オウンドメディアのコンセプト設計方法を解説!戦略やポイントも
インターネットが普及している現代では、オウンドメディアを利用した集客を検討している企業が増えています。
オウンドメディアは、自社のブランド価値を高め、顧客との関係を深める強力なツールです。オウンドメディア作成の際、コンセプト設計の方法がわからず困っている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、オウンドメディアのコンセプトや設計方法、戦略やポイントについて解説していきます。注意点や参考事例も紹介するので、参考にしてください。
オウンドメディアのコンセプトとは
オウンドメディアのコンセプトとは、そのメディアの存在意義や方針を明確に示すものです。他社との差別化や新しさ、価値提供の視点を持つことが求められます。
オウンドメディアを成功させるには、単に情報を発信するだけでなく、読者に新しい価値を提供し、独自の視点で差別化を図ることが重要です。
コンセプト作りには、「どんな価値を提供するのか」「なぜその価値を提供するのか」「企業と顧客をどのようにつなぐのか」といった問いへの明確な回答が必要になるでしょう。
これらの問いに答えることで、メディアの方向性や方針が固まり、読者に対して一貫したメッセージを伝えられます。
コンセプトを明確にすることで、オウンドメディアはその存在意義を一言で言い表せるようになり、読者に対して強い印象を与えられるでしょう。
オウンドメディアのコンセプトは誰のために設計するのか
「コンセプトを立てる必要はあるのか?」という疑問を抱く人も多いかもしれません。記事を書く時間や他の業務に充てる時間を優先したいという意見もあるでしょう。
しかし、オウンドメディアの成功には、コンセプトの明確化が不可欠です。重要なのは、誰のためにコンセプトを設計するのかという点です。
まず第一に、コンセプトは顧客のために設計します。顧客にとって価値のある情報を提供し、ニーズや期待に応えることが、オウンドメディアの使命であるためです。また、オウンドメディアに取り組むチーム全員のためにコンセプトを設計しましょう。
オウンドメディアの運用は、複数のメンバーの協力によって成り立っています。そのため、新しいメンバーが加わったり、外部ライターが参加したりすることがあります。また、立ち上げメンバーが退職することもあるでしょう。
こうしたメンバーの変動があっても、メディアの方向性を失わないためには、全員に共有する明確なコンセプトが必要です。コンセプトがあれば、どんな状況でも目的を一貫して追い続けることができ、メディアのブランディングや戦略がぶれることなく維持できます。
オウンドメディアにおいてコンセプト設計が大切な理由
オウンドメディアにおいて、コンセプト設計が大切な理由は以下の通りです。
・コンテンツに一貫性を持たせられる
・競合との差別化が図れる
・メディアの価値をわかりやすく伝えられる
・運用メンバー間で共通認識を持てる
・ブランディングに良い影響を与える
それぞれ詳しく見ていきましょう。
コンテンツに一貫性を持たせられる
オウンドメディア運営において、明確なコンセプトを持たない場合、コンテンツやコンテンツの内容に一貫性がなくなります。そうなると、オウンドメディア全体が雑多な印象を与え、企業の信頼性やブランドイメージにも悪影響を及ぼす可能性があります。
一方、あらかじめ明確なコンセプトを設定すると、コンテンツに「ブレない軸」が生まれます。これにより、オウンドメディア全体に統一性がもたらされ、読者に対して一貫したメッセージを伝えられるでしょう。
コンセプトとは、全体を貫く新しい観点を提供するものであり、記事コンテンツを企画する際の「軸」として機能します。
この「軸」がないと、コンテンツの企画は「面白そうだから」や「読んでもらえそうだから」といった基準で進められがちです。結果的に、統一性のない雑多なメディアになってしまい、企業としての信頼醸成やイメージ獲得にも悪影響が出ます。
競合との差別化が図れる
オウンドメディア運営において、同じジャンルのメディアが多い中で差別化を図ることは非常に重要です。
多くのメディアが似通った内容の記事を提供している中で際立つためには、独自のコンセプトを持つことが欠かせません。競合メディアが多いジャンルで成功しているメディアは、オリジナルのコンセプトを基盤に運営しています。
例えば、ホンダアクセスが運営している「カエライフ」は、独自のコンセプトを掲げています。「カスタム」をキーワードにして、暮らしの中の「モノ」や「コト」に変化を加えることで、暮らしを「カエる」ヒントを発信しているのが特徴です。
単に自動車の情報を提供するだけでは、多くのメディアと差別化するのは困難ですが、「カスタム」という独自の切り口を持つことで、強い印象を残すことに成功しています。
