コンテンツSEOとテクニカルSEOの違いやそれぞれのメリット・デメリットを解説
SEO対策には大きく分けて「コンテンツSEO」と「テクニカルSEO」があり、それぞれ目的やターゲット、必要な技術などに違いがあります。
そこで今回は、コンテンツSEOとテクニカルSEOの違いについて詳しく解説し、それぞれのメリット・デメリットや具体的な施策内容、さらにコンテンツSEO・テクニカルSEO対策におすすめのツールもご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
コンテンツSEOとテクニカルSEOの違いとは?
コンテンツSEOは、質の高い記事を通じてメディアとユーザーを結びつけ、ユーザーの行動を変えることを目的とした手法です。
一方、テクニカルSEOは、検索エンジンのクローラーがサイトを巡回する際に、ページ内の情報を正確に収集できるようにするための対策です。
どちらも検索順位を上げるために重要ですが、目的やターゲット、必要な技術、作業量などには違いがあります。以下で、それぞれの違いを具体的に解説します。
目的の違い
コンテンツSEOとテクニカルSEOには、それぞれ異なる目的があります。コンテンツSEOの目的は、ユーザーに高品質な記事を提供し、ブランドの認知度を高めることです。
検索エンジンは、ユーザーにとって有益な情報を提供するサイトを優先的に上位表示させるため、記事の質は重要視されます。
一方、テクニカルSEOの目的は、検索エンジンに適したサイト構造を作り、ユーザビリティを向上させることです。
テクニカルSEOを実施することで、検索エンジンが情報を収集しやすくなるだけでなく、ユーザーにとっても使いやすいサイトを構築できます。
ターゲットの違い
上述したとおりコンテンツSEOの目的は、質の高い記事をユーザーに提供することなので、対策のターゲットは検索エンジンを利用するユーザーになります。
一方、テクニカルSEOは、XMLサイトマップの設置や階層構造の簡素化など、主に検索エンジンのクローラーを対象とした施策です。
テクニカルSEOの中にはユーザーに関係する対策もありますが、多くは直接ユーザーに影響を与えるものではありません。
例えば、「クロールバジェットの問題」を解決するための対策は、検索エンジンのクローラーが割り当て上限に達してページがインデックスされない状況を防ぐものですが、これは直接的にユーザーに関わるものではありません。
必要な技術の違い
コンテンツSEOは、検索ユーザーに役立つ情報を提供することが重要であり、特別な技術は必要ありません。ただし、ライティングスキルやユーザーのニーズを分析・推測する能力がある人は有利です。
一方、テクニカルSEOにはコーディング技術が求められる場合があります。例えば、クローラーの制御にはhtaccess.ファイルやXMLサイトマップなどの設定が必要です。
また、HTMLやサーバーのリソースを改善する場合もあります。そのため、テクニカルSEOはより専門的な知識が必要となるでしょう。
作業量の違い
コンテンツSEOは、設定するキーワードによって作業量が大幅に増えることがあります。例えば、キーワード選定の過程で数百から1,000以上のキーワードが見つかることがあります。
その際、それぞれのキーワードの検索意図を理解するために一つひとつ調査しなければならない場合もあり、すべてを網羅するには相当な時間が必要です。
一方、テクニカルSEOは、具体的に行うべき作業があらかじめ決まっているため、作業量自体はコンテンツSEOほど多くはありません。しかし、専門知識が必要な作業が多いため、初心者には時間がかかることがあります。
コンテンツSEOのメリット・デメリット
コンテンツSEOの施策を実行すると、どのようなメリット・デメリットがあるのか気になる方も多いでしょう。そこでここからは、コンテンツSEOのメリット・デメリットをご紹介します。
なお、さらに詳しくコンテンツSEOのメリット・デメリットについて知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
内部リンク:「コンテンツSEOとは?実施するメリット・デメリットから手順や注意点まで徹底解説」
メリット
コンテンツSEOのメリットは主に以下が挙げられます。
コストパフォーマンスが高い
コンテンツSEOを実施して記事が上位表示されれば、広告費を払わなくてもサイトにユーザーが訪れるようになります。
そのため、長期的に見ると、非常にコストパフォーマンスが高い施策と言えます。
広告費削減につながる
上記のように、検索上位を獲得出来れば広告費無しでユーザーをサイトに集客出来ます。そのため、これまで支払っていた広告費を削減することも可能です。
ブランドの認知度が向上する
質の高い記事を提供し続けると、ユーザーから「信頼できるサイト」と認識されやすくなりブランディングにもつながります。
企業としての信頼性が向上する
記事をオウンドメディアではなく自社サイト内に投稿していた場合、企業としての信頼性向上にも貢献します。
見込み客との接点の増加を図れる
テレビCMや紙媒体の広告は不特定多数の人に配信できるものの、自身の悩み・問題について自覚しているユーザーからの反応だけに留まりがちです。
一方、コンテンツSEOを実施した場合、まだ自身の悩みや問題を自覚していない見込み客との接点も増え、顧客になってくれる可能性もあります。
CVに近いニーズを持つユーザーの呼び込みにもつながる
コンテンツSEOはまずペルソナの設定を行い、顧客が商品・サービスの情報を知ってから購入に至るまでのプロセスまで考慮して、キーワード選定を行います。
ターゲティング次第では、CVに近いニーズを持ったユーザーの呼び込みにもつながります。
良質な被リンクの獲得につながる
質の高い記事は拡散されやすく、被リンクの獲得がしやすくなるためサイトの外部対策にもつながります。
被リンクについては以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方は参考にしてみてください。
【SEO対策】被リンクの効果とは?被リンクの獲得する方法を紹介!
