【ケース別】オウンドメディアの具体的な改善施策|成果につながらない原因も紹介
オウンドメディアは集客やブランディング、売上の向上、リクルーティングなど、さまざまな分野で効果を発揮してくれる、自社運営のメディアです。
目的に合わせてユーザーにとって有益な情報を発信することで、さまざまな効果を生み出し、さらにコンテンツは徐々に資産化していくため効果も徐々に右肩上がりになっていきます。
しかし、オウンドメディアを運営する企業の中には「なかなか成果が表れない」と悩んでいるケースもあるでしょう。
成果につなげていくためには、原因を追及して具体的な改善施策を講じていかなくてはなりません。
そこで今回は、オウンドメディアを運営しているのに成果につながらない原因やケース別の改善施策についてご紹介します。
どのような改善施策を講じればよいのか迷っている方も、ぜひ参考にしてみてください。
オウンドメディアの改善は必要不可欠
オウンドメディアはコンテンツマーケティングの一環として、大手企業はもちろん中小企業でも取り組まれるようになった施策です。
長期的な運用が必要となるものの、見込み顧客の獲得やブランディングなどの目的を達成できます。
しかし、長期にわたって運用していく中で、成果が表れないケースもあります。もし成果が表れないままオウンドメディアを放置してしまうと、大きな機会ロスにつながる可能性が高いです。
Googleなどの検索エンジンでは定期的にアルゴリズムをアップデートしているため、成果を伸ばすためにはそのときに適したSEO対策などを講じていく必要があります。
そのため、オウンドメディアは成果が出ても出なくても、定期的にメンテナンスや改善が必要になってくるのです。
改善施策|アクセス数が伸び悩んでいる場合
オウンドメディアを運用している中で、アクセス数が伸び悩んでいる場合は、以下の改善施策を実践してみてください。
・SEO対策によって検索順位の上位化を目指す
・検索結果上での、タイトルのクリック率向上を目指す
・対策するキーワードの種類を増やす
・SNSを活用する
・広告やプレスリリースを活用する
それぞれ解説します。
SEO対策によって検索順位の上位化を目指す
アクセス数が伸び悩んでいる場合、まずはSEO対策で検索順位を上げることを目指しましょう。
SEO対策にはさまざまな手法がありますが、特にコンテンツの質を改善することが検索順位に大きな影響を与えます。
例えば、ユーザーの検索意図に合ったキーワードを選定し、コンテンツを作成していないと、検索順位は下がってしまう可能性があるでしょう。
そのため、既存の記事もリライトすることで、ニーズに答えられる記事になるだけでなく、最新情報に基づいたコンテンツを提供でき、SEO効果が期待できます。
SEO対策で最も重要なのは「ユーザーファースト」の視点です。オウンドメディアでSEO対策を行う際は、常にユーザーのニーズを考慮した記事作成を心がけましょう。
検索結果上での、タイトルのクリック率向上を目指す
アクセス数を伸ばすためには、単に検索順位の上位化を目指すだけでなく、タイトルのクリック率向上も目指す必要があります。
タイトルのクリック率向上を目指すなら、以下の改善施策に取り組んでみてください。
ユーザーにとって魅力のあるタイトルを作成する
検索結果には、主に記事のタイトルとディスクリプションが表示されます。
ユーザーはタイトルを見て、クリックするかどうかを判断するため、魅力的でクリックしたくなるようなタイトルを作成することが重要です。
SEO対策として、タイトルの前半に重要なキーワードを盛り込むことは必要ですが、それに加えてユーザーの興味を引く表現を工夫しましょう。
ただし、タイトルと記事の内容が一致していなかったり、過度に煽るようなタイトルを付けたりすると、ユーザーの信頼を失う可能性があるため注意が必要です。
記事の内容が端的に伝わるディスクリプションを作成する
検索結果画面のタイトルの下には、記事の内容を簡潔に説明するディスクリプションが表示されます。
通常、本文の一部が自動的に抜粋されますが、ディスクリプションを個別に設定することで、ユーザーが求める情報をわかりやすく検索画面で伝えることができます。
