【Googleリスティング広告】ドメイン変更に伴うURL変更方法とは?
Webサイトや広告のURLには「○○○.com」や「○○○.co.jp」といったドメインが使用されています。企業のWebサイトや広告では社名やブランド名をドメインに使用することが多く、企業名やブランド名が変わった場合はドメインも変える必要があります。
それに伴って当然URLも変更となりますが、この変更は正しい手順で行わなければ多くの不利益を招きかねません。そこでこの記事では、ドメイン変更に伴うURL変更の正しい手順や注意点について解説します。
ドメイン変更とは何か?
ドメインとは、Webサイトの「住所」のようなもので、インターネット上でのネットワークを識別するための文字列で構成されています。例えば、URLやメールアドレスの一部である「○○○.com」や「○○○.co.jp」などがドメインです。
このドメインを変更することを「ドメイン変更」といいます。企業のWebサイトでは、社名やブランド名をドメインとして使用することが一般的です。そのため、社名やブランド名が変更となった場合はドメインを変更する必要があります。
また、Webサイトの方向性を転換する際などにもドメイン変更が行われることが多くあります。
ドメイン変更の6つのステップ
ドメイン変更は適切な手順で実施しなければ、変更前のWebサイトのSEO評価を新しいWebサイトに受け継げなくなってしまうため注意が必要です。ここでは正しいステップについて解説するので、ぜひ参考にしてください。
ステップ1:旧ドメインのWebサイトのURLをリスト化する
現在のWebサイトに存在する全てのURLを把握するために、まずは旧ドメインのWebサイトのURLを一覧にまとめます。
このリストは、旧ドメインのWebサイトから新ドメインのWebサイトへ正しくリダイレクト(自動的に別のURLに転送する仕組み)の設定ができているか確認する上でも重要です。
WordPressなどのCMSを利用しているWebサイトの場合は、URLを一括で取得する便利な機能が提供されていることがあります。この機能を利用すれば、URLを手動で収集する手間を削減可能です。
また、サイトマップや「Google Search Console」を活用して、特に重要なURLを簡単に把握する方法もあります。
ステップ2:新ドメインのWebサイトを用意する
次に、新しいドメインのWebサイトを整備するステップに入ります。具体的には以下の準備が必要です。
・新しいドメインのホスティング環境をセットアップする
・Webサイトのデザインを構築する
・コンテンツを旧Webサイトから移行する
さらに、ドメインの変更に伴い、ランディングページや商品ページのURLが変更される点にも注意が必要です。特に広告運用を代理店に外注している場合は事前に連携して、ドメイン変更に伴う広告のURL更新にもしっかりと対応しましょう。
ステップ3:リダイレクト先のページを決める
旧ドメインから新ドメインへのスムーズな移行には、リダイレクト設定が欠かせません。旧ドメインと新ドメインの各ページに対して新旧のURLを整理した一覧表の作成がおすすめです。
また、リダイレクトは1ページに対して1ページを設定する必要があります。そのため、URL対照表によって抜け漏れがないか確認することが重要です。
具体的には下記のような対照表を作成するとよいでしょう。
ページ名 | 古いURL | 新しいURL |
トップページ | https://hubworks.com | https://hubworks01.jp |
サービス紹介ページ | https://hubworks.com/service/ | https://hubworks01.jp/service/ |
問い合わせページ | https://hubworks.com/contact | https://hubworks01.jp/contact |
ステップ4:リダイレクトを設定する
ドメイン変更に伴うリダイレクトは「301リダイレクト」という設定を行います。「301リダイレクト」とは恒久的な転送を行う際に設定するものです。リダイレクトの設定は、利用しているWebサーバーや利用環境に応じて最適な設定方法を選択することが重要です。