デメリット
さまざまなメリットがある一方で、デメリットになってしまう部分もあります。コンテンツSEOにどのようなデメリットがあるのかも把握しておきましょう。
効果が出るまでに時間がかかる
コンテンツSEOを行ったとしても、検索結果で上位表示されるまでには数か月または年単位で時間がかかります。そのため、長期的な運用を前提に施策を行うことが重要です。
継続的な更新やリライトが必要になる
いくら良質な記事を生み出し、狙ったキーワードで検索順位の上位表示を達成できても、そのまま放置してしまうと再び検索順位は落ちてしまいます。
また、検索エンジンのアルゴリズム変動やユーザーニーズの変化、競合との競争の激化でも検索順位は変動します。検索順位を落とさないためには継続的な更新やリライトが必要となるため、工数などが発生します。
記事のリライトについては以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方は参考にしてみてください。
記事のリライトの意味とは?やり方(選び方のコツ・分析等)と注意点
一定のコストと社内リソースの負担が必要になる
コンテンツSEOは広告費用の削減につながるとメリットでご紹介しましたが、だからといってコストが一切かからないというわけではありません。
また、記事を継続して作成するために一定のリソースを割く必要もあります。
SEOに関する専門知識が必要となる
SEOを意識した記事を作成する場合、内部対策や外部対策に関する知識も知っておく必要があります。単に大量の記事を投稿しても、上位表示されない可能性があるので注意してください。
コンテンツの品質が属人的になりやすい
コンテンツの作成は属人的になりやすく、複数人で投稿していると品質がばらけてしまう可能性があります。そのため、良質なコンテンツ作成のためのガイドラインを作成することが重要です。
良質な記事の作り方については以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方は参考にしてみてください。
読まれる記事の作り方|作成手順や信頼性を高めるコツも解説
目的によっては効果測定が難しい
ブランディングや認知度向上を目的とする場合、目標を数値化しにくく、効果測定が難しいという一面もあります。
ただし、資料請求や問い合わせ、購入などのWeb上のコンバージョンを目的とする場合には、Google Analyticsなどのアクセス解析ツールを用いることで効果測定が可能です。
業界によっては効果が限定的になる可能性がある
コンテンツSEOは業界によって大きな効果を発揮できる場合もありますが、逆に効果が限定的になってしまう場合もあります。
例えば商圏が小さいビジネスや顧客が商品を知ってから購入に至るまでの検討期間が短い場合、大きな集客効果は期待できない可能性が高いです。
テクニカルSEOのメリット・デメリット
テクニカルSEOを行うことで、どのようなメリット・デメリットがあるのかも知っておきましょう。
メリット
テクニカルSEOの主なメリットは以下の4つです。
・作業を定型化しやすい
・クローラビリティが良くなる
・アクセシビリティが良くなる
・ユーザビリティが向上する
作業を定型化しやすい
テクニカルSEOは手法が確立されているため、作業を定型化しやすいというメリットがあります。
例えば、Googleが提供するウェブマスター向けガイドラインに従って基本的なテクニカルSEO対策を行えば、成果を上げやすくなるでしょう。
一度マニュアル化してしまえば、定期的なメンテナンスを行うだけで、新たに試行錯誤する必要はありません。さらに、実装後の作業負担も少なく、自社だけでも取り組みやすい点がメリットです。
クローラビリティが良くなる
クローラビリティとは、検索エンジンの「クローラー」がサイト内をスムーズに巡回できるようにすることを指します。
クローラビリティが高いサイトは、検索エンジンに正確な情報が伝わりやすく、新しい記事や更新情報も速やかに検索結果に反映されるため、検索順位の向上にもつながりやすいです。
アクセシビリティが良くなる
アクセシビリティとは、障害の有無や年齢に関係なく、すべての人が利用できることを意味します。そのため、テクニカルSEOでアクセシビリティを向上させることで、誰でも理解しやすいサイトになるのです。
これにより、ユーザーの利便性が向上し、「ユーザーファーストのサイト」として評価されやすくなります。その結果、検索エンジンからの評価も高まるでしょう。
日本でもアクセシビリティ対応が進んでいますが、海外ほど進んでいるわけではありません。海外ではアクセシビリティが義務化されつつあり、将来的に日本でも同様の義務化が行われる可能性があります。