ディスクリプション自体はSEO効果に直接影響しないとされていますが、SEOキーワードを含めることで、検索結果でそのキーワードが太字で表示され、クリック率が向上する可能性があります。
そのため、記事の内容を的確かつ効果的に伝えるために、ディスクリプションは記事ごとに作成することがおすすめです。
対策するキーワードの種類を増やす
SEO対策を強化するためには、関連性の高いキーワードを適切に選定し、効果的に記事に含めることが重要です。
検索ニーズが似ているキーワードに関しては、1つの記事で対策を行い、異なる検索意図を持つキーワードに関しては、別途記事を作成して対策を行うことで、それぞれのニーズにマッチしたコンテンツ作成が可能となります。
これにより、ユーザーのニーズにより応えられるメディアとなり、結果的に訪問者の満足度を高めることができるでしょう。
また、検索エンジンからの評価も向上し、検索順位の上昇が期待できます。
SNSを活用する
オウンドメディアへの流入を増やすためには、検索エンジンに加えて、多くのユーザーにリーチできるSNSの活用がおすすめです。
SNSは情報が拡散しやすく、より多くのユーザーにコンテンツを届けることができます。
また、SNSはユーザーと直接コミュニケーションを取れる場でもあるため、自社のファンを増やすのにも効果的です。
運用するSNSを選定し、より多くのユーザーに見てもらえる時間帯を狙って投稿することが、アクセス数の向上につながります。
例えば、Facebookでは「インサイト機能」を使って最適な投稿時間を分析できます。また、Xでは「アナリティクス」で表示回数を確認し、効果的な投稿時間を探ることができます。
これらのツールを活用して、より多くのユーザーにコンテンツを届けましょう。
広告やプレスリリースを活用する
前述したSEO対策は、アクセス数の向上が期待できる施策です。ただし、検索順位が上がるまでには時間がかかるというデメリットがあります。
この点を補うために、短期間で露出を増やせる広告やプレスリリースの活用も検討しましょう。
広告にはさまざまな種類がありますが、特にリスティング広告は、運用開始直後のオウンドメディアでもすぐに検索結果の広告枠に表示されるため、即効性が期待できます。
さらに、ユーザーが広告をクリックしない限り費用が発生しないため、競合が少ないキーワードを選んでリスティング広告を出稿すれば、低コストで効果的に集客が可能です。
一方、プレスリリースは、報道機関向けに新商品やキャンペーン情報を発表する手段です。活用することで報道機関に取り上げられやすくなり、情報が広く拡散される効果が期待できます。
【滞在時間が短く、直帰率が高い】場合の改善施策
アクセス数が増えている一方で、ユーザーがすぐにサイトを離れてしまっていることがあります。滞在時間が短く直帰率が高い場合、次の3つの施策に取り組むことが重要です。
・ユーザー目線のコンテンツであるかを見直す
・オリジナル性の高いコンテンツであるかを見直す
・読みやすくなるような工夫を凝らす
この対策を行うことで、ユーザーがサイトに長く滞在し、再訪率も向上するでしょう。
ユーザー目線のコンテンツであるかを見直す
まずは、コンテンツがユーザー目線に立っているかどうかを確認することが大切です。
ユーザーは、検索したキーワードに関連する情報を求め、検索結果から有益だと思われるサイトを選びます。
たとえタイトルでクリックを誘えたとしても、コンテンツがユーザーの期待に応えていなければ、「知りたい情報とは違う」と感じて、すぐに離脱してしまうでしょう。
このような状況を避けるためには、コンテンツがユーザーのニーズを正確に反映していることが重要です。
検索キーワードに基づき、ユーザーが求める情報を適切に盛り込んだ記事を作成しましょう。そのためにも、記事作成前に検索ユーザーのニーズをしっかりと調査することが欠かせません。
オリジナル性の高いコンテンツであるかを見直す
オウンドメディアの成功には、コンテンツのオリジナル性も重要です。
オリジナル性が高いコンテンツは、ユーザーの興味を引きやすく、ページに長く滞在してもらいやすいため、滞在時間の改善につながります。
