SEO対策におけるパンくずリストとは?リストの種類や効果は?
SEO対策として効果的であるといわれている「パンくずリスト」について正しく理解しているでしょうか。
パンくずリストは、ユーザーの利便性の向上だけでなく、検索エンジンのクローラビリティにも役立ちます。そこで今回は「パンくずリスト」とはなにか詳しく解説していきましょう。
SEO対策でのパンくずリストとは?
「パンくずリスト」とは、Webサイト上の現在地や構造を的確に示すものです。その由来は、Wikipediaによると童話「ヘンゼルとグレーテル」で主人公が道に迷わないように、パンくずを落としながら道を進んだ描写からだといわれています。
ユーザーが「今どのようなカテゴリのページを見ているのか」「どのような経路でページにたどり着いたのか」などを表すWeb上の地図の役割を果たしているのです。
しかし、あまりにも複雑な構造を設定してしまうと、ユーザーがサイト内で迷ってしまうなど利便性低下の原因にもなりかねません。
また、パンくずリストは、ページの内容と構造を検索エンジンに伝達する役割があります。「ページ内にはどのような内容がかかれているのか」「このページはどのような構造なのか」を正確に伝えます。
そのため、パンくずリストはSEO対策として効果的であるといわれており、クローラーがわかりやすく巡回できるよう、ユーザーは正しい設定方法の理解が必要です。
SEO対策で重要となるスマートフォン用とパソコン用のパンくずリストの違い?
今までパンくずリストは、パソコンでサイトを閲覧したときに効果を発揮するといわれてきました。スマートフォンでは表示画面が小さく、パンくずリストを設定するとサイトのデザインが崩れたりユーザーの離脱につながる可能性があるためです。
しかし、スマートフォンを含むモバイルユーザーの増加により、Googleがサイトの評価基準の変更を行いました。また、PC基準ではなくモバイル基準で判断すると公表しました。これを受け、スマートフォンでもパンくずリストの設定が必要と考えられるようになったのです。
パソコン仕様のままではスマートフォンでは非表示に
パンくずリストの設定をする際、スマートフォン表示がされないよう非表示設定になっている場合があります。気づかず非表示設定のままページをあげてしまうと、パンくずリストによるSEO効果が見込めません。
そのため、パンくずリストをモバイル画面でも表示されるよう忘れずに設定しましょう。また、パソコン仕様のままでパンくずリストを設定すると、テキストが長く途中で途切れるなど、うまく表示されないときがあります。
スマホはパソコンに比べて表示される画面が小さいため、モバイル画面でも違和感の出ないよう設定することが重要です。
スマホユーザーに効果的なタップのしやすいパンくずリスト
モバイルファーストインデックスによって、モバイル基準でサイトの評価がされるようになりました。そのため、スマホユーザーにとってタップしやすいパンくずリストを設定することが効果的です。
スマホは画面に表示できる情報量が少ないため、パンくずリストが長くなるとサイトが見にくくなります。見づらいサイトはユーザーの離脱を促すことにもなりかねません。
コンパクトにまとまる横スクロール型のパンくずリストを設定するなど、サイトにあった表示をしましょう。
パンくずリストにはどのような種類があるのか?