したがって、今のうちからテクニカルSEOでアクセシビリティ対策を講じておくことが重要です。
ユーザビリティが向上する
ユーザビリティとは、Webサイトの使いやすさや使い勝手を指します。
テクニカルSEOでは、サイトの構造やタイトル、見出しなどを最適化することで、クローラーだけでなくユーザーにも見やすく理解しやすいサイトを作ることができます。
ユーザビリティが向上すると、サイトの利用率や滞在時間が増え、ユーザーの満足度が向上します。
その結果、離脱率の低下が期待でき、さらにコンバージョンまでの動線が明確になることで、CV(コンバージョン率)の向上も見込まれるでしょう。
デメリット
テクニカルSEOにもデメリットは存在します。
・専門的な知識が必要な施策もある
・環境によってできない施策がある
上記について解説していきます。
専門的な知識が必要な施策もある
テクニカルSEOは、プログラミング、サイト設計、サーバー管理などの高度な知識を要する場合もあります。例えば、プログラミング、サイト設計、サーバー管理などの専門的な知識が必要です。
例えば、「robots.txt」の設定はテクニカルSEOの一つです。このファイルは特定のページへのクロールを制御するために使われます。
適切に設定することで、優先度の高いページにクローラーを集中させることが可能です。しかし、PCに詳しくない人や基本的な操作しか知らない人にとっては、難易度が高い施策となるでしょう。
もし社内にそのような専門知識を持つ人がいれば、内製化は可能です。しかし、専門知識を持つスタッフがいない場合は、ノウハウを持つ外部業者に依頼することが一般的でしょう。
外部業者はプロフェッショナルであり、効率的にテクニカルSEOの施策を進めることができます。ただし、その分コストがかかるため、外部業者に依頼する際は費用面も考慮する必要があります。
環境によってできない施策がある
テクニカルSEOは、ウェブサイトの管理システムやサーバー環境によっては実施が難しい場合があります。
システム上の制約が原因で施策を行えないこともあるため、事前に自社サイトのシステムやサーバー設定を確認しておくことが重要です。
もし環境の制約で施策が実行できないと、テクニカルSEOを取り入れても期待した効果が得られない可能性があります。
しかし、テクニカルSEOのために初めから環境整備を行うとなると、多大なコストがかかるため注意が必要です。
具体的なテクニカルSEOの施策内容
ここからはテクニカルSEOの施策をより詳しく解説していきます。テクニカルSEOの施策は主にクローラー向けとインデックス向けの2種類に大別できます。
クローラー向けのテクニカルSEO施策
クローラー向けの施策では、自社サイトにクローラーが回ってきた際に正しい情報を収集してもらおうと、読み込み不要のページや情報収集をさせたくないページを管理します。
具体的な施策は以下の6つです。
・URLの正規化
・サイトの階層構造の最適化
・XMLサイトマップの作成
・robots.txtの設定
・モバイルフレンドリー化
・ページ速度の改善
URLの正規化
「URLの正規化」とは、同じ内容のページが異なるURLで存在する場合に、どのURLを正規版として扱うかをクローラーに指示する作業のことです。
例えば、同一内容のページがPC版とスマホ版で異なるURLを持つ場合、URLの正規化を行うことで、正規版ではないページへのクローラーのアクセス頻度を減らすことができます。
意図せずに、自社や自社商品の紹介部分が似通ってしまい、コピーコンテンツと判断されてペナルティを受けるリスクもあります。こうしたリスクを回避するためにも、URLの正規化は重要です。
他にも、以下のようなサイトでは、URLの正規化を行うことでクローラビリティ(クローラーがサイトを効率的に巡回できる度合い)を向上させることができます。
・ECサイトでページ数が多い
・サイト内検索ができる
・同じページに対して複数のURLからアクセスできる
URLの正規化を行い、検索エンジンのクローラーがサイトをより効果的に巡回できるようにしましょう。
サイトの階層構造の最適化
階層構造の最適化とは、サイト内のページをカテゴリ別に階層で分け、ページ同士の関係性を明確にすることを指します。階層構造は主に以下の3種類があり、それぞれ最適化することが大切です。
・物理階層(ディレクトリ構造)
・論理階層
・クリック階層
物理階層は、URLの「/」を見てコンテンツの位置を示す要素です。複雑なURLはクローラー(ウェブページを巡回するプログラム)の動きを妨げる可能性があります。