例えば、独自に収集したデータや、社長や担当者へのインタビューを活用することで、オリジナル性を高めることができます。
さらに、オリジナルなコンテンツは検索エンジンから高評価を受けやすく、SEO対策としても効果的です。
ただし、滞在時間を増やすためには、コンテンツがキーワードや検索ユーザーのニーズに適していることも重要です。
ユーザーのニーズに応えられないコンテンツは直帰率が高くなる可能性もあるため、注意しましょう。
読みやすくなるような工夫を凝らす
滞在時間を延ばすためには、サイトを見やすく、記事を読みやすくする工夫が必要です。
まず、フォントは誰にでも読みやすいものを選びましょう。雰囲気を優先しすぎて読みにくいフォントを使うと、読者が記事を離れてしまい、滞在時間が短くなってしまいます。
加えて、フォントの種類だけでなく、文字サイズや行間にも配慮することが重要です。
また、ページの読み込み速度も読者の離脱に影響します。画像のサイズを圧縮したり、キャッシュを有効にしたりして、表示速度を向上させましょう。
さらに、広告が邪魔になっていないか、動画や音声が突然再生されていないか、スマホやタブレットからでも読みやすいかも確認し、快適に読める工夫を取り入れてみてください。
【CV数(お問い合わせ数)が伸び悩んでいる】場合の改善施策
CV数が思うように伸びない場合、まずは先に述べたクリック率の改善を目指すことが重要です。
しかし、クリック率の向上に成功しても、CV数の増加が思わしくないこともあるかもしれません。そんなときは、以下の改善策を試してみてください。
・そもそものターゲット設定を見直す
・CVまでの動線を見直す
・CTAを改善する
・お問い合わせフォームを簡素にする
それぞれ解説します。
そもそものターゲット設定を見直す
CV数が伸び悩んでいる場合、商品やサービスのターゲット層と、実際に記事を読んでいる層が異なっている可能性があります。
オウンドメディアを運用する際は、事前にターゲットを明確に設定することが重要ですが、もし曖昧なまま運用を開始してしまった場合は、早急に具体的なターゲット像を見直しましょう。
ターゲット像が明確になるほど、ターゲットのニーズに合わせた訴求がしやすくなり、CV数の改善が期待できます。
性別や年代だけでなく、STP分析や3C分析などのフレームワークを使って、詳細な人物像を設定することが重要です。
また、運用開始前にターゲット像を設定していたにもかかわらずCV数が伸び悩んでいる場合は、記事の内容がターゲットのニーズと合っていない可能性があります。
この場合、記事をリライトしてターゲットのニーズに合わせるか、ターゲット設定自体を再検討することをおすすめします。
CVまでの動線を見直す
オウンドメディアの記事内で、CV(コンバージョン)までの動線を見直すことも、CV数の改善につながる可能性があります。
特にCTAボタンを設置している場合、ユーザーが自然な流れでボタンをクリックできるかどうかを意識することが重要です。
自然な動線とは、ユーザーの疑問や不安を解消し、自社の商品やサービスに対して魅力を感じてもらったタイミングでCTAボタンを提示することです。
こうした流れを意識し、CVまでの動線をあらためて確認しましょう。
CTAを改善する
CTAは、設置場所やデザイン、テキストを工夫することで、コンバージョン数の向上が期待できます。
例えば、同じテキストのCTAボタンでも、フォントサイズを大きくしたり、目立つ色を使用したりするだけで、印象が大きく変わります。
本文と同じようなサイズやデザインのままだと、ユーザーの視線に入りにくくなるため、目立たせる工夫が必要です。
さらに、近年ではスマホやタブレットから記事を読むユーザーが増えているため、モバイル表示でもCTAボタンが適切に配置されているかを確認することが、コンバージョン数の改善につながるでしょう。
お問い合わせフォームを簡素にする
CTAボタンをクリックすると、お問い合わせフォームに遷移するのが一般的です。このフォームの改善も、CV数の増加に貢献します。
お問い合わせをするユーザーは、課題や問題を「早く解決したい」と考えています。そのため、入力項目が多いと手間に感じて離脱する可能性が高まります。
