動画制作に利用できる補助金・助成金は?費用を安く抑えるコツも紹介!
テレビCMだけでなく、YouTubeなどSNSによる動画広告によりマーケティングを行う企業が増えています。その動画制作に関しても、場合によっては補助金や助成金の申請ができるということはご存じでしょうか。
今回の記事では、動画制作を行う際に利用できる補助金や助成金について解説していきます。補助金や助成金を有効活用して動画制作にかかる費用を抑えるコツを紹介しますので、これから事業で動画の制作をお考えの方はぜひご参照ください。
動画制作に利用できる補助金・助成金とは?
動画制作に関しても補助金や助成金を受けることは可能です。どのような補助金や助成金があるのかは後ほど1つずつ解説していきます。
補助金や助成金は、動画制作にかかる費用の一部を補助するもので、動画制作を検討している中小企業や個人事業主にとっては大きな助けとなります。
補助金・助成金の申請には、各補助金・助成金の要件を満たす必要がありますので、申請前に必ず確認するようにしましょう。また、補助金・助成金は、毎年予算が限られていますので、早めに申請することをおすすめします。
動画制作に補助金・助成金を利用することで、動画制作の費用を抑えることができ、より良い動画を制作できます。
補助金 | 助成金 | |
---|---|---|
管轄 | 経済産業省 | 厚生労働省 |
目的 | 新規事業や研究開発を支援 | 人材育成やDX、同同環境改善 |
財源 | 補正予算を含む国の税金 | 雇用保険料+一部税金 |
支給金額 | 数100万~数億円規模 | 数10万~100万円程度 |
公募期間 | 短期間(1週間~1カ月) | 長期間(1年を通して) |
補助金と助成金の違いとは?
動画制作に関する補助金・助成金の解説をする前に、2つの違いについて解説します。
補助金は一般的に審査があり、審査結果によっては条件を満たしていても補助金を受けられないこともありますが、助成金は抽選がなく一定の基準を満たせば、誰でも受け取れるといった違いもあります。
動画制作に活用できる補助金・助成金は主に4種類
ここからは、具体的に動画制作時に申請できる補助金や補正金について4つ紹介していきます。
最大支給額 | 申請方法 | |
---|---|---|
小規模事業者持続化補助金 | 250万円 | 郵送またはWEB |
ものづくり補助金 | 4,000万円 | WEB |
事業 PR・販売促進支援助成 | 20万円 | WEB |
事業再構築補助金 | 5億円 | WEB |
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金を活用すると、商品を販売するための動画制作やWEBサイトの関連費も補助金の対象となります。
持続化補助金とは、小規模事業者が自社の経営を見直して、企業が自ら持続的な経営に向けて作成した経営計画をもとに、売り上げ拡大を目指したり、生産性向上の取り組みを行うことを支援するための制度です。
・商業やサービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は従業員数5人以下
・上記以外の業種は従業員数20人以下
に該当する事業者が対象となります。
1. 通常枠
2. 賃金引上げ枠
3. 卒業枠
4. 後継者支援枠
5. 創業枠
の申請枠があり、通常枠は上限50万円、そのほかは200万円の上限があります。また、インボイス特例制度の要件を満たせば、それぞれの上限額に50万円上乗せがされます。
郵送もしくは、WEBでの申請が可能ですが、WEB申請にはGビズIDと呼ばれるアカウントの作成が必要です。現在確認できる情報では、第13回受付締め切りが2023年9月7日となっています。
申し込みには、書類の提出など日数がかかるためお早めにご確認ください。
ものづくり補助金
2023年7月28日17時までの締め切りとなる第15次ものづくり補助金について紹介します。
この「ものづくり補助金」も動画制作が補助金の対象になります。
ものづくり補助金とは、
・革新的なサービス開発のための設備や費用
・試作品開発の設備
・生産プロセスの改善のための設備投資
これらを支援するための施策です。
こちらも以下の5つの申請枠があります。
1. 通常枠
2. 回復型賃上げ・雇用拡大枠:業績が厳しいが賃上げや雇用拡大を目指す企業が対象
3. デジタル枠:DXに関連した取り組みをする事業者が対象
4. グリーン枠:温室効果ガスの削減に関連する取り組みを行う事業者が対象
5. グローバル市場開拓枠:海外事業を目的とした取り組みを行う事業が対象
動画制作に関しては、グローバル市場開拓枠の海外市場開拓(JAPAN ブランド)類型のみが対象となりますのでご注意ください。補助上限額は、グリーン枠が最大4,000万円、グローバル市場開拓枠は、3,000万円、そのほかが1,250万円となります。
申し込みには、ものづくり補助金の定められた要件をすべて満たした3〜5年の事業計画書を作成することが必須です。WEBでのみ申請可能で、締め切りは7月後半ですがスケジュールに余裕をもって申請しましょう。
事業 PR・販売促進支援助成
続いては、品川区が中小企業向けに助成金を出す取り組みである「事業 PR・販売促進支援助成」について解説します。
ECサイトや企業のPR動画制作で販路拡大を目指す企業などが対象です。
品川区に本社もしくは、事業所を構える中小企業の中でも以下の条件に当てはまる事業者のみが申請可能です。
・法人事業税、法人都民税(個人の場合は個人事業税、住民税)を滞納していない
・品川区に対して債務の支払いが滞っていない
・令和5年度にすでにこの助成金を受け取っていないこと
原則オンライン申請のみで、第1期の募集期間については、令和5年8月31日の午後5時までに必要書類を提出することとなっています。第2期募集も令和5年10月~令和6年1月までです。
品川区限定の助成金となるため注意が必要ですが、該当する企業にはかなりおすすめの助成金になるのでぜひご検討ください。
事業再構築補助金
