インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングの違いとは?
「新規顧客獲得をしたい」「従来の施策では集客につながらなくなってきた」
このような状況のときにインバウンドマーケティングや、コンテンツマーケティングの施策を考え始める方もいるのではないでしょうか。
しかし両者のはっきりとした違いが分からず、困っている方も多いでしょう。
本記事ではインバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングの違いをお伝えするとともに、施策の手順についてお伝えしますので、ぜひご覧ください。
インバウンドマーケティングとは?
テレアポのように事業主から見込み客に働きかけるのではなく、インバウンドマーケティングは顧客自身に自社サービスを見つけてもらいます。
インバウンドマーケティングの流れは以下のとおりです。
1.顧客の興味・関心を引きつける
2.顧客との信頼関係を築く
3.自社サービスによって満足してもらう
インバウンドマーケティングでは、始めに顧客が何を求めているのかを汲み取り、ニーズをもとに課題や目標を達成するための情報提供をおこないます。
「自社サービスを活用すると課題を解決できるだろう」という顧客からの信頼獲得により、購買につなげ、目標達成により満足してもらいます。
すなわちインバウンドマーケティングとは顧客に役立つ情報提供をおこなって自社に興味を持ってもらい、最適な自社サービスを提供するまでの一連のマーケティングプロセスです。
コンテンツマーケティングとは?
コンテンツマーケティングとは、顧客へニーズを満たしたコンテンツを提供して自社サービスを知ってもらい、興味喚起したうえでコンバージョンにつなげる手法です。
コンテンツマーケティングではオンラインだけでなく、オフラインも含めた以下のような配信先から、コンテンツを顧客に提供します。
・SEO
・メールマガジン
・SNS
・Webメディア
・動画
・セミナー
・ホワイトペーパー
一般的に、信頼していない相手から商品を購入することはないでしょう。顧客の抱える課題解決に役立つコンテンツを提供できると、好印象を与えられ、信頼関係構築につながります。結果的に自社サービスのファンを創出でき、顧客の購買意欲を高められるでしょう。
どの配信先を選択しても、顧客の心に刺さるコンテンツの作成が、コンテンツマーケティングの成功には必須です。
コンテンツマーケティングについて、さらに詳しく知りたい方はこちら
インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングの違いとは?
ここまでインバウンドマーケティングと、コンテンツマーケティングについてお伝えしましたが、両者の違いが分からず混同してしまう方もいるかもしれません。
インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングを、同義として指すケースも多々あります。
両者を区別するならばインバウンドマーケティングは「概念」であり、潜在顧客を顧客として確立させファンになってもらい、リピーターにする「プロセス」です。
一方コンテンツマーケティングは、インバウンドマーケティングという「概念・プロセス」を実行するための「手法」であり「戦略」ともいえます。
インバウンドマーケティングという概念の中に、コンテンツマーケティングという手法が含まれていると考えると分かりやすいでしょう。
インバウンドマーケティングのメリット
インバウンドマーケティングのメリットは、広告費の安さと効果測定が可能な点です。
詳しく解説していきます。
商談につながりやすいユーザーを獲得できる
自ら情報を調べ、自社にたどり着きお問合せをしたユーザーのため、商品やサービスの購入に対してモチベーションが高い傾向があります。また、商品やサービスのメリットや重要性について理解していることもあり、商談での話もスムーズに進むことが多いです。
広告費が安い
インバウンドマーケティングは、広告費の安さが魅力です。たとえばオウンドメディアによる情報発信やSNS運用などは、テレビや新聞などへの広告掲載と比較してコストがかかりません。
ユーザーが自ら自社サイトへ訪れるので、集客費用においてもコストを抑えられます。インバウンドマーケティングは広告費を抑えながら、中長期的に自社サイトへの流入が見込めるため、費用対効果が高い施策といえるでしょう。
効果測定ができる
インバウンドマーケティングでは効果測定ができるため、分析や改善によって集客向上に向けた取り組みが可能です。
たとえばインバウンドマーケティングの実施において、コンテンツマーケティングを活用すると、以下のような指標を確認できます。
・表示回数
・クリック数
・PV数
・Webサイトへの訪問数
・購入した顧客の数
データの蓄積・分析・改善を繰り返していくと、効率的にマーケティング戦略を立てやすくなるでしょう。
指標の確認が可能な手法を用いるインバウンドマーケティングは、効果測定によって高精度なマーケティング活動ができます。
