コンテンツマーケティングの分析で見るべきデータと分析ツール6選
コンテンツマーケティングでは分析が欠かせません。配信したコンテンツを分析し、改善点を見つけ解決策を考えることで、より成果の出るコンテンツマーケティングができるようになります。
しかし、コンテンツマーケティングの分析方法が分からない方は多いのではないでしょうか。本記事では、コンテンツマーケティングの分析で見るべきデータについて解説します。データ分析で役に立つ分析ツールも紹介しているので、ぜひ最後までお読みください。
コンテンツマーケティングにおける「コンテンツ分析」とは
そもそも、コンテンツマーケティングの「コンテンツ分析」とは、コンテンツの配信結果をもとに、よりユーザーに求められるコンテンツにするにはどうしたらいいのかを検討することです。
ニーズに適したコンテンツであるか、コンテンツのどこが注目されているのか、コンテンツのどこが分かりにくいのか、などをツールを通して分析します。
ユーザーが注目している箇所や分かりにくいと感じるところが分かれば、そこを重点的にフォローすることでより質の高いコンテンツを作成できます。
そのためコンテンツマーケティングでは、コンテンツを作成して終わりではなく、コンテンツ分析を行った上で必要な修正を加えることで、より効果の高い施策が実行できるようになるのです。
コンテンツマーケティングの効果分析の指標となる12のデータ項目
コンテンツマーケティングの効果分析を行う際、指標となるデータ項目は以下の12項目です。
①ユーザー数・新規ユーザー数
②自然検索流入数
③流入キーワード
④検索順位
⑤インデックス数
⑥参照サイト数
⑦ページビュー数
⑧閲覧されたページの種類数
⑨ソーシャルメディアでの拡散状況
⑩CV数・CV率
⑪直帰率・離脱率
⑫送客数
それぞれのデータ項目を見ることで、どのような効果を把握できるのかを見ていきましょう。
①ユーザー数・新規ユーザー数
ユーザー数は、どれほどの人がコンテンツを閲覧したのかを示しています。新規ユーザー数とは、一定期間内で初めてコンテンツを閲覧しに来た人の数を指します。
しかしユーザー数と新規ユーザー数は、実際の訪問人数ではなく、訪問したブラウザの回数をカウントしているため、同じ人が2回アクセスしたら2人訪問したと認識されます。
そのため、あくまでも参考程度に考え、おおまかにユーザー数・新規ユーザー数が増えたのか、減ったのかを確認する程度にとどめておくのがいいでしょう。
②自然検索流入数
自然検索流入数とは、検索エンジンからサイトに訪問した人の数を示しています。
コンテンツマーケティングの中でも、SEO対策に重点をおいている人は必ず確認すべき項目です。自然検索流入の割合が高ければ高いほど、効果の高いSEO対策ができていることを表します。
自然検索流入数以外には、広告や外部サイト、SNSからの流入などが挙げられるため、これらとの割合を比較してみてください。
③流入キーワード
流入キーワードは、サイトを訪れる際にユーザーがどのキーワードを検索したのかが分かります。
基本的には、狙ったキーワードから流入できているかをチェックするために利用します。狙ったキーワードから流入できていればその記事をより強化し、狙ったキーワードから流入できていなければ方針を転換する必要があります。
ターゲットではないキーワードから流入している可能性も十分に考えられます。狙っていなかったキーワードを分析することで、思わぬニーズを発見できることもあるため、流入キーワードはチェックしておくといいでしょう。
④検索順位
検索順位は、狙っているキーワードでどのくらいの順位に掲載されているのかを確認できる指標です。
特に、自然検索流入数が少ないときに検索順位を参照することで、どの記事・キーワードを重点的に対策すべきかが一目で分かります。10位以内であれば、1ページ目に表示されるためクリックされる確率が高まるでしょう。
しかし、1位と10位ではクリック率に大きな差があるため、10位以内に入っている場合でも、1位を目指して日々改善を続ける必要があることを理解しておいてください。
⑤インデックス数
コンテンツの配信直後は、検索結果にコンテンツが表示されません。検索エンジンのクローラーがサイトで配信されたコンテンツをチェックし、データベースに登録して、初めて検索結果にインデックスされるからです。
