コンテンツSEOの成功事例15選!事例から見る成果を出すためのポイントも紹介
コンテンツSEOは、検索ユーザーに有益な情報を提供することで、自然検索からのWeb訪問者数を増やすための施策です。テクニカルSEOと組み合わせることで、企業にとって効果的な結果をもたらします。
しかし、コンテンツSEOを導入した企業の中には、「どう運用すればいいかわからない」「実際にどんな効果があるのかイメージできない」といった悩みを抱えている方もいるでしょう。
そこで今回は、コンテンツSEOで成功したサイトの事例をご紹介します。
さらに、成功事例から見えてくる成果を出すためのポイントも解説していますので、コンテンツSEOの具体的な施策について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
コンテンツSEOで成功したサイト事例15選
まずは、コンテンツSEOで成功したサイトの事例をご紹介します。それぞれどのようにオウンドメディアやブログなどを運用しているのか、学んでいきましょう。
北欧、暮らしの道具店
「北欧、暮らしの道具店」は、株式会社クラシコムが運営するECサイトで、主に北欧デザインや北欧関連の日用品を取り扱っています。
このサイトの特徴は、単なる商品販売に留まらず、スタッフが商品のレビュー記事や、季節や行事に合わせたコラム記事を配信している点です。
これらのコンテンツは、商品の魅力を真摯に伝えることに重点を置いています。そのため、販売側の押し売り感がなく、読者に嫌な印象を与えません。
このような記事作りが、サイトのブランドイメージを高め、ファンの獲得につながっています。
PMSラボ
出典:https://www.otsuka.co.jp/pms-lab/
「PMSラボ」は、大塚製薬株式会社が運営するオウンドメディアで、医薬品や食料品を取り扱っています。
主にPMS(月経前症候群)に関する基礎知識や改善に役立つ栄養素、注目の成分、女性の健康などについてのコンテンツを配信しているのが特徴です。
PMSに関する検索ボリュームは非常に大きく、2024年7月3日時点では40,000ほどに達しています。
検索ボリュームが大きいキーワードで上位に表示されるのは難しいですが、PMSラボは検索結果の上位を維持しているのが特徴です。
この成功の要因の1つに、医師の監修が挙げられます。医師が監修することで、コンテンツの信頼性が高まり、検索エンジンからも高く評価されやすくなっているのでしょう。
サイボウズ式
出典:https://cybozushiki.cybozu.co.jp/
「サイボウズ式」は、グループウェアソフトの提供で知られる株式会社サイボウズが運営するメディアです。
このメディアは、会社や組織に関すること、働き方や生き方、家族と仕事のバランスなどをテーマに、高品質なコンテンツを発信しています。
2012年から続くこの配信は、社員の視点から書かれた記事が読者に共感を呼び、ビジネス系のメディアでありながらも面白さを兼ね備えた内容となっているのが魅力です。
特徴的なのは、サイボウズが多くのグループウェアソフト製品を提供しているにもかかわらず、サイボウズ式では直接的に自社製品のPRを行っていない点です。
あくまでメディアとしての価値を重視し、会社の認知度を高めることで結果的に製品の購入につなげるという戦略で成功しています。
土屋鞄製作所
出典:https://tsuchiya-kaban.jp/blogs/library
「土屋鞄製作所」は、1965年にランドセルの製造から始まった企業です。現在では、ランドセルだけでなく、多種多様な皮革製品を製造・販売しています。
この会社は、自社サイトで商品の販売だけでなく、「読み物」という形でブログ記事も配信しています。
土屋鞄製作所のブログ記事は、新商品の紹介よりも職人たちの製品に対する思いやものづくりへの情熱、皮革製品に興味を持ってもらうための知識コンテンツが中心です。
また、スタッフが愛用する商品の紹介をインタビュー形式で行うこともあります。
商品紹介の記事では、色味や質感が伝わりやすいように大きな画像を配置し、商品のイメージがしやすいように工夫されており、多くの読者を集めています。
DMM英会話ブログ
出典:https://eikaiwa.dmm.com/blog/
「DMM英会話」は、世界123ヵ国から集まった1万人以上の講師が教えるオンライン英会話教室です。DMM英会話では、自社サイト内にブログを設け、英会話に関するさまざまなコラムやハウツー記事を配信しています。