論理階層は、パンくずリストによって管理されます。パンくずリストは内部リンクとしても機能し、クローラーがサイト内を巡回しやすくなります。
クリック階層は、トップページから特定のページに到達するために必要なクリック数を示します。階層が深く、クリック数が多くなると、クローラーはそのページを重要度の低い情報とみなしてしまいます。
そのため、トップページから3クリック以内ですべてのページにアクセスできることが理想的です。
XMLサイトマップの作成
XMLサイトマップは、Webサイトの階層構造やページ情報をクローラーに伝えるためのファイルです。
これがあることで、クローラーはサイト内のページの位置や内容を理解しやすくなり、効率的に巡回できます。新しいコンテンツを追加した際にも、検索結果に素早く反映される効果が期待できるため、作成しておきましょう。
XMLサイトマップは手作業で作成することもできますが、外部ツールを使って自動生成する方法もあります。また、Google Search Consoleを利用すれば、Googleに直接XMLサイトマップを送信することも可能です。
XMLサイトマップについては以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
robots.txtの設定
robots.txtファイルは、クローラーに対してウェブサイト内のどのページにアクセスして良いかを指示するファイルです。
例えば、ログインページや管理画面、テストページなど重要度が低いページには、robots.txtファイルを使ってクローラーがアクセスしないように設定できます。
ただし、robots.txtファイルを設定しても、ページが検索結果に表示されないわけではありません。検索結果に表示させたくないページがある場合は、「noindexタグ」を使用しましょう。
モバイルフレンドリー化
モバイルフレンドリー化とは、スマートフォンなどのモバイル端末での表示を考慮してWebサイトを最適化することです。現在、検索の多くはスマートフォンから行われています。
また、Googleも「モバイルファーストインデックス」を導入し、スマホサイトを基準に評価を行うようになりました。
これにより、スマートフォンでの見やすさや使いやすさが、SEO対策においても重要視されるようになっています。
モバイルフレンドリー化にはいくつかの方法がありますが、特に「レスポンシブデザイン」が広く使われています。
レスポンシブデザインは、同じHTMLとURLを使用しながらも、閲覧するデバイスに応じてコンテンツの表示方法を変える手法です。
その他にも、画像やフォントサイズの最適化、ボタンの配置の工夫などがモバイルフレンドリー化の施策として挙げられます。
ページ速度の改善
ページの読み込みが遅いと、ユーザーの画面にサイトが完全に表示される前に離脱してしまう可能性があります。画像や動画の容量が大きかったり、JavaScriptの読み込みに時間がかかったりすると、この問題が発生しやすいです。
また、クローラーもページ速度を評価するため、遅いページはSEO評価が低くなる傾向があります。これを改善するためには、テクニカルSEOの対策が必要です。
ページ速度を向上させるための方法として、ファイルサイズの圧縮やCSS、スクリプトの読み込みタイミングの変更があります。
画像や動画は記事の見やすさや質を向上させる一方で、ページ速度を遅くする原因にもなりやすいです。そのため、これらのファイルを圧縮し、軽量化を図ることが重要です。
インデックス向けのテクニカルSEO施策
クローラーはサイト内で収集した情報をデータベースに持ち帰り、インデックス(収納)します。
インデックス向けの施策を行うことで検索順位の上昇や、インデックスさせたくないページを伝えることも可能です。続いては、インデックス向けの施策についてご紹介します。
タイトル・見出しの最適化
タイトルや見出し、メタディスクリプションは、ユーザーに記事の内容を簡潔に伝えるために重要な要素です。
これらはコンテンツSEOの観点から最適化が行われますが、テクニカルSEOの施策としても見直しや改善が行いましょう。
例えば、記事の内容が一目でわかるタイトルを設定することで、検索エンジンのクローラーがページ内の情報を正確にインデックスする助けになります。
また、見出しに関しても、簡潔でわかりやすく、かつ不自然にならない程度にキーワードを含めることで、クローラーが正確にページを理解しやすくなるでしょう。
SEOに効果的な見出しの設定方法については以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。
SEOに効果的な見出しタグとは?書き方や文字数など詳しく解説!
