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不動産オウンドメディアの成功事例10選!始め方や注意点も解説

「不動産業界のオウンドメディアの始め方が分からない」

「不動産業界のオウンドメディアの成功事例を知りたい」

本記事は上記のような悩みを抱えている方に向けた記事です。

 

不動産業界において、オウンドメディアを運用して集客やブランディングをしようとする企業が増加しています。そのため、やみくもにオウンドメディアを運用するのではなく、戦略を立て、効果的な運用が求められています。

 

そこで、本記事では不動産会社がオウンドメディアを立ち上げる際の手順とコンテンツ制作の注意点、運用に成功している8つの事例をご紹介します。

 

これからオウンドメディアの立ち上げを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

不動産オウンドメディアのメリット

不動産オウンドメディアのメリット

まずは、不動産会社がオウンドメディアを運用するメリットについて見ていきましょう。オウンドメディアのメリットは、主に以下3つが挙げられます。

 

・自社のブランディングに役立つ

・顧客の信頼を得られる

・顧客獲得単価が低くなる

 

自社のブランディングに役立つ

オウンドメディアを運用するメリットの1つとして挙げられるのが、自社のブランディング強化に寄与する点です。

 

オウンドメディアを通じて、自社のブランドに関連する情報(=コンテンツ)を継続的に発信することで、ユーザーの目に留まる機会が増えるため、自然な形でブランドイメージを定着・拡大させることができます。

 

「学生向けの物件が多い不動産会社といえば〇〇」「細かい条件で物件検索ができるのは〇〇」といったように、競争が激しい業界だからこそ自社のポジションを確立しておくことが大切です。

 

自社の強みや独自性、サービスの特徴などをオウンドメディアを通して前面に押し出し「自社を選ぶことでどういったメリットがあるのか」を明確に示すことで、効果的なブランディングを実現できるでしょう。

 

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顧客の信頼を得られる

オウンドメディアを適切に運用することで、顧客からの信頼を得られる点もメリットの1つです。顧客は、自分の悩みや課題を解決してくれるコンテンツを求めてサイトを訪れます。

 

そのため、不動産会社のサイト内に正確かつ専門性の高いコンテンツや自分にとって役立つ情報があることで、その不動産会社に対して信頼を寄せる可能性が高まります

 

このように、コンテンツの質は顧客からの企業イメージに大きく影響するため、顧客ニーズに合った良質なコンテンツを定期的に発信することで、信頼を獲得できるでしょう。

 

顧客獲得単価が低くなる

オウンドメディアの運用により、顧客獲得単価を下げられるといったメリットもあります。オウンドメディアは、運用開始後すぐに成果を見込める施策ではないものの、継続運用していくことでコンテンツが資産として蓄積していき、メディアは徐々に成長します。

 

メディアが成長すると、物件を掲載しているポータルサイトへの流入も自然と増えるため、集客にかかるコスト削減にもつながるでしょう。

 

リスティング広告などのWeb広告は、即効性はあるものの、ユーザーにリーチし続けるためには広告費を払い続ける必要があり、かつ広告効果の高いユーザーの母数は限られているため徐々にROI(投資収益率)が低下する傾向にあります。

 

オウンドメディアは広告とは異なる性質を持っており、制作費用はかかるものの、広告費をかけずにユーザーにリーチし、問い合わせや資料請求がを増やせるため、費用対効果の高い集客が実現できるのです。

 

不動産オウンドメディアの成功事例8選

不動産オウンドメディアの成功事例

ここからは、数ある不動産会社のオウンドメディアのなかでも、特に成果を上げている8つの事例をご紹介します。

 

今後オウンドメディアの立ち上げを検討している担当者の方、すでに運用しているものの成果につながらず悩んでいる担当者の方は、以下の事例から自社の運用に取り入れられそうなポイントを見つけてみてください。

 

[事例1] オシャレオモシロフドウサンメディア ひつじ不動産

「ひつじ不動産」は、株式会社ひつじインキュベーション・スクエアが運営するシェアハウス専門の総合メディアです。

 

