大学オウンドメディア成功事例7選│ファンを増やす方法も紹介
大学の情報や魅力を発信するために重要な手段となるのが「オウンドメディア」です。しかし、いざオウンドメディアを活用しようと思っても、具体的に何をどうすればよいかわからない人も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では大学オウンドメディアとは何かを説明した上で、具体的な内容や成功事例などを紹介していきます。
・大学オウンドメディアの概要
・ファン増加に繋がる大学オウンドメディアの成功事例
・大学オウンドメディアを上手に運用するコツ
大学オウンドメディアとは
オウンドメディア(owned media)とは、広い意味で「企業や団体が独自で所有するメディア全般」のことです。例えば、以下のような方法で情報発信できるものが該当します。
・SNS
・ブログ
・動画
・パンフレット
しかし、狭義のオウンドメディアは企業や団体が運営するブログと捉えられることが多いため、この記事ではオウンドメディアを独自で運営するブログとして解説していきます。
大学オウンドメディアは、大学に関する情報やコラム、Webマガジンなどのコンテンツを独自に発信できるのが特徴です。公式サイトでは配信されない情報をさまざまな切り口で発信できるため、大学の広報活動やブランディングに効果的です。
オウンドメディアについて、より深く知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
大学オウンドメディアを運営するメリット
ここからは、大学オウンドメディアを運営するメリットを3つ紹介します。
・大学の認知度を向上させる
・大学のファンを増やせる
・大学ブランドの持続的な成長につながる
それぞれについて解説していきます。
大学の認知度向上
大学オウンドメディアを運営するメリットの1つ目は、大学の認知度を向上させることです。
公式サイトからの情報は、事実に基づいた公的な情報が中心となります。そのため、大学名で検索した人や関係者にしか情報が届きにくいといえます。
しかし、オウンドメディアに大学の研究や学生の取り組みなどの幅広い情報を載せることで、さまざまな人に大学の情報を届けるきっかけをつくり出せます。
より魅力的なコンテンツの発信で、ユーザーや他メディアに取り上げられるような話題をつくったり、SNSとの連携で拡散されたりすれば、より効果的に認知度の向上を図れるでしょう。
大学のファンを増やせる
大学オウンドメディアを運営するメリットの2つ目は、大学のファンを増やせることです。
大学オウンドメディアでは、キャンパス内の様子や学生の活動、研究に関する情報など公式サイトには載らないリアルな大学の情報を発信できます。
大学独自の特色や世界観といった実態を魅力的に発信できれば、受験生や在校生、卒業生などが共感してSNSで拡散することもあります。特に在校生や卒業生の評判や口コミは情報としての説得力が強いため、大学の信頼が向上してファンの増加につながるでしょう。
大学ブランドの持続的な成長につながる
大学オウンドメディアを運営するメリットの3つ目は、大学ブランドの持続的な成長につなげられることです。
オウンドメディアで発信する情報を、アピールしたいコンセプトに合わせることで「この大学は、〇〇で有名」「この大学は、△△な特徴がある」といったイメージを抱いてもらいやすくなります。
たとえば、学術面や研究に力を入れている大学であれば、取り組んでいる研究や教授のインタビュー記事を掲載するなどが効果的です。
このように、大学独自の特色を発信することで、その世界観に共感した人が新たなファンとなって情報を拡散するという好循環が生まれるため、大学ブランドのさらなる成長が期待できるでしょう。
大学オウンドメディアのカテゴリ
この章では、大学オウンドメディアの主なカテゴリーについて5つ紹介していきます。
・一般向けの大学Webマガジン
・インタビュー記事
・研究関連
・産業・ビジネス連携
・学生中心のメディア
一般人向けの大学Webマガジン
1つ目は、一般人向けの大学Webマガジンです。大学の情報を中心に発信する場合のターゲットは学生を中心とすることが大半ですが、一般向けの情報として発信することもあります。
たとえば、一般向けの大学Webマガジンの内容として、以下のものが挙げられます。
・大学周辺のグルメ情報
・学生のマッチングアプリ利用に関する記事
・就活関連の情報
大学の特色を深堀りした情報が一般の方々にとって有益なものであれば、多くの人に読まれて話題となる可能性があるので魅力的なコンテンツの制作が大切です。
インタビュー記事
2つ目は、インタビュー記事です。多くの大学オウンドメディアでインタビュー記事が掲載されており、大学の実態や魅力を伝えるには効果的な内容といえます。
例えば、研究や教育についてアピールする場合は、教授へのインタビュー記事が有用です。キャンパスライフや学生の主体性を伝える場合は、学生へのインタビュー記事が考えられます。
特に、学生のキャンパスライフや部活動などの活動についての情報は、発信することで受験生や保護者にとって入学後の生活をイメージしてもらえるので、安心感や信頼感が高まります。
大学としてアピールしたい内容に合わせて、インタビューの内容や対象を選ぶとよいでしょう。
研究関連