独自のコンセプトを持つことは、オウンドメディアの競争力を高め、競合との差別化を実現するための鍵となります。
メディアの価値をわかりやすく伝えられる
オウンドメディアを訪れた顧客にその価値が正しく伝わらなければ、再度訪問してもらうのは難しいでしょう。顧客を引きつけるには、どのような価値を提供しているのか端的に伝える必要があります。ここで重要となるのが、コンセプトです。
明確なコンセプトがあれば、顧客に対してメディアの価値を一つのメッセージで伝えられます。
例えば、「最新の技術情報を提供する」というコンセプトを持っていれば、顧客はそのメディアが技術情報に特化していることを瞬時に理解できるでしょう。これにより、顧客は自分が求めている情報を見つけやすくなり、メディアへの信頼感も高まります。
コンセプト設計は、メディアの方向性を示すだけでなく、顧客に対してその価値を明確に伝える役割も果たします。コンセプトがしっかりしていると、メディアが提供する情報の一貫性が保たれ、顧客にとっての利便性が向上するでしょう。
運用メンバー間で共通認識を持てる
オウンドメディアの運営には、多くの人々が関わります。ディレクターやライター、デザイナーなど、さまざまな役割のメンバーが共同で作業するため、それぞれの意見や視点が異なる場合があります。
その結果、記事コンテンツの質や方向性が大きく変わり、メディア全体の一貫性が失われるかもしれません。
コンセプトを決定することで、トンマナ(トーン&マナー)が決まります。コンセプトはメディアの基盤となる考え方や方向性を示したものであるため、それらが決まるとトンマナが決まっていきます。
トンマナは、文やデザインに一貫性をもたらし、メディア全体のビジュアルや雰囲気を統一するためのガイドラインです。
しかし、トンマナだけでは記事の内容やメッセージに一貫性を持たせることはできません。コンセプトがしっかりしていることで、トンマナもその意図に沿った形で定まります。
つまり、コンセプトがメディアの方向性を示し、それに基づいてトンマナが整えられることで、全体として一貫したメディアの表現が実現できるのです。
コンセプトは、運用する目的や提供する価値を明確にするための基盤です。コンセプトがあれば、なぜこのメディアを運営しているのかという「チームの共有目的」を確立できます。
ブランディングに良い影響を与える
コンセプトが確立されていると、ユーザーに対して「このメディアを訪れれば、特定の問題が解決できる」といった明確なイメージを持たせられます。
このようなイメージが形成されると、ユーザーは繰り返しそのメディアを訪れるようになり、結果としてメディアのファンとなる可能性が高まるでしょう。これは、オウンドメディアを通じてブランディングが成功する大きな要因です。
ブランディングが成功すると、ユーザーが直接メディア名を検索する「指名検索」が増えます。これはSEOの観点からも非常に重要で、指名検索が増えると検索エンジンからの評価も向上し、検索結果の上位に表示されやすくなる効果が期待できるでしょう。
また、信頼性の高い情報源として認識され、新規ユーザーの獲得も容易になります。
オウンドメディアにおいて重要なのは、いかにしてユーザーにその存在を認知してもらい、継続的に訪問してもらうかです。明確なコンセプトを設計することで、メディア全体に一貫性が生まれ、ユーザーに対して強い印象を与えられます。
オウンドメディアのコンセプト設計のステップ
オウンドメディアのコンセプトを設計するために必要なステップは、以下の5つです。
1. オウンドメディアの目的を明確にする
2. コンバージョンに関与する自社の強みを明確にする
3. ペルソナとカスタマージャーニーを作成する
4. 訴求する価値を定義する
5. コンセプトを策定する
それぞれ解説していきます。
①オウンドメディアの目的を明確にする
まずは、オウンドメディアの目的を明確にすることが重要です。目的は、大きく分けて「ブランディング」「採用促進」「見込み顧客獲得」の3つがあります。
どの目的に重点を置いて運用するかによって、コンセプトや提供すべきコンテンツが大きく変わるため、最初に明確にしておきましょう。
明確にした目的は、運用メンバー間でしっかりと共有し、共通認識を持つことが大切です。オウンドメディアがなぜ存在するのかと、その意義を全員が理解していて、「オウンドメディアは弊社の◯◯のために存在している」と説明できる状態が理想です。
特に現場担当者は、上層部からの指示や、メンバーに加わった経緯によって目的を十分に把握していない場合があります。そのため、目的の共有と理解は欠かせません。
手段と目的の逆転を防ぐためには、次のような問いを見直しましょう。
・オウンドメディアの目的は何か?