検索結果になかなか表示されない場合は、クローラーがチェックしに来ていなかったり、何かしらのペナルティーを受けてインデックスされていなかったりする場合があります。配信したコンテンツの数とインデックス数が合っているかどうか、確認することが大切です。
⑥参照サイト数
参照サイト数のデータを確認することで、ユーザーがどのページから飛んできたのかが分かります。参照サイトとは、他のページにリンク(被リンク)を貼ってもらっている状況です。他のページを執筆した人から「良質なコンテンツ」であると認められていることを示します。
被リンクはSEO対策でも重要な指標の一つになるため、被リンクの獲得を目的としている方は参照サイト数をチェックしてみてください。
⑦ページビュー数
ページビュー数は、記事が何回見られたのかを示します。記事ごとのページビュー数を確認できるため、どのコンテンツが多く見られ、どのコンテンツが見られていないのかをチェックできます。
この際、ページビュー数が少ない記事を改善しようと考えてしまいそうですが、ページビュー数が多い記事から改善することがおすすめです。数値が大きいため、改善した結果の計測がすぐにできるため、PDCAサイクルを素早く回せるメリットがあります。
ページビュー数の多い記事で得た知見をもとに、ページビュー数の少ない記事も改善していけば、効率よくWebサイトを改善できるでしょう。
⑧閲覧されたページの種類数
作成したコンテンツのうち、どのくらいの記事が閲覧されているのかをチェックできるのが、閲覧されたページの種類数です。
閲覧されたページの種類数と公開した記事の数を比較することで、どのくらいの記事が見られているのかがわかります。Google アナリティクスなどで確認できるため、気になった方はチェックしてみてください。
⑨ソーシャルメディアでの拡散状況
ソーシャルメディアでの拡散状況は、SNSでどのくらい拡散されたのかを示します。
SNSの利用拡大により、X(旧Twitter)やFacebookなどに拡散されることが記事の閲覧数も大きく左右されます。ソーシャルメディアでの拡散状況も確認しておくとよいでしょう。
⑩CV数・CV率
CV数とは、サイトを訪れた人全体のなかで、問い合わせや商品の購入、資料請求など運営者の成果と見なされる行動を取った人の数です。一方のCV率とは、サイトを訪れた人全体のなかで、何人がコンバージョンに至ったかの率を表す数字です。
サイトを訪れたユーザーがどれだけ多いかに執着せず、その中で、どのくらいの割合でCVを達成したのか、CV数やCV率に目を向けることがかなり大切であることを理解しておきましょう。
⑪直帰率・離脱率
離脱率はWebサイトから離れた人の割合を示し、直帰率は、離脱した人の中でも最初に見たページから他のページを見ることなくそのまま離脱した人の割合を示します。
直帰率や離脱率が低いページは、見てもらえるけれど、ユーザーを満足させられていない可能性があるページです。疑問がすべて解決できたから離脱するケースもありますが、ユーザーのニーズを満たせていないため、離脱されてしまう可能性も考えられます。
直帰率や離脱率の高いコンテンツは、独自性を出すなどしてユーザーに満足してもらえるページを目指すことが大切です。
⑫送客数
送客数とは、記事から自社のサービスのサイトへどれだけのユーザーが移動したのかを示します。多くの人に記事を見てもらえたとしても、自社のサービスのサイトに移動していなければ、売上には直結しません。
Google アナリティクスで確認できるため、どの程度の人が自社のサービスのサイトへ移動したのかをチェックしてみてください。
コンテンツマーケティングに欠かせない競合分析
コンテンツマーケティングでの分析の指標となる12のデータ項目を紹介しました。しかし、それだけでなく競合分析も欠かせません。
競合が検索順位の上位にある場合、その要因や戦略を分析することで、差別化のヒントや隠れたユーザーのニーズなどが分かります。
SEOであれば、ツールを用いることで競合サイトの検索順位の推定を調査することが可能です。そのため、競合サイトを定量的に分析でき、実際にコンテンツを読み込むことで、上位表示されている理由を探ることができます。
