【BtoB企業向け】Facebook広告運用のポイントや成功事例を紹介
自社の商品を他の企業に使ってもらうには、多くの宣伝方法を取り入れて認知される機会を増やさなければなりません。その宣伝方法として、数々のBtoB企業で導入されているのがFacebook広告です。
この記事では、Facebook広告の運用におけるポイントや成功事例をまとめます。BtoBマーケティングに取り組む上で参考にしてください。
BtoB企業向けFacebook広告とは?
BtoB企業向けFacebook広告は、SNSの一つであるFacebookを使った企業間取引用の広告のことです。Facebookを利用しているユーザーに向けて、自社の商品やサービスの強みを宣伝する目的で使われます。
広告を使わないSNSの投稿は、お互いにフォローしていないと見てもらえる可能性が低くなります。一方で広告は、フォローの有無に関係なく配信できるため、自社やサービスについて認知してもらいやすい点が強みです。
【Facebook広告】BtoB企業向けとBtoC企業向けの違い
Facebook広告には、大きく分けてBtoB企業向けとBtoC企業向けの2種類があります。同じSNSを使った広告ではあるものの、配信する上でのターゲット、効果、費用が全く異なります。この3点の違いについて詳しく紹介します。
ターゲットの違い
BtoB企業のFacebook広告は、企業の経営者や従業員向けに出稿されます。企業の業種や経営者の年齢層など、ある程度ターゲットを絞れるのが特徴です。
特にFacebookは基本的には実名制であるため、経営者の名前を把握した上でアプローチできます。具体的な顧客像をイメージしつつ、広告の制作および出稿に励むといいでしょう。
一方でBtoC企業は、一般人に向けて商品やサービスを提供します。Facebook広告のターゲットも、BtoB企業より広くなる点を押さえてください。ただし、商品やサービスを使うユーザー像は具体的にイメージした方が得策です。
効果の違い
BtoB企業向けとBtoC向け企業のFacebook広告は、ビジネスで得られる効果にも違いが見られます。
BtoB企業向けであれば、BtoC企業よりもコンバージョン率(資料請求などの目標とするアクションを達成した度合い)が上がりやすくなります。ターゲットをより具体的に限定でき、ニーズに沿った広告を作りやすいためです。
ただし、CTR(クリック率)はBtoCと比べると低くなる傾向があります。BtoB企業よりターゲットが広く、多くの人にクリックされやすいのが主な理由です。BtoB企業向けのFacebook広告は、コンバージョン率を重視しましょう。
参考:Facebook Ad Benchmarks for YOUR Industry [Data]
BtoB企業がFacebook広告を使うメリット
BtoB企業がFacebook広告を活用すると、業務を提供する上でさまざまなメリットがあります。自社の宣伝として取り入れるのであれば、Facebook広告の強みをしっかりと押さえなければなりません。主な3点のメリットについて解説しましょう。
ターゲティングが細かく設定できる
BtoB企業がFacebook広告を使うと、ターゲティングを細かく設定できます。上述の「ターゲットの違い」の項目でも説明した通り、Facebookの特徴は基本的に実名で登録するからです。
また、ユーザーによっては性別や住んでいる地域、勤務地も細かくプロフィールに記載されています。Facebook広告は、さまざまな情報を駆使したターゲティングが可能で、例えばエリアターゲティングであれば特定の地域に住むユーザーへリーチできます。
登録する上で設定した情報に限らず、ユーザーの関心や行動履歴から絞れるのもFacebook広告の強みです。
ビジネスと相性がいい
ビジネスとの相性がいい点も、BtoB企業がFacebook広告を活用するメリットとして挙げられます。
Facebookは独自にビジネスアカウントを作成できるなど、仕事目的でも積極的に使われているSNSです。ビジネス意識の高いユーザーにリーチしやすいため、コンバージョン数を稼ぐ上でも役立つでしょう。
ほかにも、Facebookには30〜40代のユーザーに多く使われているという特徴があります。年齢的には、経営陣や管理職の立場にいる人も少なくありません。つまり、Facebook広告でユーザーにリーチできれば、それらの層に直接自社の魅力を伝えられます。
