BtoBマーケティングの事例13選|他社の成功から手法を学ぼう
BtoBマーケティングを成功に導くためには、まずどのような施策が有効なのかということを、実際の事例から学んでいく必要があります。
ここではBtoBマーケティングの事例をピックアップして紹介し、マーケティング成功のためのエッセンスを理解しましょう。
BtoBマーケティング成功事例13選
商談率が大幅上昇「株式会社HubWorks」
BtoBマーケティング会社のHubWorksでは、ホワイトペーパーを使った訴求を実践することにより、商談率の大幅な上昇を実現しています。同社で実施したのは、ホワイトペーパーを用意し、これをさまざまなチャネルを使って潜在ターゲットに訴求するという手法です。
Facebook広告やプレスリリースなど、BtoB関連の企業の担当者が目にする可能性の高い媒体を通じてホワイトペーパーを発信することで、質の高い情報発信に成功しました。
複数の訴求アプローチがありましたが、最高でアポイント獲得率は20%にも達するなど、具体的な成果につながっていることがポイントです。
リアルで接点が持てなかった地方の問い合わせが拡大「株式会社すららネット」
eラーニング教材を扱うすららネットでは、オフラインでは接点を持つことが難しかった地方の潜在顧客に対してのアプローチに成功し、問い合わせ拡大を実現しています。
同社では都市部や会社近辺への営業で成果を挙げてきましたが、さらなる成長を実現する上で、遠隔地へのアプローチは必然でした。ただ、従来通り対面営業で地方を回る場合、交通費や人件費に対して、十分なリターンを得られないという問題がありました。
そこで採用したのが、ホワイトペーパーを使ったデジタルマーケティング施策です。リアルでは得られない接点をオンラインで獲得できるよう、豊富なチャネルを活用し、潜在顧客へのアプローチに成功しています。
結果として、同社では従来の9倍ものPVを獲得し、問い合わせの拡大やスムーズな商談の進行にもつながるなど、多くの成果をもたらすことができました。
BtoB事業月間平均の売上が3.5倍に「ライオン株式会社」
生活用品や衛生用品でお馴染みのライオンは、Webサイトの見直しを行い、売上の改善に成功しました。
同社で課題となっていたのは、公式Webサイトの導線です。問い合わせページ経由での問い合わせが想定より少なかったことから、より多くの問い合わせにつながるよう、問い合わせページへアクセスしやすい設計へと導線を変更しました。
結果、問い合わせの件数は数ヶ月で改善の兆しを見せ、3ヶ月で6.2倍にまで増加しました。また、問い合わせ数の増加に合わせて月平均売上も3.5倍まで増加し、大きなマーケティング効果を創出しています。
BtoBのECサイトの売上が年間20%以上成長「キヤノンマーケティングジャパン」
キヤノングループのマーケティング部門であるキヤノンマーケティングジャパンでは、ECサイトの改善を実施し年間売上の改善に成功しました。同社のECサイトで課題となっていたのが、ユーザーの購買行動の変化についていけなくなっていたことです。
従来は、Webサイトを訪問して情報を収集し、それから購買フェーズに移行するというのが主流の購買フローでしたが、サイト設計はそういった使い方を想定していないものでした。
そこで同社では新たにWebサイトを構築し、積極的にデジタルマーケティングを実施していくことで、潜在顧客へのアピールを進めていったのです。結果、月間CVは前年と比べて2.6倍にまで成長し、自社ECサイトでの売上も年間20%以上の成長を達成しました。
低コストで見込み客を獲得「富士通マーケティング」
富士通グループの富士通マーケティングでは、見込み客のデータを一元管理できるシステムを組み込んだことで、従来よりもコストをかけずに見込み客を獲得できる仕組みづくりが進んでいます。
同社で課題となっていたのが、見込み客1人ひとりへの丁寧なアプローチを実行し、関係を向上させていくことです。しかし、そのために必要なデータベースや管理システムの構築が進んでおらず、適切なアプローチが行えない状態でした。
そこで新たにデータベース構築を進め、管理体制を整備したことに加え、コンテンツマーケティングの推進にも取り組みました。コンテンツを充実させた結果、同社ではWebサイトへの訪問者数を2.5倍にまで増加させることに成功しています。
デジタルサイネージ広告で契約数を増加「Momentum株式会社」