例えば、WebサーバーにApacheを使用している場合は、Webサーバーに送信する「.htaccess」というファイルを編集する方法で設定します。一方、WordPressを利用している場合は、プラグインを導入してリダイレクト設定を行うことが可能です。
これにより、旧ドメインのURLがクリックされた場合でも、自動的に新ドメインのURLに転送されます。
ステップ5:「Google Search Console」上でサイトアドレスの変更を行う
リダイレクト設定後、「Google Search Console」上でWebサイトのアドレス変更を行います。旧ドメインで運営していた際のWebサイトのデータを残しておけるためです。
設定方法は、まず「Google Search Console」にアクセスし、設定画面から「アドレス変更」を選択します。「アドレス変更」画面の指示に従って入力を進めれば設定完了です。これにより、Webサイトのドメイン変更をGoogleに正しく認知してもらえます。
また、この機会に新しいドメインの所有権も確認しておくとよいでしょう。所有権が確立されていれば、検索エンジンに信頼性のあるWebサイトとして認識してもらえるためです。
ステップ6:サイトマップを送信し新ドメインへのリダイレクトを認識させやすくする
サイトマップとは、Webサイトの全体的な構成を地図のように一覧で記載しているページのことです。このサイトマップを「Google Search Console」に送信することで、新ドメインへのリダイレクトを認識してもらいやすくなります。
ドメイン変更時、旧サイトになかったページを新しく追加するケースもありますが、この場合は全てのページを含むサイトマップを送信する必要があります。そうしないと、検索エンジンが新しいページを検出しにくくなってしまうからです。
そのため、新ドメインのURLを含むサイトマップと旧ドメインのURLを含むサイトマップのどちらも送信する必要があります。
ドメイン変更に伴うURL変更とは?設定方法も解説
URLとは、Webサイトなどの情報がインターネット上のどこにあるかを指す文字列です。ドメインが「住所」を示し、URLがより詳細な場所を特定する役割を果たしています。
例えば「https://hubworks.com/service」の場合、「hubworks.com」がドメイン、この文字列全体が「URL」であり、ドメインが変われば当然URLも変更となります。ここでは、ドメイン変更に伴うURL変更の設定方法について解説します。
タグを適切に設置する
Webサイトをリニューアルする際、ドメイン変更の有無に関係なく忘れてはならない設定があります。それは、タグの適切な設置です。
具体的には、旧サイトで使用していたタグを新しいサイトでも必ず設置する必要があります。この設定が漏れてしまうと、リマーケティングの適切な配信や成果測定が難しくなってしまうからです。
また、タグには「リマーケティングタグ」「コンバージョンタグ」など複数の種類があるため、どの設定も見落とすことのないよう注意しましょう。
リマーケティングリストを設定する
リマーケティングリストをURL指定で収集している場合、新しいドメインへの移行に備えてリストに変更を加えることが必要です。
この設定ができていないと、リニューアル後のWebサイトに訪れたユーザーの情報を収集できずリマーケティングリスト内のユーザー数が減少します。結果的に、リマーケティング広告の配信ができなくなる恐れが生じてしまいます。
新しくリマーケティングリストを作成する方法もありますが、現在のリストに新しいドメインを追加するほうが効果的です。
なぜなら、リスト内のユーザー数が増えることを待つ必要がなく、旧ドメインのWebサイトに訪れたユーザーに対して、新ドメインへの移行後も広告配信できるからです。
広告文に設定しているURLも変更する
Webサイトのドメイン変更に伴ってURLが変更される場合、広告文などに設定しているURLも変更が必要です。変更方法としては、現行の広告文のURLのみを変更する方法と新たに広告グループを作成する方法の2つあります。
広告グループの数を増やしたくない、または入稿し直す手間を省きたいのであれば、現行のURLをそのまま変更する方法がおすすめです。
一方、ドメイン変更とWebサイトのリニューアルを機にサイト全体の構成や広告文も新しくしたい場合や、新旧のWebサイトを明確に区別して管理したい場合は、新たに広告グループを作成して入稿する方法が適しています。