重複コンテンツの修正
ウェブサイト内外に重複するページがあると、検索結果で上位表示されにくくなる可能性があります。
すべてが同じ内容でなくても、60%程度の内容が似ていると重複コンテンツとみなされる可能性があるため、注意が必要です。
サイト内の重複コンテンツを確認するには、Google Search Consoleを活用しましょう。もし重複コンテンツが見つかった場合は、「canonicalタグ」で正規のページを指定するか、301リダイレクトを設定してください。
サイト外の重複コンテンツを確認するには、コピペチェックツールを使用します。記事を作成したら、コピペチェックツールでネット上に高い一致率のページがないか調べましょう。
類似度が高いページが見つかった場合は、その部分を修正して重複コンテンツと判断されないようにしましょう。
重複コンテンツについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
コピーコンテンツとは?チェックが必要な理由や基準を詳しく解説
内部リンクの最適化
内部リンクの最適化は、検索エンジンのインデックスを助けるために重要です。
内部リンクは、クローラーがサイト内を効率的に巡回するための経路となります。これにより、インデックスされるまでの時間が短縮される可能性があります。
内部リンクを設置する際には、まずURLの正規化を行うことが重要です。また、アンカーテキストを使用する場合は、そのリンク先がどのようなページかを明確に示すようにしましょう。
アンカーテキストでリンク先の情報が示されていないと、ユーザーはどのページに誘導されるのかがわからず、不安を感じてしまうため、せっかくの内部リンクの効果が減少してしまいます。
内部リンクについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
SEOに効果的な内部リンクとは?効果や貼り方をわかりやすく解説!
構造化データの作成
構造化データは、HTMLの情報をクローラーが正確に認識するための標準化された形式です。
クローラーは特殊な言語を使ってサイトの情報を収集していますが、すべての情報を正確に理解しているわけではありません。つまり、情報を認識できても、その意味までは理解できないことがあるのです。
構造化データを使用することで、クローラーが情報の意味を正しく理解できるようになります。
通常、検索結果にはタイトルとメタディスクリプションが表示されますが、構造化データを追加すると、パンくずリストや特定の情報が検索結果に表示される「リッチスニペット」を設定できます。
構造化データについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
【SEO】構造化データとは?種類・書き方・ツールなどを紹介!
画像の最適化
画像の最適化を行うことも、検索エンジンでの自然検索や画像検索において、露出を増やすきっかけとなります。最適化のためには、ファイル名やalt属性(代替テキスト)を適切に設定することが重要です。
具体的には、ファイル名はローマ字ではなく英語を使用し、alt属性には画像の内容を正確に記述し、関連するキーワードを含めましょう。また、本文と関連性の高い画像を使用することも効果的です。
検索エンジンは画像認識の精度を向上させていますが、依然としてテキスト情報から多くの情報を取得しています。そのため、画像にも正確な情報を設定することが必要です。
SEOと画像の関連性については、以下の記事でも解説しています。
SEOに効果的な画像とは?特徴や注意ポイントをわかりやすく解説!
テクニカルSEOの進め方のコツ
テクニカルSEOの施策を進めるにあたり、より効果的に行うにはどのようなポイントを押さえておくと良いのでしょうか?
ここからは、テクニカルSEOを進める際に覚えておきたいコツをご紹介します。
クロールの最適化を図る
テクニカルSEOでは、クローラーがサイトを快適に巡回し、正確な情報を収集できるように施策を行うことが重要です。
これには、サイトの階層を浅くして、トップページから3クリック以内ですべてのページにアクセスできるようにすることや、クローラーがサイト内のページ構造を理解しやすくするためのXMLサイトマップの設置などが含まれます。
これらの施策により、クローラーがコンテンツを見つけやすくなり、正確な情報が取得されやすくなります。その結果、インデックスに正しい情報が保存され、テクニカルSEOの効果が得られやすくなるでしょう。
インデックスを確認しながら進める
ただ、クローラーの最適化だけでは十分ではありません。テクニカルSEOではインデックスの確認も重要です。クローラーを最適化した後は、インデックスの状況をチェックしつつ、インデックス向けの施策も進めましょう。
インデックスが最適化されると、ユーザーが求める情報と関連するコンテンツが明確になり、検索結果に表示されやすくなります。
インデックス向けの施策を実行した後は、Google Search Consoleで検索結果への反映を確認し、次の施策に進みましょう。
テクニカルSEOのチェックリストを作成する
