オウンドメディアでECサイト運営を成功に導く方法
ECサイトを運営しているものの、あまり成果を出せずに悩んでいる企業もあるでしょう。より多くの顧客から商品を購入してもらうには、オウンドメディアを生かした運用も有効です。
ここでは、なぜECサイトにオウンドメディアが必要になるのかを解説します。自社サイトのコンバージョンを上げたいと思っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
オウンドメディアとは
オウンドメディアとは、自社の情報を配信するために運営するメディアのことをいいます。
自社のブランド価値を高めるために、商品やサービスをはじめ、業界のトレンド、お役立ちコラム、ユーザーの抱える悩みや課題を解決する情報などを提供します。結果として、ユーザーの信頼度を高め、ファン化することを狙うメディアです。
オウンドメディアの大きな特徴は、自社でコンテンツを制作・配信することにより、自社のコントロール下でマーケティングができる点です。商品やサービスについての情報をより多くの人々に届け、その情報に基づいて購買意欲を高められます。
加えて、オウンドメディアはECサイトとの相性が良いのも特徴のひとつです。ECサイトとは、インターネット上で商品・サービスの売買を行うWebサイトです。
一般的にAmazonや楽天市場を思い浮かべるかもしれませんが、独自でEC機能を備えている企業サイトは数多くあります。
ECサイトはオンラインで取引できるため、時間や場所に制限されず販売方法の自由度が高いのがメリットです。しかし、ただサイトを構築しただけでは、自社の商品やサービスを知らない層に認知されにくいといったデメリットも持ち合わせています。
そこで、多くのユーザーにリーチすべく、一般的に併用されているのがオウンドメディアです。オウンドメディアはSEO対策やコンテンツマーケティングを活用することで、検索エンジンでの上位表示を狙えます。
さらにコミュニケーションの自由度も高く、コンテンツによって他社と差別化も図れるのが強みです。
ECサイトのみの運用ではほとんどの企業が見込み客にだけアプローチしている
ECサイトのみの運用では、ほとんどの企業が見込み客(自社の商品への関心が強く近いうちに購入してくれそうな層)にだけアプローチしています。集客やコンバージョンにおいて、どのような問題があるかを解説していきます。
リスティング広告などの広告費用がかかる
ECサイトだけを運営する際に生じる問題点は、リスティング広告などのオウンドメディアではかからない広告費用が発生する点です。先ほども説明したように、ECサイトは、開設しただけではユーザーに認知されません。
つまりECサイトを広く認知させるには、リスティング広告やリマーケティング広告などのようなWeb広告の併用が必要となります。
しかしWeb広告を使用するには、広告費用を支払わないといけません。算定方法は種類によって異なりますが、一般的にはユーザーが広告をクリックするか、ユーザーへ表示されたときに費用が発生します。
したがって、広告が注目されるほど多額の予算が必要となりやすく、確保するのが難しい企業は不利となるでしょう。
ユーザー数が少なく獲得効率が悪い
その一方で、ECサイトのターゲット層は見込み客が中心です。見込み客は、ユーザー全体で見るとそこまで人数が多くありません。要するに大半の人が、非認知層(自社の商品を認知していない)か潜在層(商品の購入を希望していない)に該当します。
したがって、費用が高額であるにもかかわらず、リーチできる数が限られているため獲得効率が悪いといえます。獲得効率を高めるには、ECサイトで見込み客だけにリーチするのではなく、オウンドメディアでターゲット層を広げることが大切です。
ECサイト運営にオウンドメディアが必要な理由
ECサイト運営はオウンドメディアと連携することがもはや必要最低条件ともいえます。
オウンドメディアを運営することで、ユーザー獲得やファン化、ブランド認知度の向上、ユーザーとのコミュニケーションなど、さまざまなメリットが得られます。これらは、ECサイト運営において重要な役割を担い、競争力の強化や顧客満足度の向上につながります。
SEO対策によってECサイトへの流入を増やせる
オウンドメディアでSEO対策することで、ECサイトへの流入を増やせます。オウンドメディアへの流入を増やし、ECサイトへ誘導すれば、結果的にECサイトへの流入を増加させることが可能です。
業界情報やユーザーの抱える課題を解決するお役立ち情報など、ニーズに合わせた情報を提供することで、潜在顧客のオウンドメディアへの流入を増やしましょう。
また、コンテンツを発信することで、ECサイトで扱う商品やサービスへの理解を深め、顧客数の拡大にもつながるため、オウンドメディアの実施はおすすめです。
