コンテンツマーケティングとブログの違いとは?ブログ作成のポイントや成功事例も解説
コンテンツマーケティングとは、さまざまなコンテンツを用いたマーケティング手法のことを指します。
多くの方は、コンテンツマーケティングと聞くとブログを思い浮かべるかもしれませんが、実際にはX(旧Twitter)、Instagram、YouTubeなどのSNSも重要なコンテンツの一部となります。
これらのツールを効果的に活用することで、集客や売上の向上が期待できます。
そこで今回は、コンテンツマーケティングとブログの違い、効果的な活用方法、他社との差別化のポイントについて詳しく解説します。
コンテンツマーケティングの基礎を理解したい方や、ブログをより効果的に活用したい方は、ぜひご覧ください。
コンテンツマーケティングとブログの違いは?
コンテンツマーケティングとブログは混同されがちですが、実際には異なるものです。両者ともオンライン上で情報を発信するという共通点がありますが、役割や目的が異なります。
企業が自社の製品やサービスについて発信する際に、コンテンツマーケティング=ブログと認識してしまうことがあるようです。
コンテンツマーケティングは、広告ではなく価値のある情報を活用したマーケティング手法です。自社のサービスや製品の認知度を高めたり、興味を引いたりするためにコンテンツを作成する手法となります。
一方、ブログはコンテンツを掲載するための媒体の一つです。ブログを使ってターゲットとなる読者を設定し、その読者に響く記事を作成することで集客を目指します。
「自社のサービスを利用すれば悩みが解消できる」といった記事を作成すれば、集客したユーザーをサービスに結びつけることも可能です。
コンテンツマーケティングとブログを混同してしまうと、最大限の効果を発揮できない可能性があります。
ブログだけではなく、SNSやホワイトペーパーなど、さまざまなコンテンツを組み合わせることで、より効果的なマーケティング効果が期待できるからです。
そのため、ブログ以外の施策も検討しながら、総合的なコンテンツマーケティングに取り組むことが重要です。
ブログをコンテンツマーケティングで活用するためのポイント
ここからは、コンテンツマーケティングにおいてブログを活用したいと考えている方に向けて、ブログ作成の大切なポイントを解説していきます。
マーケティングを成功させるためにも参考にしてみてください。
ブログを運用する目的を明確にする
ブログを運用する際、まずその目的を明確にしましょう。目的を設定することで、ブログの方向性がはっきりし、記事のテーマやキーワードを選びやすくなります。以下は、ブログ運用の主な目的の例です。
・問い合わせを増やす
・顧客獲得を目指す
・ブランディング
・採用
・教育
例えば、顧客を獲得することが目的であれば、商品やサービスの魅力を伝えるだけでなく、使用方法や活用例、他社と比較した強みを紹介する記事を掲載することで集客が見込めます。
一方、ブランディングが目的の場合、製品やサービスの開発秘話、ブランドのコンセプト、専門性のある話題を取り上げることで、ブランドの世界観に共感するファンを増やすことができます。
採用活動が目的であれば、社内の雰囲気を伝えるために社員のインタビュー記事や現場の様子、福利厚生について取り上げることが効果的です。
このように、目的を明確にすることで、ブログに盛り込むべき内容が自然と見えてくるでしょう。
ブログを通して集客したいターゲットのペルソナを設定する
ペルソナとは、マーケティングにおけるターゲット設定の一種であり、商品やサービスを利用する典型的なユーザーのモデルのことです。
詳細なペルソナを設定することで、ブログ記事の方向性を明確にできます。以下は、ペルソナを設定する際に考慮すべき要素です。
・年齢
・性別
・居住地域
・住宅情報(持ち家や賃貸など)
・最終学歴
・職業
・年収
・貯蓄状況
・家族構成
・趣味
・興味
・不満や悩み
・使用頻度の高いSNS
・ライフスタイル
趣味を設定する際は、どのようなジャンルに興味を持っているのか、どのような活動を楽しんでいるのかを具体的に決めることが重要です。
ペルソナを設定することで、ブログを書くチーム全員が同じ人物像を共有でき、コンテンツの方向性が統一されます。
例えば、「30代の主婦で、趣味は料理」というペルソナを設定した場合、育児をしている家庭的な女性を想像する人もいれば、子どもがいない女性を思い浮かべる人もいるかもしれません。
ペルソナを詳細に設定することで、子どもの有無や具体的な性格も共有でき、メンバー間での認識のズレを防ぐことができます。
これにより、ターゲットのニーズに応じた魅力的なコンテンツを作成できるでしょう。
ペルソナについては以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
コンテンツマーケティングのペルソナ設定とは?設定方法を解説!