単身世帯だけでなく、シェアハウスを検討するシングルペアレントやファミリー世帯をターゲットに、シェアハウスにまつわる幅広い情報を発信しています。

 

掲載されている物件には「午前8時の笑顔」「大人生活」「みんなのなかで育つ、子どもとわたし」といったユニークなキャッチコピーを付けることで、実際の暮らしを連想させるような工夫が施されています。

 

また、各物件紹介ページでは物件の内観や外観、周辺環境だけでなく、備え付けの家具や設備、庭園などの画像を数十枚〜数百枚にわたり掲載し、物件の雰囲気や特徴をかなり細かく伝えているのも特徴です。

 

「シェアハウスといえば、ひつじ不動産」という印象が広く浸透していることから、ブランディングに成功しているオウンドメディアといえるでしょう。

オウンドメディア名 オシャレオモシロフドウサンメディア ひつじ不動産
運営会社 株式会社ひつじインキュベーション・スクエア
特徴 コンテンツバリエーション、ユニークなキャッチコピーを用いた物件紹介、画像の充実度、若者向けのデザイン、メールマガジン会員のリンク設置など
URL https://www.hituji.jp/

 

[事例2] LIFULL HOME’S PRESS

「LIFULL HOME’S PRESS」は、株式会社LIFULLが運営する”住まいの本当と今”を伝える不動産・住宅情報サイトです。

 

「借りる・買う・改築/改装する」をテーマとしたトレンドニュースや専門家へのインタビュー記事、調査データ・ランキングなどのカテゴリから構成されており、住宅の最新トレンドから暮らしのアイデアまで、不動産にまつわる情報を幅広く発信しています。

 

各コンテンツの最後には、同社が運営するポータルサイト「LIFULL HOME’S」へのリンクバナーが設置されており、物件探しのサポートも兼ね備えた大手ならではの設計になっています。

オウンドメディア名 LIFULL HOME’S PRESS
運営会社 株式会社LIFULL
特徴 コンテンツバリエーション、物件検索サイトとの連携、メールマガジン会員のリンク設置など
URL https://www.homes.co.jp/cont/press/

 

[事例3] SUUMOジャーナル

「SUUMOジャーナル」は、株式会社リクルート住まいカンパニーが運営する住宅関連ニュースサイトです。

 

ユーザーの「自分にぴったり合った住まいって?」を解決するために、住まいと暮らしに関する雑学や豆知識、税金・補助金に関する最新事情など多岐にわたるテーマを発信しています。

 

「買う」「借りる」「街/地域」「マネーと制度」「ニュース」など全9つのカテゴリーからなる投稿記事は約9,500本(2023年8月14日現在)と、不動産業界のオウンドメディアのなかでも比較的情報量の多いサイトといえるでしょう

 

SUUMOジャーナルの目的は、同社が運営する住宅情報サイト「SUUMO」への誘導であり、SUUMOの利用者数拡大を目指しています。

オウンドメディア名 SUUMOジャーナル
運営会社 株式会社リクルート住まいカンパニー
特徴 コンテンツ投稿数、コンテンツバリエーション、物件検索サイトとの連携、高い更新頻度など
URL https://suumo.jp/journal/

 

[事例4] ひかリノベ

「ひかリノベ」は、ハウスメンテナンス事業やおよびハウスリフォーム事業を手がける株式会社ネクサス・アールハウジングが運営するオウンドメディアです。

 

自宅のリノベーションを検討しているユーザー、物件購入+リノベーションを検討しているユーザーをターゲットに、リノベーションに関する知識やメリット・デメリット、事例などをコラムで発信しています。

 

コラム記事の冒頭に読了時間の目安(「この記事は約〇分で読めます」)を記載することで、ユーザーの利便性を向上させるとともに、記事の途中離脱を防ぐ工夫がされているのが特徴です。

 

