リード獲得とは何か|有効な施策やチャネルも詳しく解説
マーケティングに携わる中で「リード獲得」という言葉を耳にする機会が多い方もいるのではないでしょうか。しかし、それが具体的に何なのか、獲得のために何をすればよいのか分からない方もいるかもしれません。
この記事では、リード獲得の意味や目的を紹介していきます。併せて、リード獲得に有効的な施策をオンライン・オフライン別にもまとめていますので、リード獲得で売上を最大化させたい方はぜひ最後までお読みください。
「リード獲得」とはリード(見込み顧客)を探し出すことやそのための施策
リード獲得とは、リード(見込み顧客)の情報を集めることを指します。ビジネスでは常に新しい顧客を増やす必要がありますが、ユーザーは最初の時点では自社のサービスを知りません。そのため、ユーザーに自社のサービスを認知させるべく施策を打つ必要があります。
その施策を打つために、見込み顧客の情報が必要になってきます。リードの定義は企業によって異なりますが、主に次の5つが挙げられます。
・企業名
・部署名
・担当者名
・電話番号
・メールアドレス
BtoBの場合は企業名・部署名・担当者名の獲得、BtoCの場合はメールアドレスを獲得することで「リード獲得」とみなすケースが多い傾向にあります。
リード獲得の目的はBtoBとBtoCで同じ|獲得後の接し方は異なる
BtoBでもBtoCでも、リード獲得の目的は新規の顧客を増やして売上を伸ばすことです。既存顧客だけでは母数が限られるので、どれだけリピート施策を打っても売上は頭打ちになります。新規の顧客を増やすには、次の3ステップで行うのが効率的とされています。
・リードジェネレーション(獲得):見込み顧客の情報を集めること
・リードナーチャリング(育成):知識などを共有し、信頼関係を作って見込み顧客を育成すること
・リードクオリフィケーション(選別):見込み顧客の中から、特に顧客になりそうなユーザーを選別すること
この3ステップを踏むことで温度感の高い見込み顧客を選別できるので、営業部門が効率よくアプローチできるといえるでしょう。
リード獲得はこの3ステップの中で1段回目に当たるため、リードが獲得できれなければ何も始まりません。そのためBtoBでもBtoCでもリード獲得が大事です。またリード獲得の目的はBtoB・BtoCともに同じですが、その後の接し方は異なります。
・BtoBにおける獲得後のリードへの接し方
・BtoCにおける獲得後のリードへの接し方
それぞれについて、詳細に解説していきます。
BtoBにおける獲得後のリードへの接し方
BtoBは「見込み顧客の母数が少ない」ことが大半なので、一度温度感の高い見込み顧客が見つかったら、取りこぼさないように丁寧にアプローチをしていきます。
まずは電話やメールなどのインサイドセールスでコミュニケーションを取り、ユーザーとの信頼関係を構築します。その後ユーザーとの信頼関係がある程度生まれたタイミングで、フィールドセールスを行い、受注まで進めていく動きが主流です。
BtoCにおける獲得後のリードへの接し方
BtoCは「見込み顧客の母数が多い」ので、獲得できるリード数が多くなります。そのため、フィールドセールスではなくインサイドセールスをメインにするといった、効率的なアプローチが必要です。
リード獲得直後にセールスレターでサービスを訴求するなど、BtoBとは違ってスピード感のあるアプローチをすることが多い傾向にあります。
リード獲得に有効なオンライン施策7選
リード獲得に有効なオンライン施策は以下の7つです。
施策 | メリット | デメリット |
オウンドメディアを運営する | 出稿費がかからない | 効果が現れるまでに時間がかかる |
リスティング広告を出稿する | すぐにユーザーにアプローチできる | 出稿費がかかる |
SNS広告を出稿する | サービスのターゲットに合ったユーザーのリードを獲得しやすい | 出稿費がかかる |
プレスリリースを活用する | 多くのニュース配信サイトに取り上げてもらえることがある | 拡散されるには内容や原稿を作り込む必要がある |
ウェビナーを開催する | 気軽に参加できるため、参加者が多い | 温度感の低いユーザーが多くなる傾向にある |
オンライン展示会に出展する | 商談まで一気通貫で進めやすい | リードを獲得するサービスによっては、魅力を伝えにくいことがある |
外部メディアに寄稿する | 記事を作成して寄稿すれば、すぐにリードを獲得できる | 少額ながら掲載料が発生することがある |
それぞれのオンライン施策によってメリット・デメリットが異なるので、詳細を把握した上で実施する施策を決めましょう。
施策①オウンドメディアを運営する
自社サービスのPRを目的とした「オウンドメディア」を運営する施策です。
オウンドメディアでは、記事に「アンケート」や「資料請求」の項目を設けてリードを獲得していきます。オウンドメディアの運営には出稿費がかからないため、比較的ローコストで運営できるのが魅力です。
しかし、オウンドメディアは「検索結果の上位に表示されるまでに時間がかかる」という特徴があるため、中長期的に施策と向き合っていく必要があります。
施策②リスティング広告を出稿する
リスティング広告とは検索連動型広告といって、検索エンジンに広告を出稿する施策です。利用者の多い検索エンジンに掲載できるので、より多くのユーザーにアプローチできます。
