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SDRとはどんな営業を行うのか?BDRとの4つの違いをおさえよう

「インサイドセールスを採用したくても、SDRの役割や導入方法が分からない」非対面の営業に慣れていないことから、SDRの導入に二の足を踏む企業も少なくありません。

 

SDRはアクション数がそのまま結果に直結するため、効率的なアプローチが高い生産性を維持するためには必要です。

 

本記事ではSDRを検討するマーケティング担当の方に向けて、SDRの導入方法やBDRとの違い、必要な施策について詳しく解説しています。本記事を参考に、SDRの導入を前向きに検討してみましょう。

マーケティングにおけるSDRとは?どんな営業を行うのか?

インサイドセールスとは、マーケティング視点で顧客情報の分析や管理を行いながら非対面でリードを案件化し、営業担当に橋渡しする役割を担います。ここからは、インサイドセールスにおけるSDRの役割について理解を深めていきましょう。

 

SDRとは「見込み顧客からの反響を受けて営業を行う組織または考え方」

SDR (Sales Development Representative)とは、問い合わせから見込み客との商談機会を創出する、インバウンド主体の反響型営業です。SDRはマーケティングにより獲得した見込み客の個人情報を活用し、電話やメールでアプローチを行います。

 

基本的に短期間での商談アポを目指し、必要な条件とタイミングがそろったら商談日程を調整して営業へ引き継ぐのが業務の特徴です。

 

SDRによる営業は見込み顧客に興味を持ってもらう手法を活用する

SDRは見込み客から反応がもらえなければ、何も始まりません。

 

そのため、問い合わせをもらうための魅力的なコンテンツやSNSが必要です。そこから商品やサービスに興味を持ってもらえるような情報発信を常に行い、資料請求やデモ動画の閲覧、料金への問い合わせなどにつなげます。

 

商談獲得率を上げるためには、流入から初回アプローチまでのスピードが重要です。5分以内に対応できるよう、システムやツールの体制を整えておきましょう。

 

SDRが営業対象として得意とするのは顕在層の中小企業

SDRのようなインバウンドの顧客を主体に新規開拓を行う場合、反響がくるのはほとんどが中小企業やスタートアップと呼ばれる新興企業となります。これらのターゲットを成約まで導くには、きめ細やかなコミュニケーションをもとに信頼関係を築くことが大切です。

 

1つのセールス単価は低めですが、顧客の情報や信頼を積み上げていくストック型のSDRにおいては、大いに活躍の余地が見込まれます。

 

SDRを含むインサイドセールスが脚光を浴びる理由とは?

近年、インサイドセールスへのシフトが加速しています。その背景には、スマートフォンの普及により自由に情報収集をしてから売り手にコンタクトを取る購買行動が、B to Bの世界にも広がったことが大きく関係しています。

 

また、導入費用を抑えたサブスクリプションの広がりにより対面営業のコストパフォーマンスが悪くなったこと、コロナ禍で対面営業が難しくなったことも後押ししています。

 

ただし、インサイドセールスには後述するデメリットもいくつか挙げられるため、課題を解消していかに単価の高い契約を結べるかが成功への分かれ道です。

 

同じインサイドセールスであるSDRとBDRには多くの違いがある

SDRを面とするなら、BDRは点で活動すると言っていいほど、両者には多くの違いがあります。ここでは、SDRと比較されるBDR(Business Development Representative)の特徴を見ていきましょう。

 

①考え方の違い

SDRに対し、BDRは大手企業を中心にアウトバウンドで新規開拓を行う新規法人営業です。つまり、ターゲット企業を選定し、戦略的に商談を獲得することを目的とします。

 

場合によっては同一企業内で複数の商談機会を獲得することもあるのが、SDRとのスタイルの違いです。ただし、電話やメール、オンライン会議など非対面のアプローチで案件化までこぎつけ、フィールドセールスへ引き継ぐ点はSDRと変わりません。

 

②営業手法の違い

BDRの市場は限定的なため、1社ごとに戦略を練ってアプローチ法を探ることが重要です。アウトバウンドがメインとなるのでリスト数が核となり、常にアプローチ先が枯渇しないよう管理しておく必要があります。

