services icon

COLUM/KNOWLEDGEコラム/ナレッジ

BtoBマーケティングでのKPIとは?設定方法とポイントを解説!

BtoBマーケティング kpi アイキャッチ

 BtoBマーケティングでのKPIとは?

BtoBマーケティングでのKPIとは?

BtoBでは商材やサービスを扱う場合、BtoCに比べて契約まで長期化するのが一般的です。

その長い期間において、必ずと言っていいほど必要になってくるのが「KPI」です。

 

この記事では、BtoBマーケティングにおけるKPI設定方法とポイントを、フェーズ毎の事例を交えながらご紹介します。

 

KPIとは何か?

KPIはKey Performance Indicatorの略で、日本では「重要業績評価指標」と訳される指標の1つです。

 

企業の最終目的であるKGI(Key Goal Indicator)達成に向け、途中段階での進捗状況を計測するために、一定期間やプロジェクト単位で設定されます。

KGIから見て軌道がずれていないか、現在地から見たゴールまでの道のりを確認する際に役立つ判断基準です。

 

BtoBマーケティングにおけるKPIの役割と重要性

KPIは営業戦略の立案や、評価・改善を行うPDCAサイクルを回す上でも、重要な役割を担っているのが特徴です。

 

営業戦略の場合、KPIは戦略の根拠・基盤となります。

例えばKPIを「月間の受注数200件」と設定した場合、そこから逆算すると1営業日当たりの必要受注数、商談件数、アポイント数などが導き出されます。

 

そして必要数を獲得するために必要なアプローチや戦略が、必然的に決まってくるという訳です。

また、PDCAサイクルを行う際には、KPIは評価基準・改善目標になります。

 

先ほどのKPI=月間の受注数200件という例だと、実際の受注件数が150件だった場合、KPIの達成率は75%と評価できます。

 

「不足25%分が受注に至らなかった原因」を分析することで、KGI達成に向けた新たなKPIの設定と次期戦略の改善に繋がるのです。

 

BtoBマーケティングにおけるKPIの種類

BtoBマーケティングにおけるKPIの種類

KPIは「今期売上5千万円」といった大項目で設定することもできますが、各フェーズによって「アポイント率」や「出席率」といったような、細部の設定も可能です。

 

段階や媒体によってそれぞれ異なる種類のKPIを設定することで、担当部署の作業の輪郭を明確にできます。

 

BtoBの場合は交渉が長期化する分、詳細なKPIを設けて各ステップの分析をスムーズにする狙いもあるため、積極的に取り入れていきましょう。

以下に一部KPIの設定例をご紹介します。

 

ウェビナーにおけるKPI

Webを活用したセミナーであるウェビナーでは、出席後の顧客動向が重要です。

そのため、セミナーの参加申し込み数だけでなく、次のような項目もKPIに設定する必要があります。

 

・出席率

・セミナー、商材への評価・関心度合い(点数、パーセンテージなどで数値化)

・アポイント獲得率

・案件化率

・受注率

 

KGIから逆算して、必要となる受注率・アポイント獲得率を設定しましょう。

BtoBの場合はセミナー参加者から決裁者へのコンタクト方法確立が課題になるため、開催後のコミュニケーション濃度がネックになってきます。

 

関心度合いを持続させるためにも、電話などでのアフターケアをKPIに組み込むのも手でしょう。

 

広告におけるKPI

媒体や目的にもよりますが、広告におけるKPIは費用対効果を確認できるようにする必要があります。

例えば、Web広告でのKPI設定例は次の通りです。

 

・クリック率

・クリック単価

 

広告は商材の認知率向上や詳細サイト(LP(ランディングページ)、サービスサイトなど)への誘導が目的の場合もあります。

 

その際にはクリック単価ではなく「認知向上率」や「詳細サイトへの誘導率」をKPIに設定するのもよいでしょう。

 

LPにおけるKPI

特定の商材のみを重点的に紹介するLPでは、次のようなKPIを設定します。

 

・訪問数

・回遊率

・フォーム遷移率(重要ページへの到達率)

・コンバージョン率

・コンバージョン数

 

単にサイトの訪問数や問い合わせ数だけを見るのではなく、回遊率やフォーム遷移率を確認することで、アクセスしてきた顧客企業の意向を推測できます。

 

インサイドセールスにおけるKPI

見込み客へのアプローチを行うインサイドセールスでは、アポイント獲得のための指標はもちろん、獲得後の展開を確認できるようKPIを設定します。

 

・アクション数(電話、メールなど)

・コネクト率

・アポイント獲得率

・案件化率

・受注率

 

BtoBの場合は案件化・受注までの期間が長くなるため、各段階でのアクションやコネクト指標を定めるのもよいでしょう。

 

BtoBマーケティングのKPI設定方法

BtoBマーケティングのKPI設定方法

1.目標設定

まずは、KPIが向かうべき目標を定めます。

KGIへ向かうことはもちろん、KGI達成に向けた要所要所の目標を明確にすることで、各KPIの内容が具体的になっていきます。

 