また、施行事例ではルームツアーとしてうまく動画を活用して、リノベーション後の住まいの様子をより分かりやすく伝えています。

オウンドメディア名 ひかリノベ
運営会社 株式会社ネクサス・アールハウジング
特徴 読了時間の記載、動画コンテンツの活用、Before/After画像の掲載、情報の網羅性など
URL https://hikarinobe.com/

 

[事例5] すまいとくらし 三井でみつけて

「三井でみつけて」は、分譲住宅や賃貸マンション情報を提供している三井不動産レジデンシャル株式会社が運営する、住まいと暮らしの総合情報サイトです。

 

住宅購入を検討しているユーザーをターゲットに、各地域の住みやすさや暮らしに役立つコラム、住宅選びの参考情報など、住まいに関する多角的な情報を発信しています。

 

過去に三井不動産の物件を購入した顧客のインタビュー記事を主要コンテンツとして掲載することで、サイト訪問者の信頼感と共感を喚起する工夫がされています。

 

また、街紹介の記事では、その街に関連する「おすすめ物件」を提示し、物件検索ページへ上手く誘導しているのが特徴です。

オウンドメディア名 すまいとくらし 三井でみつけて
運営会社 三井不動産レジデンシャル株式会社
特徴 コンテンツバリエーション、画像の充実性、リンクバナーの設置
URL https://www.mitsui-mall.com/

 

[事例6] マンションサプリ

マンションサプリは、マンションの購入・売却を専門に取り扱う株式会社マンションマーケットが運営するオウンドメディアです。

 

コンテンツは「マンション相場」「マンション探訪」「管理」「インテリア」など、全7つのカテゴリに分類されており、マンションや不動産にまつわる情報を発信しています。

 

なかでも「管理」では、他のサイトではあまり見かけないマンションの適切な管理・修繕に関する注意点を紹介するなど、マンションの売却を検討している読者にとって有益なコンテンツが多い印象です。

 

マンションサプリは、同社が運営するポータルサイト「マンションマーケット」への誘導を目的としており、会員登録を促すリンクバナーを設置しています。

オウンドメディア名 マンションサプリ
運営会社 株式会社マンションマーケット
特徴 情報の網羅性、リンクバナーの設置、シンプルなデザインなど
URL https://mansion-market.com/sapuri/

 

[事例7] ARUHIマガジン

ARUHIマガジンは、国内最大手で知られる住宅ローン専門金融機関アルヒ株式会社が運営するオウンドメディアです。住宅購入や住宅ローン・資金運用を検討している方をターゲットに、住まいやお金、暮らしに関する情報を発信しています。

 

コンテンツは細かくカテゴリ分けされているだけでなく、「消費税増」や「変動金利」などのホットキーワードからも検索できるようになっているため、暮らしに役立つ旬の情報を即座に発見できるのが特徴です。

 

ARUHIマガジンは、住宅購入に関する読者の不安や悩みを記事内で取り除き、サイトの下部に設置しているリンクバナー「住宅ローン無料シミュレーション」へと上手く誘導しています。

オウンドメディア名 ARUHIマガジン
運営会社 アルヒ株式会社
特徴 不動産を軸としたマネー系コンテンツ、読了時間の記載、高い更新頻度、細かいカテゴリ分け、リンクバナーの設置など
URL https://magazine.aruhi-corp.co.jp/

 

[事例8] SINGLE HACK

SINGLE HACKは、祝い金がもらえる賃貸情報サイト「キャッシュバック賃貸」の運営会社である株式会社キャリアインデックスのオウンドメディアです。

 

これから一人暮らしを検討しているユーザーや、すでに一人暮らしをしているユーザーをターゲットに「ライフスタイル」「インテリア」「節約術」「グルメ」「引越し」をテーマとした一人暮らしの生活を豊かにする情報を発信しています。

 

記事の最後にリンクバナーを設置し、キャッシュバック賃貸への誘導を促すことで、自社サービスの利用者数増加を目指しています。

 

また、SINGLE HACKはメインドメインのサブディレクトリ(サイトの下層につくられたサイト)として運用されているため、本サイトのSEO評価を上手く反映させている点もポイントです。