 

そのため、個客情報が少なければターゲットリストを作成し、レターを送って関係性を構築する地道な努力が大切です。

 

③ターゲット層の違い

BDRではエンタープライズをターゲットとするのが一般的なため、社数が少なく市場が限定的です。大手企業の場合、役職者と商談することが受注の近道となりますが、役職者が情報収集をしてくれるのを待っていては日が暮れてしまいます。

 

そのため、ターゲットを選定し、該当する役職者や役員に直接アプローチするBDRが必要となります。また、ターゲット層の違いにより、SDRに比べて商談金額が比較的大きいのもBDRの特徴です。

 

④担う役割の違い

このように、SDRとBDRには明確な役割の違いがあります。SDRはわかりやすくいえば、見込み客のリード(個人情報管理)が仕事の要です。

 

・見込み客のリストの獲得

・リードの選別とブラッシュアップ

・リードの育成

 

上記3つを中心に組織全体の生産性を担うのが、SDRの重要な役割といえます。

 

一方、BDRの役割は以下の4つです。

 

・ターゲットリストの選定

・役員や上位役職者へアプローチ

・架電やDMによる商談獲得

・商談単価を一定以上に保つ

 

BDRはMAツールを駆使し、ターゲットに特化した戦略を講じることで売上の最大化を目指します。ただし、いずれも特性を生かして商談機会を創出するという点に変わりはありません。

 

営業にSDRを取り入れるメリットは2つある

続いて、SDR導入のメリットを2点ご紹介します。

 

効率的な営業による生産性の向上

インサイドセールスは担当する顧客が多く、持っている情報の幅が広いのが特徴です。また、対面での商談を調整する必要がないため、顧客が欲しいタイミングで情報提供することもできます。

 

SDRは問い合わせ対応から商談機会を生み出し、フィールドセールスへ橋渡しします。これにより営業は、失注した案件のフォローもSDRに任せられるので、業務の負担が軽くなり目の前の顧客に集中しやすくなります。

 

見込み顧客への的確なアプローチが可能

インバウンド中心のSDRは、問い合わせの対応をしなければセールスが始まりません。つまり、顧客はすでにこちらの商品やサービスに何らかの興味を持ってもらっている状態です。

 

顧客の熱量が高いうちにベストなタイミングで的確なアプローチをすることが商談機会の獲得につながります。顧客が心変わりしないよう、アプローチは短期間で狙い打ちしましょう。

 

SDRによる営業で考慮したいデメリットも

これまでインサイドセールスにおけるSDRの良い面をクローズアップして紹介しましたが、顧客の特性上、気を付けたい点もいくつかあります。以下で、2点のデメリットと対策法をご紹介します。

 

フィールドセールスに引き継ぐ際の顧客状況が良いとは限らない

ターゲット企業を絞って戦略的アプローチをするBDRに比べ、SDRはマーケティング部門が獲得したリードを中心に商談機会を獲得します。SDRの場合、自社が発信している情報に対してアクションを取った顧客全てにアプローチしているので、顧客の熱量はさまざまです。

 

BDRよりもリードは多く集まるため、一見すると商談機会を多く獲得できそうですが、購買意欲はまちまちなので質の面では劣ってしまうケースがままあります。この状態でフィールドセールスに引き継いだとしても、必ずしも良い結果が出るとは限りません。

 

ただし、BDRよりも単価の低いSDRは、即決しやすいというBDRの苦手分野をカバーする側面を持っています。SDRが質より量で勝負するといわれる理由はここにあります。

 

売上を上げるまでに時間が必要

中小企業を中心にセールスを行うSDRは、受注数が多い反面一つひとつの受注単価は低い傾向にあります。

 

そのため、売上を上げるにはメールや架電による活動量が重要です。また、商談獲得数はもちろんですが、有効商談数にも注目して売上アップを図りましょう。

 

SDRの導入時に検討するべきポイントは3つある

SDRはインサイドセールスにとって重要な役割を担いますが、成果が分かりにくくモチベーションを保つのが難しい側面があります。

 

だからこそ、自分たちがどこに向かい何を為すべきか、はっきり示すことが必要です。ここでは、SDR導入時のポイントを3つご紹介します。

 

