noteでオウンドメディアを立ち上げるための基本ガイドと事例7選
オウンドメディアを可能な限り簡単に、しかもすぐに立ち上げたいならnoteの利用をおすすめします。
noteは自分でプログラミングやコーディングを行う必要がなく、オウンドメディアを構築するための場所を提供してくれるサービスです。そのため、すぐにオウンドメディアの運用を始められるでしょう。
noteでオウンドメディアを立ち上げられるか知りたい方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
noteとは
noteでオウンドメディアを立ち上げるためには、まず概要を押さえておく必要があります。そのため、下記の内容から紹介します。
・noteとnote pro|の概要とその違いを解説
・noteとWordPress|違いを解説
noteとnote pro|概要と違いを解説
「note」は、さまざまなコンテンツを無料で投稿できるプラットフォームサービスです。投稿できるコンテンツの種類は以下のとおりです。
・テキスト
・音声
・動画
・画像
・つぶやき
noteではテキストを投稿するユーザーが多いため、活字好きな人たちが集まりやすい傾向にあります。投稿されるコンテンツの質も高く、その道のプロフェッショナルが自身の意見やノウハウを発表する場にもなっています。
noteには、この「投稿されるコンテンツの質が高い」というイメージがあるため、企業のオウンドメディアとして運用されることも多いです。
またnoteには、企業のオウンドメディア運用のために提供される有料サービスとして「note pro」があります。 ブランディングや採用広報、自社サイトへの誘導、コミュニティ作りなどあらゆる目的に合わせた運用が可能です。
note proと無料版noteの代表的な違いは以下のようになります。
機能 | note | note pro |
無料記事の投稿 | 〇 | 〇 |
無料マガジンの掲載 | 〇 | 〇 |
予約投稿 | × | 〇 |
他社のECサイトとの連携 | 〇 | 〇 |
テーマカラーカスタマイズ (ブランドカラーなど) |
× | 〇 |
独自ロゴの設定 | × | 〇 |
独自ドメインの使用 | × | 〇 |
複数のソーシャルリンク追加 | × | 〇 |
SMSによる2段階認証 | × | 〇 |
Googleアナリティクスの利用 | × | 〇(オプション) |
note proの料金は以下のとおりです。
・初期費用:0円
・月払いプラン:月額80,000円(税抜)
・年払いプラン:年額880,000円(税抜)
noteとWordPress|違いを解説
WordPressは、ブログやWebサイトを制作するときによく利用されるCMS(Content Management System)というシステムを指します。
ブログやWebサイトを1から構築するよりも簡単であり、デザインやレイアウトも比較的簡単に変更できます。世界の約40%のWebサイトがWordPressを利用してつくられているというデータがあり、多くの企業が利用しているプラットフォームです。
両者の主な違いは下記の通りです。
note | WordPress | |
事前に準備するもの | メールアドレス | ドメイン
サーバーなど |
カスタマイズ性 | × | 〇 |
詳細なアクセス解析 | × | 〇 |
記事の販売 | 〇 | × |
初期費用 | 0円~(note proは有料) | 有料 |
WordPressはWebサイトの住所であるドメインの取得やサーバーのレンタルが必須となりますが、プラグインやテンプレートなどが豊富にあり、さまざまなデザインでWebサイトを構築できるというメリットがあります。
その反面、設定作業や初期費用、ランニングコストが必要です。
noteの場合は、メールアドレスを用意すれば、あとはパスワードを設定するだけですぐに利用できます。投稿した記事を有料コンテンツとして販売することも可能です。
通常のnote利用であれば、初期費用もランニングコストもかかりません。ただし、詳細なアクセス解析はできないというデメリットがあります。