ターゲットの検索ニーズを考慮したキーワードを選定する
ペルソナを設定したら、すぐにブログを書き始めるのではなく、まずはキーワード選定を行いましょう。その際、検索ニーズを考慮したキーワードを選定することが重要です。
なぜなら、ターゲットは検索エンジンにキーワードを入力してブログに訪れるからです。
そのため、ターゲットが検索しそうなキーワードを選び、そのキーワードで検索したターゲットが興味を持つようなブログ記事を書く必要があります。
「このキーワードで検索するだろう」と自己判断でキーワードを選定すると、失敗する可能性があるため、検索ボリュームなどが調べられるツールを活用して適切なキーワードを選びましょう。
キーワードの選定については以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
SEOキーワード選定の鉄則|効果的なキーワードの見つけ方を紹介!
記事の質と量を長期的に担保できる体制を整える
ペルソナやキーワードを適切に設定しても、長期的に記事を作り続ける仕組みが整っていなければ、コンテンツマーケティングは失敗してしまいます。
ブログを継続して更新するための時間や予算が確保できなければ、その努力も無意味です。そのため、ブログを長期的に運営できる体制を整えることが重要です。
・継続して記事を作るために時間を確保する
・質の高い記事を書くために外注予算を確保する
・ライターを雇用してマネジメントをする仕組み作りを検討する
このようにして、長期的に質の高い記事を作り続けるための体制を整えましょう。
SEOを考慮した記事の執筆を行う
検索エンジンで上位表示を狙うには、SEO対策も欠かせません。
検索エンジンからの流入を増やすためにも、検索エンジンに評価される文章を書くことが重要です。そのため、記事のタイトルや見出しにキーワードを効果的に盛り込みましょう。
また、LSIキーワードの活用も効果的です。LSIキーワードとは、単語同士の関連性や出現頻度に基づいてコンテンツを解析する技術のことです。
Googleはこの技術を用いており、検索結果の下部に「他の人はこちらも検索」として関連キーワードが表示されます。
例えば、人材育成に関する記事を書く場合、主なキーワードとして「リスキリング」を設定したなら、関連語として「再教育」や「スキルアップ」も記事に含めることで、上位表示される可能性が高まります。
記事の書き方については以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
コラム記事の書き方の基本や書くコツを解説!コラム記事制作会社3選も紹介
定期的に効果検証をし、適宜リライトを行う
ブログを一度投稿して終わりと考えている方も多いですが、より高い成果を得るためには定期的な効果検証が欠かせません。以下の指標を測定し、改善点が見つかった場合は記事のリライトを行いましょう。
・ページビュー数
・滞在時間
・クリック数
・検索順位
リライトとは、記事のテーマを保ちながら文章を追加・修正することです。
ユーザーが求める情報をより多く盛り込むことで、記事をより良いコンテンツに変えることができます。具体的には、以下の方法でリライトを行います。
・自社の記事に不足している情報を見つけ、追加する
・イラストや表を追加して、説明をわかりやすくする
・古い情報を最新にする
ブログを始めたばかりの頃はノウハウが少ないため、修正すべきポイントも多く見つかるでしょう。
リライトについては以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
記事のリライトの意味とは?やり方(選び方のコツ・分析等)と注意点
ブログによるコンテンツマーケティングにおいて他社との差別化を図るためのポイント
コンテンツマーケティングのためにブログを活用する場合、他社との差別化を図るためにも以下のポイントを意識することが大切です。
ユーザー目線の記事を意識する
ブログを作成する際は、常にユーザー目線で記事を考えることが大切です。ユーザーが何を求めているのか、何に興味を持っているのかを理解し、それに応じた魅力的なコンテンツを提供しましょう。
そのため、記事を作成する際は以下の点に注意してください。
・広告がメインの記事となっている
・内容が薄い記事となっている
・集客につなげたいサービスがわからない記事となっている