・オウンドメディアの目標は何か?
・なぜこのオウンドメディアを実施するに至ったのか?
②コンバージョンに関与する自社の強みを明確にする
コンセプト設計において、自社の強みを明確にすることが重要です。自社の事業上の強みや専門性を他社と比較しながら相対的に分析してください。そして、コンセプトの素材として利用できる要素をリストアップします。
この段階では、どの強みを反映させるかを絞り込む必要はありません。まずは、自社の特徴や強みを棚卸しする感覚で、できるだけ多くの要素を抽出しましょう。
このプロセスはディレクターだけで行わず、メンバー全員で行うことが効果的です。多様な視点から強みを見つけ出せば、より強力なコンセプトを構築できます。
異なる部門や役職のメンバーが集まると、気づかない視点やアイデアが浮かび、自社の強みをより深く理解できます。
具体的には、自社の商品やサービスの特徴、技術的な優位性、顧客サポートの質、ブランドの歴史や信頼性、業界内での評価など、あらゆる角度から自社の強みを洗い出しましょう。
③ペルソナとカスタマージャーニーを作成する
コンセプト設計におけるステップとして、「ペルソナ」と「カスタマージャーニー」の設計があります。
まず、ターゲットユーザーを具体的なペルソナとして描き出します。
ペルソナ設定では、単なる性別や年齢だけでなく、趣味や関心事、ライフスタイル、購買行動に関する詳細な情報まで含めることが重要です。より具体的でリアルなユーザー像を捉えられ、人物像に基づいてコンテンツを企画・制作する方向性が明確になります。
次に、作成したペルソナが経験するカスタマージャーニーを設計します。カスタマージャーニーとは、ユーザーが製品やサービスに出会い、それを知覚し、購入するまでの過程を時系列で整理したものです。
ユーザーがどのような課題やニーズを抱えているのか、それに対してどのような情報や体験を提供すればよいのかを明確にします。例えば、認知段階では情報収集が主となり、購入段階では具体的な製品の比較や詳細情報が求められます。
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④訴求する価値を定義する
オウンドメディアの成功には、ターゲットユーザーが求める価値を明確に訴求することが不可欠です。
まず、前段階で分析したターゲットユーザーのニーズと、自社の強みを総合的に考慮します。ターゲットユーザーが抱える課題やニーズを深く理解し、それに対する解決策や付加価値を提供することが、訴求力を高める第一歩です。
次に、自社の強みを具体化し、それをターゲットユーザーのニーズにどのようにリンクさせるかを考えます。
例えば、自社の強みが高度なテクノロジー開発であり、ターゲットユーザーのニーズが最新の技術トレンドについての情報を求めている場合、その分野の専門知識や実用的な応用事例を提供しましょう。
そして、これらを踏まえて独自の価値提案(UVP、Unique Value Proposition)を定義してください。UVPは競合との差別化要素を含みながら、ターゲットユーザーが感じる価値を伝える核となるメッセージです。
⑤コンセプトを策定する
オウンドメディアの成功は、明確で魅力的なコンセプトの策定が不可欠です。先に定義したUVPを基にして、核となるコンセプトを明確にしましょう。
まず、UVPを振り返り、自社の独自性や提供価値を理解します。例えば、採用に関する高度なノウハウを持つ企業は、「採用に悩む全ての方に寄り添う知恵袋」というコンセプトが考えられるでしょう。
このようなコンセプトは、ターゲットユーザーに対する具体的な価値を示し、メディアの存在意義を明確にしてください。
また、コンセプトの策定に際して重視すべきポイントは「わかりやすさ」です。複雑で理解しにくい表現や抽象的な言い回しは避け、自社の強みや提供する価値を端的に伝えましょう。
コンセプトは視覚的なイメージや感情に訴えるものであり、ユーザーが一目で理解しやすい形で表現すると効果的です。
コンセプトを決定する過程で、運営メンバー以外の社員や関係者、さらに顧客の意見を取り入れることも検討してみてください。
オウンドメディアのコンセプトを設計する際の戦略やポイント
コンセプト設計をする際の戦略やポイントは、以下の3つです。
・シンプルな言葉でわかりやすい表現にする
・検討段階ではボリュームを気にせず作成する
・策定したコンセプトを定期的に見直す
それぞれ詳しく見ていきましょう。
シンプルな言葉でわかりやすい表現にする
