動画制作の流れを実写・アニメーション別に詳しく解説|注意ポイントも紹介!
動画制作を制作会社やクリエイターに依頼する場合、何から考え何を伝えたらよいかわからないこともあるでしょう。
動画制作を外注する場合においても、決めておくべきポイントはいくつかあります。また、動画制作の流れを知ることで、発注者はどのような準備が必要なのか、明確になる場合もあるでしょう。
本記事では、動画制作を外注する場合の細かな流れやポイントなどをご紹介します。
【アニメーション版】動画制作の流れ
アニメーション版動画制作の流れをご紹介します。動画制作を依頼する場合も自主制作する場合も、大きく分けて7つの工程があります。それぞれについて解説します。
1.制作会社に動画のイメージや目的を共有する打ち合わせ
動画制作を依頼する場合、打ち合わせは必要不可欠な工程です。アニメーション版、実写版いずれにせよ打ち合わせは念入りに行いましょう。
発注者と動画制作会社との間でイメージや目的を共有することで、動画制作におけるお互いのゴールを設定できます。この打ち合わせ内容に齟齬(そご)が生じると認識が食い違い、本来目指していた動画制作のゴールに辿り着けません。
特に打ち合わせ段階で決めておくべきポイントは、「動画制作の目的」「予算」「納期」です。この3つのポイントを具体的に数字で表すことによって、動画制作の進行がスムーズになります。
2.具体的に企画をたてる
打ち合わせ内容を踏まえて、具体的に企画の立案に移ります。この企画内容によって、コンテンツのクオリティが決まるといっても過言ではないでしょう。
動画の企画を立てる上で意識することは、前述した5W1Hです。特に「だれに(見せるのか)」「なにを(見せるのか)」「どのように(動画制作するのか)」を具体的にアウトプットします。
そのほかの企画立案の作業内容は、打ち合わせをもとにラフ画を使ったイメージの具体化や、大まかなキャスティングやスケジュール管理などです。これらの作業は、動画制作の骨組みを作っていきます。
動画制作において、途中段階での企画内容変更は追加の費用がかかったり、場合によっては対応してもらえなかったりします。そのため、企画立案の時点で、具体的なイメージや方向性をアウトプットし、制作会社と共有することが重要です。
3.シナリオ・絵コンテを作成する(制作会社の対応箇所)
企画がまとまったら、シナリオ・絵コンテを作成します。動画制作会社に依頼する場合、制作会社と議論を重ねて修正依頼を繰り返すことがほとんどです。
また、シナリオ・絵コンテとして目に見える形でアウトプットすると、撮影場所やキャスティングが明確に浮かび上がります。
シナリオ・絵コンテを作成すると共に、「香盤表」という撮影スケジュールの詳細もこの時点で作成します。香盤表とは、各シーンのキャストの現場入りの時間や、必要な衣装や小物などが細かに書かれたもので、撮影をスムーズに進めるために必要なものです。
4.動画に必要なイラストや資料を制作する(制作会社の対応箇所)
実写版と同様、打ち合わせ・企画立案・シナリオ制作を終えたら、アニメーション版では、動画に必要なイラストや資料の制作に移ります。
イラスト制作では主に、キャラクター・背景・シーンの素材を作成します。手書きの手法とCGなどのデジタルツールを使用する場合で工程数はやや異なりますが、イラスト素材を作成するのに必要な工程は、原画作成・動画作成・色付けなどです。
このようにアニメーションは膨大な量のイラストや工程の積み重ねになるため、アニメーション映像完成後の修正は困難です。そのため、このイラスト制作時点で、アニメの世界観に違和感がないか、特に人物や背景のテイストを念入りにチェックしましょう。
また、パワーポイントなどの資料を使った動画制作の場合も、この時点で制作します。
5.シナリオや絵コンテに沿って編集および音入れする (制作会社の対応箇所)
アニメーション映像が完成したら、シナリオや絵コンテに沿って編集と音入れに移ります。
前述した「動画に必要なイラストや資料を制作する」時点では、まだ映像が全て繋がっておらずバラバラのため、まずは順番に映像を繋げます。その後、不要なシーンをカットしながら映像を整理し、一本のアニメーション映像を作り上げます。
この編集作業を終えたら音入れに移り、ここでBGMや効果音を挿入します。前述した通り、編集や音入れの作業により、アニメーション映像がよりエンターテインメントコンテンツらしくなります。
6.ナレーション収録を行い、録音データを動画に挿入する(制作会社の対応箇所)
編集と音入れを終えたら、ナレーション収録を実施し、その録音データを動画に挿入します。ナレーション収録では、各キャラクターの担当声優が声を吹き込みます。
ちなみにナレーション収録に関しては、制作者によって作業の順番が前後することもあります。例えば、シナリオが完成した段階やイラストを作成する段階で、先に収録を実施する場合もありますが、どの順序で行っても大きな違いはありません。
7.納品前チェックおよび納品
動画制作会社側で編集作業も終わりいったん動画が完成したら、制作会社が動画を納品する前に発注者が動画のチェックをします。そこで問題がなければ、納品という形になります。
契約内容にもよりますが、基本的に「納品後の修正依頼は不可」と認識しておきましょう。そのため、この段階で重大な問題点がないか念入りにチェックします。