3つ目は、研究関連のコンテンツです。大学は研究機関としての働きが重要であるため、多くの大学で研究関連の情報が発信されています。研究機関としての魅力や情報発信は大学の広報活動に大きな意味をもち、専門性や信頼性につながるといえるでしょう。
その中でも、以下の大学は研究に関する情報を独自の切り口で発信しています。
・京都大学「ザッツ・京大」
・近畿大学「Kindai Picks」
・千葉大学「CHIBADAI NEXT」
研究機関として魅力的な情報を発信できれば、研究者を目指す受験生や社会に対して専門性や権威性をアピールできるでしょう。
産業・ビジネス連携
4つ目は、産業・ビジネス連携です。大学で学んだ知識をビジネスや産業にどのように活用するかという内容になります。具体例としては、大学が行政や民間企業と連携して研究を進める産官学連携があり、社会的に大きな話題となる可能性があるテーマです。
産官学連携の成功事例としては、京都大学と京都府立大学が技術提供して生まれた観光サポートパワードリンク「白い銀明水」があります。清酒製造業と観光業、大学を結びつけ、夏場の京都観光に訪れる観光客の疲労回復を目的とした新製品を生み出しました。
製品開発や社会課題の解決に貢献すれば、大きな話題となり認知の拡大や高感度の向上につながるでしょう。
参考:公設試のすすめ2018
学生中心のメディア
最後5つ目は、学生中心のメディアです。キャンパスライフ、イベントや部活・サークル活動など幅広いテーマで情報を更新することで、学生の自主性や創造性の豊かさといった特色を強められます。
学生中心のメディアを運営するメリットは、以下の3つです。
・大学の情報を在校生がキャッチしやすくなり、学生の活動をより活発にできる
・大学ブランドの成長につながる
・受験生や志願者の増加
大学内で学生が積極的に活動している様子を広報することで、在校生の活動をさらに活性化し、大学ブランドの成長につなげられます。その結果、ファンの増加や受験生の確保も期待できるでしょう。
大学オウンドメディア成功事例7選│ファンを増やした取り組み
ここからは、大学オウンドメディアを活用して成功した事例を紹介します。どの大学もそれぞれの特徴を活かしたコンテンツを発信しているので、ぜひ参考にしてください。
成功事例1:Meiji.net(明治大学)
まず、成功事例1つ目は、明治大学のMeiji.netです。「教授陣が社会のあらゆるテーマと向き合う、大学独自の情報発信サイト」をコンセプトに、幅広いテーマでコンテンツを生み出しています。
コンテンツの内容は教授陣のコラムや研究紹介などが多く、社会貢献性に対する意識の高さが窺えます。発信される情報の価値の高さと量の多さを強みとしたことで、ブランディングに成功した例といえるでしょう。
URL | https://www.meiji.net/ |
メインターゲット | 社会全体 |
ポイント | 社会貢献性と情報価値の高さ |
成功事例2:ザッツ・京大(京都大学)
成功事例2つ目は、京都大学のザッツ・京大です。「自由の学風」という京都大学の理念を広報課のザッツ編集部が表現しており、その世界観が魅力の大学オウンドメディアといえます。
特に「People」「ザッツ京大とは」のカテゴリーは、京大生の自由な発想やアイデア、コンセプトを象徴するものとなっています。魅力の発信や大学ブランドの確立、成長を意識した大学オウンドメディアの好例として挙げられるでしょう。
URL | https://www.thats.pr.kyoto-u.ac.jp/ |
メインターゲット | 受験生、卒業生 |
ポイント | 大学ブランドの確立と魅力の訴求の好例 |
成功事例3:Kindai Picks(近畿大学)
成功事例3つ目は、近畿大学のKindai Picksです。15学部49学科(2023年8月現在)もある近畿大学の情報をまとめたキュレーションサイトであり、情報量の多さとジャンルの幅広さが魅力といえます。
就職活動、研究・教育、イベントなど学生を対象とした内容のものから、近大の卒業生で経営者として活躍している方への取材レポートなどもあります。
さらに、広報・ニュースでは、堀江貴文さんなどの著名人を起用した講演を取り上げるなど、話題性にも富んだメディアといえるでしょう。
URL | https://kindaipicks.com/ |
メインターゲット | 学生 |
ポイント | 話題性の高さと独自性の強いコンテンツの豊富さ |
成功事例4:アオガクプラス(青山学院大学)
成功事例4つ目は、青山学院大学のアオガクプラスです。「青山学院を、発見する。」とテーマにあるように、大学についての理解を深められるオウンドメディアになっています。
カテゴリーは「インタビュー」「キリスト教」「コラム」「今」「ストーリー」などがあり、大学の特徴を簡潔にまとめて紹介しています。また、青山学院大学は幼稚園から大学まである総合学園のため、幼児教育、高等学部の情報も記載されています。
URL | https://aogakuplus.jp/ |
メインターゲット | 学生 |
ポイント | 大学への理解を深めやすいシンプルでわかりやすいサイト構成 |
成功事例5:LINK@TOYO(東洋大学)
成功事例5つ目は、東洋大学のLINK@TOYOです。「今こそ身につけたい”教養”、大人のためのWEBマガジン」として、実生活に役立つ情報からビジネススキルの解説など幅広い情報を発信しています。