コンセプト設計において、シンプルでストレートな表現が重要です。
かっこよさやおしゃれさにこだわるあまり、本質からずれた遠回しな表現やカタカナ語を多用してしまい、コンセプトの核心が伝わらなくなる場合があります。
コンセプトを設計する際には、常に「顧客にとっての価値をわかりやすく伝える」という大前提を念頭に置くことが重要です。時にはシンプルで直接的な言葉遣いが、目的や価値をより効果的に伝えられます。
例えば、採用支援サービスを提供する企業が「採用のプロセスをスムーズにする」というUVPを持つ場合、コンセプトは「採用をスムーズにするガイド」というシンプルな表現ができます。このように、何を目指しているのかを明確に伝えてください。
シンプルな表現を選ぶことで、コンセプトの訴求力が向上し、ターゲットユーザーに対するメッセージが明確になります。また、過剰な装飾や複雑な言い回しを避けることで、誤解や混乱を防ぎ、コンセプトの理解を促進できるでしょう。
検討段階ではボリュームを気にせず作成する
コンセプトを設計する際、まずはボリュームにこだわらずに、アイデアを出し切ることが重要です。
初期段階では、口語的な言葉で説明しやすい形でコンセプトを描き出します。この時点では文章の長さや表現の精緻さよりも、伝えたい内容や核心を明確にすることに集中しましょう。
例えば、採用支援をテーマにしたコンセプトを考える場合、最初は「採用を効率化する情報を提供するサイト」という具体的なメッセージを基にして文章を起こします。
この過程で必要以上の詳細や装飾を排除し、要点だけを抽出することで、シンプルでわかりやすいコンセプトが生まれます。
初期の段階では、一言でまとめるのが難しいかもしれません。そのため、口頭で説明するイメージで文章を起こし、それを精緻化する過程で要素を磨き上げていきます。
冗長な表現や理解しにくい言葉を削ぎ落とし、より端的で訴求力のある表現に変えることが、効果的なコンセプト設計のポイントです。
策定したコンセプトを定期的に見直す
コンセプトを策定した後も、それを定期的に見直し、必要に応じてブラッシュアップしてください。
顧客のニーズや市場環境は絶えず変化しています。新たな競合の登場やテクノロジーの進化、消費者の行動パターンの変化など、さまざまな要因が影響を与えるでしょう。
以下のような点を定期的に確認・検討するのがおすすめです。
・市場動向の分析:最新の市場動向や競合他社の動きを把握します。
・顧客のニーズの変化:ターゲット顧客のニーズや課題の変化を理解し、コンセプトを調整します。
・メッセージの効果測定:コンセプトが訴求するメッセージが効果的に届いているかを評価します。
・競合分析:競合他社のコンセプトと比較し、自社の差別化ポイントを再確認します。
・内外部のフィードバック:社内外の関係者や顧客からのフィードバックを収集します。
コンセプトの定期的な見直しは、単なる修正や調整にとどまらず、ビジネスの成長や市場環境の変化に対応する重要な戦略です。
オウンドメディアのコンセプト設計をする際に参考になる事例
コンセプト設計をしているサイトは数多くあります。ここでは、参考になる事例をいくつか紹介します。それぞれのサイトのいい部分を参考にし、自社のコンセプト設計をより良いものにしましょう。
サイボウズ株式会社
参考:サイボウズ式
サイボウズ式は、サイボウズ株式会社が運営する情報サイトで、チームの新たな価値創造をサポートすることがコンセプトです。このメディアは、IT業界を超えて幅広いビジネスパーソンに向けて、共感を呼ぶコンテンツを提供しています。
サイボウズ式の設計においては、直接的な製品プロモーションを避け、ユーザーの視点に立った価値の提供に重点を置いています。特に、メンバーの自主性を重視した企画立案と、KPIを設定せずに柔軟な運営を行う姿勢が特徴です。
これにより、ユーザーにとって有益で親しみやすいコンテンツが生まれ、結果として高い評価が得られました。
立ち上げからわずか3年半で月間平均20万PVを達成し、企業の離職率を28%から4%に低下させるなど、効果的なブランディングと採用促進を実現しています。また、「働きがいのある会社」ランキングなど、業界内での評価も向上しました。
このように、「サイボウズ式」の成功事例は、コンセプト設計が如何にメディアの方向性を決定し、その成果に直結するかを示しています。
レッドブル・ジャパン株式会社
参考:Red Bull