インバウンドマーケティングのデメリット
インバウンドマーケティングは、認知されるまで効果が薄く、改善を繰り返さなければならないデメリットがあります。
認知されるまで時間がかかる
ユーザーに見つけてもらい、コンバージョン獲得につなげるプロセスのインバウンドマーケティングは、認知されるまでに時間がかかり効果を得にくいデメリットがあります。
マスメディアへの広告掲載は認知獲得に適しており、ユーザーの目に留まりやすいので自社サービスを知らない潜在層にも、事業分野や商品の強みを伝えられます。
一方インバウンドマーケティングは、ユーザーが求める情報を提供できなければ見つけてもらえず、多くのコンテンツを作成しても閲覧される機会すらないかもしれません。
インバウンドマーケティングでは認知してもらえるよう、いかにユーザーニーズを捉えて情報提供できるかが重要です。
改善を繰り返さなければいけない
インバウンドマーケティングにおいて、ユーザーの求める情報を常に提供し続けるには、改善を繰り返す必要があります。
集客を目的としてインバウンドマーケティングを実施するなかで、ユーザーが欲しいと思う情報を提供できなければ、コンテンツを見てはもらえないでしょう。
しかしメリットでもお伝えしたように、インバウンドマーケティングは効果測定が比較的容易です。効果測定の結果が思わしくなかった場合、コンテンツの分析・改善によって、コンバージョン獲得を見込めます。
インバウンドマーケティングは改善を繰り返す必要はありますが、効果測定が可能なため、改良に向けて行動しやすいといえるでしょう。
コンテンツマーケティングのメリット
コンテンツマーケティングのメリットは、作成したコンテンツが資産となり、多くの人々の情報収集源にもなるSNSとの相性の良さが挙げられます。
コンテンツが資産になる
コンテンツマーケティングは、作成したコンテンツを削除しない限り蓄積され続け、資産にできます。マスメディアに広告を掲載すると、契約期間を過ぎた際にユーザーは閲覧できません。
しかしオウンドメディアやブログにコンテンツを作成した場合、期限はなくユーザーが好きなときに閲覧でき、24時間集客が可能です。
コンテンツマーケティングはコンテンツの継続的な改善は必要ですが、積み重ねによって資産となりコンバージョン獲得につながります。
SNSと相性がいい
コンテンツマーケティングはSNSと相性が良く、集客において効果的なアプローチが可能です。
TwitterやInstagram・Facebookなど、SNSにはさまざまなプラットフォームがあり、多くのユーザーが情報収集に活用しています。
自社サービスに適したSNSを選択してコンテンツマーケティングを施策すると、リアルな感想を得られ、興味・共感を得たユーザーからシェアしてもらえる可能性が高まります。
広告を活用しなくとも、コンテンツマーケティングはSNSの口コミ効果によって自社サービスのブランディングが期待でき、集客につなげられるでしょう。
コンテンツマーケティングのデメリット
どのような施策にもデメリットはあり、コンテンツマーケティングは、必ずしも成果が得られるとは限りません。
しかしデメリットをあらかじめ理解して向き合うことで創意工夫ができ、より良いマーケティング活動が可能になります。
詳しく見ていきましょう。
必ず成果が出るとは限らない
コンテンツマーケティングのデメリットは必ず効果が得られるとは限らず、たとえ数多くのコンテンツを作成しても、必ず集客できる保証はありません。
コストをかけて外部に施策を委託しても、アクセス数を上げられないケースもあります。成果を得るためにも、コンテンツマーケティングの目的を明確にしたうえで分析・改善をおこない、ユーザーニーズを満たしたコンテンツを作成できるよう戦略を練りましょう。
インバウンドマーケティングのステップ
インバウンドマーケティングを施策するには、以下の4つのステップでおこないます。
1.認知の獲得
2.見込み顧客をつくる
3.顧客にする
4.ファンにする
順番に解説します。
①認知の獲得
インバウンドマーケティングではユーザーから見つけてもらい、認知獲得をする必要があります。自社サービスがどれだけ素晴らしくとも、ユーザーに存在を知ってもらわなければ購買行動へは至りません。
顧客化させたいユーザーがどのような情報を求めているのかを把握するために、カスタマージャーニーをつくるといいでしょう。
ユーザーが自社サービスに気付き認知して、検討・購入に至る、一連のプロセスをカスタマージャーニーといいます。
どのような流れでユーザーが自社サービスを知り、興味を持ち購入に至るのか道筋を表すと、認知獲得に向けて具体的な施策を考えやすくなります。
②見込み顧客をつくる
続いて自社サービスを知ったユーザーを、見込み顧客化させましょう。
見込み顧客化させるには、ユーザーが抱える悩みや課題を解決できる情報を提供して、心に刺さる内容にする必要があります。
「商品の詳細を知りたい」「もう一度このサイトに訪れたい」とユーザーが感じるような内容の情報を提供しましょう。
③顧客にする
