動画作成・動画制作依頼先の選び方|料金相場、依頼のポイントを解説
動画制作のニーズは年々高まっています。しかし、どこに依頼すべきか、適切な予算はいくらなのか、迷う方も多いでしょう。
本記事では、動画制作の依頼方法から料金相場、選び方のポイントまで詳しく解説します。
動画制作の最新トレンド
動画制作における最新トレンドの一つが、3D技術の活用です。背景画像と上手く組み合わせ、まるで自分が別の世界にいるような映像を実現できます。
こういった3D技術はゲーム映像やVRだけではなく、建築業界、工業、観光とさまざまな産業に生かせるのが強みです。また最新技術を駆使しつつ、あえてレトロな映像を作ることもトレンドとなっています。
例えば昭和〜平成時代の映像を再現し、懐かしさを共有するといった方法です。文化や歴史の勉強にも生かせる技術です。
動画制作依頼の2つのパターン
動画制作を外部に依頼する場合、大きく分けて2つの選択肢があります。1つは個人クリエイターへの依頼、もう1つは制作会社への依頼です。
個人クリエイターへの依頼
個人クリエイターへの依頼で一般的なのが、クラウドソーシングサービスの利用です。主なサービスとして、クラウドワークスやランサーズが挙げられます(詳しい特徴については後述)。
これらのサービスでは、制作してほしい動画の条件を掲示すると、複数のクリエイターから見積もりが届きます。条件や予算に合わせて、最適なクリエイターを選ぶことができます。
ほかにもSNSやポートフォリオサイトを活用して、直接クリエイターを探す方法も有効です。
メリット
個人クリエイターへの依頼には大きな利点があります。その一つとして挙げられるのが、価格が安い傾向にある点です。
特に駆け出しのクリエイターであれば、まずは実績を増やしたいと思う人が多くいることから、相場よりも安く請け負ってくれる場合があります。
また、企業とは異なり個人クリエイターは契約に際して、役員や他部署との合議がありません。そのため価格交渉がしやすく、予算に応じて柔軟に調整できます。
直接コミュニケーションを取れるため、細かい要望も伝えやすいです。
デメリット
一方で注意点もあります。撮影と編集を別々のクリエイターに依頼しなければならない可能性があります。
また、クリエイターによって品質にばらつきがあり、動画のクオリティに大きな差が出る場合もあります。さらに、依頼主側にある程度の動画制作の知識やノウハウが必要になります。
個人クリエイターの場合、作業を一人でするのが一般的です。複数人で契約内容を確認する機会はほとんどないため、行き違いのないようなるべく明確に伝えないといけません。
さらに契約するうえでは、著作権についてもしっかりと確認しましょう。著作権がどちらにあるのかを巡り裁判沙汰になる恐れもあるため、自社に譲渡する旨を必ず伝えてください。
制作会社への依頼
制作会社では、企画から撮影、編集まで一貫して対応が可能です。
ただし会社によって、規模や得意分野が異なります(大規模会社、中小規模会社、特定のジャンルに特化した会社など)。依頼主に動画制作のノウハウがなくても安心して依頼できます。
また、多くの会社が価格のわかりやすいプランを用意しているため、予算の見積もりがしやすいという特徴があります。
メリット
制作会社には専門のディレクター、カメラマン、編集者など、動画制作に長けたプロが在籍しています。そのため品質が安定しており、安心して仕事を任せられます。
また、豊富な制作実績から音楽素材や写真素材などのストックを持っていることが多く、効果的な方法で動画制作を行うことができます。
効果音の設定やテロップの作成など、テレビ番組のように品質の高い動画を制作したい企業におすすめです。
デメリット
制作会社への依頼は個人クリエイターと比べて価格が高くなる傾向があります。
また、組織で動画を制作するため小回りが利きにくく、修正依頼への対応に時間がかかる可能性があります。最低予算が設定されていることも多いため、小規模な制作には向かない場合があります。
また制作会社によっても、企画力や提案力が異なります。そのため制作会社の公式サイトなどを参照しつつ、実績やポートフォリオを確認しなければなりません。