オウンドメディア名 SINGLE HACK
運営会社 株式会社キャリアインデックス
特徴 ノウハウ系コンテンツ、リンクバナーの設置、シンプルなデザイン、サブディレクトリの活用など
URL https://cbchintai.com/singlehack/

 

[事例9] 暮らしっく不動産

暮らしっく不動産は株式会社ラインズマンが運営する情報メディアです。お部屋を探している方や不動産を貸したい方をターゲットにしており、内見から契約までプロの視点でまとめられています。

 

「退去費用ぼったくり」など実用的な記事はもちろん、「ゴジラにマンションを壊されたら」というようなユーモアのある記事もあり、飽きることなく楽しめるコンテンツが満載です。

 

サイト上部にあるリンクからのお問い合わせを目的としており、記事の下部には関連記事などへの誘導リンクもあります。サイトの下部にある注目キーワードやメンバーからも、知りたい情報に辿り着くことができます。

 

キーワードがインスタグラムのハッシュタグ形式になっており、SNSを普段見慣れているユーザーとの相性抜群です。

オウンドメディア名 暮らしっく不動産
運営会社 株式会社ラインズマン
特徴 部屋を探しているかたや不動産を貸したい方向け
URL https://www.kurachic.jp

[事例10]楽待不動産投資新聞

楽待不動産投資新聞は株式会社ファーストロジックが運営するメディアで、不動産投資や融資についてのコンテンツがメインです。動画記事も充実しておりテキストだけでは見えない業界の裏側を見ることもできます。

 

メインターゲットは不動産投資を検討している方や不動産投資を始めている方で、どちらかというと初心者向けのイメージです。記事の下部には読者が投稿できるコメント欄があり、読者のニーズを知り、より良い記事を制作することに役立っています。

 

「不動産投資を検討している人」と一口にいっても、知りたい情報は人によって異なります。

 

将来的にその物件に住むことを視野に入れながら不動産を購入する人、節税対策として不動産に投資をする人、また、副収入は欲しいが自分で動く時間を取れないから不動産投資を始めるという人など、情報ニーズは様々です。

 

楽待不動産投資新聞ではダイレクトにユーザーの声を聞くことで、より本質的なニーズに応える記事作りができています。また、他のユーザーのコメントを見ることもできるため、ユーザー同士の情報交換の場にもなっています。

 

 

オウンドメディア名

楽待不動産投資新聞
運営会社 株式会社ファーストロジック
特徴 不動産投資や融資についてのコンテンツが中心
URL https://www.rakumachi.jp/news/

不動産オウンドメディアの導入がおすすめな企業 

不動産オウンドメディアの導入がおすすめな企業は以下のとおりです。

 

・潜在顧客へ認知を広げたい企業
・新規顧客の獲得を進めたい企業
・企業のブランディングを図りたい企業
・採用を進めたい企業

 

それぞれについて詳しく解説します。

潜在顧客へ認知を広げたい企業

不動産オウンドメディアの導入をおすすめしたい企業として、まず潜在顧客へ認知を広げたい企業が挙げられます。

 

今すぐの不動産会社を利用する予定はないが、将来的に利用する可能性のある見込み顧客に認知してもらうことで、自社を想起してもらうことを目的としています。

 

例えば、今は引越しや不動産購入を考えていない人でも、転勤・結婚や家族が増えるといった生活スタイルの変化によって、将来的に引越しや不動産購入を検討する可能性があります。

 

こうした潜在顧客を売り上げにつなげるには、事前に接点を作っておき、いざというときに自社を想起してもらうことが重要となってきます。そのためには、例えば「近隣の飲食店の情報」等の情報を継続的に発信することがおすすめです。

 

不動産の売買に直接かかわる情報が必要となるタイミングは限られていますが、「近隣の飲食店の情報」であれば、ユーザーのライフステージにかかわらず、幅広い場面で見てもらえるでしょう。

 

