コンテンツマーケティングのペルソナ設定とは?設定方法を解説!
コンテンツマーケティングにおけるペルソナの設定方法が分からず、集客に悩みを抱える方も多いでしょう。具体的なペルソナを設定できると、ユーザー像が明確になり、ニーズに刺さるコンテンツ作成が可能です。
本記事では、ペルソナの設定方法を詳しく解説するとともに、メリットや実際の活用事例についてもお届けします。コンテンツマーケティングに役立つペルソナの設定方法を知りたい方は、ぜひご覧ください。
コンテンツマーケティングのペルソナ設定とは?
提供する商品やサービスを利用する、顧客を詳細に想定する作業がペルソナ設定です。ペルソナと混同しやすい言葉に「ターゲット」があり、違いが分からないという方もいるでしょう。
ターゲットは「20代・女性・販売員」のように、顧客層を指しますが、ペルソナは特定のただ1人である点が異なります。ペルソナを設定する際は、性別や具体的な年齢・職業など詳細を設定して、リアルな1人の人物像を決めます。
すなわちペルソナという、想定した人物像が抱える具体的なニーズの把握により、悩みを解決するコンテンツをどのように作成するべきかが明確になるのです。マーケティング戦略を考えるうえで、ペルソナ設定は、重要な役割といえるでしょう。
ペルソナを設定するメリット
ここからは、ペルソナを設定するメリットについて解説します。ペルソナ設定により得られるメリットは、以下の3つです。
・ユーザーの視点が取り入れられる
・ニーズが分かる
・チームメンバーで共通認識をもてる
順番に見ていきましょう。
ユーザーの視点が取り入れられる
ペルソナの設定により、ユーザーの目線に立って物事を考えられ、シチュエーションを考慮したコンテンツを提供できます。
マーケティングにおいて「ユーザー目線」は、コンバージョン獲得において非常に重要ですが、どのように考えるといいのか分からない方も多いでしょう。
ユーザー目線を取り入れるには、ペルソナ設定が最適です。ユーザーにとって使い勝手が良く「このような商品が欲しかったんだ」と、思ってもらえる商品やサービスを作成するには、ペルソナ設定が大いに役立ちます。
ペルソナを設定すると、コンテンツ作成に関する工程をユーザーの視点で考えられるため、心に刺さる商品やサービスを生み出しやすくなります。結果的に、多くのユーザーからの好意的な反応を期待できるでしょう。
ニーズが分かる
ペルソナ設定により、ユーザーが何を求めているかが明確になります。ユーザーのニーズが明確になると、抱えている悩みを解決できるコンテンツ作成が容易になるため、商品やサービスの魅力をいっそう濃く伝えられます。
自社が伝えたい内容ばかりを詰め込んだコンテンツを、ユーザーが利用したいとは思わないでしょう。機能や性能の良さを多く伝えるコンテンツが、商品やサービスのコンバージョンにつながるのではありません。
自社商材が、いかにユーザーが抱える悩みや課題の解決に適していると伝えられる内容にするかが、コンテンツ作成において重要なポイントです。
ペルソナから把握したニーズを十分に満たせるコンテンツ提供ができると、多くのユーザーからの支持につながり、コンバージョンを期待できるでしょう。
チームメンバーで共通認識をもてる
コンテンツ作成にあたり自社だけでなく、外注スタッフも含めたチームメンバー全員が共通の認識をもつには、ペルソナ設定が有効です。コンテンツ作成の際に「20代の女性へ向けて作成してください」と、チームメンバーへ伝えても、想像する人物は個々で異なります。
しかし具体的な人物像を想定したペルソナを伝えると、チームメンバーの個々がブレることなく、たった1人に向けた商品やサービスを作り上げられます。
ペルソナ設定によりチームメンバーが共通認識をもてるので、品質管理向上が期待でき、コンテンツのクオリティが揃った統一性のある商品やサービスの提供が可能です。
ペルソナ設定に必要な要素
ペルソナ設定では、具体的な人物の想定が重要です。以下のような要素をもとにペルソナを決定すると、よりリアルなユーザー像になります。
・名前
・写真
・年齢
・性別
・居住エリア
・住居情報(持ち家・実家・賃貸など)
・最終学歴
・職業
・年収
・家族構成(既婚・独身・子どもの有無や性別)
・趣味
・よく利用しているSNS
・1日のタイムスケジュール
・抱えている悩みと解決にあたり求める内容
ペルソナ設定にあたり、情報が足りなければ、インタビューやアンケートを実施してもいいでしょう。趣味がスポーツ観戦なら具体的なジャンルや、テレビで見るのか、実際にチケットを購入して見に行くのかまで決めます。