また、納品前チェックの段階での撮り直しなども、基本的にできないか多額の追加費用がかかることがほとんどです。そのため、打ち合わせ段階で制作会社との認識のすり合わせは大変重要です。
【実写版】動画制作の流れ
実写版の動画制作の流れをご紹介します。実写版でも、打ち合わせ・企画立案・シナリオ制作までの流れはアニメーション版と同様のためここでは割愛し、それ以降の流れを重点的に解説します。
1.必要な素材を撮影する(制作会社の対応箇所)
実写版動画の場合は、企画内容をシナリオに落とし込んだら、動画に必要な素材の撮影です。
撮影は作成したシナリオや香盤表をもとに進行します。撮影では、ロケーションやキャスト、カメラマン、機材など、多くの手配を必要とします。そのため、事前に撮影内容の詳細が書かれたシナリオや香盤表が、撮影の進行を円滑にします。
撮影で失敗しないために、テスト撮影でキャストやカメラワークを確認した上で、本番の撮影に入ることをおすすめします。また、基本的に撮影後の修正や撮り直しは難しいため、この時に撮影現場に発注者も同席し、制作会社と確認しながら撮影を進めましょう。
2.シナリオや絵コンテに沿って編集および音入れする(制作会社の対応箇所)
必要な素材を全て撮影できたら、シナリオや絵コンテに沿って編集と音入れをします。必要なシーンを一つにまとめたり不要なシーンをカットしたりした上で、テロップや画像素材も挿入します。
また、編集を終えた動画にBGMやナレーションを挿入する作業をします(音入れ)。動画制作用語で、音入れを「MA(Malti Audio)」と呼ぶこともあります。動画のイメージを大きく左右するため、音入れのタイミングで発注者も一緒に確認作業をすることがあります。
動画制作において編集作業や音入れが最も時間を要する作業です。エネルギーがかかる一方、撮影した動画素材が劇的に変化します。動画編集および音入れの工程は、コンテンツのエンターテインメント性を高め、視聴者をより引き付ける動画に仕上げるために必要不可欠です。
3.納品前チェックおよび問題なければ納品
納品前チェックと納品は、実写版動画・アニメーション版動画ともに確認することは同じです。発注者が納品前チェックを念入りに行い、動画を制作会社が納品すれば完成です。実写版でも基本的に「納品後の修正依頼は不可」と認識しておきましょう。
【準備編】動画制作前に明確に決めておくべきこと
ここからは動画制作を依頼する場合の準備として、明確に決めておくべきポイント3つをご紹介します。いずれも、後悔なく高いクオリティの動画を仕上げるために必要なポイントです。
動画を作る目的・ゴールを明確にする
まずはじめに、動画を作る目的やゴールを設定しましょう。目的やゴールを設定することで、動画視聴者のターゲットを絞ることができ、そのターゲットが必要としている情報を的確に提供しやすくなります。視聴者のターゲットを絞るコツについては、後述します。
【動画制作の目的やゴールの例】
・認知獲得
・顧客獲得
・会社紹介
・社内の情報共有
など
動画を作る目的やゴールを明確にするには、5W1Hを意識しましょう。
ここでの5W1Hとは、「なぜ(動画制作するのか)」「いつ(動画が必要なのか)」「どこで(見せるのか)」「だれに(見せるのか)」「なにを(見せるのか)」「どのように(動画制作するのか)」の略称です。
特に「だれに」「なにを」「どのように」を意識すると、動画制作の目的をより明確にできるはずです。これらの情報を整理することで、動画視聴者も依頼された動画制作会社も、発注者側の目的やゴールを汲み取りやすくなります。
予算を決める
動画制作における予算を決めましょう。時期や会社によっても異なりますが、動画制作会社に依頼した場合の相場は約30〜50万円、個人の動画クリエイターなどに依頼した場合の相場は15万円前後が一般的です。
ただし動画制作のコストは、動画の目的や尺、規模感などによっても変動します。
例えば、モーショングラフィックスやCGなどを使った込み入った動画や、尺の長い動画制作を依頼したときは、動画制作者にとってエネルギーやスキルを必要とするため、高コストになる場合があります。
一方で、動画制作会社の場合、企画・撮影・編集と一貫して依頼できる場合がほとんどですが、企画のみや編集のみを依頼することも可能です。これらの工程を分割して依頼することで、コストが削減できることもあります。
【コストを削減するコツ】
・動画の尺を短めにする
・企画を発注者で考える
・動画素材を発注者で用意する
など
納期を決める
動画制作をいつまでに完了させるかを決めましょう。「大型イベントの告知」や「商品の告知」などを目的とする場合は、他のマーケティングと連動することもあります。その場合、制作期間に制約があるケースが多く、動画制作のスケジュール管理を徹底する必要があります。
動画制作を依頼する場合、繁忙期だと2〜3カ月かかることもあります。短期納品を希望する場合は、その分コストが上乗せされることもあるため注意が必要です。一般的な納期の詳細については、後述します。
また、動画の再撮影や再編集の可能性も見越して納期を設定するのも重要です。公開日から逆算して余裕を持った制作日数を確保し、早期に動画制作会社などに依頼することが、動画制作の納期を決めるコツです。
動画制作にかかる期間はどのくらい?