このように、不動産会社を利用するタイミング以外の場面で見込み客との接点を作るには、オウンドメディアという手段を活用し、情報を発信し続けることが有効です。

 

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新規顧客の獲得を進めたい企業

不動産オウンドメディアの導入をおすすめしたい企業として、新規顧客の獲得を進めたい企業も挙げられます。

 

なぜなら、不動産に関する悩みがある人は、Googleなどの検索エンジンを用いて検索行動をしていると考えられ、自社のオウンドメディアが上位表示されていれば、集客できる可能性があるためです。

 

キーワードによっては、「今すぐ不動産を購入したい」と考えている人を自社オウンドメディアに流入させることができます。サイト内でお問い合わせなどのコンバージョンをしてもらえれば、その後受注につなげられる可能性があります。

 

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企業のブランディングをしたい企業

さらに不動産オウンドメディアの導入がおすすめな企業として、企業のブランディングを図りたい企業があります。なぜなら、オウンドメディア内にあるコンテンツを通じて、企業のイメージを持ってもらいやすいためです。

 

不動産業界の中でもどのようなトピックをコンテンツすれば、見込み顧客に持ってもらいたいブランドイメージを形成できるかを考えるようにしましょう。

 

例えば、「地域に強い不動産」というブランドイメージを持ってもらいたいつけたいのであれば、「近隣エリアのショッピングコース」や「おすすめの飲食店」といった情報を提供するとよいでしょう。

 

地域を熟知していること、地元に密着していることをアピールでき、自然と望むイメージを形成できます。

 

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採用を進めたい企業

不動産オウンドメディアの導入がおすすめな企業として、採用を進めたい企業も挙げられます。なぜなら、オウンドメディアを通じて社内の情報を発信することで、企業の雰囲気や求める人物像をダイレクトに伝えることができるからです。

 

例えば、不動産といえばどうしても「きつい」というイメージがあります。しかし、実際に働いている社員の方が明るい表情で仕事をしているのを見たらどうでしょうか?

 

オウンドメディアによって楽しそうな雰囲気が伝われば、より前向きな気持ちの応募者が数多く集まると予想できます。さらに、自社の特徴や求める人物像をうまく発信できていれば、自然とそれに応じた人材が集まりやすくなるため、採用活動も効率よく行えます。

 

企業と応募者の間で、求める人材や企業イメージにギャップがあると、採用する側では「自社とはあわない人材を採用してしまった」、採用される側では「入社前のイメージとは違っていた」というミスマッチの元となり、採用活動の効率が悪くなってしまいます。

 

採用オウンドメディアとは?成功事例や求人サイトとの違いも解説!

 

不動産オウンドメディアの始め方|着実な成果を掴むための方法

不動産オウンドメディアの始め方|着実な成果を掴むための方法

ここからは、オウンドメディアを立ち上げる際の手順を見ていきましょう。オウンドメディアの立ち上げは、基本的に以下の手順に沿って進められます。

 

・目的の設定

・ターゲットの明確な設定

・顧客ニーズの把握

・独自の視点と情報提供による差別化

・運用方法の選定

 

目的の設定

オウンドメディアを立ち上げる際、最も重要なステップが目的の設定です。目的や目標が不明確だと、どのくらい効果が出ているのか、正しく運用できているのかを判断できません。

 

「最終的に何を成し遂げたいのか」を細かく設定しておくことで、戦略的なコンテンツ制作や行動までの動線設計が可能となり、オウンドメディアの成果を最大化することができます。

 

【不動産オウンドメディアの目的及び目標例】

・資料請求につなげる(月◯件)

・問い合わせを増やす(月◯件)

・メルマガ登録につなげる(月◯件)

 

企業がオウンドメディアをうまく運営していくためには、上記のような目的・目標を常に念頭に置きPDCAを回していくことが大切です。オウンドメディアを立ち上げる際には、目的は必ず設定しておきましょう。

 

ターゲットの明確な設定

オウンドメディアの目的が明確になったら、次はペルソナを作成しターゲット設定を行いましょう。ペルソナとは、ある特定の人物を具体的にイメージ化した架空の人物です。

 