例えば今年度のKGIが「売上前年度比6千万円UP」だとすると、単純に考えれば月間の目標は「前年度+500万円」です。

 

さらに、繁忙期や商材の特性によって異なる場合もあるため、自社商材に見合った具体性のある候補を選出しましょう。

 

2.KPI候補の洗い出し

次に、KPIの候補を洗い出します。

KPIの候補は必ず、目標達成に貢献するもの、かつ関連業務に紐づいたものであることが重要になります。

 

特にBtoB商材の取り扱いは部署や担当が細分化されやすいので、一貫性のあるKPI設定が必要です。

各部署やチームごとに案を持ち寄ることで、部署間の認識相違や方向性のズレを防げるでしょう。

 

3.KPIの優先順位つけ

KPI候補に優先順位をつけ、実際に設定するKPIを選定します。

重複などを省き、優先順位が高い3~5項目程度に絞り込みます。

 

例えば、セミナーの「申し込み数」は「申し込み率」の分母として重複しており、割愛が可能です。

優先順位も部署などによって異なるため、チームメンバーと共に検討しましょう。

 

4.KPIの具体的な定義決定

次に、決定したKPIについて具体的な定義を設定します。

その際には次のような項目を参考にしてください。

 

・対象となる期間、商材、業務(チーム)

・KPI評価値の算出方法(計算式)

・単位の明確化(何人、何社など)

 

定義が不明確なままだと、せっかくのKPIも評価ができず、飾りものになってしまいます。

生きたKPIにするためにも、定義は明確に設定しましょう。

 

5.KPIツリーの作成

決定したKPIをもとに、KPIツリーをつくりましょう。

後述するKPI同士の相互関係や流れを確認するのに役立ちます。

 

カスタマーサクセスで「LTV(顧客生涯価値)の20%向上」がKGIの場合を例に考えてみましょう。

まずは、KGIをツリーのトップに置きます。

KGIに続いて設定したKPI、契約更新率やNPS(顧客推奨度)などを配置しましょう。

 

次に、KPI達成のためのサービス内容(「問い合わせの返信期限最短化」など)を記載し、必要に応じて枝分かれさせていきます。

具体施策を盛り込むことで、戦略の整理にも活用可能です。

 

6.KPIのモニタリングと改善

KPIを設定し終えたら、実際の業務と照らし合わせてモニタリングを行います。

短いスパンで達成度合いを確認し、必要に応じて軌道修正を行いましょう。

定期的な見直しを行うことで、方向性の誤りや進行の遅延認識・早期改善に繋がります。

 

KPI設定のポイント

KPI設定のポイント

 

測定可能(SMART)な指標の設定

測定可能な指標を設定することは、KPIを設ける上で重要なポイントです。

測定ができないKPIは、内容が分かる内輪だけの評価や自己満足になってしまいます。

KPI設定時によく言われる「SMARTモデル」は、

 

S(Specific):明確性

M(Measurable):計測性

A(Achievable):達成可能性

R(Relevant):関連性

T(Time-bound):期限

 

の略で「明確かつ達成度合いが測定可能で、期限があり、KGIに関連した達成可能な指標」であることが求められます。

 

チームメンバーの参加

KPIの設定や達成には、チームメンバーの参加が必要不可欠です。

KPIを設定しても、自己完結してしまっては意味がありません。

 

チームや部署毎にKPIを共有し、メンバーが参加することで、企業としてKGI達成に向かって共通認識を持つことができます。

 

KPI同士の相互関係の考慮

KPIの多くは業務形態や部署、フェーズごとに複数設定されます。

中には相互影響を及ぼすものもあり、KPI同士の連携やバランスを確認する必要があります。

 

例えば後述のリード獲得は、以降の業務工程に対しても分母になり得る値です。

KGI達成のために、部署を越えて共通目標値の調整を行いましょう。

 

営業活動の各フェーズにおけるKPIの具体例

営業活動の各フェーズにおけるKPIの具体例

 

リード獲得

リード獲得は以降の業務フローにおいても入口的な存在となる重要工程です。

新たな見込み客の獲得数をKPIに設定することで、今後のフローが明確になります。

 

・リード獲得単価

・アポイント獲得率

・顧客アクション率

 

それぞれ詳細をご説明します。

 

リード獲得単価

リード獲得単価はCPL(Cost Per Lead)とも呼ばれ、リード獲得までに要した費用を割り出します。

 

リード獲得のために実施した展示会やLP開設、それにかかった人件費、諸費用などを項目ごとに分けておくと、後々分析しやすくなります。

 

アポイント獲得率

アポイント獲得率は、アポイントメント獲得に向けた行動(例えばテレアポなど)の実施数と、獲得できた比率を求めます。

 

BtoBの場合、多くは検討者と決裁者が異なるため、必要に応じて「決裁者とのアポイント獲得率」を別途カウントしましょう。

 

顧客アクション率

リード獲得活動に対する、顧客のアクション率を求めます。

例えばWebサイトでは回遊率、ウェビナーではその後の問い合わせ率などが該当します。

商材によってはサンプル提供アンケートなども、有力な情報源となるでしょう。

 