名前を決めたり写真を使用したりペルソナの構成要素が具体的なほど、実在する人物であるかのように設定でき、コンテンツ作成に活用が可能です。
ペルソナ設定方法
ここからは、ペルソナ設定の方法について解説します。ペルソナ設定の手順は、以下のとおりです。
1.情報を収集する
2.情報の共通項を抽出する
3.ペルソナの骨組みをつくる
4.ペルソナの詳細を詰める
5.検証する
順番に見ていきましょう。
情報を収集する
ペルソナ設定において、はじめにおこなう作業は、情報収集です。リアルなペルソナを作り上げるには、多くの情報を得なければなりません。
情報収集には、あらかじめ自社データの分析をしたうえで、以下のような方法があります。
・お客さまアンケートやヒアリング
・セールスパーソンからの意見
・アクセス解析ツール
最初におこなう自社データの分析では、以下のような既存顧客のデータをグルーピングしましょう。
・年齢
・性別
・居住エリア
・購入した商品・サービス
・金額
続いて、グルーピングしたなかでも代表的な顧客を選択して、インタビューやアンケートをとります。ペルソナ設定に必要な項目をあらかじめピックアップしておくと、情報収集がスムーズになるでしょう。
セールスパーソンからの意見は、ユーザーとは異なる角度からの情報収集が可能になり、新たなニーズ発見につながります。
アクセス解析ツールを活用すると、自社サイトにおけるユーザーの流入状況が分かります。的確なペルソナ設定のために、できるだけ多くの方法を活用して、徹底的に情報を得ましょう。
情報の共通項を抽出する
集めた情報の中から、ユーザーに共通する項目を見つけましょう。たとえば生活習慣や性格・抱えている悩みなど、ユーザーに共通する点がないかを探します。
共通項を見つける際は、以下のようなデモグラフィックと、サイコグラフィックへの分類もポイントです。
デモグラフィック | 人口統計学的属性 | ・年齢
・性別 ・職業 ・家族構成 ・年収 ・居住エリア |
サイコグラフィック | 心理的属性 | ・性格
・価値観 ・興味 ・生活習慣 ・コミュニティ ・使用頻度 |
デモグラフィックとサイコグラフィックの、2つの軸に分けながら共通項を見つけると、ペルソナ設定におけるユーザー像の構築がスムーズです。
ペルソナの骨組みをつくる
共通項をもとに、ペルソナの骨組みをつくる作業に移ります。骨組みは、ペルソナを具体的に設定するための基礎であり、以下の4つの項目をもとに共通項を当てはめます。
・今後の目標
・現在抱えている課題
・価値観や人生観などのパーソナリティ
・現在の状況を表す行動属性
共通項が上記以外にも抽出できた場合は、さらに付け足してください。自社の商品やサービスの性質によって項目の内容を考慮しながら、ペルソナ設定の目的に沿った骨組みを作りましょう。
ペルソナの詳細を詰める
ペルソナの骨組みに、肉付けしていきます。名前の他、写真やイラストなど、視認できる要素も設定へ含めましょう。
以下の表は、化粧品会社のコンテンツマーケティングにおける、ペルソナシートの1例です。
基本情報 | 名前:佐藤 ひかり
性別:女 年齢:32歳 職業:IT企業の受付 年収:300万 家族:独身 居住エリア:神奈川県横浜市 |
行動属性 | 趣味:料理
休日の過ごし方:料理教室に通う、食べ歩き 習慣:朝に白湯を飲む 利用しているSNS:Instagram |
パーソナリティ | 社交的で明るく、だれとでもすぐ打ち解けられるが1人の時間も好き。
困っている人がいると放っておけない性格のため多くの人に慕われている。 |
今後の目標 | 将来的には自宅で料理教室を開きたいと考えている。
資金を貯めるためにも仕事に打ち込みたい。 |
現在抱えている課題 | 仕事で任される業務が増えてきた。
仕事を1人で抱えすぎず周囲にうまく振る必要があるが、なかなか頼みづらい。 ストレスで肌荒れがひどく、何かいいスキンケア商品がないか探している。 |
ニーズ | 肌荒れを改善するスキンケアアイテムが欲しい。
Instagramを通じて、インフルエンサーおすすめの商品を購入してみようと考えている。 |
肉付けする作業では、骨組みに派生する情報を追加しながら、より具体的な言葉で背景やストーリーを設定します。
背景やストーリーを設定するとペルソナへの感情移入がスムーズになり、顧客理解を深められるので、潜在ニーズをつかみやすくなります。背景やストーリーには、自社の商品やサービスと接点がある内容を描きましょう。
検証する
設定したペルソナがコンテンツマーケティングにおいて、効果的な人物像であるかを検証します。検証する際はユーザーをよく理解している営業担当や、直接接する機会の多い接客スタッフ・オペレーターなどへ、評価を依頼するといいでしょう。