例えば、英会話を学びたい人や学んでいる人をターゲットにした、英語のフレーズやその意味、使い方を解説する記事があります。
1つのキーワードに対して幅広い内容を提供しているため、質の高いコンテンツとなっているのが特徴です。
さらに、世界のグルメ紹介や、海外で洋服を購入する際のサイズ選びの注意点など、英語を学んだ後の海外旅行や留学、移住をイメージしやすいテーマの記事も掲載しています。
これらのコンテンツは、ユーザーの多様なニーズに応えるSEO対策としても効果的といえるでしょう。
トウシル
出典:https://media.rakuten-sec.net/
「トウシル」は楽天証券株式会社が運営するオウンドメディアです。
投資をテーマにしていますが、その内容はマーケットの解説や注目の銘柄紹介だけでなく、マネープランの作り方や生活に役立つお金の情報など、幅広いコンテンツを提供しています。
トウシルは2017年にスタートし、2020年12月時点で月間PV数が2,100万を突破しました。このことから、多くのユーザーがトウシルのコンテンツを閲覧していることがわかります。
トウシルは元々、投資を始めたばかりの人やこれから投資を始めようと考えている人を対象に運営を開始しました。
ターゲット層を投資初心者に設定しているため、誰が読んでもわかりやすく、投資に対して良いイメージを持てるようなコンテンツを配信しています。
また、初心者向けの記事だけでなく、楽天証券経済研究所のアナリストによる解説記事も掲載されており、投資の中・上級者も楽しめる内容となっているのが魅力です。
美味しいワイン
「美味しいワイン」は、株式会社ウェブライダーが運営するオウンドメディアで、その名のとおりワインに関する情報を提供しています。
ワイン関連のキーワードで検索すると、よく上位に表示されているのが特徴です。
このサイトの記事は、ソムリエの資格を持つ監修者が執筆しており、信頼性の高い内容となっています。
さらに、おすすめのワインを紹介する際には、その評価方法も明示されているので、ユーザーは安心してワインを選ぶことができます。
また、各記事には豊富な情報が含まれており、読み応えのあるコンテンツとなっているのが特徴です。
OnTrip JAL
「OnTrip JAL」は、日本航空株式会社(JAL)が運営するWebマガジンです。JALならではの視点で国内外の観光情報や、旅行前に知っておきたいTipsをまとめて紹介しています。
1記事あたりに使用されている画像が多く、ユーザーにとって読みやすいコンテンツとなっているのが特徴です。
例えば、海外のおすすめグルメを紹介する際には、グルメの画像だけでなく、お店の写真も掲載されており、そのお店の雰囲気や外観がわかりやすくなっています。
さらに、観光地の連絡先やアクセス情報なども詳しく紹介されているため、実際に旅行を計画している人にとっても有益なコンテンツといえるでしょう。
サイトの右側には常に「ツアーを探す」というリンクがありますが、ブランディングに特化したメディアであるため、広告的な嫌らしさがないよう配慮されている点も特徴です。
実際、このリンクは記事を読む際の邪魔にならない場所に配置されています。
株式会社LIG
「株式会社LIG」は、システム開発、Web制作、マーケティング支援などを行うソフトウェア企業です。同社のサイトでは、「LIGブログ」というオウンドメディアを運営しています。
LIGブログでは、Webデザインや生成AIの活用など、Web制作に役立つ記事が数多く配信されています。
また、従業員の部活動や社内イベントに関する記事も多く掲載されており、社内環境や職場の雰囲気を伝える内容が豊富です。
このようなノウハウ系やトレンド系(テクノロジー分野)のコンテンツを配信することで、「この分野・業界に強い企業」というイメージをユーザーに定着させることに成功しています。
経営ハッカー
「経営ハッカー」は、freee株式会社が運営するオウンドメディアです。会社を設立したばかりの経営者や個人事業主をターゲットにしており、経営や業務に関する情報をわかりやすくまとめて提供しています。
記事は以下のカテゴリーに分類されています。
・会計
・会社設立
・経理・財務
・経営・戦略
・人事・労務
・上場準備
・働き方改革
さらに、検索窓が設置されているため、ユーザーが知りたい情報をすぐに見つけられる工夫もされています。ユーザーの検索ニーズと問題解決に応じた自社製品への誘導にも成功している事例です。
TRASPコラム
出典:https://trasp-inc.com/blog/