商品情報の充実
ECサイトは基本的に商品やサービスの説明を行いますが、ユーザーとコミュニケーションをとったり、ブランドを訴求したりするには限界があります。
しかしオウンドメディアでは、商品やサービスの詳細にとどまらず、ユーザーが探し求めているさまざまな情報を提供し、ECサイトへの誘導を促すことができます。
例えばギターを取り扱う楽器のECサイトのケースを考えてみましょう。「ギターが弾けるようになりたい」というユーザーの欲求があったとします。
オウンドメディアでは、ギターの性能や素材といった詳細情報はもちろん、ギターの弾き方講座や実際に弾いて音を聴かせたりと、潜在的ユーザーを引き込めるのが最大のメリットです。
また、使用したユーザーの口コミやレビューなどを掲載することで、商品の実際の使用感や効果を知ることもできます。
商品の魅力を伝え、ユーザーのライフスタイルに合わせた提案を行うことで、ユーザーの購買意欲を高められるのです。
オウンドメディアの会員登録を促し、リピーター増加を狙う
オウンドメディアでは商品・サービスの魅力や特徴を詳しく伝えられるため、商品やサービスに興味を持っているユーザーにとって、有益な情報源となります。そのため、オウンドメディアを通じて、ユーザーのロイヤルティーを高められます。
また、オウンドメディアへの会員登録を促すことで、ユーザーの情報を取得したり、意見や要望を集めたりできるのも大きなメリットです。
会員登録を促すためには、オウンドメディア上での特典や限定情報、割引クーポンなどのインセンティブの付与が有効です。会員登録することによって、貴重な情報を入手できたり、さまざまな特典が付与されれば、商品やサービスの購入につながることでしょう。
オウンドメディアは、会員制度を通じてユーザーとより密なコミュニケーションの機会を持つことができます。ユーザーからの質問や要望に迅速に対応することで、顧客満足度の向上とリピート購入を促し、顧客ロイヤルティーの向上につなげられるのです。
ECサイトにオウンドメディアを用いるメリット
ECサイトにオウンドメディアを用いると、ビジネスにおいてさまざまなメリットが得られます。多くの顧客と接触できるだけではなく、コンバージョン数(率)の増加にも寄与するので、しっかりと強みを理解してください。
ショップや商品を知るきっかけになる
オウンドメディアのメリットとして挙げられるのが、ショップや商品を知られるきっかけとなることです。ECサイトだけを開設しても、それを周知しなければ、ユーザーに存在を知られません。定期的に更新を続けることで、ユーザーに認知してもらえるチャンスが増えます。
また、コンテンツを制作する上では、必ずしも商品やサービスを直接的に宣伝する必要はありません。ユーザーが日頃抱えていそうな疑問に対し、その答えを紹介するだけでも、興味を持ってくれる可能性があります。
まずは、コンテンツを認知してもらうことを目標に始めてみましょう。
大勢の潜在顧客層へアプローチできる
オウンドメディアは、大勢の潜在顧客層へアプローチできるのも強みです。潜在顧客とは自社の商品やサービスを知らない、あるいは必要性を感じていないユーザーを指します。
コンテンツが上位表示されていれば、商品やサービスに関連する悩みを抱えた多くのユーザーが訪問しやすくなります。たとえ自社のことを深く知らなくとも、定期的に訪問してくれることで見込み客となるかもしれません。
ただしオウンドメディアは、始めてからすぐに結果を出せるわけではありません。地道な分析を何度も行いながら、数年後に効果を発揮させるようなビジョンで取り組みましょう。
コンテンツを資産化できる
コンテンツを資産化できるのも、ECサイトがオウンドメディアを活用するメリットのひとつです。
リスティング広告の場合、掲載期間が終了するとコストもそのまま消費されてしまいます。一方でオウンドメディアのコンテンツは、自ら消さない限り資産として残り続けるのが強みです。
また広告とは異なり、情報が流れずに蓄積される性質があります。SEOで上位表示を維持できれば、長期にわたってユーザーが訪問してくれるかもしれません。資産となるコンテンツを充実させるためにも、コツコツと更新を続けるようにしてください。
他オウンドメディアと連携できる
自社の公式サイトに加えて、ブログサービスやSNSを併せて利用している企業もあるでしょう。このような他オウンドメディアと連携できるのも、メリットのひとつとして挙げられます。
主な方法として、SNSで画像や動画を使いながら投稿し、自社の商品やサービスが必要と感じていない潜在顧客にアプローチします。加えてブログを別に開設し、自社のECサイトに誘導する方法も有効です。
