マーケティングにおけるSQLとは?MQLとの違いや重要性を解説
「マーケティングのSQLとは?」
「MQLとの違いがわからない」
と悩む方も多いのではないでしょうか。大きな違いはフォロー方法と役割にあります。
・営業活動で得た見込み顧客はSQL
・マーケティング活動で得た顧客はMQL
2つの定義と役割の違いを理解することは、適切な営業活動につながり契約の可能性も高まります。
一方で、SQLとMQLの違いが理解できていないとマーケティング部門と営業部門で意見の食い違いや対立を引き起こす恐れがあります。各部門の連携をスムーズにするためにも、正しい用語の意味と役割を理解し売上へと繋げていきましょう。
営業におけるSQLとは
全ての顧客がすぐに成約する段階とは限りません。SQLとは、顧客の中でも営業部門で成約につながる可能性が高いと判断したお客様です。営業担当者がSQLと商談を行い、契約を行うフェーズです。
営業担当者は顧客情報をもとに、成約に至る可能性の高い顧客を見極め、SQLを絞り込む必要があります。営業担当者がSQLと判断する顧客は2パターンあります。
1つめはマーケティング活動で獲得した顧客の中でも成約の可能性が高いと判断された見込み顧客、2つめは営業活動で直接獲得した見込み顧客です。
また、SQLと判断された顧客は必要な商品・サービスを理解しているため他社との比較検討もしています。顧客をのがさないためにもSQLに対してはニーズに合わせた商品・サービスを提案するなど早い段階で適切なアプローチをすることが重要です。
商品の希望納期や購入予算がはっきりしているため、納期や予算の交渉を進めて受注契約にうつなげていきましょう。
SQLの特徴3つ
営業担当者がSQLと判断する見込み顧客には3つの特徴があります。商談から契約までスムーズにするためにも、SQLの特徴を理解して適切な営業アプローチをしていきましょう。
顧客のニーズが顕在化している
SQLは契約を考えている可能性が高い状態で、自ら商品の情報収集や依頼のアクションを起こします。ニーズが明確なので購入時期や予算の適切な提案によりクロージングの確率が高まります。
商談を何度も重ねる必要性がなく、営業部門にとってはクロージングまでに、時間や労力の負担がかかりません。ただし、SQLは商品やサービスの内容を理解しているため他社との比較をしている状態です。
成約の可能性が高い見込み顧客をのがさないためにも早めにアプローチを開始しましょう。
成約までのスピードが速い
SQLは購入時期や予算がある程度具体化しているので、成約までのスピードが速いです。そのため、営業部門が改めて顧客の悩みやニーズをヒアリングする必要がありません。
何度も商談を重ねる必要がなく、比較的早期に価格や納期調整など契約に向けた具体的な提案に進むことが可能です。場合によっては、電話やメールで契約が成立するケースもあります。
希望納期が決まっているSQLに対して速やかな対応や提案をしなければ、機会損失につながる恐れがあります。リードを顧客化するためにも、早めにアプローチしていきましょう。
継続的なリピートやファン化につながる
SQLは獲得して終わりではなく、顧客の悩みやニーズに合わせたアフターフォローをすることで継続的なリピートやファン化につながります。結果、売上の安定も狙えるでしょう。
顧客のニーズに合わせた有益な情報をメルマガで自動配信することも可能なので、より効率的に営業活動ができます。
MQLとは?SQLとの違い
MQLとSQLの違いは、商品・サービスへの関心度の高さです。関心度の高さの違いは成約が近いかそうではないかに影響します。以下はマーケティング部門と営業部門で獲得している顧客の段階と状態の違いを表しています。
・マーケティング部門が獲得した顧客(商品・サービスを認知した段階)
・インサインドセールス部門が育成する見込み顧客(商品・サービスに関心を持った段階)
・営業部門がマーケティング部門から引き継いだ見込み顧客(契約検討に際し他社と比較している段階)
MQLには商品・サービスにある程度の興味はあるものの、契約意向までには至っていない顧客も含まれます。
そのため、メールや電話で質の高い情報を提供し、自社商品やサービスへの関心を高める必要があります。顧客の関心がある程度高まった段階で営業部門に引き継ぎます。結果、効率的なフォローにつながります。
MQLの特徴3つ
MQLには3つの特徴があります。以下では顧客の特徴に合わせたアプローチ方法を紹介するので参考にしてみてください。
商談を獲得しやすい
MQLは商品・サービスに興味がありますが、関心度には差があります。そのため、MQLの関心度合いに合わせた質の高い情報提供が重要です。
そこで活用するのが、名刺交換やホワイトペーパーのダウンロードにより獲得した顧客情報です。顧客の属性情報の他にも、商品やサービスへの関心度合いの把握もしやすいためニーズに合わせた質の高い情報発信が可能です。
メール配信で有益な情報を届け、MQLの中でもニーズが明確な顧客に対しアポイントの獲得を狙います。全てのMQLにアポイントを取るよりも、関心が高まり契約に結びつきやすい顧客に絞り込んでアプローチしていきましょう。
受注までに時間がかかる
MQLは自社の関心度合いに差がある顧客が混在しているため、成約までに時間がかかる可能性があります。要因は以下の通りです。