宣伝からスムーズに契約を結べるようにするには、Facebook広告の利用を検討してください。
Facebook上で見込み顧客が獲得できる
Facebook広告は、Facebook上で見込み顧客を獲得できる点も強みです。見込み顧客とは、商品およびサービスの購入や資料請求などと行動を起こしてくれそうな層を指します。
コンバージョンを獲得する上で欠かせない層であり、アプローチの仕方によっては優良顧客(リピート回数の多い層)に育てることができます。
Facebook広告では、リード獲得広告からユーザーの情報の取得が可能です。ユーザーの名前や電話番号、勤務地が分かるので、継続的にアプローチしたいときに役立ちます。
Webサイトを運営するだけでは、必ずしもページにアクセスしてもらえるとは限りません。SNSに広告を出すことで、見込み顧客とつながる方法の幅が広がります。
BtoB企業がFacebook広告を使うデメリット
BtoB企業がFacebook広告で宣伝するには、少なからずデメリットもあります。宣伝方法として取り入れる上で、メリット面とデメリット面を入念に比較しなければなりません。Facebook広告の利用において、どのような点に注意すべきかを解説しましょう。
ターゲットが限定的
BtoB企業がFacebook広告を使うデメリットは、ターゲットが限定されてしまう点です。広告の内容は、基本的にはFacebookのユーザーにしか届きません。
同じMeta社が運営しているInstagramであれば表示されるものの、YouTube広告と比べると国内のアクティブユーザー数は3,500万人以上の差があります。
広告を出稿する際には、Facebook以外にもさまざまな種類を使うのも方法の一つです。特に、多くの人が利用するGoogle広告であれば、BtoBマーケティングにも効果を発揮します。
数種類の広告を使うときは、定期的な効果検証も重要です。Facebookからどの程度のコンバージョンを得られているか確認し、今後の戦略に生かしましょう。
仕様の変更がよくある
Facebook広告は、仕様の変更も頻繁に見られます。規約が変わるたびに、広告のスタイルを修正しなければならないケースもあります。
2023年2月には「この広告が表示されている理由」と表記される機能が追加され、広告がなぜ表示されているのかをユーザーが簡単に把握できるようになります。また2023年6月には、自動化や不正な手段でのビジネスアセットの使用が禁止されています。
今後もこのように、規約やレイアウトを変更していく可能性があるでしょう。Facebookの情報を定期的にチェックし、仕様の変更があっても迅速に対応できるようにしてください。
BtoB企業がFacebook広告で成功するためのポイント
BtoB企業がFacebook広告で成功を収めるには、押さえたいポイントがいくつかあります。ここでは、以下の3点に分けて成功させるための必要な要素を紹介します。
・広告戦略
・広告の運用
・クリエイティブ(広告として作られた全てのコンテンツ)作成時
それぞれの内容をチェックし、広告作成に生かしてください。
Facebook広告戦略のポイント
最初に目的を設定する
Facebook広告の戦略を立てるには、初めに目的を設定することが重要です。自社を宣伝する上では、Google広告やその他のSNS広告などさまざまな方法があります。その中からあえてFacebook広告を用いる理由を、社内で共有しなければなりません。
Facebook広告の強みは、経営者や管理職のユーザーに対してもアプローチしやすい点です。つまり、決定権を持つ人物に直接訴求できることを押さえた上で目的を設定するといいでしょう。
また、Facebookならではの特性もしっかりと捉えた方が賢明です。例えばFacebookは、Instagramとの連携を簡単に行える特徴があります。こうした特性を調べつつ、自社にどのようなメリットが得られるかを検討してください。
ターゲットを明確にする
Facebook広告の運用を開始する前に、ターゲットを明確に決めることも重視しなければなりません。
BtoB企業向けの広告であれば、企業の経営陣や従業員が配信する対象となるため、ある程度は候補が絞れるはずです。その中で、特に自社の商品やサービスに興味を持ちそうな層について考えます。ターゲットを選定する際に、特に意識したい要素は下記の通りです。