契約後は長期的に関わることになるため、担当者との相性も重視しましょう。
動画制作プラットフォーム
ほかにも依頼する際には、動画制作プラットフォームを活用する方法があります。
動画制作プラットフォームとは、作りたい動画のジャンルや内容を提示し、その応募に合ったクリエイターとマッチングできるサービスです。ニーズに合ったクリエイターを早く見つけたい企業におすすめです。
メリット
動画制作プラットフォームは、募集から動画の完成までオンラインで済ませられるのが強みです。基本的に発注した段階でクリエイター側も意図を把握しているので、何度も打ち合わせする必要はありません。
また希望する動画のジャンルに強いクリエイターを見つけてもらえることから、依頼先を探す手間も省けます。
デメリット
動画制作プラットフォームのデメリットは、クリエイターのスキルに差があることです。こちらの要望を把握しているとはいえ、必ずしも高品質な動画を制作してくれるとは限りません。
動画の質を高く保ちたいのであれば、依頼する側からも積極的にコミュニケーションをとる必要があります。作業を任せきりにするのではなく、むしろリードするようない姿勢を心がけましょう。
どちらがおすすめ?動画制作の依頼先を選ぶ基準を簡単解説
動画制作の依頼先を選ぶ際は、予算や目的に応じて最適な選択をすることが大切です。
ここでは、費用、依頼内容、目的という3つの観点から、選び方のポイントを具体的に解説していきます。
費用で選ぶ
個人クリエイターへの依頼は5万円から15万円前後が一般的な相場です。1人で作業を請け負うことが多いため人件費を抑えられ、比較的安価になります。
また、ナレーション追加やテロップ入れなど、特定の作業だけを依頼することも可能です。
動画の種類によっても、費用相場は細かく変わります。
動画の種類 | 費用相場 |
アニメーション動画 | 50万円〜100万円 |
実写動画 | 50万円〜200万円 |
3DCG動画 | 150万円〜300万円 |
企業VP | 20万円〜100万円 |
商品紹介動画 | 10万円〜100万円 |
MV | 10万円〜200万円 |
費用を抑えたいのであれば、動画の尺をできる限り短くすると良いでしょう。動画作成の目的を見直し、工程を省略するのをおすすめします。
見積もり時には、自社で用意できる素材がないかも確認しましょう。
依頼する内容で選ぶ
テロップ、ナレーション、BGMの追加など、部分的な作業であれば個人への依頼がおすすめです。
ある程度動画が完成しており、素材を加えたいだけの場合は低価格である個人クリエイターを検討してもよいでしょう。柔軟な対応が可能で、必要な作業のみを依頼できます。
一方、企画から撮影、編集までのすべての工程を依頼する場合は、制作会社への依頼が適しています。スケジュール管理やコンセプト作りに長けており、一貫した品質管理が可能だからです。
目的に応じて選ぶ
動画制作の目的が企業のブランディングであれば、動画の品質を重視しなければなりません。
広告や採用活動での使用、売上増加を目指すなど、明確なマーケティング目的がある場合は、制作会社への依頼をおすすめします。動画の運用方法まで含めた提案が可能だからです。
逆に、社内での使用や個人的な目的であれば、料金相場の安い個人クリエイターへの依頼が最適です。最低限必要な品質を確保しながら、コストを抑えることができます。
【価格重視】おすすめクラウドソーシングサービス
個人クリエイターへの依頼には、やり取りが簡単なクラウドソーシングサービスの利用がおすすめです。ここでは、特に人気の高い4つのサービスと、その特徴を紹介します。
クラウドワークス
YahooJAPANとも提携している大手のクラウドソーシングサービスです。
クライアントとクリエイターの双方で本人確認が行われているため、安心して利用できます。取引の実績も確認できるので、信頼できるクリエイターを見つけやすいです。
クラウドワークスのメリットは、業務の発注に費用がかからない点です。登録者数も500万人超と国内最大級の規模を誇るため、個性豊かなクリエイターと出会える可能性もあります。