オウンドメディアと同じで広告に「アンケートに回答した方限定で◯◯の情報をプレゼント!」などの情報を掲載することによって、リードを獲得していきます。
リスティング広告は出稿費がかかるものの「出稿費を払って審査に通ったらすぐに掲載できる」のが特徴です。
施策③SNS広告を出稿する
SNS広告では、主にTwitter・Facebook・Instagram・TikTokなどのSNSに出稿します。それぞれの特徴は以下の通りです。
・Twitter:10代~30代の男性・女性が多い
・Facebook:30代~40代の男性・女性が多い
・Instagram:10代~30代の女性が多い
・TikTok:10代~20代の男性・女性が多い
それぞれのSNSによって利用しているユーザー層が異なるため、リードを獲得したいサービスに合わせて出稿するSNSを変えるのが効果的です。
施策④プレスリリースを活用する
プレスリリースとは報道機関へ向けて自社の製品やサービスを発表することです。
たとえば「◯◯というサービスを開始しました」などのプレスリリースを打てば、複数のメディアに取り上げられ、多くのユーザーにアプローチできます。プレスリリースの内容によっては、TwitterなどのSNSで拡散されることも。
プレスリリースの配信サービスであるPR TIMESを使えば、1回3万円で配信できるので安価といえますが、その内容やリリース原稿によってはまったく拡散されないこともあります。プレスリリースでリードを獲得する際は、事前にしっかりと戦略を立てる必要があるでしょう。
施策⑤ウェビナーを開催する
ウェビナーとはWEB上で開催するセミナーのことです。ウェビナーへの参加を申し込む際、参加者の情報を入力してもらうことでリードを獲得する施策があります。
・開催に費用がかからない
・気軽に参加できるため、オフラインでのセミナーよりも参加者が多くなりやすい
ウェビナーには上記のメリットがありますが、気軽に参加できるため温度感の低いユーザーがいる場合もあります。そのためリードクオリフィケーション(選別)をしっかりとする必要があるでしょう。
リードクオリフィケーションを効率よく行うためにも、ウェビナーを開く際は、行動ログの分析やメール配信を行える専用のツールを使うのがおすすめです。
施策⑥オンライン展示会に出展する
オンライン上で展示会を開き、参加の際に情報を入力してもらうことで、リードを獲得する施策です。
・オフラインの展示会より費用を抑えられる
・オンライン展示会に参加するほど温度感の高いユーザーに直接アプローチできる
オンライン展示会には、上記2つの特徴があります。特に興味を持ってくれたユーザーに対して、そのまま一気通貫で商談・受注まで進められるスピード感が魅力です。
一方でリードを獲得するサービスによっては、VRでないと魅力が十分に伝わらないなどのデメリットもあります。どのサービスのリードを獲得するかによって、オンライン展示会のプラットフォームを決める必要があるでしょう。
施策⑦外部メディアに寄稿する
外部の有名なメディアに寄稿することで、より多くのリードを獲得する施策です。記事を掲載してもらえれば、すぐにでもリードを獲得できるスピード感が特徴です。
大手メディアに寄稿する場合だと「掲載料」が発生することもありますが、リスティング広告などに出稿するよりは格段に費用を抑えられます。サービスの見込み顧客が閲覧していそうな外部メディアがあれば、寄稿を検討してみるのもよいかもしれません。
リード獲得に有効なオフライン施策3選
リード獲得に有効なオフライン施策は以下の3つです。
概要 | メリット | デメリット |
マスメディアを活用する | 多くのユーザーにアプローチできる | 費用が高額(100万円単位) |
展示会やセミナーを開催する | 直接ユーザーにアプローチできる | 費用がかかる・集客が難しい |
ダイレクトメール(郵送)を活用する | 手に取ってもらいやすい | メールマガジンと違って費用がかかる |
施策①マスメディアを活用する
テレビCMや新聞広告などのマスメディアに出稿することで、リードを獲得する施策です。インターネット広告よりも多くのユーザー(数百万人単位)にアプローチできるため、効果的といえます。
しかし効果が高い分、費用も高額なのがデメリットです。
・テレビCM:1回40万円~80万円(東京キー局で15秒のCMの場合)
・新聞広告:1回50万円~150万円(小さい突き出し広告の場合)
テレビCMの場合は、ここからさらに「CM制作費」も加わります。上手く実施しないと費用対効果が悪くなりがちなため、他の施策と併用しつつ、ピンポイントでマスメディアを活用するといった戦略がおすすめです。
施策②展示会やセミナーを開催する
展示会やセミナーを開催して直接ユーザーにアプローチする施策です。対面でユーザーと触れ合えるため、名刺交換などのリード獲得がしやすい特徴があります。
しかし、展示会やセミナーは「開催場所の確保にお金がかかる」「集客が難しい」というデメリットがあります。想定よりも費用対効果が低くなりがちなので、同時に「ウェビナー」「オンライン展示会」も検討するのがおすすめです。
施策③ダイレクトメール(郵送)を活用する
ダイレクトメールを送ってリードを獲得する施策です。郵送物に連絡先を書いておけば、興味を持ったユーザーが問い合わせてくれるので、その際にリードを獲得できます。今ではメールマガジンが主流ですが、数が多く目につきにくいため、スルーされがちです。