デジタルマーケティングを手掛けるMomentum株式会社では、デジタルサイネージ広告で商品認知を広めることに成功しました。
同社で課題となっていたのが、「アドフラウド対策」という言葉の認知が拡大しない事でした。そもそもどのような意味なのかがわからないと、需要を喚起することができず、製品のプロモーションが進まないことが課題となっていました。
そこで同社が取り組んだのが、タクシーの後部座席で放映するデジタルサイネージ広告です。「アドフラウドおばけ」というポップな言葉を使いながらビジュアルでわかりやすく「アドフラウド」について紹介することで、対策の必要性を喚起しました。
新規見込み客を安定的に獲得「株式会社アシスト」
ソフトウェアの導入支援を手掛けるアシストは、BtoBマーケティングコンサルの手を借りることで、コンバージョンを2倍に増加させるなどの成果を短期間で実現しました。
同社が課題としてきたのは、自社サイトのコンテンツがリードの創出に結びつかないという問題です。PV数に対して見込み客の獲得が進まず、コンテンツ発信の意味を見出せない状態が続いていました。
そこで同社ではコンサルティング会社のアドバイスを受けたところ、大幅なコンバージョンの改善が進みました。基本的なWebマーケティングのテクニックを共有するだけで効果が現れたことから、現在では3部門にまでノウハウを共有し、広く運用を進めています。
Facebookの活用でブランディングに成功「コニカミノルタ株式会社」
情報機器や医療機器を取り扱うコニカミノルタでは、自社のブランド認知向上に向け、Facebook広告を活用しています。
「Dream Printerという名前で発足したこのプロジェクトを映像化し、Facebookのタイムラインに掲載したり、広告枠に出稿したりすることにより、潜在顧客への効果的なアプローチを実現しました。
結果、同社の動画CMはSNS上で200万回以上の再生を記録し、他のSNS媒体にまで拡散されるなど、自社の認知度向上に大きく貢献しています。
Twitterを活用して想起率を向上「セメダイン株式会社」
接着剤でお馴染みのセメダインは、Twitterを活用した自社商品のプロモーションをうまく展開している企業です。「接着剤と言えばセメダイン」を目標に、同社ではさまざまなプロモーションを展開していますが、中でも多くの注目を集めているのが同社Twitterの投稿です。
接着剤が指についてしまった時の対処法や、意外なセメダインの使い方などを広く発信することで、2023年現在、同社のアカウントは8万人以上のフォロワーを獲得しています。
技術データベースサイトを活用し売上向上「大阪ケミカル株式会社」
化学メーカーの大阪ケミカルは、技術データベースサイトの立ち上げ、およびBtoBマーケティングへの活用を実践することで、売上向上を実現しました。
これまでオフライン広告を主軸に展開してきた同社ですが、期待しているような効果が得られず、オンライン広告へのシフトを実施したということです。
広告から得られるデータをもとに改善を繰り返し、効果的な広告施策を実現できた結果、年間で6,000万円以上の施策実施効果が得られました。
また、オンライン広告からユーザーの声を素早く、正確に収集することで、需要に沿った製品開発を迅速に進められるようになりました。
効果的なナーチャリングを実現「株式会社田村製作所」
電子部品メーカー大手の村田製作所は、プロモーション施策の効果的な運用に向けたMAツールの導入を推進し、従来よりも優れたリードナーチャリングを実現しました。
同社で課題となっていたのが、複数のプロモーション施策がばらばらに機能していたことで、シナジーを得られていなかったことです。
そこでMAツールを導入し、見込み客情報を一元化したのに加え、コンテンツマーケティングも強化したことで、効率の良いリードナーチャリングにつながりました。新規市場の開拓も進み、現在は全社で売上高1兆円規模のビジネスに大きく貢献しています。
パートナー企業との情報共有を効率化「株式会社マネーフォワード」
家計簿アプリや会計ソフトを提供するマネーフォワードは、パートナー企業との情報共有の改善を進め、成果を獲得しています。
新型コロナの影響などから対面営業が難しくなったことによりパートナー企業とのコミュニケーションが非効率であったことから成長に限界を感じていた同社では、MAツールの導入によって事態の改善を図りました。