ただし競合も多いため、自社の案内が埋もれやすい点に注意してください。
ランサーズ
国内最大級のクラウドソーシングサービスとして知られています。ユーザー数が非常に多く、様々なスキルを持つクリエイターが在籍しています。
多くの実績を持つクリエイターも多いため、高品質な動画制作を依頼することができます。
ランサーズの場合、「認定ランサー」制度によるクリエイターの実績のチェックも可能です。クリエイターを探すヒマがない場合は、代わりにおすすめの人材を探してくれる機能もあります。
しかしクラウドワークスとは異なり、5.5%の発注手数料がかかる点に注意してください。
ココナラ
スキルを売買できるクラウドソーシングサービスです。動画アニメーション部門には1900人以上のクリエイターが在籍しており、仕事の依頼がしやすいのが特徴です。
カジュアルな取引が可能で、予算を抑えたい方に特におすすめです。
ココナラの場合、テキストだけではなくビデオチャットや電話機能も使えます。豊富な連絡機能を上手く生かせば、クリエイターと密に話し合いできます。
しかし全体的に手数料が高く、出品者のスキルにもバラつきがある点に注意が必要です。
直接クリエイターに依頼できるサービスも
「Direct Creators」は、クライアントとクリエイターが直接つながれるサービスです。
クラウドソーシングとは異なり、クリエイターの実績を見て直接オファーを出せるのが魅力です。より確実な品質確保が可能になります。
このようなサービスを使うメリットは、クライアントとクリエイター双方にとってもニーズを満たしやすい点です。自社が希望する形の動画制作が得意な人材が見つかりやすく、信頼関係を築くうえでも適しています。
ただしサービスによっては利用者が少ない場合もあり、マッチングに納得がいかないケースも考えられます。
【品質重視】品質を求めるなら動画制作会社
撮影や編集について明確なプランを提示している会社への依頼がおすすめです。制作範囲や料金が明確なため、完成イメージを持ちやすく、予算管理もしやすいです。
また、プロの目線でアドバイスをもらえるため、より効果的な動画制作が可能です。
映像制作コンビニ倶楽部(株式会社サイリング)
2時間の撮影と編集、ナレーションを含むプランを18万円から提供しています。
高品質な映像を比較的低価格で制作可能です。商品紹介動画や営業ツール動画の制作に定評があり、ビジネス用途での利用に適しています。
ドコプレ(株式会社ヴェンカンパニー)
ライトプランなら10万円以下という魅力的な価格で動画制作を行っています。
短時間の動画制作に特化しており、30秒程度の動画を作りたい方に最適です。シンプルな構成でありながら、高品質な仕上がりを実現しています。
合同会社OCEANS
CGやアニメーションを効果的に活用したスピードプランが特徴です。
既存の動画や静止画素材を最大限に活用し、短期間で魅力的な動画を制作します。素材を活かした効率的な制作により、コストパフォーマンスの高い動画を提供します。
CINEMATO(株式会社EXIDEA)
動画制作から配信、プロモーションまで一貫したサービスを展開しています。
マーケティング課題の改善提案も行い、クライアントの魅力を引き出す動画制作が強みです。売上向上につながる戦略的な動画制作を実現します。
FILMBUNK(InSync株式会社)
アニメーション動画制作に特化した制作会社です。
フルカラーイラストによる事前デザイン確認が可能で、イメージの共有がしやすいのが特徴です。動画完成後には無償でカスタムサムネイルを提供し、活用面までサポートします。
動画制作の成功事例
ここで各企業の動画制作における成功事例を紹介します。サービス紹介動画や採用動画に関する事例を見ていきましょう。
日本メックス株式会社
日本メックス株式会社は、建物の維持管理や工事を行う会社です。こちらの会社は、東日本大震災直後に開発した、トンネルの止水工法に関する動画を「映像制作コンビニ倶楽部」に依頼しました。
動画制作を依頼した結果、地震が発生するイメージをアニメーションとして作成してもらえたとのことです。完成した動画は、開発関連会社にも好評だったそうです。
