【2023年】Google広告アップデートの最新情報・新機能情報をお届け!
「Google広告における最新のアップデート情報が知りたい」
「常に新しい情報をキャッチしておきたい」
本記事は、上記のような悩みを抱えた方に向けた記事です。Googleでは定期的に広告のアップデートが実施されていますが、なかなか最新情報をキャッチできていない広告運用担当者の方も多いのではないでしょうか。
Web広告業界は特に変化が激しい業界でもあり、効果的に広告を運用していくためにはしっかりとアップデート情報を把握しておくことが大切です。
そこで、本記事では2023年3月から8月に実施されたGoogle広告のアップデート情報をいくつかピックアップしてご紹介します。すでに広告運用を実施している担当者の方はもちろん、これからWeb広告の実施を検討している方は、ぜひ自社の広告運用に活かしてください。
【2023年8月】Google広告のアップデート情報
2023年8月のGoogle広告のアップデート情報は以下3つです。
・デマンドジェネレーションキャンペーンのベータ版利用の申請が可能に
・[GA4]アプリキャンペーン向けにGoogleアナリティクス4の新機能が登場
・SGEの日本語版の試験運用が開始
1つずつ詳しく解説していきます。
デマンドジェネレーションキャンペーンのベータ版利用の申請が可能に
8月には、Googleのファインド広告が新しいキャンペーンタイプ「デマンドジェネレーションキャンペーン」にアップグレードされるといった発表もありました。
ファインド広告は、これまでYouTubeホームやGoogleの検索結果、Gmail、ディスカバリーで配信されていましたが、アップグレードによりYouTubeショートとインストリームが配信先に追加されました。
さらに、動画の設定が可能となり「動画・画像・カルーセル」の3つから選択できるようになったことで、画像と動画を用いた顧客へのアプローチが実現できます。
ファインド広告 | アップグレードにより追加された要素 | |
配信先 | YouTubeホーム、検索結果、
ディスカバリー、Gmail |
YouTubeショート、
インストリーム |
クリエイティブ | 画像、商品フィード | 動画
(プレビュー機能の強化、 ABテスト) |
入札タイプ | コンバージョン値
コンバージョン数 |
クリック数 |
レポート・計測 | 標準的なレポート
アセットレポート ユニークリーチレポート |
コンバージョン経路レポート
ブランドリフトレポート コンバージョンリフトレポート(登場予定) |
オーディエンス | Googleオーディエンス
最適化されたターゲティング |
類似セグメント |
[GA4]アプリキャンペーン向けにGoogleアナリティクス4の新機能が登場
Googleは8月、アプリキャンペーンのパフォーマンスを高めるためにGoogleアナリティクス4(GA4)の新機能を発表しました。新機能の追加により、強力なオーディエンス管理ツールを使用し、ターゲットとなるユーザーにリーチが可能となったのです。
他にもいくつかの機能が追加されたので、以下の表からご確認ください。
新機能 | 詳細 |
オーディエンスの強化 | ・未通知ユーザーへのアプローチが容易に
・Webユーザーとアプリユーザーのオーディエンスを作成した場合、アプリユーザーのみを自動的にターゲティング可能に ・Google広告内でGA4のオーディエンスを直接作成できる機能をリリース予定 |
パフォーマンスの自動最適化 | 同意済みのログインデータを活用し、アプリキャンペーンのパフォーマンスを自動最適化 |
Webからアプリへのコンバージョン測定 | URLパラメータ「gbraid」の導入で、iOSアプリにおけるコンバージョンの測定精度を向上 |
iOSキャンペーンの測定・パフォーマンスの強化 | ・SKAdNetworkコンバージョン値スキーマを設定するためのツールが利用可能に |
SGEの日本語版の試験運用が開始
8月には、日本語版SGEの試験運用が開始されました。SGEとは、Googleが開発した生成AI技術で、ユーザーが検索したキーワードに対して、AIがGoogle検索結果ページのトップに回答を表示するという機能です。
現在のところ日本版は試験的な運用ですが、18歳以上であることやSearch LabにGoogleアカウントを登録するなどの一定条件を満たすことで、誰でも利用可能です。誰もが目にする検索結果のトップに表示されるため、今後のSEOに大きな変化が生まれると予想されます。
【2023年7月】Google広告のアップデート情報