商品やサービスを紹介する際には、企業の一方的な情報発信に頼るのではなく、ユーザーの悩みを解決するための情報を提供することが重要です。
ユーザーが知りたい情報を提供し、抱えている問題を解決できる記事を心掛けることで、より効果的なコンテンツを作成できます。
専門的な内容を意識する
ブログ作成においては、専門的な内容を意識することも重要です。
企業の得意分野や専門知識を活かし、ユーザーに有益な情報を提供することで、信頼性を高めることができます。ただし、以下のポイントを意識してみてください。
・間違った情報を掲載しない
・最新の情報を掲載する
・専門家の取材記事を載せる
・悩みを解決できる記事作りを心掛ける
専門性の高い記事を作成する際に、専門用語を並べるだけでは意味がありません。内容がわかりにくいとユーザーが離れてしまいます。ユーザーに寄り添った、わかりやすい内容を提供することが大切です。
できるだけ一次情報を用いたオリジナルの記事を作成する
他社との差別化を図るためには、自社が得た一次情報を活用したオリジナル記事の作成も重要です。
一次情報とは、自社が直接体験した情報や独自に行った調査や実験で得た情報を指します。主な一次情報には以下のようなものがあります。
・公的機関の研究論文
・政府や自治体による発表
・独自の調査報告
・インタビュー内容
・実験のデータ
・商品を体験した感想
ブログ記事を作成する際、他のサイトから得た情報を基に記事を書くこともありますが、オリジナルの記事を作成するためには、自社の調査結果や独自の見解を発信することが効果的です。
ブログ執筆時には、できるだけ一次情報を用いて、独自性の高い記事を作成していきましょう。
ブログによるコンテンツマーケティングを成功に導くために外注することも検討する
ブログを活用したコンテンツマーケティングを成功させるためには、外部に業務を委託することも考えてみましょう。
特にSEO対策のような専門的な分野では、自社内に十分な知識やスキルを持つ人材がいない場合、ゼロから学ぶのは非常に時間と労力がかかり、非効率です。
そこで、外部の会社に委託することで、自社の社員の負担を大幅に軽減できます。専門的な記事を作成する必要がある場合、自社内で知識が不足していると、制作に時間がかかるだけでなく、誤った情報を掲載するリスクもあります。
しかし、外部委託を活用すれば、専門知識を持つライターによって質の高い記事が迅速に作成されます。
外注先を選ぶ際には、実績や評判、費用などを比較して、自社に合った業者を見つけることが重要です。信頼できる委託先を見つけることで、コンテンツマーケティングの成功に近づきやすくなります。
ブログによるコンテンツマーケティングの成功事例
ブログを用いたコンテンツマーケティングにおいて、成功している事例をご紹介していきます。自社で取り入れるべきポイントを見出すためにも参考にしてみてください。
サイボウズ式
出典:https://cybozushiki.cybozu.co.jp/
サイボウズ株式会社が運営するブログ「サイボウズ式」は、「新しい価値を生み出すチームのメディア」として、会社や組織、働き方や生き方に関するコラムを掲載しています。
このブログには、業務効率化を図るソフトウェアを提供するサイボウズの製品やサービスについての情報は含まれていません。その代わりに、働き方や仕事について悩んでいる人々にとって参考になる情報が満載です。
このような内容は、サイボウズの認知向上やブランディングに大きく貢献しています。「サイボウズ式」を通じてサイボウズの企業理念に共感した人々が、同社への就職や転職を目指すケースも増えています。
記事の下部には「新卒・キャリア採用」のリンクがあり、そこから採用情報へアクセスすることが可能です。
さらに、サイボウズのYouTubeチャンネルへのリンクもあり、こちらではサイボウズの働き方に関する動画を視聴できます。これにより、サイボウズがどのような会社なのかをより深く理解できるように工夫されています。
ベイジの日報
株式会社ベイジは、Web制作会社として「ベイジの日報」をブログ形式で公開しています。
これは、実際に働いている社員が日々の業務を通じて感じたことや気付いたことを共有する日報です。ベイジの日報の主なターゲットは、Web制作に興味を持つ方々となります。
ベイジの日報には以下のカテゴリーがあります。
・デザイナーの日報
・エンジニアの日報
・ライターの日報
・マーケター/コンサルタントの日報
・バックオフィスの日報