結果、MAツールによってデータ管理を一元化することに成功し、入力作業の統一など業務の効率化にも努めました。パートナー企業からの紹介件数は10倍にまで増加するなど、確かな成果を獲得することに成功しています。
自社の強みをSNSで発信し売上増加「株式会社シマテック」
機械メーカーのシマテックでは、商品紹介においてYoutubeを活用することで、一定の成果を獲得しています。これまでは自社ホームページやブログを使った情報発信を行ってきた同社でしたが、発信力に課題を抱えていました。
そこで新たにYoutube経由で動画を公開し、自社商品についての詳しい運用方法やプロモーション動画を公開することで、技術力の高さや魅力的な商品を訴求することに成功しています。
結果、同社では新規顧客の問い合わせ数が3.1倍にまで増加し、売上も1年間で1.7倍に伸び、1億円を突破するなど、多大な成果につながりました。
BtoBマーケティングを成功させる4つのポイント
上記の成功事例から、BtoBマーケティングを成功に導くためのエッセンスを考えてみましょう。主なポイントとなるのは、以下の4つです。
1.顧客ニーズの明確化
まず必要なのは、顧客ニーズを明確にすることです。そもそもどのようなターゲットを設定するのかを具体的に定めておかないと、有効なマーケティング施策を展開することはできません。
マーケティングには多様なアプローチがありますが、これはターゲットに応じて最適な施策を選ぶことで、効果を発揮します。
このためにも、まずは顧客ニーズをあらかじめ明確にし、その上で自社の強みを十分にアピールできる施策を選ぶことで、的確なマーケティングを展開可能です。
2.目的に合ったツールの導入
BtoBマーケティングにおいてはMAツールをはじめ、さまざまなツールを活用することが一般的です。
ただ、ツール導入にはコストがかかるだけでなく、その運用にも研修期間や現場の慣れを待つという時間的なコストが発生するため、これを必要最低限に抑えることが求められます。
ツール導入において失敗しないためのポイントは、目的に合ったものだけを導入することです。多様なツールを導入しても、うまく使いこなせない、あるいはそもそも自社のニーズにフィットしていない場合、かえって業務を複雑にしてしまいます。
あらかじめ慎重な課題設定を行った上で、ツール導入を進めましょう。
3.関連部門間の連携
BtoBマーケティングの目標は、あくまで営業に購買見込みの高いリードを送り、商談で契約を成立させてもらうことです。そのため、マーケティングだけがうまくいっていても、営業部門への引き継ぎがうまくいっていないと、マーケティングを成功に導くことはできません。
BtoBマーケティングを展開する場合、営業部門とのデータ連携体制を整備するなど、関連部門の間で情報共有できる仕組みを整えておくことも大切です。
4.継続的なコンテンツ開発
BtoBマーケティングにおいて重要なのが、継続してコンテンツマーケティングを続けることです。特にWebメディア運営などは軌道に乗るまでに時間を要し、1年程度は取り組むことが求められます。
継続して質の高いコンテンツを発信し続ける仕組みを整備していないと、コンテンツの更新が滞り、ユーザーの獲得が進まなくなる事態にも発展しかねません。あらかじめコンテンツの制作体制を整備し、継続して取り組めるよう準備しておきましょう。
まとめ
この記事では、実際に成果のあったBtoBマーケティングの成功事例や、そこから得られるマーケティング実践のポイントについて、解説しました。BtoBマーケティングは正しい取り組み方を実践することで、高い確率で成果を残すことができます。
自社に必要な施策を検討するためにも、まずは現在抱えている課題について、丁寧に洗い出してみることをおすすめします。
株式会社HubWorks代表取締役 2013年より大手インターネット広告代理店に入社。月間数千万規模、主要チャネル(Yahoo・Google・Facebook・LINEなど)のウェブ広告運用を経験。 2017年に転職し、SaaSのBtoBマーケティング担当に従事。リード獲得からナーチャリング、コンテンツマーケティングなど幅広く対応 2018年から独立しシェアオフィス専門ポータルサイトの立ち上げやコンテンツ制作BPOコンテンツファクトリーのサービスを立ち上げ。 ウェブマーケティングの知見をいかし、全事業早期黒字化を達成 パーソナルジム「ソロジム」を運営