オウンドメディアのコンテンツに興味を持ち、CTAボタンをクリックしてくれたユーザーを、入力の煩雑さや使い勝手の悪さで失わないよう、フォームの項目は最小限に絞りましょう。
加えて、各項目に入力すべき内容の説明文や入力例を表示することで、ユーザーが迷わず入力できるようにし、利便性を高めることが重要です。
【検索順位が下がってしまった】場合の改善施策
一度上位表示されていた検索順位が、気づかないうちに下がってしまうことがあります。そのような場合には、以下の改善策を試してみてください。
・コンテンツをリライトする
・内部リンクを最適化する
・被リンクの質をチェックする
・サイト内に技術的な問題がないか確認する
それぞれ解説します。
コンテンツをリライトする
オウンドメディア全体で質の高いコンテンツを提供していても、いくつかの低品質なコンテンツがあると検索順位が下がる可能性があります。
特に古い情報が放置されたり、誤った情報が掲載されていたりすると、検索エンジンの評価に悪影響を与えてしまうかもしれません。
そのため、コンテンツを定期的に見直し、リライトを行って質を維持することが重要です。
リライトの際は、ユーザーの検索意図を再度分析し、サジェストキーワードや関連キーワードを適切に盛り込みながら、最新の情報に更新します。
また、更新日を表示することで、ユーザーが情報の新しさをすぐに確認でき、満足度の向上にもつながります。
内部リンクを最適化する
オウンドメディア内に関連するコンテンツがある場合、内部リンクを貼って最適化することが重要です。
内部リンクを設置することで、検索エンジンがサイト内をクロールしやすくなり、サイト全体の評価が向上する可能性があります。
また、リンクを通じて他のページに誘導することで、ユーザーの滞在時間が長くなる効果も期待できます。
ただし、1つの記事に内部リンクを過剰に配置すると、記事の流れが途切れ、読みづらさを感じさせる恐れがあります。
自然な形で別のページに遷移してもらうためにも、リンクの数や配置には注意が必要です。
被リンクの質をチェックする
SEO対策の外部施策として重要な「被リンク」とは、他のWebサイトから自社のオウンドメディアにリンクが貼られることを指します。
被リンクを獲得することで、流入数の増加だけでなく、信頼性の向上も期待できます。そのため、SEOにおいて被リンクは非常に重要な要素です。
しかし、被リンクの数は重要ではありますが、同じくらい質も重要です。
例えば、検索エンジンに高く評価されているWebサイトから被リンクを得ることで、訪れたユーザーの滞在時間が長くなり、直帰率の改善につながる可能性があります。
結果として、ユーザーエクスペリエンスが向上し、検索エンジンからもポジティブに評価されることが期待できるでしょう。
一方、質の低いサイトからの被リンクは、逆に順位を下げるリスクがあります。そのため、被リンクの質を定期的に確認することが大切です。
サイト内に技術的な問題がないか確認する
コンテンツやSEO対策に加えて、Webサイト全体に技術的な問題がないかを確認することも重要です。
例えば、サイトの読み込みが遅かったり、スマートフォンやタブレットでの表示に対応していなかったりすると、検索順位が下がる可能性があります。
リライトやSEO対策を行っても順位が改善されない場合は、サイト内の技術的な問題を解決することを優先しましょう。
【コンテンツの質にばらつきがある】場合の改善施策
コンテンツの質にばらつきがあると、ユーザーに不安を与え、信頼を損ねる原因となることがあります。
そのため、安定して質の高いコンテンツを提供することが重要です。以下のポイントを意識して、改善策を実践してみましょう。
レギュレーションを明確にする
自社でコンテンツを制作する際、複数のライターにテーマやキーワードを渡すだけでは、それぞれのライターの書き方やスキルに違いが出てしまい、コンテンツの品質にばらつきが生じます。
そのため、コンテンツ制作時には、レギュレーション(ルール)を明確にすることが重要です。
レギュレーションとは、コンテンツ制作におけるルールのことです。例えば、以下のような内容を含みます。