・業種
・顧客の住んでいる地域
・顧客が感じている課題
Facebook広告でつながったユーザーは今後、優良顧客に育てていく必要があります。そのためには、お互いのニーズを満たせるような相手を探すことが求められるでしょう。ターゲティングにおいても、あらかじめ設定した目的の達成を第一に考えることが大切です。
Facebook広告の運用のポイント
インタレストターゲティングを活用する
Facebook広告の運用時には、インタレストターゲティングを活用するのをおすすめします。インタレストターゲティングとは、顧客の興味や関心をもとに宣伝する方法です。顧客のニーズを満たしやすく、コンバージョンの獲得にも良い影響を与えます。
Facebook広告のインタレストターゲティングには、大きく分けて9つのカテゴリーがあります。
・スポーツ・アウトドア
・テクノロジー
・ビジネス・業界
・フィットネス・ウェルネス
・レジャー施設
・家族と交際関係
・買い物・ファッション
・趣味・アクティビティ
・食品・飲料品
上記のカテゴリーを参考に、自社のビジネスに合った種類を選んでください。プロフィールを充実させていないユーザーもいるため、インタレストターゲティングを生かせばアプローチ方法の幅が広がります。
カスタムオーディエンスを活用する
Facebook広告の運用においては、カスタムオーディエンスの活用も重要です。カスタムオーディエンスとは、Facebookを利用しているユーザーの中から、すでに自社と接点のある顧客を探す方法を指します。いわゆる既存顧客に対するアプローチです。
カスタムオーディエンスを使うと、自社の商品やサービスに対するリピーターを増やせます。事前に情報を把握しているため、ターゲットをさらに絞れる点も強みです。
カスタムオーディエンスを活用するには、顧客の情報をあらかじめリストにまとめましょう。リストはExcelで作成して問題ありません。その後「カスタムオーディエンスを作成」かFacebookページでの設定を行ってください。
類似オーディエンスを活用する
インタレストターゲティングやカスタムオーディエンスに加え、類似オーディエンスを活用するのもFacebook広告に必要です。
類似オーディエンスは、自社と接点のある顧客に似た特徴を持つユーザーとつながるための機能を指します。高確率でコンバージョンしてくれそうな層を探す上で便利です。
類似オーディエンスを設定するには、Facebook広告マネージャから「オーディエンス」をクリックします。「オーディエンスを作成」をクリックした後、「類似オーディエンス」を選択してください。
ターゲット層を絞るには、顧客リストを用いた方が賢明です。既存顧客の特徴を捉え、どの層にアプローチすべきかを入念に考えましょう。
Facebook広告のクリエイティブ作成時のポイント
信頼性をアピールする
Facebook広告のクリエイティブを作成するには、信頼性のアピールが重要です。BtoBマーケティングでは、顧客は契約先がどの程度の実績を誇るのかを気にします。商品やサービスを導入するのは、たいてい自社のビジネスで成果を出すのを目的としているためです。
実績が不明確な広告を出稿しても、相手企業は信頼の置ける会社か否かを判断しにくくなります。狙ったターゲットに配信したところで、コンバージョンの獲得が難しくなるでしょう。
Facebook広告を作成するときは、導入した会社の数や得られた効果を数字で記載してください。数字を使えば、顧客もどの程度の実績を誇る会社かを具体的にイメージできます。相手企業の立場も考慮しつつ、信用第一でFacebook広告を運用しましょう。
シンプルなデザインにする
Facebook広告のクリエイティブは、シンプルなデザインを心がけることも重要です。自社の強みを最大限にアピールしようとすると、数多くの情報を取り入れたくなるかもしれません。しかし情報を詰め込み過ぎると、ユーザーに何を伝えたいのかが見えなくなります。
制作する上で特に意識したいポイントは、重要なメッセージを前半に伝えることです。内容の全てを閲覧されなくとも、ユーザーに強みを伝えられる広告が望ましいとされています。
シンプルかつ魅力あふれるデザインを手がけるには、コピーライティングのスキルを習得するのもコツの一つです。ユーザーの目線に立ちつつ、一文一義(一つの文章に一つだけの情報を掲載すること)の書き方を心がけてください。