このように、競合分析で得た知見を自社のコンテンツマーケティングのヒントにできれば、より大きな成果を出しやすくなるでしょう。
コンテンツマーケティングのデータ分析に役立つツール6選
コンテンツマーケティングのデータ分析に役立つツールは、以下の6つです。
・Google アナリティクス
・Ptengine
・Googleサーチコンソール
・Ahrefs
・Semrush
・MIERUCA
それぞれのツールの特徴や計測できるデータについて解説します。
コンテンツマーケティングツール6選|メリットや比較ポイントを解説
Google アナリティクス
Google アナリティクスは、コンテンツマーケティングを行う上でなくてはならないツールです。
Googleが提供している無料のツールで、アクセス状況を分析します。サイト全体の数値のみならず、ページごとの数値やユーザーごとの動向など、細かいデータもチェックできます。
どのツールを入れたらいいのか分からない方は、ひとまずGoogle アナリティクスだけは利用するようにしてください。
Ptengine
Ptengineは「ヒートマップ」と呼ばれるツールです。注視された場所やクリックされた場所、離脱しやすい場所などが色で表示され、直感的に分かりやすく作られています。
株式会社Ptmindにより無料で提供されています。
ユーザーの視点に立って、注視されている場所とそうでない場所、離脱しやすい場所を確認できるため、他のコンテンツを制作する際のヒントとしても活用しましょう。
Googleサーチコンソール
Googleサーチコンソールは「サチコ」と呼ばれることもある解析ツールです。サイトの掲載順位や被リンクなどがチェックできます。検索結果でのクリック率のチェックも可能なので、クリック率が悪い記事のタイトルを変更するなどの施策が打てます。
無料で利用できるため、設定を済ませておくといいでしょう。
Ahrefs
AhrefsはSEO分析ツールで、競合の被リンクや上位にあるコンテンツ、SNSの拡散状況などを分析できます。初めての方でも使いやすい画面になっている上、Ahrefsで分析されたデータはダウンロードできるため、チーム内でのデータ共有が楽になります。
ライトからエンタープライズまで4つのプランがあり、一番安いライトの月額料金は約1万2,500円からです。
Semrush
Semrushは、デジタルマーケティング全般における分析ツールです。
SEOのみならず、広告やSNSの分析もSemrush一つあれば可能です。世界で700万ものユーザーに利用されていることからも、使い勝手が良く利用しやすいツールであることが分かります。
個人でも中小企業でも大企業でも利用できるようなプランが組まれており、一番安いProプランは月額約2万1,000円で利用できます。
MIERUCA
MIERUCAは、名前の通り「見える化」がコンセプトになったSEO分析ツールです。ヒートマップでサイトの状況を確認できるだけでなく、コピーコンテンツでないかのチェック機能も付いています。
Web上には非常に多くのコンテンツが展開されているため、似通ってしまうコンテンツが出てくるのは仕方のないことです。しかし、コピーしたわけではないのに盗用したという疑惑をかけられてしまうと、場合によっては大きなトラブルに発展するケースもあります。
コピーコンテンツでないかをチェックすることで、トラブルを極力減らせます。
まとめ
コンテンツマーケティングの分析では、確認すべき指標がたくさんあります。しかし今回紹介した分析ツールを使えば、チェックすべきデータ項目が網羅されているため、複数のツールを使い分けることなく確認することが可能です。
コンテンツを配信したら素早く分析し、PDCAサイクルを回すことこそ、成果が出るコンテンツマーケティングを行う鍵となります。
今回紹介した12個の指標を中心に、コンテンツマーケティングでの分析をしてみてください。
株式会社HubWorks マーケティング部 2021年よりインターネット広告代理店に入社し、月間数億規模の広告運用を経験。 2022年に株式会社Hub Worksに入社しマーケティング担当者として、ウェブ広告やSEOなどの集客、 記事やホワイトペーパー作成などのコンテンツ制作業務に従事。