「Red Bull」は、エナジードリンクの販売企業であるレッドブル・ジャパン株式会社が運営するオウンドメディアです。同社の主力事業であるエナジードリンクに直接的に言及せず、スポーツやクリエーティブな活動に焦点を当てた情報を提供しています。
Red Bullのオウンドメディアは、企業のコーポレートサイト自体がメディアとして機能するユニークな事例です。自社製品の紹介に留まらず、アクティブなライフスタイルを楽しむ人々に向けた有益な情報を提供しています。
アスリートやクリエーターをターゲットに、ブランドの価値観やライフスタイルに共鳴するコンテンツを展開することで、Red Bullのブランドイメージを強化しています。
このアプローチは、特定の価値観やライフスタイルに共感を呼び起こすことを目指しており、広範な顧客層にアプローチするための効果的な手法です。結果として、Red Bullのオウンドメディアは月間2000万PVを超える人気と影響力を誇ります。
Red Bullのコンセプト設計は、自社ブランドの核心となる価値観やライフスタイルを中心に据えたメディア戦略の成功例として、コンセプト設計を行う際の参考になるでしょう。
北欧、暮らしの道具店
参考:北欧、暮らしの道具店
「北欧、暮らしの道具店」は、北欧由来の雑貨を扱う企業が運営するオウンドメディアです。2007年9月に運用を開始し、「フィットする暮らし、つくろう」をコンセプトに、北欧のライフスタイルや文化をテーマにした魅力的なコンテンツを提供しています。
この事例では、ECサイトとオウンドメディアが緊密に統合されており、その運用方法がコンセプト設計における参考になるでしょう。
メディアは北欧の生活雑貨に関する新商品紹介から、実生活に役立つインテリアや収納のアイデアまで、幅広いコンテンツを提供しています。その結果、ユーザーは商品を理解するだけでなく、実際の利用方法についても学ぶことが可能です。
メディアの運用はブランディングに重点を置き、売上の増加や顧客ロイヤルティの向上を目指しています。商品の特長を客観的に伝えるだけでなく、ユーザーのニーズに応じた情報を提供することで、高いPV数を達成しました。
加えて、SNSプラットフォームを活用した情報発信やコミュニティー形成にも成功しており、フォロワーの獲得とコンテンツの拡散においても高い成果を上げています。このように、ECサイトとオウンドメディアの統合戦略は、コンセプト設計の際に参考となるでしょう。
Aktio Note
参考:Aktio Note
「Aktio Note」は、株式会社アクティオが運営するオウンドメディアです。「創造する人や革新をする人に気付きをあたえる」というコンセプトの下に立ち上げられました。
Aktio Noteは、ブランディングを目的としたメディアで、アーティストやミュージシャン、スポーツ選手などに対する取材を通じて、読者に創造性を刺激するコンテンツを提供しています。
単なる情報提供にとどまらず、読者が新たな発想やアイデアを得る機会を創出する点が特徴です。
このメディアでは、インタビューや特集記事を通じて、クリエイティブな人々の活動や思想、挑戦に焦点を当てています。
具体的には、アーティストの制作過程やミュージシャンのインスピレーション源、スポーツ選手のトレーニング法など、普段は知ることのできない裏側の情報を提供しています。これにより、読者は自らの創造性を探求し、新たな気づきを得ることが可能です。
Aktio Noteのアプローチは、コンセプト設計において「読者に価値を提供し、創造性を引き出す」という明確な目的を持っている点で参考になります。コンセプトに基づいたコンテンツ戦略が、メディアの独自性と影響力を高める好例です。
オウンドメディアを立ち上げるに当たっての注意点
オウンドメディアを立ち上げる際は、以下の注意点を頭に入れておきましょう。
・効果が出るまでに時間がかかる
・運用コストがかかる
・コンテンツ制作や運用できる担当者が必要になる
・コラムやサイト構築などSEOに基づき制作する必要がある
それぞれ詳しく解説していきます。
効果が出るまでに時間がかかる
オウンドメディアを立ち上げる際には、即効性は期待できません。初期段階では、コンテンツの量が少なく、リーチも限られています。さらに、SEOの評価を得るためにも時間が必要です。そのため、立ち上げ直後は効果が出にくいでしょう。
オウンドメディアの特性上、ブランディングや見込み客の獲得には時間と努力が必要です。コンテンツの質と量を充実させ、定期的な更新が成功の鍵となります。