・最新の日報
・よく呼ばれている日報
各カテゴリーには、業務に役立つ情報やノウハウが豊富に掲載されています。また、日報には採用に関するリンクも貼られており、ベイジで働くことで得られるスキルや育成方針などの情報も確認することが可能です。
このブログ記事を読むことで、興味を持ったユーザーは「成長できそう」「働いてみたい」と感じることができ、採用活動にも大いに貢献していると考えられます。
経営ハッカー
経営ハッカーは、クラウド会計ソフトで有名なfFreee株式会社が運営するブログです。会社経営者や個人事業主を対象に、以下の内容に関する有益な情報を提供しています。
・会計
・会社設立
・経理、財務
・経営、戦略
・人事、労務
・上場準備
・働き方改革
これらのカテゴリーに分かれた記事が掲載されており、各記事内でfFreeeのサービスへ誘導するリンクも設置されています。
そのため、会社経営に役立つ情報が豊富に含まれています。また、経営ハッカーならではの一次情報となるインタビュー記事も多く、他では読めない内容が満載です。
ZENKEN BLOG
出典:https://www.zenken.co.jp/blog/
Webマーケティング事業や海外人材事業を展開しているZenken株式会社が運営しているブログです。
・職種
・メディア
・キャリア
・社風
・東京オフィス
・沖縄オフィス
・採用情報
上記のカテゴリーがあり、それぞれで情報が発信されている仕組みです。
例えば、職種のカテゴリーでは、営業やWebディレクター、Web編集者、Webデザイナー、Webエンジニア、Webアナリスト、動画クリエイター、SEOプランナーとして働く社員による仕事の裏側や仕事のやりがい、悩みなどに関する記事が掲載されています。
求職者が求めているリアルな本音を知れるので、採用のミスマッチを減らせる内容です。
キャリアハック
出典:https://careerhack.en-japan.com/
キャリアハックはエン・ジャパン株式会社が運営するブログで、特にテック業界で働く人々を対象にしています。
ブログでは、エンジニアの行動や思想について紹介し、新社会人やリーダーとして活躍する人々が抱える悩みを解決する記事やインタビューを掲載しています。
このブログの目的は、「自分のキャリアを自分で選びとる人を増やすこと」です。
各コンテンツの下部には、エン・ジャパングループが提供するサービスへのリンクがあり、求職者向けや企業向けのサービスも含まれています。
ブログを通じて興味を持ったユーザーに、これらのサービスの利用を促す内容となっています。
mercan
出典:https://mercan.mercari.com/
mercanは、フリマアプリ「メルカリ」を運営する株式会社メルカリのブログです。このブログは「メルカリの『人』を伝える」をテーマに、グループ内で活躍しているメンバーの情報や社内での出来事を発信しています。
ブログにはさまざまな内容があり、特に「インタビュー」タグでは、同期のランチ会やメルカードの使い方、社員へのインタビュー記事などが豊富に掲載されており、求職者にとって非常に有益な情報を発信しています。
インタビューが多く、オリジナルな内容が豊富なため、他社との差別化を図るコンテンツであることが特徴です。
まとめ
今回は、コンテンツマーケティングにおけるブログ作成のポイントについて解説しました。
ブログはコンテンツマーケティングの一環であり、ターゲットに有益な情報を提供することで、顧客獲得やブランディング、採用などに大いに役立ちます。
しかし、専門的なコンテンツを提供するためには、SEOの知識や質の高いブログ記事の作成が不可欠です。
今回ご紹介した事例を参考にすれば、目的に応じたコンテンツマーケティングが可能ですが、ノウハウや能力、時間がなければ効果的なコンテンツ制作は難しいでしょう。
コンテンツマーケティングを成功させるためには、自社での制作ではなく外注を検討するのも一つの方法です。
知識とスキルを持った専門ライターにブログ記事の作成を依頼すれば、信頼性の高いコンテンツを作成できるでしょう。
株式会社HubWorks マーケティング部 2021年よりインターネット広告代理店に入社し、月間数億規模の広告運用を経験。 2022年に株式会社Hub Worksに入社しマーケティング担当者として、ウェブ広告やSEOなどの集客、 記事やホワイトペーパー作成などのコンテンツ制作業務に従事。