こちらの補助金の第10回公募期間は、6月9日から30日までの1カ月弱と短いです。とはいえ、今後も第11回・12回と継続されることが期待できる補助金なので、随時チェックしておきましょう。
事業再構築補助金も、動画制作費が補助金対象となります。事業再構築補助金は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化していることを受けて導入された補助金です。
withコロナ・ポストコロナの時代に対応するために、思い切った事業再構築に意欲のある中小企業等の挑戦を支援し、日本経済の構造転換を促すことを目的としています。
1. 成長枠
2. グリーン成長枠
3. 卒業促進枠
4. 大規模賃金引上促進枠
5. 産業構造転換枠
6. サプライチェーン強靱化枠
7. 最低賃金枠
8. 物価高騰対策・回復再生応援枠
といった申請枠が設けられています。
各補助対象費用の項目に、広告宣伝・販売促進費という記載があります。
新規事業に対してのプロモーション動画を制作する場合は、補助対象経費として認められます。しかし、企業全体のプロモーションに新規事業も含めた動画の場合、補助対象として認められないため注意が必要です。
自治体の補助金
動画制作費が対象となる助成金の例として、品川区の事業 PR・販売促進支援助成を解説しましたが、このほかにも各地方自治体が行っている補助金や助成金があります。
・新潟県の三条市や石川県の能美市が実施した企業PR動画作成補助金
・福岡県の久留米市が行う中小企業DX促進補助金
などがあげられます。
補助額や対象範囲など規模は小さいながら、事業のために利用可能な補助金や助成金もあるため、事業所を構える自治体で利用できるものがないか、ぜひご確認ください。
補助金の採択率はどのくらい?
動画制作で補助金申請を検討している企業の中には、条件は満たしているものの、審査に不安を持たれている方もいるのではないでしょうか。そんな方のために、IT導入補助金の採択率と小規模事業者持続化補助金の採択率を紹介します。
IT導入補助金の採択率ですが、2023年5月分については
・通常枠のA類型が、1,871件の申請に対して72.8%
・通常枠のB類型が、44件の申請に対して63.6%
・セキュリティ対策枠が、25件の申請に対して80.0%
・デジタル枠が、2,744件の申請に対して63.2%
と6割から8割の高い採択率となっています。特に、セキュリティ枠は2022年度も96.6%と非常に高い採択率となっています。
小規模事業者持続化補助金について、2023年4月に発表された11回目を含む、過去5回分の採択率を以下の表にまとめています。1万件前後の申請に対して、採択率は6割から7割を推移しています。
第11回 | 11,030件 | 6,498件 | 58.9% |
---|---|---|---|
第10回 | 9,844件 | 6,248件 | 63.4% |
第9回 | 11,467件 | 7,344件 | 64.0% |
第8回 | 11,279件 | 7,098件 | 62.9% |
第7回 | 9,339件 | 6,517件 | 69.8% |
補助金を使った動画制作を外部委託する際のポイント
動画制作に対して、補助金の申請を考えている場合は補助金申請経験のある制作会社に依頼するようにしましょう。
その際、重要となるのは動画制作の目的や予算を伝えることです。
たとえば、事業再構築補助金を利用して動画を作りたいと思っても、新規事業のプロモーション以外に、会社のプロモーションも入っている場合は申請ができません。あらかじめ、制作会社とすり合わせをすることが重要になります。
IT導入補助金では、事務局に認められた支援者と一緒に申請が必要と触れたように、申請時にはさまざまな書類や手続きが必要です。経験のある事業者を選ぶと、手続きがスムーズに行えます。また、事前に補助金の申請が可能かどうか確認もしておきましょう。
補助金・助成金以外で動画制作を安く抑えるコツ
動画制作で補助金や助成金を利用しない場合、したくても期限が間に合わずできないといったケースが考えられます。動画制作を安く抑える対策もありますので、最後に紹介します。
制作会社に具体的なイメージやスタイルを伝えるために、希望するイメージに近い既存の動画をチェックし、参考動画として制作会社に提示しましょう。これにより、意図を伝える手間や修正の回数を減らすことができ、修正費や人件費を削減できます。
そして、 明確なテーマやメッセージをあらかじめ決めておくと制作の効率化を図ることができます。制作会社と共有する前に、目的や伝えたいことを明確に絞り込んでおきましょう。
また、実写映像よりもアニメーション動画の方が制作費用を抑えられる傾向にあります。アニメーションは、予算を節約しながら魅力的な映像を作り出すことができるため検討の余地があります。
これらのコツを活用することで、補助金や助成金を利用しなくても動画制作の費用を効果的に抑えることができます。
まとめ
今回の記事では、動画制作に関する補助金や助成金について、それぞれの特徴や補助金と助成金の違いも紹介しました。企業のPR動画など、動画制作にも利用できる補助金や助成金は、意外と多いと感じたのではないでしょうか。
各補助金や助成金を利用する際は、必ず条件に当てはまるか募集要項を確認し、期限に余裕をもって申請しましょう。
動画制作を外部委託するなら、コンテンツファクトリーにご相談ください。先述したように補助金や助成金は支払われる金額に決まりがあるため、制作内容をうまく調整しつつ予算内に収めることでお得な制作が可能となります。
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株式会社HubWorks マーケティング部 2021年よりインターネット広告代理店に入社し、月間数億規模の広告運用を経験。 2022年に株式会社Hub Worksに入社しマーケティング担当者として、ウェブ広告やSEOなどの集客、 記事やホワイトペーパー作成などのコンテンツ制作業務に従事。