参照:Usage Statistics and Market Share of Content Management Systems, August 2023
noteでオウンドメディアを立ち上げるメリット
新しいプラットフォームの利用を検討するときは、メリットへの理解が重要です。そこでこの項目では、下記の内容を解説します。
・開設が簡単にできる
・SEOに強いnoteの仕組みを活用できる
・note proでは独自ドメインを取得できる
・自社ECサイトと外部ECサイトを連携できる
開設が簡単にできる
先述のとおり、noteでコンテンツを投稿するために必要になるのは、メールアドレスとパスワードだけです。メールアドレスとパスワードを登録してアカウントを作成すれば、あとは用意したテキストや画像を所定の位置に貼り付けるだけで作成できます。
投稿作業や投稿を閲覧する操作もシンプルで使いやすく、専門的な知識も必要ありません。
SEOに強いnoteの仕組みを活用できる
noteはプラットフォーム自体がSEOに強いため、集客がしやすいのも大きなメリットです。
noteはこれまで多くのクリエイターが質の良いコンテンツを投稿してきたため、ユーザーにとって役立つコンテンツが多く集まっています。また、note自体がユーザー体験を向上させるための改善に日々取り組み、SEOの向上を実現しています。
これらの要素は、noteに検索結果を上位表示させるドメインパワー(検索エンジンからの信頼度を数値化したもの)を強力にしているのです。実際、noteのコンテンツの多くが検索結果で上位に表示されています。
note proでは独自ドメインを取得できる
noteには、note proを利用すれば独自ドメインを取得できるというメリットがあります。独自ドメインでなくともオウンドメディアは運用できますが、独自ドメインであればオウンドメディアの信頼性を高められ、ブランドイメージも向上するでしょう。
実際、noteでオウンドメディアを運用する大企業の多くは、note proを利用して独自ドメインを運用しています。noteでオウンドメディアを運用していくのならば、note proの利用は欠かせないものとなるでしょう。
自社ECサイトと外部ECサイトを連携できる
noteは、ストア機能を使えば外部のECサイトと連携が可能です。連携できるECサイトは限られますが、掲載したい商品のURLを貼り付けるだけで簡単に連携できます。
ストア機能を活用すれば、noteに投稿したコンテンツを集客ツールとしても利用できます。連携できる外部ECサイトは以下のとおりです。
・EC CUBE
・easy my shop
・iichi
・ebisumart
・おちゃのこネット
・KATALOKOOO
・カラーミーショップ
・Creema
・shoppify
・SUZURI
・STORES
・futureshop
・BASE
・minne
・MakeShop
・YAHOO!ショッピング
・Amazon
noteを活用するためのポイントと注意点
noteでオウンドメディアを立ち上げる際に、いくつかのポイントと注意点を押さえておけば、より効率よく活用できます。そのため、この項目では下記の内容を解説します。
・有料プランの利用が必須である
・サービスの終了とともに自社オウンドメディアもなくなる
・広告は掲載できない
・カスタマイズしにくい
有料プランの利用が必須である
オウンドメディアを効率よく成長させるためには、運用結果の分析・改善が必須です。分析にはツールの利用が必須ですが、noteの場合、無料では利用できません。
そのため、noteでオウンドメディアを運用するなら有料プランであるnote proの利用が必須といえます。
note proであれば、詳細な分析ができる「note proアナリティクスβ」やGoogleが提供する分析ツール「Googleアナリティクス」を設置できるからです。ただし、Googleアナリティクスはオプション機能です。
note proアナリティクスβとGoogleアナリティクスを併用すれば、より詳細で効果的な分析・改善が可能になります。
サービスの終了とともに自社オウンドメディアもなくなる
noteでオウンドメディアを運用する場合、noteが何らかの原因でサービスを終了すると、自動的に自社のオウンドメディアもなくなります。