一方でダイレクトメールは、郵送すれば一度は手に取ってもらえる可能性があります。1通50円〜と費用は発生してしまいますが、場合によってはメールマーケティングよりも訴求できるでしょう。
リード獲得のためにやっておきたい目標値の設定3ステップ
リード獲得の際は、事前に目標値を決めておくのがおすすめです。目標値を決めておけば「今がどのような状況なのか(良いのか悪いのか)」が分かり、適切な運用につながります。ここでは、目標値を設定するための3ステップをご紹介します。
ステップ①KGIの設定
まずはKGI(Key Goal Indicator)を設定します。KGIは「重要目標達成指数(最終目標)」のことで、ここでは売上目標を設定します。
KGIは「実現可能な数字」を設定するのがおすすめです。たとえばリードタイムが必要なサービスの場合は、あまりにも売上目標が高いとリソースが間に合わない可能性もあるので、自社の状況に合った数値設定が必要です。
ステップ②KPIの設定
KGIの後にはKPI(Key Performance Indicator)を設定します。KPIは「重要業績評価指標(中間的な指標)」のことで、ここでは受注数を設定します。KGIの売上目標と1件あたりの受注単価が分かれば、必要な受注数はすぐに割り出せるでしょう。
また、KGIとKPIは関連した数字でないと意味がないので、KPIを達成したら同時にKGIも達成されるように設定するのがポイントです。
ステップ③必要なリード獲得数の算出
KPIを決めたら、次に「必要なリード獲得数」を算出します。リードを獲得したユーザー全員がサービスを購入してくれるわけではないので、最初に受注率(リードを獲得したユーザーのうち、何割が購入してくれるか)を把握します。
たとえば下記の場合は、必要なリード獲得数は「200件」です。
・KGI(目標売上):1,000万円
・KPI(目標受注数):100件
・受注率(リード獲得ユーザーの内):50%
そのため、200件のリードを獲得するように施策を打っていけば、自然とKPI・KGIも達成できます。もちろん、進めていく中で「想定よりも受注率が高かった(低かった)」と数字が乖離していくこともあるので、その場合は適時目標を調整しましょう。
オンラインでリード獲得施策を打つときのポイント・2つ
リード獲得に有効なオンライン施策を7つ紹介しましたが、ただやみくもに活用するのでは意味がありません。ここでは、オンラインでリード獲得の施策を打つ際におさえたいポイントを2つご紹介します。
ポイントを知っておくことは費用対効果の向上にもつながるため、ぜひ参考にしてみてください。
ポイント①ターゲットに合った施策を選ぶ
ターゲットに合った施策を選ぶことで、費用対効果を高められます。
たとえば、訴求するサービスのターゲットが10代〜20代の女性の場合、30代~40代の年齢層が多いFacebookに広告を出稿しても高い効果は見込めないため、InstagramやTikTok施策を打つ必要があります。
事前に「訴求するサービスのターゲット層」を明確に把握しましょう。
ポイント②アクションプランを設計しナーチャリングを行う
適切なナーチャリング(育成)を行うために、事前にアクションプランを設計しましょう。アクションプランを設計しておかないと「リードを獲得しただけ」で終わってしまいます。たとえば、次のようなナーチャリングが効果的です。
・メールマガジンを送って、ユーザーの購買意欲を高める
・ウェビナーを開催し、実際にユーザーの疑問を解消していく
リード獲得できたユーザーは「温度感が低い場合もあるが、サービス自体には興味がある」ので、購買意欲を高めたり、疑問を解消してあげることで、成果に繋がりやすくなります。
リード獲得についてよくある質問Q&A
ここでは、リード獲得についてのよくある質問を2つまとめました。
Q1.リード獲得にかかる単価の相場はいくらぐらい?
リード獲得にかかる単価の相場は、商材や施策によりますが1件数千円~数万円です。また、大事なのはCPL(1人あたりのリード獲得単価)を算出し、投資に対して利益が出ているかどうかです。
・KGI(目標売上):1,000万円
・KPI(目標受注数):100件
・受注率(リード獲得ユーザーの内):50%
・必要な獲得リード数:200件
たとえば上記の場合、CPLが5万円以上の場合はそれだけで赤字になります。CPLを把握した上で、できるだけ利益を出せるような施策を検証して実施しましょう。
Q2.リードナーチャリングのメリットを教えてください
リードナーチャリングのメリットは2つあります。
・契約の受注率が上がる
・CPLを抑えられる
リードナーチャリングは「興味はあるけど、まだ成約に至るほどではないユーザー」の温度感を上げるために実施するものです。そのためリードナーチャリングを行うことで、契約の受注率を上げられます。
また、受注率を上げることによってCPLも低く抑えられます。費用対効果を高くできるので、ぜひリードナーチャリングを実施しましょう。
まとめ
新規の顧客を増やし、利益を最大化させるためには、リード獲得は欠かせない施策といえるでしょう。
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