自社サイトに訪れた見込み顧客のユーザーを顧客化させます。顧客になってもらうためには、ユーザーを自社サービス購入へ導く情報提供が必要です。
見込み顧客が自社サイトへ継続的に訪れ、自社サービスを必要だと感じて顧客となるには、以下のような情報提供をしましょう。
・購入検討者に向けた情報
・競合商品との比較情報
・自社サービス選択の決め手につながる情報
自社サービスの選択によって課題解決につながる根拠を示せると、購買意欲向上につながり顧客化させられるでしょう。
④ファンにする
ユーザーが顧客となって自社サービスを一度購入したら終わりではなく、ファンになってもらえるような良好な関係の構築が、インバウンドマーケティングには重要です。
自社に対して信頼や愛情をもったファンになってもらえると、自社サービスの継続購入や口コミの拡散が見込めます。
ユーザーをファン化させるには「この企業の商品だから好き」と感じてもらえるよう、カスタマーサポートの充実や、顧客向けのイベントの開催などの企画が有効です。
ユーザーからの信頼を育ててファン化させ、インバウンドマーケティング成功につなげましょう。
コンテンツマーケティングのステップ
コンテンツマーケティングは、以下の5つのステップでおこないます。
1.課題の洗い出しと目標設定
2.ペルソナの設定
3.コンテンツの媒体を決める
4.カスタマージャーニーの設計
5.検証と改善
順番に解説します。
コンテンツ制作で記事作成を行う手順を紹介!外注時のポイントも
①課題の洗い出しと目標設定
コンテンツマーケティングを始めるにあたって「広告を掲載しているが顧客獲得につながらない」「リピーターが少ない」など、現在抱えている課題を洗い出しましょう。
課題を明確にしたら「顧客獲得数の増加」「ユーザーの再訪問率の増加」など、課題を解決する目標を設定してビジネスゴールを立てます。
②ペルソナの設定
課題を明確にでき、目標を定めたら、ペルソナ設定をしましょう。
ペルソナを設定するとユーザーの気持ちに対する理解を深めやすくなり、心に刺さるコンテンツの作成に役立ちます。
ペルソナ設定では以下のような項目を定めて、数多くのユーザーではなく「特定の個人」を決めます。
・年齢
・性別
・趣味
・居住エリア
・職業
・年収
・家族構成
・よく利用するデバイス
既存の顧客からペルソナを想定すると、自社サービスを好むユーザーが分かり、適切なペルソナ設定をしやすいでしょう。
③コンテンツの媒体を決める
ユーザーにアプローチするための、マーケティング手法を決めましょう。コンテンツマーケティングにはSEOやメールマガジンなど、さまざまな手法があります。
SEOを活用する場合、見込み顧客へ商材をアピールが容易であるメリットがある一方、検索アルゴリズムに検索結果を左右される点がデメリットです。
メールマガジンの場合は多くの顧客へ送信できますが、配信内容や時間に配慮する必要があります。
各手法によって特徴やメリット・デメリットが異なるので、あらかじめ自社サービスとの相性を確認しながら決めましょう。
④カスタマージャーニーの設計
手法の決定後は、カスタマージャーニーを設計しましょう。
カスタマージャーニーを設計すると顧客への理解が深まり、アプローチ方法に一貫性が出るため、流入するユーザーのブレを防げます。
運営チーム間における共通認識も生まれるので作業効率が上がり、スムーズな施策進行が可能です。カスタマージャーニーを設計してペルソナの行動を可視化させ、魅力的なコンテンツを作成しましょう。
⑤検証と改善
最後はカスタマージャーニーをもとに施策を実行して、検証・改善をおこないます。効果測定をしながら地道に改善していき、必要に応じてカスタマージャーニーも再度設計し直しましょう。
コンテンツマーケティングを成功させるための重要なポイントは、ユーザーの気持ちに寄り添い、何を求めているかを考慮したうえで施策を打つことです。
たとえばサイトを訪れたユーザーが目的のページにすぐたどり着けるか、トンマナは適切か、など利用者の目線になってコンテンツを分析してみましょう。
ユーザーの気持ちに寄り添いながら改善策を思案できると、最初に設定したビジネスゴールを達成できるでしょう。
まとめ
本記事では、インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングの違いについて解説しました。
インバウンドマーケティングは顧客から見つけてもらい、購入につなげる「概念・プロセス」を指し、実行するための「手法・戦略」がコンテンツマーケティングです。
インバウンドマーケティングを成功に導くには、コンテンツマーケティングが重要な手法です。メリット・デメリットを踏まえたうえでコンテンツマーケティングを実施して、インバウンドマーケティングを成功させましょう。
株式会社HubWorks マーケティング部 2021年よりインターネット広告代理店に入社し、月間数億規模の広告運用を経験。 2022年に株式会社Hub Worksに入社しマーケティング担当者として、ウェブ広告やSEOなどの集客、 記事やホワイトペーパー作成などのコンテンツ制作業務に従事。