TRASP株式会社は、大阪を拠点にWebサイト制作やWebコンサルティングを提供する企業です。
TRASPの公式サイトには「TRASPコラム」というブログがあり、主にホームページ制作やマーケティングに関するガイドを掲載しています。
このブログでは、自社サービスの利用や検討につなげるための導線もしっかり確保されているのが特徴です。
また、業界ごとに特化したコンテンツを提供している点も大きな特徴といえます。工務店や建設業、整体・整骨院、美容系サロンなど、各業種に分かれて情報や成功事例を紹介しています。
こうした業種別の特化記事にすることで、ロングテールキーワードの対策が成功し、検索結果で上位に表示されやすくなっているのでしょう。
スタディサプリ進路
「スタディサプリ進路」は、株式会社リクルートが運営するサイトで、進学希望の学校や学部、学科、コースを検索できます。
このサイトの原型である「リクルート進学ブック」は1970年に創刊され、その長い歴史がうかがえます。
スタディサプリ進路の特徴は、学校検索だけでなく、進路に役立つ豊富なコンテンツを提供している点です。
特に「○○(職業名) なるには」と検索すると、スタディサプリ進路のページが上位に表示されやすくなっています。
サイト内では、各業界のさまざまな職種について取り上げられ、「この職業を目指すためにはどの学校に行けば良いのか」「必要な試験や資格は何か」といった情報がわかりやすく紹介されています。
ボクシルマガジン
「ボクシルマガジン」は、スマートキャンプ株式会社が運営するオウンドメディアで、主にSaaSに関する情報を発信しています。
元々ボクシルマガジンでは、以前からSEO対策に取り組んでいましたが、新規リードの獲得数は伸び悩んでいました。
しかし、徹底的なキーワードリサーチとユーザーニーズに合ったコンテンツの配信を行った結果、リードの獲得数は約4,000件に増加。また、ある月では1か月間に投稿した約150記事のうち、約30記事が検索結果で1位を獲得しています。
キナリノ
「キナリノ」は、株式会社カカクコムが運営するオウンドメディアです。「自分らしい暮らしがかなう」をコンセプトに、ファッション、生活雑貨、美容・ケアなどの内容を発信しています。
また、キナリノは「キナリノモール」というECサイトも運営しており、記事の中でモールの商品が紹介されることもあり、商品の販売につなげています。
また、キナリノはほぼ毎日新しいコンテンツを配信しており、そのデザインや画像には一貫性があることも特徴です。
この統一されたデザインは、ブランドのイメージを強化する効果もあるため、コンテンツSEOを行う際は、参考にしてみてください。
ボーグル
株式会社ベネフィット・ワンが運営するポータルサイト「ボーグル」は、人事・総務・経営者向けの情報を提供するサイトです。
ベネフィット・ワンは法人向けに福利厚生サービスを提供しており、ボーグルでも福利厚生や人事課題に関する情報を中心に発信しています。
広告運用コストの増加をきっかけにスタートしたボーグルですが、コンテンツSEOを実施した結果、約3か月で1日1件のコンバージョンを達成。
これには、質の高いコンテンツの配信に加え、資料ダウンロードや問い合わせにつながるCTAが適切に配置されていることが大きな要因と考えられます。
成功事例から見るコンテンツSEOで成果を出すためのポイント
ここまで成功事例をご紹介してきましたが、事例を踏まえた上でコンテンツSEOにより成果を出すためには、どのようなポイントを押さえるべきなのでしょうか?
ここからは、コンテンツSEOで成果を出すためのポイントをご紹介します。
ユーザーの検索意図を適切に捉える
コンテンツSEOが成功しているサイトは、ユーザーの検索意図を的確に把握し、有益な情報を配信しています。
検索結果で上位表示を目指すためには、ユーザーがどのような意図でキーワードを使用して検索しているのかを理解することが重要です。
例えば、「大宮駅 レストラン」というキーワードで上位表示を狙う場合、大宮駅周辺でレストランを探している人が検索の主な対象です。
したがって、大宮駅周辺で飲食店開業を目指す人向けのコンテンツを発信しても、上位表示は難しいでしょう。このキーワードを使って検索する人が求めているのは、具体的なレストランの情報だからです。
コンテンツを作成する前に、まずキーワードに対してユーザーがどのような意図で検索しているのかをよく考えてみましょう。
SEOキーワード選定の鉄則|効果的なキーワードの見つけ方を紹介!