パンくずリストには
・「位置型パンくずリスト」
・「属性型パンくずリスト」
・「パス型パンくずリスト」
という3つの種類があります。
カテゴリや現在地を示す位置型パンくずリストや、ユーザーによって表示が変わる属性型パンくずリスト、観覧履歴を示すパス型パンくずリストなど、それぞれの特徴を理解しましょう。サイトにあった設定をすることでSEO対策やユーザビリティにつながります。
使用頻度の高い【位置型パンくずリスト】
「位置型パンくずリスト」は一般的に多くの人が使用しているパンくずリストです。閲覧ページのカテゴリや階層が分かるため、Webサイト上の現在地を示す地図の役割を果たしています。
例えば、「ブログ>SEO対策>パンくずリスト」という風に表示され、誰がどのような手順でページにたどり着いても同じ表示になるのが特徴です。
もっともシンプルで分かりやすい構造になっているため、ユーザーに「ページになにが書かれているのか」をわかりやすく伝えられます。検索エンジンのクローラーにも「どういったカテゴリのコンテンツなのか」をわかりやすく伝えられるでしょう。
ユーザーによって変わる【属性型パンくずリスト】
「属性型パンくずリスト」はユーザーによって表示が変化するパンくずリストです。現在地を示す地図というよりも、ページがどのようなカテゴリに属しているのかを示しています。
同じページを表示していても、辿ってきたルートが違えば表示される形式が異なります。例えば、「○○駅>駅から5分>賃貸A」と「○○市>家賃○円以下>賃貸A」では辿ってきたルートが違うため表示形式は異なりますが、見ているのは同じ賃貸Aのページです。
検索したカテゴリに瞬時に戻れるため、カテゴリ毎にページを見たいユーザーにとっては適している属性型パンくずリスト。しかし、クローラーにとっては構造が複雑化し、正確にページの読み取りができず、SEO効果に影響が出る可能性もあります。
今までの観覧履歴を表す【パス型パンくずリスト】
「パス型パンくずリスト」は今までの閲覧履歴を表すパンくずリストです。履歴型パンくずリストとも言われ、そのページが表示されるまでにどのようなページを閲覧したのかが表示されます。
ユーザーが色々なサイトを閲覧すると、その分表示が長くなるのが特徴です。ユーザーの経路を単純に示すだけのため、Web上の現在地などはわからずユーザーの利便性の向上にはあまりつながりません。
また、ブラウザの「戻る」ボタンや履歴機能と役割が同じです。最近では使用される機会が減っているリストでもあります。
パンくずリストを設置することによるSEO効果は?
パンくずリストを設置することは、SEO効果に有効とされています。その効果とは大きく二つに分かれていて「クローラー対策になる点」と「ユーザーが必要な情報を見つけやすい点」です。
ユーザーとクローラーのどちらにも利便性の向上が期待できるだけでなく、SEO対策として重要な内部対策やクリック率の向上なども期待できます。ユーザーの利便性の向上とSEO対策のどちらにも効果が期待できる設定です。
クローラー対策になる
パンくずリストを設置することで、クローラー対策ができます。クローラーとはインターネット上を巡回して、自動的に検索データベース化するロボットのことです。
ページやコンテンツを検索結果欄に表示させようとする場合は、クローラーによる検索エンジンへの登録が必要になります。検索エンジンに登録されていないと、検索結果にせっかく作成したページが表示されずアクセス数の期待ができません。
そのため、クローラーに作成したページの情報を認識され、検索エンジンに登録されることはSEO対策において重要です。
パンくずリストが設置されていればクローラーが正確に読み取るための手助けができます。パンくずリストが設置されていることで、クローラーがWebサイトの構造を事前に把握できます。
ユーザーが必要な情報を見つけやすい
パンくずリストを設置することで、ユーザーが必要な情報を見つけやすくなります。大きなサイトでは、リンクするページが増え、階層構造が複雑化する傾向です。
しかし、パンくずリストを設置していれば、サイト内で現在地やどのようなルートを辿ってきたのか視覚的に把握できます。自身が今どのようなページにいるのか、カテゴリなのか把握することはユーザーの利便性の向上につながり離脱防止にもつながります。
ユーザーファーストのコンテンツは検索エンジンにも高い評価を得られるでしょう。ユーザーの利便性を考えてサイトを作成することは、SEO効果を改善できます。
SEOの観点から見る注意点とは?