・メディアの目的
・ターゲット層
・タイトルや見出し、本文の文字数
・引用しても良い情報
・表記ルール
・NGワード
・カラーの指定
・画像掲載ルール
・執筆後のチェック項目 など
これらのガイドラインを策定し、全ライターに周知することで、一定の品質を保つコンテンツを制作できます。
採用するライターの基準を設ける
社内ライターによるコンテンツの品質にばらつきがある場合、採用するライターの基準を設けて、その基準を超えたライターを起用することも検討してみてください。
ライターとして経験の浅い人と、長年実績を積んできたライターでは品質にも違いが出るため、ライターの実力をしっかり見極めることが重要です。
採用前には、これまでに作成したコンテンツを確認し、語彙力や文法の正確さだけでなく、クライアントのニーズを理解し、それを反映したコンテンツ作成ができているかを判断してください。
また、採用前にテストライティングを依頼し、ライターのスキルや実力を見極めることも効果的です。
これにより、どのような記事を書けるのかを事前に確認し、自社に合ったライターを選ぶことができます。
校閲・校正のプロセスを強化する
記事作成の際、誤字や脱字、用語の統一を確認する「校正」は、正しい表記で記事が仕上がっているかをチェックする重要な工程です。
また、言葉や漢字が適切に使われているかの確認も含まれます。
一方、「校閲」は、記事の内容が正しいかどうかを確認する作業です。説明に使われている根拠が正確か、引用元が信頼できるか、名称に間違いがないかなどをチェックします。
校正と校閲のプロセスを強化することで、記事の品質を均一に保つことができるでしょう。専門知識を持った人に依頼することも、精度を高めるための有効な手段です。
【コンテンツの更新が滞っている】場合の改善施策
オウンドメディアを運営する際は、定期的にコンテンツを更新することが重要です。
しかし、時間が経つにつれて、更新が滞ってしまう企業も少なくありません。古い情報が放置されていると、ユーザーからの信頼を失い、ファンが離れてしまう可能性があります。
そこで、以下のポイントを参考に、コンテンツを定期的に更新できるよう対策を講じましょう。
コンテンツカレンダーを作成する
コンテンツ制作では、期日を決めずに進めると、作成に時間がかかりすぎたり、更新頻度が下がったりすることがあります。
そのため、期日を設定し、計画に沿って進めることが重要です。そこで、コンテンツカレンダーを活用してみましょう。
コンテンツカレンダーとは、コンテンツ制作のスケジュールを管理するためのカレンダーです。制作期間中に行うべきタスクを記載し、担当者やタイトル、記事の内容、配信経路、公開日などを明確にします。
これをチーム全体で共有することで、スムーズな制作進行が可能になります。定期的な記事更新にも役立つため、ぜひ導入を検討してみてください。
オウンドメディアの運営チームを強化する
オウンドメディアの運営チームの強化も検討してみましょう。企業によっては、オウンドメディアの運営を専任ではなく、他の業務と兼務している担当者に任せていることがあります。
この場合、業務状況によってはオウンドメディアの作業時間が十分に確保できないことがあり、記事の更新が負担となると、他の業務にも支障をきたす可能性があります。
そのため、専任担当者を配置することや、メンバーの増員、作業効率の向上などでマンパワー不足を解消し、運営体制を強化しましょう。
チーム体制が整えば、記事の更新もスムーズに行えるようになります。
外注を検討する
コンテンツの更新が滞っている場合は、外部に依頼するのも効果的な改善策です。
社内でのコンテンツ作成が難しい場合、外注することで定期的な更新を実現できます。外注の主なメリットは次のとおりです。
・納期が保証されている
・人材の採用・育成コストがかからない
・SEO対策も行える
外注には費用がかかりますが、自社で人材を確保する必要がなくなり、育成にかかる手間やコストも省けます。
また、SEOの専門知識を持つ会社に依頼すれば、SEO対策も同時に進められるのも魅力です。
オウンドメディア運用が成果につながらない理由