BtoB企業のFacebook広告の成功事例
BtoB企業向けのFacebook広告を作るには、他社の成功事例から学ぶことも大切です。ここでは、Facebook広告の成功事例について5点紹介します。それぞれの特徴を押さえ、参考にできる部分は自社の戦略にも取り入れましょう。
サイボウズ株式会社
サイボウズ株式会社は、中小企業に向けてグループウェア(コミュニケーションを円滑にするツール)の開発を提供する企業です。Kintone(キントーン)を中心に、社内で情報を共有する便利なツールを手がけています。
同企業がFacebook広告を使った主な目的は、Kintoneの「30日間の無料お試し」を多くのユーザーに周知するためです。
企業の意思決定に関わる人をターゲットとし、範囲を細かく指定した上で配信しました。その結果、従来と比べて2倍以上のユーザーが「30日間の無料お試し」に登録したといいます。
株式会社マネーフォワード
株式会社マネーフォワードは、個人や法人のお金の管理における便利なツールを提供する企業です。クラウド形式のツールを数多く開発しており、決算資料の作成や確定申告のサポートをしています。
同社では、中小企業や上場企業に向けたクラウド型ソフトである「クラウド会計Plus」をFacebook広告で宣伝しました。広告を出稿する際には、主に費用対効果や業務の効率化に焦点を当てるよう意識します。
Facebook広告で宣伝することにより、「クラウド会計Plus」の強みを多くのユーザーへアピールできたようです。
株式会社ウィルオブ・コンストラクション
株式会社ウィルオブ・コンストラクションは、施工管理業務を中心とする人材派遣サービスを提供している企業です。施工管理業務の仕事を簡単に探せる「施工管理求人ナビ」をリリースしており、約45万人のユーザーに登録されています。
この「施工管理求人ナビ」の登録者を増やすべく、Facebook広告の運用をスタートしました。Messenger(メッセンジャー)へ誘導し、希望勤務地やスキル、連絡先の情報を記入してもらうように促します。
「転職したい」と考えているユーザーへ積極的にアプローチすることで、コンバージョン率やエンゲージメント率にも良い影響を与えたそうです。
株式会社キャスター
株式会社キャスターは、秘書や人事に関する業務をサポートしてくれる企業です。加えて、経理事務の代行サービスである「CASTER BIZ」も提供しています。経費の精算や記帳、書類の仕分けと幅広い業務に対応しているのが強みです。
同社はこの「CASTER BIZ」を多くのユーザーに導入されるのを目指すべく、Facebook広告で宣伝します。出稿する際には「1000社以上」や「50%削減」など、数字を積極的に取り入れました。
ユーザーに対してFacebook広告でアプローチした結果、「CASTER BIZ」の認知度向上に寄与したとのことです。
株式会社ユビレジ
株式会社ユビレジでは、主にPOSシステム(商品の販売に関する情報を管理するシステム)を開発しています。
その中でも力を入れているサービスの一つが、iPadで操作できる「ユビレジ」です。多くの企業に「ユビレジ」を導入してもらう目的で、Facebook広告での宣伝を行いました。
Facebook広告を出稿する際には、カスタムオーディエンスや類似オーディエンスの設定を重視したとのことです。また「無料お試し」を積極的に周知して、まずは導入してもらうのを目標としました。
その結果「ユビレジ」は全国で3万以上の店舗で取り入れられ、Facebook広告もその一助となったようです。
まとめ
今回は、BtoB企業向けのFacebook広告について解説しました。企業の宣伝でFacebookを使うメリットは、実名制であるためお互いに信頼を得やすい点です。オーディエンスの設定を行えば、ターゲットを絞った上でユーザーに対してアプローチできます。
Facebook広告を制作する際には、誰もが見ても理解できるようにシンプルなデザインを心がけましょう。具体案が思い浮かばない場合は、すでに成功している他社の例を参考にすることも重要です。
株式会社HubWorks マーケティング部 2021年よりインターネット広告代理店に入社し、月間数億規模の広告運用を経験。 2022年に株式会社Hub Worksに入社しマーケティング担当者として、ウェブ広告やSEOなどの集客、 記事やホワイトペーパー作成などのコンテンツ制作業務に従事。