フィールドセールス

顧客と直接商談することの多いフィールドセールスでは、商談内容や対人関係が属人化しやすくなります。

先述の通り、他者からの評価・測定を受けやすくするためにも、次のようなKPIを設けましょう。

 

・顧客平均単価

・案件化率

・受注率

 

順にご説明します。

 

顧客平均単価

顧客平均単価は、1顧客当たりの購入数×金額で算出します。

BtoBの場合は、顧客の他部署やグループ企業で導入されることも考えられるため、商材によっては想定導入数の補足が必要です。

 

このKPIの設定は「オプション商材をどのように設定するか」などの営業戦略にも影響します。

 

案件化率

案件化率は実施した商談のうち、案件化できた商談の確率を求めます。

 

案件化の基準は商材や企業によって異なりますが、例えば現地でのデモンストレーション実施など、自社に当てはまる基準を明確にしておきましょう。

 

受注率

受注率は実施した商談から、さらに受注に繋がった比率を求めます。

 

先述の案件化率と分けて設定することで、商談から受注までの間にどのような影響があるのか、プロセス見直しなどのきっかけになります。

 

カスタマーサクセス

「顧客の成功体験」実現を目指して能動的に働きかけるカスタマーサクセスでは、次のKPI設定が必要になります。

 

・LTV(顧客生涯価値)

・解約率・継続率・離脱率

・NPS(顧客推奨度)

 

以下ご説明しましょう。

 

LTV(顧客生涯価値)

LTVは顧客生涯価値(Life Time Value)の略で、顧客との取引中に得られる収益を指します。

機器のリース契約に例えると、契約から解約(期間満了)までの間に得られるリース料やオプション料のことです。

 

解約率・継続率・離脱率

継続して利用(リピート)される場合もあれば、解約(利用中止)・離脱(他社などへ移行)する場合もあります。

これらの比率を分析することで、KGI達成に向けた必要契約数や課題が見えてきます。

 

NPS(顧客推奨度)

NPSは顧客推奨度(Net Promoter Score)の略で、顧客側の商材やサービス、ブランドなどに対する愛着・他社への推奨度合いを数値化したものです。

 

現状を確認する顧客満足度とは違い、将来的な行動(口コミやSNS拡散など)を数値化できるため、KGIへの道筋を立てやすくなります。

 

BtoBマーケティングでKPIを効果的に活用する方法

BtoBマーケティングでKPIを効果的に活用する方法

 

KPI達成率の見方と分析方法

KPI達成に向けた活動中は、途中経過の定期的な分析・評価が必須です。

達成度は目標値を分母に「実績値/目標値=達成度(%)」で算出します。

 

例えばKPIが「売上目標500万円」で、実績が「売上400万円」だった場合の達成度は「400万円/500万円=80%」です。

 

達成具合を確認したら、次に、未達成または達成した要因を分析しましょう。

先述のKPIツリーを元に、どの工程が要因となったのかを見定めます。

 

アポイント獲得率が未達だった場合、テレアポ自体の数量やかける時間帯、アピール方法など、細部に至るまで追いかけることで原因の根幹を解明できることでしょう。

 

分析・評価に活用できるKPIレポートの書き方と作成ポイント

必須ではありませんが、定期分析の際はレポートをつくると要点をまとめやすく、報告や記録も兼ねられるため、おすすめです。

記載内容は次のようなものが挙げられます。

 

・KPIが目指す目標(再確認)

・測定基準

・KPIのロジカルな根拠

・達成に向けた活動内容

・測定頻度

 

必要に応じて顧客企業の動向や業界情勢などの懸念事項も入れておくと、定点観測時の状況生理に役立ちます。

また、以下の点に留意するのがポイントです。

 

・事実のみをまとめる

・過去データと比較する

・KGI・KPI達成に向けた具体的改善点が分かるようにする

 

特に希望的観測を交えると、レポート作成者の見解に情報が偏ってしまうため、あくまで事実ベースになるよう注意しましょう。

 

まとめ

KPIはビジネスをさらに発展させるための道標となります。

KPIを活用して、より有効なマーケティングを行いましょう。

 

KPI達成に向けた効果的なコンテンツをお探しであれば、コンテンツファクトリーへご相談ください。

LPやウェビナーのアーカイブ配信用動画など、KPIを達成するために役立つキラーコンテンツをご提供します。

 

執筆者:Hub Works 近藤

株式会社HubWorks代表取締役 2013年より大手インターネット広告代理店に入社。月間数千万規模、主要チャネル(Yahoo・Google・Facebook・LINEなど)のウェブ広告運用を経験。 2017年に転職し、SaaSのBtoBマーケティング担当に従事。リード獲得からナーチャリング、コンテンツマーケティングなど幅広く対応 2018年から独立しシェアオフィス専門ポータルサイトの立ち上げやコンテンツ制作BPOコンテンツファクトリーのサービスを立ち上げ。 ウェブマーケティングの知見をいかし、全事業早期黒字化を達成

RELATED

RANKING

業界最安値級コンテンツ制作BPOサービス