・ニーズや必要性が明確になっていない顧客も含まれる
・予算や納期が具体的に定まっていない顧客も含まれる
顧客の関心度合いに合わせた適切なフォローで、成約の可能性を高めていきましょう。
施策次第で費用対効果を上げられる
マーケティング部門では、獲得したMQLが必要としている情報を提供し商品やサービスへの関心度合いを高め、成約の可能性が高い顧客を絞り込んでいきます。結果として、営業部門に引き継いだ後の効率アップが期待できます。
購買意欲が低いリードを排除し契約の見込みが高い見込み顧客に絞り込んでアプローチできるからです。
一般にこれまでの日本企業では成約の確度が顧客によりまちまちで、母数となる営業先が多く必要でした。MQLのなかでも、ニーズが定まっておらず反応の薄い潜在顧客にアプローチを繰り返しても、時間や労力が無駄になりかねないので気を付けなければいけません。
SQLを理解する上で抑えておくべき4つのリードプロセス
顧客が自社商品・サービスの認知から契約するまでのプロセスは4つあり、各プロセスごとに顧客の関心度合いも違いがみられます。
以下では各フェーズの説明と顧客の状態に合わせたアプローチの方法を紹介するので参考にしてみてください。
プロセス1:MQL(Marketing Qualified Leads)
MQLは、マーケティング活動で獲得する見込み顧客を指します。獲得手段には広告やメルマガ配信、セミナー案内などです。MQL以降の工程で契約までのプロセスをスムーズにするには、情報発信に対して反応の良い顧客を絞り込むことが重要です。
自社商品やサービスに関心のあるMQLに対して情報発信やセミナー開催を継続的に行い、反応をチェックしていきましょう。次以降のプロセスでスムーズに顧客情報を引き継ぐためにも、成約する可能性が高い顧客情報を共有しましょう。
プロセス2:TQL(Teleprospecting Qualified Leads)
TQLは、インサイドセールス部署が電話やメールで獲得する見込み顧客です。ここでは、商品やサービスの魅力をアピールし顧客の関心度を高めることが重要です。
メールや電話での情報発信は、TQLとの良好な関係の構築につながります。良好な関係を築き、顧客の関心を高めることができると、営業部門に引き継いだ後のアプローチが効率的です。
プロセス3:SAL(Sales Accepted Leads)
SALとは営業部門が、インサインドセールスから共有された見込み顧客を指します。SALは自社の関心が高い状態ですが、契約意向までの心理状態には至っていません。
契約意向まで至っていない原因は、ニーズが明確になってない点が考えられます。そのため、商品・サービスの機能や特徴を説明するよりも、導入後に得られること(体験)を提案することがポイントです。
このように付加価値の提供は他社との差別化を図ることが可能です。顧客と積極的にコミュニケーションをとり、商品・サービスの導入後に得られる価値の提案をしていきましょう。
プロセス4:SQL(Sales Qualified Leads)
SQLは、SALのなかでも営業担当者が商談で契約につながると判断した見込み顧客を指します。MQLより自社商品やサービスへの関心が高く、スムーズな契約にもつながる可能性が高いです。前述した通り、
商談から契約までスムーズに進めるためにも、納期や予算などの具体的なアプローチをしていきましょう。もし商談で契約に至らなった場合は、インサインドセールス部門で再度フォローします。ニーズの把握と最適な提案をし、良好な関係の再構築を目指します。
マーケティングの目標達成にはMQLとSQLが重要
商品やサービスの契約につなげるためにも、質の高いMQLとSQLを絞り込むことが重要です。以下では、MQLとSQLの位置づけの違いについて紹介していきます。営業部門とマーケティング部門がお互いの役割について理解を深めていきましょう。
効率的な営業ができるMQL
・リード獲得方法:広告やメルマガ配信
・ニーズの高さ:低~高
・商品サービスへの関心度:低~高
MQLとはマーケティング活動で獲得した顧客を指します。まずは自社商品やサービスを認知してもらうことが目的です。MQLの段階ではニーズの把握はしていません。
すぐに成約にはつながらないので、メールや電話でフォローすることが重要です。商品の魅力をアピールし、自社商品やサービスへの関心を高めていきましょう。
関心度合いをある程度高めてから顧客情報を次のフェーズに共有すると、時間をかけずにTQL、SAL、そしてSQLまでスムーズに引き継ぐことが可能です。その結果、各フェーズでのアプローチにかける時間や手間の削減にもつながります。
さらに、獲得した顧客をリピーターにできれば継続的な売上にも繋がるので、質の高い情報発信の工夫をしていきましょう。
成約に繋がりやすいSQL
・リード獲得方法:マーケティング部門からの引き継ぎまたは営業担当によるアプローチ
・ニーズの高さ:高
・商品・サービスへの関心度:高
SQLには営業部門が直接またはオンラインでフォローします。MQLよりもニーズが明確なので、成約までスムーズに進められる状態です。導入期限や予算のイメージが具体的に決まっているケースも多いので適切な提案をすると、クロージングの可能性が高まります。