2023年7月に実施されたGoogle広告のアップデート情報は以下3つです。
・Google広告エディターバージョン2.4がリリース
・広告掲載システムの回避に関するポリシーが更新
・動的検索広告キャンペーン向けのP-MAXセルフアップグレードツールが登場
1つずつ詳しく見ていきましょう。
Google 広告エディター バージョン2.4がリリース
7月には、Google広告エディターのバージョン2.4がリリースされ、以下7つの機能が追加されました。
追加された機能 | 詳細 |
動画アセットライブラリ | エディタ内で動画アセットを管理可能 |
複数アカウントの概要表示 | エディタの「概要」タブで複数アカウントの概要を表示可能 |
Googleドライブとの結合 | GoogleドライブへのエクスポートまたはGoogleドライブからのインポートをサポート |
送信のスケジュール設定 | 指定したタイミングで広告の公開が可能 |
商品グループとリスティンググループの編集 | エディタ内のダイアログで商品グループとリスティンググループの編集・追加が可能 |
動画の機能強化 | 動画拡張のオプトアウトが可能 |
ダウンロード(最近の変更を取得)機能の強化 | 以前ダウンロードしたキャンペーン、選択したキャンペーンの他、商品アイテムタイプ選択からのダウンロードが可能 |
また、今回追加された機能とは別に、地域ターゲティングに関する一部機能は廃止されています。
広告掲載システムの回避に関するポリシーが更新
Googleは7月、Google広告の広告掲載システムの回避に関するポリシーを更新しました。
この更新では、Google広告のポリシーに違反しているとして掲載不可となった広告を、別アカウントもしくは複数のアカウントを使用して再掲載することは禁止とする旨が発表されています。
Google広告のポリシーに違反してしまうと、これまで以上に厳しい処分が科されるため、違反項目にはどのような内容があるのかを、あらかじめ確認しておくようにしましょう。
動的検索広告キャンペーン向けのP-MAXセルフアップグレードツールが登場
7月には、動的検索広告(DSA)キャンペーン向けのP-MAXセルフアップグレードツールがリリースされました。動的検索広告キャンペーンをP-MAXにアップグレードするメリットは以下5つです。
・広告パフォーマンス向上
・Google広告のあらゆるチャネルと広告枠に対応
・チャネル間で予算を自動で最適化
・高度な分析が可能
・新機能を利用できる
【2023年6月】Google広告のアップデート情報
2023年6月に実施されたGoogle広告のアップデート情報は、以下5つです。
・2023年のGoogle Merchant Center 商品データ仕様の変更点が発表
・P-MAXで店舗販売状況レポートと店舗販売重視入札の提供が開始
・検索広告とP-MAXに2つの新しいブランドコントロールが展開開始
・アプリキャンペーンが改善し、リーチの拡大、新しい分析機能を提供
・新型コロナウイルス感染症による関連コンテンツに関する制限が解除
1つずつ詳しく見ていきましょう。
2023年のGoogle Merchant Center 商品データ仕様の変更点が発表
Googleは、Web上で商品・サービスを探しているユーザーの利便性向上を図るため、Google Merchant Center 商品データ仕様を更新しました。今回の更新で変更されたのは以下6つです。
・省エネ評価などの認証を示すために使用される「certification」属性が追加
・ローカル在庫広告・無料ローカルリスティングにおいて在庫設定が緩和
・ランディングページにおける複数の価格表記のガイダンスを更新
・送料表記設定が必須の国が追加
・Webサイトのクロールにもとづき、商品情報の有効期限を自動で延長
・在庫状況が誤っている商品は不承認
P-MAXで店舗販売状況レポートと店舗販売重視入札の提供が開始
6月にはP-MAX(Googleの広告運用においてパフォーマンスを最大化するためのキャンペーン)にて、店舗販売レポートと店舗販売の成果を重視した入札が利用できるようになりました。
これを活用することで、最終的にユーザーがどのチャネルで商品・サービスを購入するにしても、総売り上げを正確に測定し、店舗の集客を重視した入札が可能です。
ビジネスの取引データをアップデートし照合することで、オフライン(店舗)での購入に広告がどの程度役立っているかを判断できます。
検索広告とP-MAXに2つの新しいブランドコントロールが展開開始