株式会社ミライロ
バリアフリーやユニバーサルデザインの開発を強みとする株式会社ミライロは、自社のサービスを動画で紹介しようと考えていました。そこで「FILMBANK」に動画制作を依頼します。
サービスや事例を上手く伝えられずに悩んでいた株式会社ミライロですが、動画によりイメージのビジュアル化に成功しました。Webサイトやサービス概要も一目でわかるようになったとのことです。
フジランド株式会社
フジランド株式会社は、社員のインタビュー動画の制作を「CINEMATO」に依頼しました。尺は1分間ですが、カラフルなデザインやキャッチフレーズを取り入れつつ、インパクトのある動画となっています。
2024年3月の合同説明会で流したところ、多くの学生がブースに訪ねてきたようです。動画制作を依頼したことで、自社の魅力や思いをストレートに発信できた一例です。
動画制作依頼の際のポイント
動画制作を依頼する際は、まず制作会社やクリエイターの実績をしっかりと確認しましょう。特に確認したいポイントは以下のとおりです。
項目 | 確認内容 |
契約書の内容確認 | 納期や費用、どのような素材を用いるか |
著作権の帰属 | 利用権の有無や目的外使用の取り扱いなど |
納品形式 | どのファイルに変換するか(MP4、MOV、WebM、AVIなど)
※使用媒体に合わせて決めるとよい |
修正回数 | 何回まで修正が可能か |
過去の制作事例から、自社の求める品質レベルに見合うか判断できます。また、料金プランの内容も細かく確認することが重要です。
動画の長さや演出方法によって価格は大きく変動します。まずは気軽に相談して、具体的な見積もりを取ることをおすすめします。予算に応じて柔軟な提案をしてくれる制作会社も多いです。
よくある質問
Q.動画制作を依頼するときは何から始めればよいですか?
A.動画制作を外注したいのであれば、どこに依頼するのか候補をいくつか挙げましょう。
具体的なことが決まっていなくとも、まずは制作会社に相談したほうが賢明です。真摯に対応してくれる会社であれば、ヒアリングをもとにさまざまな提案をしてくれます。
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Q.動画制作において費用はどのくらいかかりますか?
A.動画制作の費用は、誰に依頼するか(個人クリエイターor制作会社)、動画の種類によって細かく異なります。
10万円〜200万円と金額の幅が広いので、まずは見積もりを提示してもらいましょう。
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Q.個人クリエイターと制作会社にはどういった違いがありますか?
A.個人クリエイターの場合は、比較的安価に抑えられやすいメリットがあります。
しかし素材や技術は、人によって大きく異なるので注意が必要です。一方で制作会社は価格が高くなりやすいものの、個人クリエイターと比べて品質は高くなる傾向があります。
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Q.著作権はどのような扱いになりますか?
A.著作権は、原則として制作した側に帰属します。
したがって特別な契約がない限りは、外注先が著作権を有するのが一般的です。ただし契約内容によっては、自社に帰属してもらうことも可能です。この場合は、別途料金が発生する可能性もあります。
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まとめ
今回の記事では、動画制作の依頼先は予算や目的に応じて選ぶのが望ましい点を押さえてください。
個人クリエイターなら低コストで柔軟な対応が可能です。一方、制作会社は安定した品質と充実したサポートが魅力です。
価格重視で動画制作を依頼する際には、クラウドソーシングを使うといった方法もあります。品質を重視したいのであれば、企業に直接依頼するのがおすすめです。
まずは複数の業者に、無料相談することから始めましょう。