年齢や性別、職業、ライフスタイル、趣味、行動パターンなどの情報を含んだペルソナを作成することで、自社のターゲットとなる見込み客の特徴やニーズ、課題が具体的に見えてくるため、ターゲットの検索意図に合ったコンテンツ制作が可能となります。

 

以下は、一般的なペルソナ設定において必要となる項目例です。

 

【ペルソナの構成要素】

・基本情報(年齢、性別、居住地域、職業、収入、家族構成)

・ライフスタイル(通勤時間、勤務時間、趣味、休日の過ごし方)

・購買行動、意思決定プロセス

・情報収集方法

・最近の悩み

 

実際に不動産会社がオウンドメディアを運用する際は、以下のようなペルソナが作成できます。

ペルソナ名 家庭重視のサラリーマン Aさん
年齢 32歳
性別 男性
職業/役職 会社員/営業職
収入 年収600万円
家族構成 妻と2人の子ども(3歳と1歳)
居住地域/居住形態 都心から少し離れた郊外の賃貸マンション(2LDK)
通勤時間 1時間
趣味 ゴルフ、読書、キャンプ
休日の過ごし方 家族とのアウトドア活動、自宅でのんびり過ごす
情報収集方法 インターネット検索、SNS、友人や同僚との情報交換
最近の悩み 子どもの教育環境や住宅ローンの選択、将来の住まい

アンケート調査やインタビュー調査、既存顧客へのヒアリングなどを実施し、客観的データから得られた根拠にもとづき、できるだけリアルなキャラクター像を描くのがポイントです。

 

ターゲットが曖昧なままでは、メディアの方向性が定まらずコンテンツに一貫性を持たせられなくなってしまうため、必ず設定しておきましょう。

 

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顧客ニーズの把握

ペルソナを作成しターゲットが具体化できたら、次はそのターゲットとなるユーザーのニーズを洗い出しましょう。

 

オウンドメディアに訪れるユーザーは、主に購買の意向があり比較検討を進めている段階の「顕在層」と、関心はあるもののまだ比較検討の具体的な行動には至っていない「潜在層」の2つに分けられます。

 

不動産会社がオウンドメディアを効果的に運用していくためには、顕在層・潜在層の両方のニーズに応えていく必要があります。

 

例えば、顕在層向けにはローンの組み方や物件比較などの具体的な情報を、潜在層向けには地域ごとの魅力や不動産購入のメリット・デメリットなど、基本的な情報を含むコンテンツが求められるでしょう。

 

このように、狙いとするターゲットを顕在層と潜在層に分類することで、発信すべきコンテンツも変わってくるため、それぞれのニーズに合ったコンテンツを提供することが大切です。

 

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独自視点での情報提供による差別化

不動産会社のオウンドメディアが数多く存在するなかで競合他社との差別化を図るには、自社独自視点での情報提供によるユーザーへのアプローチが欠かせません。

 

他では得られない情報を発信することで、自社のコンテンツに価値を感じてもらい、メディアへの関心を高める工夫が必要です。オリジナル性の高いコンテンツを発信することで、自社メディアのファン増加も期待できます。

 

また、独自コンテンツは、Googleからの評価を高めることにつながります。どのサイトでも記載されている内容をコンテンツ化したとしても価値が低いと判断されてしまいます。

 

そのため、他のサイトが掲載していない独自の内容をコンテンツに含めるようにしましょう。SEO評価が高まり、自社サイトが上位表示される可能性が高まります。

 

運用方法の決定

オウンドメディアの具体的な方向性が決まったら、自社で運用していくのか、もしくはオウンドメディアの運用代行会社に依頼するのかを検討しましょう。

 

自社でオウンドメディアを運用する場合、戦略設計やコンテンツ制作、サイトの分析・改善など、専門的な知識に加え多くのリソースが必要となります。

 

こういった理由から「人手が足りず日々のコンテンツ投稿は難しい」「実行に手が回っておらず思っていたよりも成果が上がらない」といった課題に直面する企業が多いのが現実です。