オウンドメディアが成果を上げられない理由はさまざまです。それぞれの要因について、解説していきます。
オウンドメディア運用の目的が明確になっていない
オウンドメディアの運用で成果が出ない理由の1つに、目的が明確でないことが挙げられます。
目的がはっきりしていないと、コンテンツの方向性が定まらず、配信内容に一貫性が欠け、結果として信頼性が低下する可能性があります。
効果的なオウンドメディアを展開するためには、以下のポイントを押さえて運用していきましょう。
・自社の課題を明確にする
・オウンドメディアの目的を設定する
・ユーザーに伝えたいことや行動してほしいことを具体化させる
・目的に沿った戦略を企てる
目的が明確になれば、一貫性のあるコンテンツ制作が可能となり、ブランディング強化や新規顧客の獲得など、具体的な目標に沿った戦略が立てられます。
戦略的な運用ができていない
戦略なしでの運営は、羅針盤のない船が航海するようなもので、無駄なエネルギーを消費してしまいます。
明確な目標やKPIを設定しなければ、どこが成功しているのか、どこに問題があるのかを判断する基準がなく、分析や改善が難しくなります。
まずは戦略を立てるために、5W1Hを活用して具体的な計画を立てましょう。
・When:目標達成の期日
・Where:配信形式の種類
・Who:ペルソナの設定
・What:発信する内容
・Why:オウンドメディアを立ち上げる目的
・How:目標を達成する手段
漠然と始めるのではなく、具体的に考え、戦略的に運用していくことが大切です。
適切なKPIが設定できていない
KPIとは、重要業績評価指数のことで、目標達成に向けた中間指標を指します。KPIを適切に設定することで、何をすべきかが明確になり、改善策を立てやすくなります。
オウンドメディアでよく設定されるKPIには、次のような指標があります。
・記事数
・PV数(ページを閲覧した回数)
・UU数(閲覧したユーザーの数)
・SS数(ユーザーがサイトを訪れた回数)
・オーガニック流入数(検索結果からサイトに流入してきた回数)
・SNSでのシェア数
・目標ページへの到達数
・CV数(最終的な成果)
・検索順位
KPIは、メディアの成長フェーズに応じて設定することが大切です。
初期段階では、閲覧数を増やすために記事数の増加が重要です。この記事数やPV数、UU数、SNSでのシェア数をKPIとして設定しましょう。
中期段階では、ユーザーの定着やサイト内での回遊を促進するために、PV数、検索順位、SS数などを重点的に管理します。
後期段階では、集客の導線を最適化するために、目標ページへの到達数やCV数をKPIとして設定し、具体的な改善策を実行していきます。
このように、フェーズごとにKPIを設定することで、効果的に目標に向かって進むことができます。
PDCAがうまく回せていない
PDCAサイクルが適切に回せていないと、運用がうまくいかなかった原因を特定できません。成果を出すためには、目標達成に向けてPDCAサイクルを回し、改善を重ねていくことが重要です。
オウンドメディアにおけるPDCAサイクルの具体例は以下のとおりです。
・P(Plan):ターゲットユーザーの興味関心に基づいたコンテンツテーマの選定や、SEOキーワードを活用したコンテンツの方向性を策定。
・D(Do):選定したテーマに基づき、コンテンツの執筆や公開、SNSでのシェアなど具体的なプロモーションを行う。
・C(Check):Google Analyticsやサーチコンソールを活用して、アクセス数や滞在時間、検索順位の変動などのデータを分析。
・A(Action):データに基づいて、必要に応じてタイトルやキーワードの見直し、コンテンツのリライトを行い、次回の施策に反映。
定期的にデータをチェックし、戦略を見直して、より良い結果を目指しましょう。
中長期での運用を見越したチーム編成ができていない
オウンドメディアは、短期間で成果を期待できるものではありません。しかし、多くの企業や運営者は、すぐに結果を求めがちです。
そのため、初期段階で成果が思うように上がらないと、戦略の見直しやリソースの削減を検討してしまい、最終的に大きな成果を得られず失敗するケースも少なくありません。