他オウンドメディアと併用するときは、使用する意図を明確に決めてください。意図が曖昧になると、どれも中途半端な運用となってしまうので注意が必要です。
ECサイト向けのオウンドメディアのつくり方
ECサイトと連携するオウンドメディアを作るには、まず目的を明確にし、ターゲット層やコンテンツの種類を決定します。次に、コンテンツを制作し、定期的に更新することが重要です。
また、SNSなどで情報発信を行い、ECサイトとの連携を図ることで、ユーザーとのコミュニケーションを深め、購買意欲を高められます。
目的とECサイトのターゲットを明確にする
ECサイトのプロモーションにオウンドメディアを活用する場合、まず目的を明確にし、どのようなKGIとKPIを設定するか、どのようなコンテンツを作成するかを決定します。
新規顧客の獲得が目的であれば、アクセス数やリード数を重視したKPIを設定し、それに合わせたコンテンツを制作することになります。
また、ECサイトのターゲットを明確にすることで、どのようなコンテンツが求められているか、どのようなアプローチが有効かが把握できるでしょう。
例えば、ターゲットが若年層であれば、SNSを活用したキャンペーンやコンテンツが有効となる可能性が高く、ターゲットが中高年層であれば、メールマガジンやブログを活用した情報発信が有効という仮説を立てられます。
オウンドメディアを活用する際には、目的とECサイトのターゲットを明確にし、その上でコンテンツ制作やプロモーションの方向性を決定することが重要といえるでしょう。
ECサイト内にブログを開設する
ECサイトと別のドメインでブログを開設すると、オウンドメディアで作り上げたドメインパワーを活用し上位表示が難しくなります。可能であれば、ECサイトと同ドメインのブログを開設するようにしましょう。
自社ECサイト内の商品の紹介記事を制作する
ECサイトで紹介しきれない商品の詳細を紹介できるのがオウンドメディアの強みです。もちろん、ECサイトでも商品の特徴や使い方、メリット、価格など、購入を検討しているユーザーにとって役立つ情報を提供できます。
しかし、オウンドメディアでは、よりユーザー視点に立って多角的に商品周辺の情報を届けることもできます。
例えばユーザーのレビューを通じて商品の特徴や使用感など、ユーザーに有益な情報を共有することで、ECサイトの信頼性やブランド価値を向上させられます。
また、ユーザーにとって有意義で豊富な情報はSEOにも役立ち、サイトへのアクセス数を増やすという効果も期待できるでしょう。
類似商品との比較や使い方のポイントを紹介するなど、いかにユーザーの役に立つかという視点で成功しているオウンドメディアも少なくありません。
ECサイト内の商品紹介ができる記事の制作は、ECサイトの成功にとって重要な役割を果たすといえます。
ユーザーの悩みを解決するためのコンテンツを作る
オウンドメディアでコンテンツを制作するには、ユーザーの悩みを解決させることに重点を置きましょう。
例えばユーザーが「パソコン 買い替え」と検索した場合、パソコンが古くなっている、スペックが足りていない、などについて悩んでいることが推測できます。このように、ユーザーが検索する目的のことを「検索意図」と呼びます。
検索意図を捉える際には、サジェストキーワード(検索窓に表示される候補)をチェックするとよいでしょう。また、Googleの検索結果画面の下側に表示される関連語も参考になります。世間のニーズをしっかりと確認した上で、コンテンツ作成に臨んでください。
成果が出るECサイトオウンドメディアの共通点
成果が出るECサイトの特徴として把握しておきたい3つの共通点について解説します。
1. 継続的なコンテンツ発信
ECサイトやオウンドメディアを運営する上で、継続的なコンテンツ発信は重要です。
ECサイトやオウンドメディアにアクセスするユーザーは、定期的に新しい情報やコンテンツを求めています。特に競合他社と差別化するためには、継続的なコンテンツ発信が必要不可欠です。
常にユーザーに新しい情報を提供することで、ユーザーの興味を引き続けることができます。
2. ユーザーのニーズに根ざしたコンテンツ
成果を出しているECサイトやオウンドメディアは、ユーザーのニーズに根ざしたコンテンツを届けています。例えば商品を販売する際には、その商品が生活でどう役立つかを伝える必要があります。
コンテンツに「実際に購入した顧客の事例」や「スタッフによる商品紹介」を入れて、具体的にイメージできるよう工夫するとよいでしょう。
またQ&Aも取り入れると、ユーザーがより商品を理解しやすくなり、1人の顧客に対する応対時間を削減できます。ニーズを調べるときは検索クエリに加え、キーワードプランナーのようなツールを活用するのをおすすめします。
3. 会員登録を促進し、ユーザーとの長期的接点を創出する