MQLの中から成約率が高い見込み顧客をSQLとして絞り込み効率的な営業アプローチを展開しましょう。
SQLとMQLの連携における課題
SQLとMQLをスムーズに引き継げないなど、連携に課題を感じる企業も多いようです。以下では、その原因と対処法を紹介するので参考にしてみてください。
MQLはクロージングまでが長い
SQLは購買意欲が高い顧客にアプローチするため、比較的契約もスムーズです。一方で、MQLは必ずしも商品やニーズが明確になっていないので、時間をかけてナーチャリングする必要があります。
それに対して、営業部門から「早く顧客情報の共有をしてほしい」と催促されるケースもあります。ニーズが明確になっていない顧客情報を共有しても成約できる可能性が低いので、営業部門からの不満を引き起こす原因にもなるでしょう。
お互いに気持ちよく業務を進めるためにも、各部門の役割と「どの段階で顧客情報を共有するかを明確にしておくこと」が重要です。CRMなどのデジタルツールを活用すると、スムーズな顧客情報の共有につながります。
MQLはSQLと比べて優先順位が低い
営業部門は「クロージング」の数値を重視します。そのため、成約まで時間がかかるMQLよりもSQLに対して優先的にコンタクトを取り、結果的にMQLのフォローが手薄になる傾向があります。
MQLの中でも、「半年以内に購入を考えている」段階の顧客もあれば「まだ商品のことがわからない」「他の情報が知りたい」といった顧客も存在し中長期的なアプローチが必要な場合があります。
すぐに成約につながらないMQLでも将来的にリピーターになる可能性もあるので、コミュニケーションをとって良好な関係を構築することが重要です。
MQLにも適切なアプローチをしなければ「せっかく獲得して、商品・サービスの関心を高めるアプローチをしたのに時間の無駄だった」とマーケティング部門からの不満を引き起こすことにもなります。
このような不満を未然に防ぐためにも、MQLにもアプローチをしていきましょう。
SQLとMQLの連携で抑えるべきポイント3つ
企業全体の目標を達成するためにも、営業部門とマーケティング部門の連携をスムーズにすることが重要です。以下では、両者がスムーズな連携をとるためのポイントを紹介するので参考にしてみてください。
MQL引き継ぎの基準を明確にしておく
MQLはマーケティング活動で得た顧客を指しますが、営業担当者に引き継ぐ明確な基準がないと、MQLの関心度合いに温度差があるため、顧客を引き継いだ後商談に時間がかかる場合があるでしょう。
ベテランの担当者であれば長年の経験から判断が容易ですが、入社したばかりの担当者だと経験が浅いため引き継ぎのタイミングに悩んでしまうからです。個々での成果だけでなく会社全体の成果を高めていくためにも、下記のような基準を設定するとわかりやすいでしょう。
・見積もり依頼があった
・資料請求後に質問や相談があった
上記のように基準があると、経験年数に関係なく判断がしやすいというメリットが生まれます。
マーケティング部門と営業部門の連携を密にする
顧客情報の共有は、マーケティング部門と営業部門間での連携のためには重要なポイントです。ここでいう顧客情報とは年齢や役職といった属性だけの情報だけではありません。以下のような顧客情報があると、営業担当者がSQLと判断しやすくなります。
・顧客ニーズの把握
・顧客の購買意欲レベルの把握
顧客が「自社を知らない状態から、どのように商品・サービスを認知したか」「どのようなアプローチをしてSQLになったか」といったMQLからSQLになるまでの背景が把握できると、顧客の悩みやニーズの把握が容易になります。
そのため、顧客に合わせた適切なアプローチや良好な関係の構築が可能です。
情報管理システムを活用する
前述のように、MQLからSQLまでスムーズに顧客情報を引き継ぐためにも、情報管理システムツールの活用をしていきましょう。
例えば、電話で問い合わせがあったという顧客の行動は点数で可視化ができますが、「MQLからSQLになるまでの背景」はできません。これに対して、MAツールを導入すると容易に把握が可能になります。
・サイト記事Aを読んで電話で問い合わせをした
・商品A紹介のフライヤーを見て電話で問い合わせをした
・他企業の口コミがきっかけとなり電話で問い合わせをした
営業担当者がSQLと商談する際に、商品・サービスの機能説明の他に顧客の問合せの背景に触れれば親近感にもつながり関係構築のきっかけになるかもしれません。情報管理システムには以下のようなツールがあります。
・SFAは営業活動のデータ化
・CRMは顧客の名前や年齢などの基本情報の管理
・MAはマーケティング部門の支援が可能
取得したい情報や顧客情報の管理方法に合わせて活用してみてください。
まとめ
SQLとMQLの定義と役割の違いを理解することは重要です。さらにマーケティング部門と営業部門のスムーズな連携にもつながります。営業部門に成約の可能性が高いMQLを引き継ぐためには、質の高いコンテンツ制作が重要です。
コンテンツファクトリーでは、成約の可能性が高い見込み顧客のニーズを満たすコンテンツ制作が可能です。質の高い記事作成から顧客化まで徹底的にサポートを行っていますので、ぜひご相談ください。