オウンドメディアの運営には、中長期的な視点が不可欠です。
特に初期段階ではアクセス数が伸び悩むこともありますが、質の高いコンテンツを継続的に提供し、適切なSEO対策を行うことで、徐々に認知度や信頼性が向上し、その結果、コンバージョン率の改善も期待できるようになります。
短期的な視点での運営はリスクを伴うため、中長期的な成果を見据えてチームを編成することが重要です。
社内のリソースがそもそも足りていない
オウンドメディアを効果的に運用するためには、定期的なコンテンツ更新が不可欠です。
しかし、社内のリソースが不足している場合、更新の頻度が不規則になるだけでなく、コンテンツの質が低下したり、十分なSEO対策が行われなかったりして、期待する成果が得られなくなります。
更新が滞ると、ユーザーの訪問を促すことが難しくなり、定期的な更新は検索エンジンでの評価にも影響を与えるため、検索順位にも悪影響が出る可能性があります。
人員が不足している場合、外部ライターやSEOコンサルティング会社の活用、またはマーケティングツールの導入を検討し、業務効率化と人員の確保を目指すことが解決策となります。
オウンドメディア運用の予算が少ない
オウンドメディアを効果的に運用するには、コンテンツ更新以外にも、サイトデザインの策定やマーケティング手法との連携など、多くの施策が必要です。
しかし、十分な予算がないと、成果を上げるまでに時間がかかってしまうことがあります。また、施策ごとにコストがかかるため、予算が少ないと対応できる施策の範囲が限られてしまいます。
・社内リソースを最大限活用する
・低コストのツールを使う
・ユーザー生成コンテンツを活用する
・既存コンテンツをリライトする
・予算を徐々に増やす
これらの方法を取り入れながら、効果的な運用を目指しましょう。予算の確保がすぐに難しい場合でも、成果が出るごとに段階的に予算を増やしていくことで、徐々にメディアの規模を拡大できます。
また、限られた予算の中でもプロに相談し、効率的な運用方法を取り入れることをおすすめします。限られたリソースの中で、いかに効果的に運用できるかを考えて施策を進めていきましょう。
すべて自社内だけで完結しようとしている
オウンドメディア運用が成果につながらない理由の1つに、すべてを自社内で完結しようとすることが挙げられます。
オウンドメディアを成功させるには、目的の明確化や運用体制の構築、データ分析、改善施策、そして集客など、多岐にわたる取り組みが必要です。さらに、これらを支える専門的な知識も欠かせません。
もし、自社に必要な知識やスキルを持つ人材がいない場合、ゼロから学ぶ必要があり、それによって思うような成果が出ないこともあります。
また、人的リソースが不足している状態で無理に運用を進めると、日常業務に支障をきたすリスクもあります。
オウンドメディアの改善が自社内では難しいと感じた場合は、外部の専門家に依頼することを検討してみてください。
専門知識を持つプロに頼むことで、効果的な改善策が提案され、人的リソースが限られていても、通常業務に支障を与えずに運用を進められるため、社内の負担も軽減されるでしょう。
まとめ
今回は、オウンドメディアの改善方法をケースごとに紹介しました。成果が出ないと、どのような施策を行うべきか悩む企業の担当者も多いかと思います。
アクセス数やコンバージョン数の伸び悩み、検索順位の低下、コンテンツの質や更新頻度の問題など、課題によって改善策は異なります。
目標を達成するためには、課題に応じた改善策を実施することが重要です。また、成果が出ない原因を理解し、自社でできる改善策を見つけましょう。
それでも対応が難しい場合は、外注の検討も有効です。専門知識を持つプロに依頼することで、課題に合った改善策を提案してもらい、適切な運用サポートが受けられるでしょう。
株式会社HubWorks マーケティング部 2021年よりインターネット広告代理店に入社し、月間数億規模の広告運用を経験。 2022年に株式会社Hub Worksに入社しマーケティング担当者として、ウェブ広告やSEOなどの集客、 記事やホワイトペーパー作成などのコンテンツ制作業務に従事。