具体性のある目的を定める

インサイドセールスは新しい手法のため、立ち上げはセールスプロセスを組み替えることと同義です。よって、具体的な目的を設定しなければ混乱を招き、存在意義さえも薄れてしまいます。

 

正しく棲み分けをするためにも、SDRとBDR、フィールドセールスの目的や役割を明確化しましょう。具体的な役割や存在意義を一言で理解できるメッセージ的なビジョンを掲げるのも、メンバーの士気を上げるのに効果的です。

 

目的にもとづいたKPIを設定する

SDRはフェーズごとに、目的に合ったKPIを設定します。ここで避けたいのが、作業量をKPIに設定することと、質を追い求めすぎることです。

 

セールス部門はよく架電数などをKPIに設定しがちですが、KPIはあくまで業績の評価指数であることを忘れないようにしましょう。架電は業績につながる行動であって業績そのものではないため、やみくもに数だけ増やせばよいというわけではありません。

 

その点を踏まえ、立ち上げ初期に注目したい指標は商談獲得数となります。商談獲得数はいきなり質にこだわると頭打ちしてしまうので、まずはPDCAサイクルを回して正解のサンプルを蓄積しましょう。

 

併せて問い合わせ数やリード数も意識し、業績を支える行動が大切です。最終的に成約数に結びつけられるよう、さまざまな施策に取り組んでみましょう。

 

適切な顧客へのアプローチを行えるツール等を活用する

インサイドセールスは、集めたデータの管理と効果的な活用が業績に直結します。リードへ効率的にアプローチするためには、MA(マーケティングオートメーション)ツールを始めとする管理ツールの選定が重要です。

 

ツール選びのポイントは、実際に営業する現場で使いやすいUI設定であり、自社好みにカスタマイズできるものが望ましいでしょう。日程調整が自動化できる機能も、SDRにとって重宝されます。

 

SDRが営業するために行う事前の取り組みを一部紹介

見込み客の問い合わせを増やすために、顧客との接触機会を増やしましょう。効果的な営業を行うために、事前に仕込んでおきたいポイントを5つご紹介します。

 

オウンドメディアでの情報発信

オウンドメディアは見込み客との関係構築やインバウンド施策にぴったりの媒体です。ブログや商品紹介などを自社サイトで魅力的に見せれば、それだけで信頼感が高まりリスト取得率もアップします。

 

専門的な濃い情報を発信して興味を持ってもらえれば、顧客自身からコンタクトが来るプル営業タイプな点も、SDRとマッチしているといえるでしょう。

 

紙媒体を用いたアプローチ

紙媒体は印刷などの工程の多さから、情報の鮮度という点で敬遠されがちですが、SDRにおいては権威性が発揮できます。WEB発信が一般的である状況下の中、紙媒体の露出は企業のブランディング力を高めるアプローチ法として効果的です。

 

オフラインでの見込み客の獲得にもつながるので、1つの手段として検討しましょう。

 

SNSでの情報発信

見込み客との接触機会を最大限に高めるために、自社のSNS運用は大きな武器となります。毎日発信すること、ブランディングで権威性を示すこと、質の良い投稿で信頼関係を築くことがSNS運用だけで可能です。

 

文字で見せるならTwitter、写真ならInstagram、ショート動画ならTikTokなど、自社の商品やサービスに合わせたSNSを効果的に使い分けましょう。

 

セミナーや展示会の開催

インサイドセールス自体、非対面である印象が強い傾向にありますが、セミナーや展示会も認知やリードの獲得機会として重要な役割を担っています。オフラインでしか得られない情報や役職者の名刺など、デジタルマーケティングの部署と連携してリスト獲得を目指しましょう。

 

まとめ

SDRは問い合わせやイベントから商談を作るインサイドセールスチームです。中小企業を対象とするため売上単価は低い傾向にありますが、既存客との関係構築においてSDRは大きな影響力を持ちます。

 

商談獲得率を上げるため、効果的なツールや仕組みを駆使して見込み客に迅速なアプローチができる体制を整えましょう。本記事を参考に、ぜひSDRの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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