また、SNSなど外部プラットフォームとの連携を強化し、認知度の向上やトラフィックの増加を目指すことが重要です。
短期間で成果を求めてオウンドメディアを早期に閉鎖する企業もありますが、長期的な視野で取り組んでください。コンテンツの質の向上や読者のニーズに応じた内容の提供が、持続的な成果を生むポイントです。
初期からコンスタントに高品質なコンテンツを提供し続け、読者とのエンゲージメントを深めましょう。時間をかけてブランドの価値を構築し、徐々に成果を上げています。
運用コストがかかる
オウンドメディアを立ち上げるには、初期費用や長期的な運用コストも考慮する必要があります。メディアのデザインやコンテンツの方向性を決める段階で、内部リソースだけでは対応できない場合、外部のプランニングやデザイン会社に依頼することが一般的です。
オウンドメディアの運営には、コンテンツ制作や更新、SEO対策、プロモーション活動などさまざまなコストがかかります。特に初期段階では、集客やリーチの効果がすぐには現れず、投資したコストを回収するまでに時間がかかるでしょう。
運用コストには、人件費や広告費用、技術的なインフラ整備などが含まれます。これらの費用は、成果を上げるためには避けて通れないものです。しかし正しい戦略と計画があれば、将来的に大きなリターンを得られます。
オウンドメディアの立ち上げを検討する際には、財務的な計画を立てることが不可欠です。また、コスト効率を高めるには、外部協力の活用や内部の効率化も検討してください。
コンテンツ制作や運用できる担当者が必要になる
オウンドメディアの立ち上げには、専門的なコンテンツ制作と運用が欠かせません。従来のインターネット広告とは異なり、継続的に価値あるコンテンツを提供し、適切な管理・運営が求められます。多くの場合、これを達成するには経験豊富な専門家やチームが必要です。
オウンドメディアを初めて運営する企業や担当者にとって、新たなノウハウやスキルの習得が課題です。
コンテンツの戦略的な拡充やSNSでの効果的な拡散方法に関する知識が不足していることが一般的なので、内部でこれらの業務を担当する人材の確保や育成が必要となります。
多くの企業では、このような専門的な業務を担当する社内リソースを持っておらず、外部のプロフェッショナルに依頼するケースが増えています。外部委託によるコンテンツ制作や運用管理は費用がかかりますが、高品質なコンテンツを迅速に提供することが可能です。
また、外部のエキスパートとの協力を通じて、経験とノウハウを蓄積すれば、内部での運用力向上にもつながります。
コラムやサイト構築などSEOに基づき制作する必要がある
オウンドメディアを立ち上げる際に重要な要素の一つが、SEO対策です。SEO対策を施すことで、検索エンジンからのアクセスを増やし、多くのユーザーにサイト訪問を促せます。
初期段階では特に、訪問者数の拡大が目的ですが、それだけでなく訪問者をコンバージョンにつなげるための施策が欠かせません。
ただし、SEO対策は単にトラフィックを増やすだけでは十分ではありません。訪問者がサイトで求めている情報や、体験に即したコンテンツも提供してください。
そのためには、コラムや専門的なサイト構築が必要です。コラムでは業界の最新動向や専門知識を提供し、訪問者に価値ある情報を届けることで、長期的な信頼関係を築けます。
また、サイト構築ではユーザーのニーズを的確に捉え、ユーザー体験の最適化が求められます。訪問者がストレスなく情報を取得できる使いやすいデザインやナビゲーションを実現することで、ページの滞在時間を延ばせるでしょう。
まとめ
本記事では、オウンドメディアのコンセプト設計について詳しく解説しました。
コンセプト設計は、メディアの方向性や方針を固め、読者が求めている情報を提供するために大切です。効果が出るまでには時間がかかりますが、メディアの価値を高め、ブランディング力の向上も狙えるでしょう。
競合との差別化を図り、自社の魅力を伝えるために、オウンドメディアのコンセプト設計を慎重に行うことがおすすめです。本記事を参考に、効果的なオウンドメディアを目指してください。
オウンドメディアのコンセプト設計に悩んでいる方は、株式会社Hub Worksにぜひご相談ください。
株式会社HubWorks マーケティング部 2021年よりインターネット広告代理店に入社し、月間数億規模の広告運用を経験。 2022年に株式会社Hub Worksに入社しマーケティング担当者として、ウェブ広告やSEOなどの集客、 記事やホワイトペーパー作成などのコンテンツ制作業務に従事。