クローラー対策やインデックス対策を行う際には、施策の抜け漏れを防ぐためにチェックリストを作成することも重要です。あらかじめチェックリストを用意しておけば、作業の進捗をすぐに確認できます。
テクニカルSEOのチェックリストは、Excelなどのツールを使って自社で簡単に作成することが可能です。チェックリストをカテゴリごとに細かく分けることで、より管理しやすくなります。
コンテンツSEOの進め方のコツ
コンテンツSEOの施策を進めるには、テクニカルSEOとは違ったポイントを踏まえた上で進める必要があります。続いては、コンテンツSEOを進める際のコツについてご紹介しましょう。
良質なコンテンツを理解する
検索エンジンの上位に表示されるためには、ユーザーが検索したキーワードに対して、的確で簡潔な回答を提供するコンテンツが必要です。
そのため、コンテンツSEOを実施する際には、検索エンジンの評価基準だけでなく、ユーザーの視点から見ても良質なコンテンツを提供することが重要となります。
ユーザーにとっての良質なコンテンツとは、疑問や悩みといったユーザーのニーズをしっかりと満たす情報が含まれているコンテンツです。
これには、疑問や悩みに対する具体的な回答だけでなく、関連する情報や興味を引くトレンド情報も含まれます。
関連情報をコンテンツに加えることで、競合サイトとの差別化が図れ、ユーザーにとっても多くの有益な情報が得られるため、満足度が向上するでしょう。
定期的な効果検証とリライトを実施する
コンテンツSEOでは、コンテンツをWebサイトに掲載するだけでは不十分です。定期的に効果を検証し、必要に応じてリライトすることが求められます。
効果測定の際には、エンゲージメント率、コンバージョン率、ページビュー、トラフィック、滞在時間といった指標を活用します。掲載後3〜6か月程度を目安に、これらの指標を確認しましょう。
もし効果が思わしくない場合は、ユーザーのニーズとコンテンツ内容が適切か再検討し、リライトを行って有用なコンテンツにする必要があります。
また、コンテンツ内の情報が古くなるとSEO評価も下がりやすくなるため、新しい情報が出た際にはその情報を取り入れてコンテンツを更新することが重要です。
サイトの評価自体の向上も図る
コンテンツSEOで検索順位の上位を目指すためには、サイト自体の評価を上げることも重要です。サイトが評価されるためには、まず検索エンジンのクローラーにサイトを見つけてもらい、インデックスされなくてはいけません。
クローラーにサイトを見つけてもらいつつ、サイトの評価を上げるためには以下の施策を試してみましょう。
・継続的にコンテンツを制作する
・被リンクを集める
・ドメインパワーを向上させる
コンテンツSEOにおいては、定期的に新しいコンテンツを作成し続けることが重要です。頻繁に更新することで、ユーザーがサイトを訪れる回数が増え、サイト全体の評価も向上します。
さらに、関連性の高い他のサイトからリンクを得ることで、サイト自体の評価も上がります。ただし、不自然なリンクの増加が疑われると、ペナルティを受ける可能性があるので注意が必要です。
ドメインパワーは、検索エンジンがWebサイトの質を評価して数値化したものです。具体的な評価基準は明示されていませんが、内容が充実していて見やすく使いやすいサイトが高く評価される傾向にあります。
また、被リンクの数やサイトの運用期間、更新頻度もドメインパワーの向上に影響するため、これらの要素も考慮してコンテンツSEOを進めるようにしましょう。
テクニカルSEO対策におすすめのツール5選
ここからは、テクニカルSEOを行う上で役立つツールを5つご紹介します。
Google Search Console
出典:https://search.google.com/search-console/about?hl=ja
Google Search Consoleは、Webサイトや各ページがGoogleのデータベースに登録されているかを確認できる無料ツールです。
新しいコンテンツを追加したり、既存のコンテンツを更新したりした際には、このツールを使ってGoogleにクロールをリクエストできます。
さらに、Google Search Consoleを利用すれば、XMLサイトマップのアップロードも簡単に行えます。
加えて、サイト内で発生した問題やエラーも確認できるため、テクニカルSEOを実施する上で欠かせないツールといえるでしょう。
Ahrefs
Ahrefsは、自社サイトや競合サイトの被リンクや検索エンジンの上位表示コンテンツなどを調べられるツールです。Ahrefsの被リンクデータの量は2024年7月時点で22.4兆に達しており、今も増え続けています。
Ahrefsを使うことで、自社サイトと競合サイトの順位変動を調査でき、悪質な被リンクが追加された際にはリアルタイムで通知を受けることもできます。これにより、健全な被リンク状況を維持することが可能となるでしょう。
料金プランは4種類あり、ライト、スタンダード、アドバンスド、エンタープライズが用意されています。いずれのプランも月額料金または年払いのみで、初期費用はかかりません。
TACTSEO