WordPressであれば、サイトそのものの所有権は自社にあるのでなくなりません。しかし、noteでオウンドメディアを運用する場合は、管理・運用する権利はあっても所有権がないことに注意してください。
広告は掲載できない
noteは、Amazonアソシエイトの広告以外掲載できません。オウンドメディアの運用目的が自社サイトや商品ページへの集客なら問題ありませんが、オウンドメディアの運用のみで収益を上げたい場合は、広告料だけではむずかしいでしょう。
集客の導線ではなく、noteに投稿するコンテンツで収益を上げたいなら、有料記事や有料のWebマガジンを販売する必要があります。
カスタマイズしにくい
noteは、noteが実装している機能以外利用できないため、思うようにカスタマイズできません。装飾機能が最低限しか存在せず、フォントにこだわったりデザインを大幅に変更したりして、他社のコンテンツとの差別化を狙うのはむずかしいでしょう。
どうしても自社のオリジナルを追及したサイトを構築したいのであれば、WordPressでの運用をおすすめします。
noteを使ったオウンドメディアの成功事例7選
オウンドメディアを立ち上げ運営していく上で、成功事例の研究は欠かせません。そこでこの項目では、以下の内容を解説します。
・成功事例1|KIRIN
・成功事例2|土屋鞄
・成功事例3|Zaim
・成功事例4|カルビー(Calbee)
・成功事例5|Panasonic
・成功事例6|森ビル
・成功事例7|ヨックモック
成功事例1|KIRIN
大手飲料メーカーであるKIRINも、noteでオウンドメディアを運用しています。フォロワーの数は2023年8月時点で約15,000人以上です。
企業としてのPRだけでなく、商品の開発背景やストーリー、KIRINが扱うブランドへの社員の想いなどをコンテンツとして提供しています。
また、「缶ビールをより美味しく飲むための方法」や「ビールに合うおすすめのおつまみレシピ」など、お酒好きが楽しめるコンテンツを提供しているのが大きな特徴です。
参考:KIRIN
成功事例2|土屋鞄
土屋鞄は、1965年創業の老舗の鞄メーカーです。noteで「土屋鞄のランドセル」というオウンドメディアを運営しています。
土屋鞄のものづくりの背景やブランドストーリーなどをコンテンツとして発信しています。
コンテンツはテキストだけのものから温かみがある漫画を挿入したものまで、幅広く用意されています。中でも、ランドセル選びにまつわるお客様エピソードはほっこり心が温まるものばかりです。
土屋鞄がランドセルに込めている想いが伝わってくるオウンドメディアです。
参考:土屋鞄のランドセル
成功事例3|Zaim
Zaimは、家計簿サービス「Zaim」を提供している会社です。
社員が作成するコンテンツを発信することで、オウンドメディアが採用広報ツールとして機能しています。デザイナーやデータエンジニア、その他のスタッフがZaimの機能を紹介したり、家計に関する工夫について発信したりしています。
ユーザーに親しみを感じさせつつ、有益な情報を発信しているオウンドメディアです。
参考:Zaim
成功事例4|カルビー(Calbee)
大手菓子メーカーのカルビーも、noteで「THE CALBEE」というオウンドメディアを運営しています。オウンドメディアのフォロワー数は公表されていませんが、コンテンツの「いいね!」の数を見る限りでは、かなりのフォロワーがいるようです。
コンテンツの内容は、社員による商品開発や製造への想い、社員同士の座談会、ポテトチップスへのこだわりなどバラエティに富んでいます。
社員の一人ひとりの商品や会社に対する想いが伝わってくるオウンドメディアです。
参考:THE CALBEE
成功事例5|Panasonic
大手電機メーカーであるPanasonicも、noteで「パナソニック_ソウゾウノート」というオウンドメディアを運営しています。
フォロワーの数は、2023年8月時点で約22,000フォロワーです。コンテンツの内容は、Panasonicの事業戦略や社員へのインタビューが多く掲載されています。