ユーザーの使いやすいUI/UXを考慮する
サイトのUI/UXは、ユーザーの満足度を高めるだけでなく、SEO対策においても重要な要素です。検索エンジンはキーワードとの関連性など多くの情報をもとに検索順位を決定しますが、その中にはUI/UXも含まれています。
優れたUIで使いやすく、コンテンツが充実しているサイトは、ユーザーが離脱しにくく、平均セッション継続時間も向上しやすいです。それにより、質の高いUXが提供されていると評価され、検索順位も上がりやすくなります。
例えば、質の高い記事があっても、文字が小さくて読みづらかったり、画像が全くなく文章だけだったりすると、記事が読みづらくユーザーがサイトを離れてしまう可能性が高くなります。
ユーザーにとって使いやすく、見やすいサイトデザインを心がけてコンテンツを制作しましょう。
オウンドメディアのデザインで参考になる事例20選|コツもご紹介!
自社のブランディングを意識する
コンテンツSEOを活用したブランディングは、ユーザーのファン化につながり、自社の商品・サービスのリピーターとなってくれる可能性が高まります。また、既存顧客の定着や離脱予防を目指す場合にもコンテンツSEOは役立つでしょう。
このように、コンテンツSEOを行うことで自社のブランディングにも効果が期待できます。せっかくコンテンツSEOを行うのであれば、ブランディングを意識し、運営するメディアのテーマやデザインを統一すると良いでしょう。
BtoBブランディングの成功事例を紹介!必要性や戦略手法まで解説
長期的に運用をする
コンテンツSEOでは、ユーザーにとって有益なコンテンツを継続的に提供することで、そのコンテンツ自体が貴重な資産となります。
この方法には、ユーザーをファンにする効果や広告コストの削減など、さまざまなメリットがあります。
しかし、これらのメリットを十分に享受するためには、長期的な運用が欠かせません。運用体制が整っていない状態で始めてしまうと、途中でコンテンツの発信が滞り、最終的には中断してしまうこともあります。
コンテンツSEOで確実に成果を出すためには、まず長期的に運用できる体制を整えてから始めることが重要です。
テーマを絞ることも検討する
検索エンジンで検索される機会が多いビッグワードは、すでに大手企業のコンテンツが上位を独占していることも多いです。
そのため、コンテンツ制作に多くのコストをかけられない場合や、特定の分野に特化した商品・サービスを提供している場合は、テーマを絞ると効果的でしょう。
テーマを絞ることで、ビッグワードで上位表示を狙うのが難しくても、関連するキーワードで検索された際に上位表示される可能性があります。
ただし、あまりにニッチなテーマは検索するユーザーが少なく十分な効果が得られない場合があるので注意が必要です。
外注によって品質を担保する
上記でもご紹介したように、コンテンツSEOでは継続的に質の高いコンテンツを発信し続けることが重要です。
しかし、自社でコンテンツSEOやオウンドメディアの運営ノウハウが不足していると、長期間の運用は難しいでしょう。そのような場合には、コンテンツSEOの専門企業に外注するのがおすすめです。
外注することで、専門家が市場調査や検索キーワードのリサーチ、コンテンツ制作、効果分析まで一貫して対応してくれます。
さらに、コンテンツSEOに精通した人材が多数在籍しているため、質の高いコンテンツを継続的に発信し続けることが可能です。
コンテンツ作成の外注費用相場などについては以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
コンテンツマーケティングの費用|内訳や相場と外注料金の実例を紹介
おすすめのコンテンツ制作会社12選|選び方のポイントも紹介!
まとめ
今回は、コンテンツSEOの成功事例と成果を出すためのポイントについて解説しました。現在、多くの企業がコンテンツSEOに取り組んでいますが、ノウハウがないまま始めると失敗する可能性があります。
コンテンツSEOで十分な効果を得るためには、長期的な運用が必要です。良質なコンテンツを長期的に発信するためにも、専門の企業に依頼や相談することも検討してみましょう。
株式会社HubWorks マーケティング部 2021年よりインターネット広告代理店に入社し、月間数億規模の広告運用を経験。 2022年に株式会社Hub Worksに入社しマーケティング担当者として、ウェブ広告やSEOなどの集客、 記事やホワイトペーパー作成などのコンテンツ制作業務に従事。