客観的な視点で適切に設定できているかチェックして、完成度が低ければ再度情報収集をおこない、問題がなければペルソナの完成です。ペルソナを設定する際の注意点をより詳しく知りたい方は、こちらもぜひ参考にしてください。
ペルソナの設定方法とは?具体的な作り方のコツや注意点を解説|
ペルソナ設定のポイント
ペルソナを設定する際は、客観的かつ複数名で作成すると、リアリティーのある人物像になります。
客観的に作成する
ペルソナ設定では主観を交えず客観的に作成すると、正確な人物像を作成できます。本来であれば、ユーザーから自社商材を購入してもらうにあたって、自社で予測していたターゲット層があるでしょう。
顧客情報を分析する際に「女性からの支持が少ないのは間違いではないか」「もっと高齢層から人気のある商品のはず」などと、主観が入るケースがあります。
しかし先入観や思い込みは、商品やサービスの本質を見誤ってしまい、施策が間違った方向性に進みかねません。客観的なデータを受け入れて冷静に分析すると、本来の顧客像に近いペルソナを設定できます。
複数名で作成する
複数人で作成すると「ユーザーはこうあるべき」という思い込みを排除でき、1人では思いつかない視点を得られるケースがあります。
自社の部門や、役職・性別・年齢の異なる複数名でペルソナ設定をすると、さまざまな視点で作成できます。ペルソナのリアリティーを増すためにも、顧客に近い部門に所属する人材を忘れずにチームへ含めましょう。
各部門を横断したメンバーでペルソナ設定をすると、社内から賛同を得やすくなります。結果的に社内全体におけるペルソナの活用につながり、ユーザーの視点を多くの社員で共有できます。
ペルソナの活用事例
「ペルソナを設定できたけど活用法が分からない」という方もいるでしょう。最後に、ペルソナを活用した以下の2つの事例を紹介します。
・オウンドメディアの戦略立案
・SNSマーケティング
順番に見ていきましょう。
オウンドメディアの戦略立案
オウンドメディアの戦略立案では、カスタマージャーニーとともにペルソナが、顧客の体験や自社との接点の整理に役立ちます。
カスタマージャーニーとは、さまざまな体験をしながらユーザーが自社との接点をもち、商品やサービスの購入にたどり着くまでのプロセスです。ユーザーからの資料請求をコンバージョンとして、オウンドメディアの戦略立案をおこなうと仮定しましょう。
カスタマージャーニーマップを作成して、どのような流れでユーザーが自社へ接点をもち、最終的に資料請求をおこなうのかを考えます。ペルソナによって人物像が明確であると、ユーザーがとるであろう行動の想定が容易になります。
結果的にスムーズにカスタマージャーニーマップを作成できるだけでなく、チーム全体が共通認識を持って戦略の立案が可能です。
このようにマーケティング戦略を考えるうえで、適切なペルソナの設定により全体像の把握ができ、施策の方向性を定めやすくなるでしょう。
SNSマーケティング
SNSマーケティングを始めようと考えたとき、自社商材に適したプラットフォームを選択する必要があり、ペルソナが大いに役立ちます。
本記事のペルソナに必要な要素のなかに、よく利用するSNSについて記載しました。理由はSNSを通じて情報収集をおこなうユーザーは多く、どのプラットフォームを活用しているかが明確になると、戦略へ役立てられるからです。
ペルソナを設定する際は、収集したさまざまな情報の中から、どのようなSNSを利用しているのか決定します。すなわちペルソナは、自社がどのようなプラットフォームを選択すべきかの判断材料にできるのです。
プラットフォームの選択は流行や好みで決めるのではなく、ペルソナの適合性を考慮したうえでの判断が、SNSマーケティング成功のポイントといえます。BtoBのSNSマーケティングについてさらに詳しく知りたい方はこちらを参考にしてみてください。
まとめ
本記事では、コンテンツマーケティングにおけるペルソナ設定について詳しく解説しました。商品やサービスを利用する人物として具体的な個人を想定したペルソナの設定により、ユーザーの視点を取り入れた、ニーズを満たせるコンテンツ作成が可能です。
ペルソナの設定は複数名でおこなう点がポイントで、情報収集を重点的におこない、共通項を抽出して作成しましょう。客観的なペルソナを作成できているか、設定後の検証まで徹底すると、リアルなマーケティングに活用できる人物像に仕上げられます。
適切に設定したペルソナをオウンドメディアの戦略立案や、SNSマーケティングなど多方面に活用して、自社商材のコンバージョン率向上に役立てましょう。