特にインタビュー記事については、インタビューする人、インタビューを受ける開発者の想いや考え方、こだわりが強く伝わるコンテンツになっています。また、Web3やブロックチェーンなどの最新技術についての発信も数多くされています。
成功事例6|森ビル
森ビルは東京都港区を拠点とするデベロッパー・不動産会社です。「森ビルnote」というオウンドメディアを運営しています。
コンテンツは、社員同士の対談や社員へのインタビュー記事を多く発信しています。街づくりを軸に自然環境や都市緑地など、これからの都市についての記事が満載です。
仕事へのこだわりや想い、街が好きという想いなどが伝わるオウンドメディアです。
参照:森ビルnote
成功事例7|ヨックモック
ヨックモックは、「シガール」というクッキーを主力商品とするクッキーブランドです。公式noteのフォロワーの数は公表されていませんが、こちらのオウンドメディアもコンテンツの「いいね!」の数から見るとフォロワー数は多いようです。
クッキーを専門に扱うブランドなので、コンテンツの内容もクッキーにまつわるストーリーが多くなっています。また、変わり種コンテンツとして、実はゼリーも得意であることや秘伝のクッキーレシピを公開している記事もあります。
参考:株式会社ヨックモック
オウンドメディアの成果を最大化するためのヒント
この項目では、noteでオウンドメディアを構築した後に取り組むべき内容について紹介します。内容は以下のとおりです。
・目的とターゲットを設定する
・SNSでユーザーを集めてnoteへ流入させる
目的とターゲットを設定する
オウンドメディアの成果を最大化させるためには、目的とターゲット設定が重要です。
目的が明確でなければオウンドメディア運用のゴールが決まらず、運用方針も定まらないからです。目的が決まっていなければ当然、狙うべきターゲットも定まりません。
そのため、まずは「何を目的に発信するのか?」を社内で相談し、オウンドメディアで解決したい課題を明確にしましょう。目的が明確になれば「誰に向けて発信すべきか?」「どのような属性のユーザーにコンテンツを届けるべきか?」も明確になります。
企業のオウンドメディアでよく設定される目的には以下のものが挙げられます。
・自社のブランディング
・社員に向けて発信する社内報メディア
・潜在顧客へのアプローチ
自社の運用目的が思い浮かばない場合は、上記の内容を参考にしてみてください。
SNSを使ってnoteへ流入させる
noteのコンテンツをSNSで積極的にシェアし、ユーザーを集めることも大切です。
noteは日本国内におけるアクティブユーザーが6300万人(2020年5月時点)とYou Tubeの7000万人に次いで多いので、コンテンツ投稿時にハッシュタグを付ければそれだけでコンテンツが読まれる可能性は高くなります。
さらに、SNSを利用してコンテンツを拡散すれば、より多くのユーザーを自社のnoteに呼び込めるでしょう。
特にX(旧Twitter)rは拡散力に優れるSNSなので、積極的に活用することをおすすめします。X(旧Twitter)でユーザーの興味を引くコンテンツを用意できれば、拡散が拡散を呼んで多くの人に自社のオウンドメディアを訪問してもらえます。
noteでオウンドメディアを運用するならnote内のアクティブユーザーだけを狙うのではなく、SNSをうまく使って外部からの流入経路も設計しておきましょう。
まとめ
「オウンドメディアを立ち上げたいが、専門知識がなく困っている」という人は、noteを利用するのがおすすめです。むずかしい設定や手間のかかる準備も必要なく、メールアドレスを登録するだけでオウンドメディアを運用する準備が整います。
有料のnote proを利用すれば独自ドメインを取得でき、オプションですがアクセス解析に必須であるGoogleアナリティクスも使えます。費用もWordPressでオウンドメディアを構築するのとくらべてリーズナブルです。
これからオウンドメディアの立ち上げを検討している方は、ぜひnoteを試してみてください。
株式会社HubWorks マーケティング部 2021年よりインターネット広告代理店に入社し、月間数億規模の広告運用を経験。 2022年に株式会社Hub Worksに入社しマーケティング担当者として、ウェブ広告やSEOなどの集客、 記事やホワイトペーパー作成などのコンテンツ制作業務に従事。