TACTSEOは、SEO対策に必要な調査と分析機能を備えたツールです。SEOの内部対策や外部対策、コンテンツ評価の観点から、競合サイトとの違いを自動的に抽出し、SEO対策の成果が出ない原因を確認できます。
また、TACTSEOのキーワード調査機能を使えば、指定したWebサイトがどのようなキーワードで検索流入を獲得しているかも確認できます。
この機能は自社サイトだけでなく、競合サイトの分析にも役立つため、競合調査にも便利です。
料金は、初期費用が11万円(税込)からで、月額料金は99,000円(税込)からとなっています。初期費用にはツール導入支援(2回分)の料金も含まれています。
Lumar
Lumarは、テクニカルSEOに特化した解析ツールです。このツールを使うと、SEOに関する指標やインサイトを迅速に得ることができます。
Lumarの独自クローラーは、サイト内の問題点を検出し、それらに優先順位を付けて提示します。これにより、どのタスクに優先的に取り組むべきかをすぐに把握できるでしょう。
Lumarは、PayPal、Adobe、Microsoftなどの世界的な企業でも利用されています。高機能な解析ツールを使ってテクニカルSEOを効率的に行いたい方は、ぜひLumarを活用してみてください。
ANATOMY
ANATOMYは、Googleアナリティクス4(GA4)とGoogle Search Consoleのデータを統合し、誰でも理解しやすく、使いやすい形で提供してくれるツールです。
主な機能として、アクセス解析機能、SEO状況を3つの観点から分析するSEO機能、ドメイン全体の検索キーワードを評価する検索インデックスがあります。
無料のダッシュボードプランでは、5つのグラフを使ってサイトの状況をチェックでき、重要なページを週次でモニタリングすることが可能です。月額2,500円からのスタータープランでは、タイルビュー機能や遷移ナビサマリー、ポートフォリオ機能が追加されます。
月額1万円からのエキスパートプランでは、過去のインデックス分析やタグ構造の比較、動線解析機能などが利用でき、より詳細なデータ分析が可能です。
コンテンツSEO対策におすすめのツール10選
最後に、コンテンツSEO対策に活用すると便利なツールを10個ご紹介します。
Googleアナリティクス
出典:https://marketingplatform.google.com/intl/ja/about/analytics/
Googleアナリティクスは、Webサイトのアクセス解析ができる無料ツールです。コンテンツSEOを行う際には、GoogleアナリティクスとGoogle Search Consoleの2つを使用して効果を測定することが一般的です。
Googleアナリティクスは、PV数やセッション数、離脱率などの基本的なデータに加えて、ユーザーの属性や使用デバイス、流入経路なども詳細に分析できます。
さらに、サイト訪問者の行動も解析できるため、訪問者がどのようにサイトを利用したかを理解するのに役立ちます。
Google Search Console
出典:https://search.google.com/search-console/about?hl=ja
Google Search Consoleは、テクニカルSEOで紹介した分析ツールの一つです。
アナリティクスが自社サイト内の動きを中心に分析するのに対し、Google Search Consoleは検索エンジン上でのユーザーの動きを分析できます。
具体的には、サイトがクリックされた回数やCTR(クリック率)、どのキーワードがどの程度の検索順位を持っているか、Googleにインデックスされているかどうかなどを確認できます。
これらのデータは、コンテンツSEOの効果測定にも役立つので、ぜひ活用してみましょう。
Google キーワードプランナー
出典:https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/tools/keyword-planner/
Google キーワードプランナーは、コンテンツSEOにおいてキーワードの調査や選定に活用できる無料ツールです。Google アナリティクスやGoogle Search Consoleと同様に無料で利用できます。
このツールでは、キーワードの検索数を確認したり、関連するキーワード候補を見つけたりすることが可能です。
継続的なコンテンツ更新のためには、新しいコンテンツ作成に役立つ関連キーワードを見つけることが重要です。
さらに、Google キーワードプランナーは、コンテンツSEOだけでなくリスティング広告の出稿にも役立ちます。広告を掲載した場合の予測データを確認したり、キャンペーンプランを作成したりすることが可能です。
キーワードマップ
キーワードマップは、自社サイトや競合サイトのキーワードの獲得状況や検索順位の変動をリアルタイムで調査できるツールです。
URLまたはキーワードを入力するだけで、競合サイトや検索結果を定量的に分析できます。これにより、競合サイトが獲得しているキーワードや順位、コンテンツや広告、アクセスに関する情報を抽出することが可能です。
