレームワークで、次の情報を基に分析します。

 

・Strength(強み:ブランド知名度の確立など)

・Weakness(弱み:アクセスがしにくいなど)

・Opportunity(機会:対象市場の伸びなど)

・Threat(脅威:海外企業の参入など)

 

自社の現状をネガ・ポジ両方の視点から見ることで、自社の状態を包括的に確認することができます。このフレームワークでは、要素を深く掘り下げるために複数人、時には第三者から意見をもらうことも大切です。

 

BtoBの場合はサンプル提供などを介して、顧客に直接アンケート調査を行うのも有効でしょう。

 

ビジネスモデルキャンバス

ビジネスモデルキャンバスとは、自社ビジネスの状況を整理し、可視化・共有化させるためのフレームワークです。具体的には次の9つの要素を使います。

 

1.顧客(サービスを提供する相手)

2.価値提案(どのようなニーズを叶えるのかなど)

3.チャネル(販売・提供・PRの方法など)

4.顧客との関係(構築から維持、展開のフローなど)

5.収益の流れ(サブスク提供なのか、売り切りなのかなど)

6.キーリソース(時間や物、人、お金、能力などの資源)

7.主要な活動(事業を発展させるために必要な活動、事業内容など)

8.主要なパートナー(事業規模を拡大させるためのビジネスパートナーなど)

9.コスト構造(人件費や販売促進費など)

 

自社の現状を改めて細分化させることで、ボトルネックになっている部分や曖昧なままになっている要素がはっきり分かるはずです。特に「価値提案」は、BtoBにおいて購買決定要因となりえる重要なポイントです。

 

現状の商材はどのような需要をどのように満たしているのか、をしっかり押さえておきましょう。

 

段階3:戦略の立案

続いては今まで収集・分析した情報を基に、戦略を立案します。顧客のニーズをロジカルに見極めながら、実際の戦略に落とし込んでいきましょう。ここでは戦略立案時に活用できるフレームワーク3種をご紹介します。

 

STP分析

STP分析

STP分析は、市場の選定を行う際に役立つフレームワークです。市場を次のステップで選り分け、自社のポジションを明確にします。

 

・Segmentation(市場の細分化)

・Targeting(ターゲット選定)

・Positioning(自社のポジションの明確化)

 

BtoCのマス市場(量産品など)ではあまり使われません。しかし、ABM(アカウントベースドマーケティング)と言われるように、的を絞ったBtoBでのマーケティングには必須のフレームワークです。

 

自社のポジションを明確にすることで、競合他社との差別化を図りましょう。

 

AIDMA

AIDMA

AIDMAは先述の通り、米国の研究者であるサミュエル・ローランド・ホール氏によって発表されたフレームワークです。顧客が商材を知ってから購入に至るまでのプロセスを解明し、戦略に落とし込むのに役立ちます。

 

・Attention(注目)

・Interest(興味)

・Desire(欲求)

・Memory(記憶)

・Action(行動)

 

BtoBマーケティングの場合「Attention」は営業からのプレゼンテーションや、商材のLP記事がそれにあたります。また商材によってはAction(行動=購入・契約)で終了ではなく、その前後も顧客とのコミュニケーションが途切れない戦略を講じる必要があります。

 

AISCEAS

AISCEAS

AISCEASは、AIDMAの進化系とも言えるフレームワークです。近年はインターネットを介して、顧客自ら様々な情報を入手できるようになったため、顧客の行動変化に応じて改変されています。

 

・Attention(注目)

・Interest(興味)

・Search(検索)

・Comparison(比較)

・Examination(検討)

・Action(行動)

・Share(共有)

 

AIDMAと比較して「興味」の後に「検索・比較・検討」が、また「行動」の後に「共有」があります。BtoBの場合も同じフローが当てはまるので、「検索」された時にどのような競合が現れるのか、その対策も含めて戦略を練りましょう。

 

マーケティングミックス(4P、4C、8Pなど)

マーケティングミックス_4P_4C

マーケティングミックス_8P

マーケティングミックスは今までの分析結果から「理想的な購買行動を得る」ための情報を選定することで、実行戦略を定める方法です。様々なフレームワークやツールを組み合わせる(ミックスする)ため、こう呼ばれています。代表的なものとして次の3つが挙げられます。

 

4P:「製品」をマーケティングする際に用いられる理論です。

Product(製品)/Price(価格)/Place(流通方法)/Promotion(広報活動)で構成されています。

 

8P:「サービス」をマーケティングする際に用いられる理論です。

先ほどの4Pに加えて、Physical Evidence(物理的環境)/Process(プロセス)/People(人)/productivity and quality(生産性とサービス品質)の8Pで構成されています。

 

最初は「productivity and quality」を除く7Pでしたが、品質が厳しく問われる近年では8Pが多く使われています。

 

4C:4P、8Pは企業支店の戦略ですが、4Cは顧客視点でのマーケティング理論です。

Customer Value(顧客価値)/Cost(顧客側の経費)/convenience(提供されるまでの利便性)/Communication(コミュニケーション)で構成されています。

 

具体的には商材によって4Pまたは8Pのいずれかを選択し、そして4Cを加えて戦略を構成します。種類が多く混乱してしまいそうですが、いずれも戦略の立案・選定には欠かすことはできません。「目標達成に向けた戦略」だという真の目的を念頭に、慎重に検討しましょう。

 

段階4:戦略の実行と評価

フレームワークによって決定した戦略を実行した後は、その成果と戦略自体の評価を行います。一度成功した戦略でも、変化の激しい市場で次回以降も通用するとは限りません。

 

生きた市場に対抗するには、戦略も常に変わり続ける必要があります。そこで次に、戦略の評価・改善で活用できるフレームワークをご紹介します。

 

PDCAサイクル

PDCAサイクルは業務の評価・改善によく用いられるフレームワークです。マーケティング以外でも活用できるため、耳にしたことがある人も多いでしょう。

 

PDCAサイクルは

 

・Plan(計画)

・Do(実行)

・Check(評価)

・Action(改善)

 

の4つで構成され、計画(=戦略)ごとに都度評価、改善を行えるのが特徴です。

 

KPIの設定と評価

フレームワークとは異なりますが、評価後にはKPIの見直しも重要です。KPIはKey Performamce Indicatorsの略で、一般的には重要経営指標と訳されます。

 

経営の最終目標であるKGI(Key Goal Indicator)を達成するための、云わば中間目標です。実行した戦略の評価を踏まえ、時期のKPIを方向修正しましょう。

 

KPIの詳しい内容は、こちらの記事をご覧ください。

KPIとKGIの違いは?設定方法をポイント・具体例とともにご紹介

 

例えば戦略の実行によって前期より成果を出せなかった場合、改めて外部・内部要因を洗い出し、原因を解明します。その対策を盛り込んだ戦略を用いて、KGI達成に向けた新たなKPIを設定します。

 

KPIの再設定はKGI達成までの全体像と現在地を明確にできるため、適宜行っていきましょう。

 

まとめ

BtoBにおいても、マーケティングにおいてフレームワークは、成果を上げるのに欠かすことのできない存在となりました。各段階で正しいフレームワークを用いれば、貴社のマーケティング力も更に向上するでしょう。

 

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