SEO対策としてパンくずリストを設置する際、注意すべき点があります。
それは
・「SEO対策のためのキーワードを含めること」
・「スマホによる閲覧でもパンくずリストが見られるようにすること」
・「どのユーザーから見ても分かりやすい階層構造にすること」
です。
さらにサイト内の全てのページに表示されるように設定することも重要で、これらの点に注意してパンくずリストを設定しましょう。
SEO対策のためのキーワードを含める
1つ目の注意点は、パンくずリストにSEO対策のためのキーワードを含めることです。パンくずリスト内にSEO対策したいキーワードをカテゴリ名に入れることで、カテゴリ内の記事をキーワード検索に表示させられます。
つまり、キーワード対策がパンくずリストで可能になるのです。しかし、カテゴリ名はユーザーにとって意味のあるものにしなければいけません。
キーワードを詰め込みすぎたり、サイトの内容と異なるカテゴリ名をつけたりすると評価の低下につながることもあります。あくまでも、パンくずリストはユーザーファーストで表示させることが重要です。
スマホによる閲覧でもパンくずリストが見られるようにする
2つめの注意点は、スマホによる閲覧でもパンくずリストが見られるようにすることです。モバイルユーザーが増加したことにより、Googleはサイトの評価基準をPC基準ではなくモバイル基準で評価することを発表しました。
そのため、スマートフォンからでもパンくずリストが表示されるよう設定することが重要です。しかし、スマホ画面は小さいためどのように表示されているのか確認しなければいけません。
モバイルユーザーが多い現代では、パソコンやスマホなど様々なデバイスからでも見やすいサイトを作成することが大切です。
どのユーザーから見てもわかりやすい階層構造にする
3つめの注意点は、どのユーザーが見ても分かりやすい階層構造にすることです。階層構造を深くしすぎると、ユーザーが全体像を把握しにくくなる可能性があります。
利便性を向上させるためのパンくずリストが、反対にユーザーの妨げになることは避けなければいけません。
深くて複雑な階層構造は離脱率を上げるだけでなく、アクセス意欲を低下させてしまいます。できるだけシンプルな設定で、誰が見ても分かりやすいパンくずリストを設置しましょう。
SEO対策で効果的なパンくずリストを設定する方法
SEO対策で効果的なパンくずリストを設定する方法は「WordPress」の機能を使用する方法と、HTMLコードを直接入力する方法があります。
HTMLコードで入力する方法は、タグ指定で設定することが可能ですが、コードや手順を覚える必要があり、手間に感じる人もいるでしょう。
そこで、ここではより簡単に使用できる「WordPress」による設定をおすすめします。
WordPressの機能を使用する
パンくずリストを設定する方法としては「WordPress」の機能を使用した方法が最も簡単です。WordPressで提供されている「プラグイン」という機能をインストールしましょう。プラグインは様々な機能が利用できますが、パンくずリストに特化したプラグインに
「Breadcrumb NavXT」があります。インストールすることで、画面上で簡単にパンくずリストの設定が可能です。また、最初からパンくずリストが含まれているテーマもあります。テーマにパンくずリストが含まれている場合、プラグインの導入は不要で簡単に設定できます。
正しく機能するかテストを行う
パンくずリストを設置して完了というわけではありません。正しく機能しているかテストを行う必要があります。しっかりと設置ができているのか、表示画面は見づらくないか確認しましょう。
確認するために使用するサイトは「google search console」です。google search consoleの画面左下に「パンくずリスト」というボタンがあります。
クリックすることでパンくずリストが正しく設定できているか確認できます。 機能していない場合はエラー表示が出るため、原因を確認し改善しましょう。
パンくずリストを効果的に使用してSEO対策を行う
パンくずリストを設定することで、ユーザーの利便性向上だけでなくSEO対策にとっても効果的であることを紹介しました。
対策したいキーワードをカテゴリ名に入れればキーワード対策にもなります。しかし、シンプルでわかりやすく設定することやモバイルユーザーにも見やすい設定をするなど注意も必要です。
パンくずリストを適切に設定できれば、ユーザーが情報を見つけやすくなるだけでなく、クローラーがサイトを正しく認識するための手助けとなります。効果的に使用できれば、有意なSEO対策となるでしょう。