教授による専門的でわかりやすい解説は幅広い層に役立つ情報であるため、多くの人に認知されるきっかけを作りやすいといえます。
社会全体に対して貢献できるコンテンツが発信できれば、大学の名前や実態を把握してもらえるため、認知拡大を目指す大学にとってオウンドメディア運営の参考となるでしょう。
URL | https://www.toyo.ac.jp/link-toyo/ |
メインターゲット | 社会人、ビジネスマン |
ポイント | 社会貢献性と情報価値の高さ |
成功事例6:plum garden(津田塾大学)
成功事例6つ目は、津田塾大学のplum gardenです。一般的な大学オウンドメディアと差別化を図るために、コンテンツ一つひとつをフラットで横並びにするタイル構造にし、カラーを女性らしいパステル調に統一することで、独自の世界観を演出しています。
教職員と学生が協働運営し、キャンパスレポート、対談、編集部員のおすすめグッズ紹介など型にハマらないコンテンツが数多くあります。
URL | https://pg.tsuda.ac.jp/index.html |
メインターゲット | 受験生 |
ポイント | 独自の世界観や大学の魅力を伝えるメディア運営 |
成功事例7:ガストロノミア(立命館大学)
成功事例7つ目は、立命館大学のガストロノミアです。ガストロノミアは、食マネジメント学部が運営する「食と未来を考える」をテーマにしたWebメディアです。
大学ならではの学術的な要素を取り入れ、食に特化したジャンルでインタビュー記事やコラム記事を制作しています。「立命館といえば、食」といったイメージを作りあげるブランディングの観点で参考になるメディアといえるでしょう。
URL | https://www.gastronomia.jp/ |
メインターゲット | 地域、水産業界、食文化に精通した人 |
ポイント | 食に特化したブランディング |
大学オウンドメディアの運営ポイント3選
ここからは、大学オウンドメディアを運営する上でのポイントを3つ解説します。
・目的を明確にする
・ターゲットを明確にする
・オウンドメディアの運営方法を決める
目的を明確にする
大学オウンドメディアを運営する上で、目的を明確にすることは必要不可欠です。オウンドメディアの活用におけるゴールがなければ、まとまりのない情報やコンテンツを作成し、大学ブランドを崩してしまう危険があります。
少なくとも、以下のような目的を設定しておくことが望ましいでしょう。
「大学オウンドメディア運営の目的例」
・大学の認知度向上
・大学のブランド確立
・大学のファン増加
・受験者数の増加
例えば、受験者数の増加が目的であれば、認知度の拡大を狙うためにSNS、CMなどの広告媒体も活用しながら大学の魅力を伝える必要があります。目的を明確に設定することで、オウンドメディア運営の方向性や内容が決まるので、必ず取り組むようにしましょう。
ターゲットを明確にする
ターゲットを明確にすることも大学オウンメディアを運営する上で重要です。
ターゲットが明確でなければ、発信する情報の内容や伝え方が定まらず、ブランドイメージの確立や魅力的なコンテンツ制作ができません。ターゲットにとってどのような情報が魅力的なのかを予想してコンテンツを制作しましょう。
ターゲットを決める場合、ペルソナと呼ばれる架空の人物像をイメージすることが重要です。
「ペルソナ設定の例」
氏名 | 斎藤さん(仮) |
年齢 | 18歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 高校生 |
趣味 | 映画鑑賞 |
最近の悩み | 受験勉強で成績が思うように伸びないこと |
居住地 | 神奈川県川崎市 |
家族構成 | 4人家族、長男 |
オウンドメディアの運営方法を決める
大学オウンドメディアを運営する上で重要となる最後のポイントは、オウンドメディア運営の方法を決めることです。運営方法の中でも決めておきたいことは、以下のとおりです。
・メディア管理者
・コンテンツ制作者
・コンテンツの更新頻度
・目標や年間スケジュール
・オウンドメディアコンセプト
魅力的なコンテンツを計画的に更新し続けることが、大学オウンドメディア運営において重要なので、綿密な運営体制を作り上げておくとよいでしょう。
まとめ
本記事では、大学オウンドメディアの成功事例やメリット、運営ポイントについて解説しました。大学オウンドメディアを効果的に活用することで、大学の魅力訴求や認知度向上、ファンの増加などの効果が期待できます。
そのためには、大学オウンドメディアを運営する目的、コンセプトやターゲット、オウンドメディアの運営体制を明確に定めておく必要があります。
これから大学オウンドメディアを立ち上げて運営する方は、本記事で紹介した成功事例や運営のポイントなどを参考に、魅力的な情報発信を目指してみてください。
株式会社HubWorks マーケティング部 2021年よりインターネット広告代理店に入社し、月間数億規模の広告運用を経験。 2022年に株式会社Hub Worksに入社しマーケティング担当者として、ウェブ広告やSEOなどの集客、 記事やホワイトペーパー作成などのコンテンツ制作業務に従事。