 

一方、運用代行会社に依頼する場合、コンテンツ制作や更新作業、SEO対策など全てのタスクを自社で行う必要がなくなり、多くのリソースを他業務に充てることができます。

 

どちらを選択するかは、自社のリソースや予算などにより異なりますが、より効果的な運用を求める場合は運用代行会社への依頼を検討してみるのもよいでしょう。

 

不動産オウンドメディアを始める上でのポイント

何事も始める上での準備が大切ですが、不動産オウンドメディアを始める上でもポイントがいくつかあります。不動産オウンドメディアを始める上でのポイントは以下のとおりです。

 

・SEOの知識を得ておく

・リソースの確保を行う

・顧客からの信頼獲得を意識する

 

それぞれについて詳しく解説します。

 

SEOの知識を得ておく

不動産オウンドメディアを始めるにあたり、SEOの知識を得ておくことをおすすめします。

 

なぜなら、オウンドメディアで見込み顧客を集客するには、SEO対策をしながら運用していく必要があるためです。SEOの知識がなければ、検索結果で上位表示されないコンテンツが大量に生成されてしまうことになり、本来の集客という目的を果たせなくなります。

 

また、競合の不動産会社がどのようなオウンドメディアを構築しているのかを同時にリサーチしておきましょう。SEOの観点で自社に取り入れられる観点を発見できるかもしれません。

 

例えば、不動産サイトは、データベース型のサイトといわれており、1ページごとのコンテンツの質を高めるよりも、サイト全体に関わるページテンプレなどをアップデートすることが優先事項だと考えられています。

 

こうした知識があるかどうかで、施策の方向性が変わるため、事前にSEOについてリサーチしておくようにしましょう。

 

「SEO」はなんの略?基本的なSEO対策方法とポイントを紹介!

 

リソースの確保を行う

不動産オウンドメディアを始める上でのポイントとしてリソースの確保を行うことがあります。なぜなら、コンテンツ制作は時間と労力がかかるため、組織としてリソースを確保しておく必要があるためです。

 

他の業務と兼務する形でコンテンツを制作するのは、非常に大きな負担となります。

 

また、オウンドメディアの構築は、中長期施策となるため優先度が下がりがちです。他の業務が優先されてしまい、オウンドメディアの運用が後回しになる可能性が高いため、きちんとリソースを確保することをおすすめします。

 

また、コンテンツは充実していればいるほど、ユーザーのためになるため集客につながります。Googleからの評価が向上することにもつながり、更に検索結果での上位表示が可能となり、集客を加速させられます。

 

そのため、オウンドメディアの効果を最大化するためにも、できるだけたくさん、質の高いコンテンツを継続的に作り続ける必要があります。

 

自社にいる社員だけではリソースが足りない場合は、新たに人材を採用したり、オウンドメディアの運用やコンテンツ制作を手伝ってくれる業者を探すようにしましょう。

 

顧客からの信頼獲得を意識する

不動産オウンドメディアを始める上でのポイントとして顧客からの信頼獲得を意識することがあります。信頼が獲得できなければ集客には繋がらず、すなわち売り上げも上がらないからです。

 

不動産は特に単価が高く、「取引をする会社が信頼できるか」という観点は、意思決定時に重要な要素となります。そのため、オウンドメディアを運用するうえでは必ず信頼できるコンテンツになっているかを常に確認するようにしましょう。

 

不動産のオウンドメディアで信頼を獲得するには、ユーザー目線でコンテンツを考え、ユーザーが求めている情報を提供するようにしましょう。

 

自社オウンドメディア内のコンテンツを見た見込み顧客に、「このサイトを運営している会社なら、悩んでいることを解決してくれそうだ」と思ってもらうことが1つのゴールになります。

 