ドメイン変更時の6つの注意点
これまで解説してきた通り、Webサイトのドメイン変更は、検索エンジンからの評価や認知を左右する行為なので慎重に行わなければいけません。ここでは、ドメイン変更時に気をつけるべき6つのことについて解説します。
旧ドメインのURLを使った広告を停止する
Webサイトのリニューアルに伴ってドメインを変更する際、旧ドメインのURLを使った広告は停止する必要があります。
なぜなら、旧ドメインを解約した後、そのドメインを誰がどのように利用するかは予測できず、もし悪用された場合、そのドメインを使用した広告URLをクリックしたユーザーが危険なサイトにアクセスしてしまう恐れがあるからです。
通常、ドメイン変更時には全ての広告を再作成するため特に心配は要りません。しかし、ユーザーに迷惑をかけてしまわないよう、旧ドメインのURLを使用した広告やサイトリンク、クイックリンクの残存には注意しましょう。
現行の計測タグがきちんと移行されたか確認する
計測タグとは、Webサイトや広告の成果を追跡し分析するためのコードを指し、コンバージョン計測タグやリマーケティングタグなどがあります。
これらの計測タグが新ドメインのWebサイトに適切に移行されていない場合、サイト訪問者やコンバージョンに関するデータが収集できなかったり、リターゲティング広告を適切に配信できなかったりといった不利益が生じます。
計測タグの移行は「Googleタグマネージャー」を活用することで、現行のタグの整理から新サイトへの移行までスムーズに行うことが可能です。
タグが動作しているか確認する
計測タグの移行が完了したら、移行後のタグが正しく動作するか確認しましょう。
特に「Googleタグマネージャー」を使用する際は、まずプレビューモードでタグの設定が正しいことを確認した後、実際のWebサイトでもテストを行うといったダブルチェックをおすすめします。
また、計測タグの移行をWebサイト制作会社などに外注した場合でも、少なくともコンバージョン計測タグとリターゲティングタグについては、正常に動作しているかを自分で確かめるべきです。それほど、計測タグの動作確認は重要といえます。
新サイトで表示崩れなどが生じていないか確認する
ドメイン変更後の新しいWebサイトで時折問題として現れるのが「サイトの表示崩れ」です。サイトの表示に問題があると、情報が正しく伝わらず、サイトの信頼性が損なわれる可能性があります。その結果、コンバージョン率にも影響を及ぼしかねません。
表示崩れがないか確認する際は、パソコンとスマートフォンの両方からURLにアクセスしチェックしましょう。さらに、WindowsとMac、iPhoneとAndroidなど機種ごとの表示を確認できたら尚よいです。
この確認作業は時間と手間がかかりますが、Webサイトや広告の成果に大きな影響を及ぼす要素であるためしっかり対処しましょう。
新サイトの表示スピードに問題はないか確認する
最後に、新しいWebサイトの表示スピードに問題がないか確認しましょう。表示スピードはコンバージョン率に大きな影響を与えるといわれています。
自身のパソコンやスマートフォンから新しいWebサイトにアクセスし、ページの表示速度を随時確認していくことになりますが、すでにそのWebサイトのキャッシュが残っている場合は速く表示される傾向があります。
そのため、必ずキャッシュクリアをしてからチェックしましょう。また、広告で使用しているURLに関しては「PageSpeed Insights」を使用して確認することも可能です。
まとめ
本記事では、Webサイトのリニューアルに伴い、ドメインを変更する際の正しい手順と、それに伴うサイトや広告のURL変更方法について解説しました。
ドメインやURLの変更はSEOや広告配信に影響を及ぼします。社名やブランド名、またはWebサイトの方向性の転換などでドメイン変更を伴うサイトリニューアルが必要となった際は、ぜひこの記事を参考に取り組んでみてください。
株式会社HubWorks マーケティング部 2021年よりインターネット広告代理店に入社し、月間数億規模の広告運用を経験。 2022年に株式会社Hub Worksに入社しマーケティング担当者として、ウェブ広告やSEOなどの集客、 記事やホワイトペーパー作成などのコンテンツ制作業務に従事。