Googleは6月、ブランドトラフィックをより詳細に管理したいという広告主の要望に応える形で「検索広告のブランド制限」と「P-MAXのブランド除外」の2つの機能をリリースしました。
検索広告においてブランド制限機能を使うことで、ブランド関連のトラフィックに絞り込んだ配信が可能です。
また、P-MAXのブランド除外機能では、広告配信を避けたいブランドワードに対し、P-MAXから広告が表示されないようにコントロールできます。これにより、外国語でのブランド検索やブランドのスペルミスによる検索トラフィックをブロック可能になりました。
アプリキャンペーンが改善し、リーチの拡大、新しい分析情報を提供
6月には、アプリキャンペーン機能の改善により、各種チャネルでのリーチの拡大およびパフォーマンス向上に向けた新しい分析情報が提供されました。
広告グループのフィードのフィルタリングやプロモーションアセット、季節性の調整といったツールを使用することで、繁忙期や需要の変動に対応し、キャンペーンの効果を最大化できます。
また、最適化スコアやオークション分析などの分析情報を活用し、キャンペーン単位とアカウント単位の両方の掲載結果を高められるようになりました。
新型コロナウイルス感染症による関連コンテンツに関する制限が解除
Googleは、6月より新型コロナウイルス感染症に関連するコンテンツの制限を解除しました。これまで、新型コロナウイルス感染症に関連するマスクや検査キット、日用品などについては、ショッピング広告および無料リスティングで掲載が制限されていました。
制限が解除されたことで、LegitScript(オンライン上で販売される商品の信頼性と安全性を評価する非営利団体) または Project N95(N95マスクの供給を拡大するためのプロジェクト) による承認が不要となります。
【2023年5月】Google広告のアップデート情報
2023年5月に実施されたGoogle広告のアップデート情報は、以下2つです。
・Google Marketing Live 2023が開催
・Google、レスポンシブ検索広告の分析機能(ベータ版)の提供が開始
1つずつ詳しく解説していきます。
Google Marketing Live 2023が開催
Googleは5月、毎年恒例のGoogle Meeting Liveにて「AI活用によるマーケティングの強化」をテーマに、Google広告の新機能や今後の方針を発表しました。今回は10個以上の新機能が発表されましたが、そのなかでも特に注目したい機能が、以下の5つです。
・生成AIを搭載した検索広告の自動生成
・SGE内の広告掲載
・検索広告における自動作成アセット機能の強化
・P-MAXのアセット自動生成
・Product Studio(AIによる商品画像の作成)
AI活用によるクリエイティブ制作の自動化ツールが多く発表されたことで、今後も広告プラットフォームに大きな影響を与えると考えられます。
Google、レスポンシブ検索広告の分析情報(ベータ版)の提供が開始
5月には、Googleの管理画面上でレスポンシブ検索広告の分析情報(ベータ版)が表示されるようになりました。
この分析情報では、広告が表示される際に影響を与える上位の検索カテゴリ(レスポンシブ検索広告へのトラフィック増加に寄与する検索キーワードグループ)と、その変動を月単位で確認可能です。確認可能な集計指標は、以下7つです。
・クリック数
・クリック率(CTR)
・コンバージョン数
・コンバージョン率(CVR)
・コンバージョン値
・インプレッション数(IMP)
・検索ボリューム(全ての対象国)
【2023年4月】Google広告のアップデート情報
2023年4月のGoogle広告におけるアップデート情報は、以下2つです。
・GA4で利用できるアトリビューションモデルを「データドリブン」「ラストクリック」のみに変更
・サードパーティCookieを使用しないインタレストベース広告のテキスト結果を発表
1つずつ詳しく解説していきます。
GA4で利用できるアトリビューションモデルを「データドリブン」「ラストクリック」のみに変更
Googleは4月、GA4で利用できるアトリビューションモデルを「データドリブン」と「ラストクリック」のみに変更すると発表しました。
アトリビューションモデルとは、さまざまなマーケティングチャネルや広告媒体がどのようにユーザーの行動・購買意欲に影響を与えるかを理解し、その影響を評価するモデルのことです。
以前は計6つのアトリビューションモデルが利用できましたが、ルールベースのアトリビューションモデルの利用率が3%未満と低いことから「ファーストクリック」「線型」「減衰」「接点ベース」の4つは廃止されています。