会員登録を促すことによって、ユーザーとの長期的な接点を創出できます。さらに会員登録したユーザーに、定期的に最新情報や特典情報を提供することで、関心を維持し、長期的な関係性を構築する必要があります。
また会員登録フォームでユーザーの簡単な属性や嗜好を収集することで、よりターゲットに合わせた情報提供やサービス提供を行うことができます。
【ジャンル別】おすすめのECオウンドメディアのコンテンツ
一口にECオウンドメディアと言っても、ジャンルによってコンテンツの書き方や制作方法が異なります。自社でオウンドメディアを運用する際の参考にしてください。
ファッション・アパレル
ファッションやアパレルでは、自社の商品である服やアクセサリーを身に付けたスタッフの写真を掲載するとよいでしょう。その際には、体格や身長の異なるスタッフ(男女)がモデルになると、より多くのユーザーが参考にできます。
服について調べるユーザーは、自分をオシャレに見せる方法を知りたいと思っている人も少なくありません。どのように着こなせばいいのか、コーディネートの極意も紹介しましょう。
特にファッションは、季節によって着用する服が異なります。夏場は薄着のシャツ、冬場はアウターなどと豊富な種類のコンテンツを作成できるのが強みです。
食品
食品をECサイトで販売している企業は、その食材や調味料がどの料理に合うかを記載するのをおすすめします。食品を購入してもらうには、具体的な味をイメージできることが大切であるためです。
料理の画像や実際に作っている動画を掲載することで、読者により魅力を伝えられます。文章でもレシピを簡単にまとめておきましょう。
他にも、その食品の豆知識を紹介することも、コンテンツに取り入れたい内容のひとつです。また、開発された経緯や原材料がとれる地域などを記事で紹介すると、食品に対して興味を持ってくれる可能性も高まります。
雑貨・インテリア
雑貨・インテリアに関するコンテンツを発信する際には、スタッフが実際に商品を使っている写真を掲載するといった方法があります。日常的に使っている風景を撮影し、商品の良さを自然とアピールしましょう。
特にインテリアでは「こういう使い方もできる」という要素も取り入れると、ユーザーはさらに興味を抱きやすくなります。
また、商品に関する製造過程や豆知識に触れたコンテンツもおすすめです。例えばレザーバッグを題材にした場合は、どの素材を使って製造しているかを解説してみるとよいでしょう。自社ならではのこだわりを伝えれば、他社との差別化も図れます。
美容・化粧品
美容・化粧品の商品を売る際には、さまざまな角度から評価したコンテンツを作ることが大切です。
これらの商品を調べているユーザーは、実際に使っている感覚をなるべく具体的にイメージしようとします。そのため、感触(サラサラ感・しっとり感など)や香りも伝わるコンテンツを意識してください。
このときに注意してほしいのは、効能を大げさにアピールしない点です。美容・化粧品にかかる誇張表現は、景品表示法ならびに薬事法によって禁止されています。
そのため、効果効能に関しては、法律を遵守した形で記載をし、使いやすさや種類などの別の観点を幅広く紹介するとよいでしょう。
ECサイトのオウンドメディア運用成功事例4選
商品情報やブランドの魅力を発信することで、ユーザーとの関係を深め、購買意欲を高めるために重要です。しかし、どのように運用すれば成功するのか、悩まれる方も多いのではないでしょうか。
そこで、本記事ではECサイトのオウンドメディア運用において成功を収めた事例を紹介します。これらの事例を参考にし、自社のオウンドメディアを成功に導くためのヒントにしてください。
北欧、暮らしの道具店
参考:北欧、暮らしの道具店
「北欧、暮らしの道具店」は、北欧のインテリア雑貨を取り扱っているECサイトです。
ブログやSNSなどのコンテンツを活用して、北欧インテリアに興味のあるユーザーに自社商品を紹介し、商品の特徴や使用感を伝えています。さらに、北欧ライフスタイルに関する記事も発信し、ユーザーのライフスタイルに合わせた商品の提案を行っています。
オウンドメディアを通じて、ユーザーに興味を持ってもらい、商品を紹介することで、ECサイトへの流入を増やしました。
北欧、暮らしの道具店が成功した要因は、以下のような点が考えられます。
1. テーマの統一性と専門性
テーマが明確で統一されており、北欧の文化やライフスタイルに特化した記事やコンテンツが提供されています。
2. 豊富なコンテンツ
北欧の文化、ライフスタイル、旅行情報、レシピなど、さまざまなコンテンツを提供することで、ユーザーの興味を引き続け、リピーターの獲得にもつながっています。
3. SNSを活用した情報発信
SNSを活用して情報発信を行うことでユーザーとのコミュニケーションを深め、ファン層の拡大につながっています。