さらに、キーワードマップにはビッグデータとAI(ChatGPT)によるコンテンツ制作支援機能が搭載されています。
Googleドキュメントと連携できるエディターも備わっており、記事スコアを確認しながら記事の執筆や修正を行うことができます。
Ahrefs
Ahrefsは、テクニカルSEOにおいても推奨されるツールで、サイトの被リンク分析や想定される流入キーワードを確認することが可能です。
検索順位を上げるためのキーワードや、順位が下がった原因を独自に調査する機能が備わっています。
特定のサイトを監査する機能を利用すると、被リンクに変化があった際に即座に通知を受け取ることができます。
さらに、検索順位を確認するランキング調査機能により、自社サイトと競合サイトの順位を一括で把握することが可能です。
Ahrefsは単体でも非常に便利なSEOツールですが、他のSEOツールと併用することで、より高い効果を得られるでしょう。
GRC
GRCは、無料でコンテンツの検索順位を確認できるツールです。
複数のキーワードを入力することで、まとめて順位を調べることができます。最新の順位変動だけでなく、過去の順位変動もグラフ表示でわかりやすく確認できます。
さらに、自社サイトだけでなく、競合サイトの検索順位も追跡可能です。検索結果上位100サイトの順位履歴を記録し、その変動をグラフで一覧表示する機能も備えています。
Ubersuggest
出典:https://neilpatel.com/jp/ubersuggest/
Ubersuggestは、キーワード選定や分析を行うためのツールです。このツールを使ってキーワードを入力すると、検索ボリュームやSEOの難易度、クリック単価などの情報が表示されます。
また、関連キーワードやサジェストキーワードの検索ボリュームも確認できるので、どのキーワードを使ってコンテンツを作成するか迷ったときに非常に役立ちます。
さらに、Ubersuggestでは、被リンク数やドメインパワー、SNSでのシェア数などの情報も確認することが可能です。
tami-co
出典:https://tami-co.biz-samurai.com/
tami-coは、コンテンツSEOに特化したツールです。主な機能として、記事作成機能、キーワード選定機能、順位チェッカーの3つが備わっています。
記事作成機能では、AIを活用してSEOとコンテンツマーケティングに特化した記事を作成できます。
キーワード選定機能では、自社サイトと競合サイトを分析し、競合サイトがどのキーワードで検索上位にランクインしているかを把握できます。
さらに、候補キーワードを一覧表示し、検索フィルターを使って絞り込むことも可能です。順位チェッカーは、登録したキーワードの順位を計測し、順位の上昇や下降があった場合にメールで通知します。
ミエルカ
ミエルカは、競合分析、カスタマーサクセス、学習コンテンツが一体となったSEOツールです。キーワードの検索ボリュームや競合サイトの流入キーワードを可視化し、コンテンツ改善に必要な要素を明確に示してくれます。
さらに、ミエルカには独自のAI機能が搭載されています。例えば、キーワードだけでペルソナを生成し、ランディングページの構成案を作成する「AI Chat機能」や、タイトルを入力してURLを選択するだけで見出しを自動生成する「AI見出し生成機能」などです。
また、ツールの提供だけでなく、コンテンツSEOを進めるための社内ノウハウが不足している場合には、Webマーケティングに特化したコンサルタントによる伴走支援も行っています。
EmmaTools
EmmaToolsは、SEO記事の品質を自動的に分析し、スコアとして可視化してくれるツールです。上位表示されているサイトを解析することでユーザーのインサイトを把握し、コンテンツのSEO効果を数値化します。
このツールは単にスコアを表示するだけでなく、具体的な改善方法も提供してくれます。
例えば、既存の記事が上位表示されずに困っている場合でも、EmmaToolsを活用することで改善点を見つけ出し、上位表示を目指すことができるでしょう。
まとめ
コンテンツSEOとテクニカルSEOの違いや、それぞれのメリット・デメリット、具体的な施策内容についてご紹介しました。
テクニカルSEOは主にサイトの内部構造を改善することで、コンテンツSEOはユーザーに高品質なコンテンツを提供して検索順位の向上を目指す方法です。
どちらもSEO対策において欠かせないものであり、上位表示を狙うためには両方の施策を実行する必要があります。
しかし、コンテンツSEOとテクニカルSEOの両方を行うには、社内のリソースが不足して手が回らなくなることも考えられます。
もしSEO対策を進めたいがリソースが足りない場合は、SEOの専門家に外注することを検討してみてください。
株式会社HubWorks マーケティング部 2021年よりインターネット広告代理店に入社し、月間数億規模の広告運用を経験。 2022年に株式会社Hub Worksに入社しマーケティング担当者として、ウェブ広告やSEOなどの集客、 記事やホワイトペーパー作成などのコンテンツ制作業務に従事。