上記4つのモデルを利用していた場合でも、9月以降は自動的にデータドリブンアトリビューションモデルへ切り替わり、広告データの集計などに影響が出た方も多いでしょう。
サードパーティCookie を使用しないインタレストベース広告のテスト結果を発表
4月には、Google広告とディスプレイ&ビデオ360において、サードパーティCookieを使用しないインタレストベース広告のテスト結果が発表されました。
Googleは2024年末にサードパーティCookieの廃止を発表しており、このテストではインタレストベース広告の有効性を示しています。テスト結果は以下の通りです。
広告コスト | 2~7%減少 |
広告パフォーマンス | 1~3%低下 |
クリックスルー率 | 現状の90%以内を維持 |
【2023年3月】Google広告のアップデート情報
2023年3月に実施されたGoogle広告のアップデート情報は、以下4つです。
・ファインド広告に新機能が追加
・「広告の透明性について」の提供が開始
・ホテル広告主向けに旅行目標のP-MAXが導入
・YouTubeでオーバーレイ広告が廃止
1つずつ詳しく見ていきましょう。
ファインド広告に新機能が追加
Googleは3月、ファインド広告の活用の幅が広がる複数の新機能を追加しました。これによりGoogleの広告ネットワークにおいて、さらに成果につながりやすい広告配信が可能となります。追加された機能は、以下3つです。
・商品フィードの利用範囲拡大
・商品単位のレポートとデータドリブン アトリビューション(DDA)の追加
・充実したレポートとコンバージョン測定による成果向上
なお、既存のキャンペーンではアップデートされた機能が適用されません。商品フィードを活用する場合は、新たなファインドキャンペーンを作成する必要があるので注意しましょう。
「広告の透明性について」の提供が開始
3月には「広告の透明性について」の提供が開始されたことで、ユーザーが掲載されている広告の広告情報や広告主の情報などを確認できるようになりました。
これにより、ユーザーはその広告が信頼できるものであるかを判断でき、信頼性の薄い広告や不要な広告はブロックできるようになっています。具体的に、ユーザーは以下の広告情報を確認できます。
・広告主が過去に掲載した広告
・特定の地域で表示された広告
・広告が最後に掲載された日や広告フォーマット
参照:広告の透明性について
ホテル広告主向けに旅行目標のP-MAXが導入
Googleは3月、ホテルの予約促進を目的としたホテル事業者向けのキャンペーン「旅行目標のP-MAXキャンペーン」を導入しました。
GoogleのAIを活用したこのキャンペーンを利用することで、ホテル事業者は宿泊施設を探しているユーザーに対し、効果的に広告を配信できます。
キャンペーンの設定時に、地図上から宣伝対象のホテル施設を選択するだけで「広告見出し」「説明文」「画像」「URL」などの要素を含む広告が、さまざまなフォーマットで自動的に表示されます。
YouTubeでオーバーレイ広告が廃止
Googleは2023年4月6日以降、YouTubeにおいて動画の下部にバナー形式で表示される「オーバーレイ広告」の廃止を発表しました。オーバーレイ広告は、動画下部を覆い隠すように表示される広告のことです。
場合によっては動画内の字幕が見えなくなってしまうこともあり、こういった広告はユーザーの視聴体験を損なう他、混乱を招く一因にもなっていました。
Googleはオーバーレイ広告の廃止により、ユーザーにとっての利便性を高めると同時に、PCやスマートフォンでのより高いパフォーマンスを発揮できる広告フォーマットへの移行を検討しています。
まとめ
本記事では、2023年3月から8月に行われたGoogle広告のアップデート情報をご紹介しました。Googleは定期的にアルゴリズムや広告プラットフォームの仕組みをアップデートしており、これらの変更を把握することは、最適な広告戦略を確立するために不可欠です。
Google広告のアップデート情報は、公式ブログやヘルプセンターだけでなく、Google広告のパートナー企業が運営しているSNSなどでも確認できるので、そちらも参考にしながら、迅速な対策を講じることが大切です。
株式会社HubWorks マーケティング部 2021年よりインターネット広告代理店に入社し、月間数億規模の広告運用を経験。 2022年に株式会社Hub Worksに入社しマーケティング担当者として、ウェブ広告やSEOなどの集客、 記事やホワイトペーパー作成などのコンテンツ制作業務に従事。