動画制作にかかる期間は、一般的に約1〜2カ月ほどですが、前述した通り繁忙期だと2〜3カ月かかることもあります。また、制作会社のリソースや動画制作の工程数などに応じて、制作期間は異なりますので注意が必要です。
また、基本的に動画制作会社によって動画制作に要する期間は大きく異なります。余裕を持って依頼することをおすすめします。
動画制作で注意するポイント
最後に、動画制作で注意するポイントを3つご紹介します。いずれも、クオリティの高い動画に仕上げるために、重要なポイントです。3つそれぞれを解説します。
ターゲットを絞りメッセージを明確にする
動画制作において、制作会社に依頼する場合も自主制作する場合も注意すべきポイントは、ターゲットを絞りメッセージを明確にすることです。
動画視聴者のターゲットを絞ることで、内容に一貫性が生まれ、かつ効果的な集客を可能にします。また、動画内のメッセージを明確にすることで、視聴者の印象に強く残りやすくなります。
ターゲットを絞るコツは、年齢や性別、生活スタイルなどを詳細に設定した人物像である、ペルソナを想定することです。動画内のメッセージ性を明確にするコツは、メッセージを詰め込みすぎないことです。基本的には、1つの動画に1つのメッセージを意識しましょう。
制作したい動画に近い実績を持つ制作会社に依頼する
動画制作を外注する場合、制作したい動画のイメージに近い実績を持つ制作会社に依頼することも重要なポイントです。
動画制作会社によって、各ジャンルの得手不得手があることで、技術にも差異が出てくることがあります。安心して動画制作を依頼したい場合は、実績を確認し、制作したいイメージやジャンルの動画に強い技術を持つ制作会社を選ぶと良いでしょう。
動画制作を依頼する場合、制作会社に任せる工程も多いため、安心して業務を任せられる会社を選ぶことがポイントです。
制作後に「イメージと違う」が起きないように打ち合わせは念入りに
前述した通り、撮影後の修正は基本的にできないか、撮影初回と同額の追加費用が発生することがほとんどです。動画制作後に「イメージと違った」ということがないように、打ち合わせ時点で制作会社としっかりコミュニケーションを図りましょう。
打ち合わせの段階で、不親切だったり密に連携が取れないと感じるようであれば、制作会社や担当者を変えることも検討したほうがいいでしょう。
また、発注者が撮影当日に撮影現場に同席することも重要です。基本的に撮影後の取り直しや修正はできません。撮影現場で、撮影状況を制作会社と確認することをおすすめします。
まとめ
動画制作を依頼する場合、動画制作の工程を理解していると制作会社と適切なコミュニケーションを取ることができ、発注者の完成イメージにより近い動画制作も可能にします。
たとえ、完成イメージに近いジャンルの動画を作り高い技術を持つ制作会社でも、全ての工程を丸投げにしては理想の動画は作れません。まずは発注者がイメージを具体化して、それらを制作会社と共有することが大切です。
今回ご紹介した工程を参考に、制作会社と積極的に関わり、質の高い動画を制作しましょう。
もし、ホワイトボードアニメーションやパワーポイントなどの資料を利用した教育系動画の制作を検討している場合は「コンテンツファクトリー」にご相談ください。
制作経験豊富なディレクターが、企画から制作まで最適な提案を行います。まずはお気軽にお問い合わせください。以下の動画でもコンテンツファクトリーについて詳しく解説していますので、興味のある方はご覧ください。
株式会社HubWorks マーケティング部 2021年よりインターネット広告代理店に入社し、月間数億規模の広告運用を経験。 2022年に株式会社Hub Worksに入社しマーケティング担当者として、ウェブ広告やSEOなどの集客、 記事やホワイトペーパー作成などのコンテンツ制作業務に従事。