石鹸百科
参考:石鹸百科
「石鹸百科」は、手作り石鹸を販売するECサイト「Soap Market」というオンラインストアのオウンドメディアとして運営されています。石鹸やスキンケアに関する情報を発信することで、ブランドの信頼性を高め、ユーザーの興味を引くことに成功しました。
石鹸の種類や成分、効果などについて詳しく解説した記事を中心に掲載し、その情報量の豊富さがユーザーに支持されました。また、定期的にセールやプレゼント企画を実施することで、ユーザーとの関係性を深めることにも成功しています。
石鹸百科の成功の秘訣は、ユーザーに有益な情報を提供し、商品を通じて関係性を深めることにあるといえます。
オウンドメディアとECサイトを連携させ、ユーザーに提供するコンテンツを統一することで、ブランドの認知度を高め、ユーザーの購買意欲を刺激することに成功しました。
土屋鞄製造所
参考:土屋鞄製造所
「土屋鞄製造所」は、もともとはランドセルから事業が始まったに革製品の製造会社です。まだ日本でオウンドメディアという言葉が浸透していない頃から先駆けてオウンドメディアを始めた会社として知られています。
土屋鞄のオウンドメディアが成功した要因は、以下のような点が挙げられます。
1. ブランドの魅力を伝えるストーリーテリング
土屋鞄の歴史や職人の技術、素材など、ブランドの魅力を伝えるストーリーが多く取り入れられています。それにより、商品の魅力をより深く理解してもらい、土屋鞄のファン層を拡大することにつながっています。
2. ファッション業界のトレンドを追う情報提供
ファッション業界の最新トレンドやスタイリング提案、ブロガーとのコラボレーションなど、ファッションに関する情報提供が行われています。それにより、ファッションに興味のあるユーザーにもアプローチし、商品の需要拡大につながっています。
3. 職人の世界観を公開
土屋鞄の職人たちの取材や、商品製造の過程が公開されています。それにより、商品への理解を深めるだけでなく、商品に対する信頼感を高めることにもつながっています。
レイコップ
参考:レイコップ
レイコップ株式会社はアレルギー疾患に苦しむ人へ向けて、布団クリーナーや布団乾燥機などを開発しています。同社のオウンドメディアが成功した背景には、次の要因が挙げられます。
1. 専門家によるお役立ちコラム
レイコップのオウンドメディアの強みは、専門家によるお役立ちコラムをリリースしている点です。製品開発の目的である「アレルギー改善」に関する知識のみならず、睡眠やダニについての悩み解消法も提供しています。
専門性の高い記事が多いものの、積極的に画像を用いているため読みやすい文章となっています。
コラムの最後には、執筆および監修に協力した専門家を紹介しているのもポイントのひとつです。このように専門家の力を借りることで、文章にも説得力が生まれます。
コラムの質を高めるためには、自社のノウハウだけにこだわらず、執筆や監修をしてくれる人を探してみるとよいでしょう。
2. 自然と商品が目入るレイアウト
「レイコップのある生活-LIFE」では、ECサイト内にさまざまなコンテンツがあります。自然と商品が目に入るようなレイアウトとなっており、ユーザーが購入画面に移動しやすいのが特徴です。お役立ちコラムの中にも、商品の画像を用いた誘導ボタンが設置されています。
購入画面にユーザーを誘導する上で、導線設計が不自然になってしまうと嫌悪感を持たれて離脱される恐れがあります。画像やリンクを設置する際には、コンテンツ内に溶け込むような配置を心がけることが大切です。購入画面への導線に悩んだ場合のヒントにしてみてください。
まとめ
ECサイト運営において、オウンドメディアは欠かせない存在となっています。ECサイトにオウンドメディアの機能を備えることで、商品の魅力を伝えたり、ユーザーとの接点を持ったりすることができるためです。
オウンドメディアを成功に導くためには、目的とターゲットを明確にすることが大切です。また、会員登録を促進し、ユーザーとの長期的な接点を持つことが成功要因につながるといえるでしょう。
ECサイトの運営には多くの時間や労力が必要ですが、オウンドメディアと組み合わせることで、顧客との関係を強化し、ECサイトの売上につなげられます。
オウンドメディアの活用に積極的に取り組み、より多くのユーザーとの接点を持つことで、競争力を高められるでしょう。
株式会社HubWorks マーケティング部 2021年よりインターネット広告代理店に入社し、月間数億規模の広告運用を経験。 2022年に株式会社Hub Worksに入社しマーケティング担当者として、ウェブ広告やSEOなどの集客、 記事やホワイトペーパー作成などのコンテンツ制作業務に従事。