また、誤った情報は掲載しないこと、可能であればコンテンツの執筆者や監修者を掲載することも信頼を獲得するために重要なことですので、ぜひ取り組んでみてください。

不動産オウンドメディアのコンテンツ制作の注意点

不動産オウンドメディアのコンテンツ制作の注意点

オウンドメディアを戦略的に運用していくためには、ユーザーのニーズに合った適切なコンテンツの発信が重要です。ユーザーにとっていかに価値のある情報を届けられるかが、オウンドメディア運用を成功させる上での鍵となります。

 

そこで、以下ではオウンドメディアのコンテンツ制作で注意すべきポイントを3つご紹介します。

すぐに成果が出るとは限らない

不動産オウンドメディアのコンテンツ制作の注意点としてすぐに効果が出るとは限らない点があります。なぜなら、オウンドメディアで成果が出るまで早くて6カ月以上、通常1年以上かかるからです。

 

例えば、Webメディア「MarkeZine」を運営する株式会社翔泳社が「オウンドメディアで成果を感じるまでにかかった期間」について調査したところ、35.1%が「1年以上〜2年未満」と回答しました。

 

(参考:BtoB企業の6割がオウンドメディアに積極的/運営中の3割が効果実感までに1年以上【ベーシック調査】

 

つまり、オウンドメディアで結果を出すためには、長期的な計画を立てることが大切です。

 

そのため、なかなか結果が出ないからといって、すぐに運用を止めてしまうのではなく、「どうすれば改善できるか」ということを常に意識しながら運用を続け、オウンドメディアをより良いものにしていくことが大切です。

 

適切なキーワードを選定する

オウンドメディアのコンテンツ制作において、最も重要となるのがキーワード選定です。多くのユーザーからアクセスを集めるには、検索エンジンで自社のオウンドメディアを上位表示させる必要があります。

 

SEOに配慮したキーワードを選定せず、何の根拠もなくコンテンツを量産しても、ターゲットユーザーを集客できません。

 

そのため、ユーザーが検索しそうなキーワードを細かく洗い出し、検索ボリュームや競合他社のコンテンツなどを確認しながら適切なキーワードを選ぶことが大切です。

 

SEOキーワード選定の鉄則|効果的なキーワードの見つけ方を紹介!

 

生活情報のコンテンツを取り入れる

不動産会社がオウンドメディアを効果的に運用していくためには、生活情報のコンテンツを取り入れることも重要です。

 

サイトに訪れるユーザーは「どの物件にするか迷っている」「住宅ローンが通るか心配」「子育て向けの物件を探している」などさまざまな悩みを抱えており、それぞれ違った角度から情報を探しています。

 

そのため、住宅ローンの仕組みや物件の比較といった不動産特有の情報だけでなく、駅周辺の商業施設や子育てに人気の街・沿線など、生活にまつわるコンテンツを取り入れることで、幅広いユーザーの関心を集めることができるでしょう。

 

物件情報は詳細に紹介する

物件紹介のページでは、テキストだけでなく画像を用いて効果的に情報を伝えることが大切です。テキストに比べて画像は、一瞬で多くの情報をユーザーに伝えることができます。

 

そのため、物件の外観や内装、部屋の間取り、設備の充実度などを画像を用いて紹介することで、ユーザーはその物件をより具体的にイメージでき、不安材料を取り除くことができます。

 

また、複数の画像を掲載することで、物件同士を比較しやすくなりユーザビリティの向上や、競合との差別化を図ることにもつながるでしょう。

 

まとめ

seo チェックリスト まとめ

本記事では、不動産会社がオウンドメディアを立ち上げる際の手順とコンテンツ制作の注意点、成功事例をご紹介しました。オウンドメディアの性質上、すぐに成果が出るものではないため途中で挫折しそうになることもあるでしょう。

 

しかし、地道な努力が少しずつ効果をもたらし、将来的には大きなメリットを得ることができます。だからこそ、運用目的を見失わず、ユーザーのニーズに合ったコンテンツを発信し続けることが重要です。

 

また、記事内でもお伝えした通り、社内にリソースが足りない場合やプロにオウンドメディアの運用を任せたい場合は運用代行会社に依頼することも検討しましょう。

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