HubSpotとは?6つの機能で出来ること、料金を徹底解説!
MAツールを導入する際に、使いやすさや導入コストについて詳しく知りたい方は多いのではないでしょうか?
本記事では、マーケティングのみならず、営業やカスタマーサービスまで管理・自動化できるHubSpotについて解説します。HubSpotが自社にとって最適かどうか判断できるだけでなく、導入方法についても触れていますので、ぜひ参考にご覧下さい。
HubSpotとはどういうツールか?|概要を把握
HubSpotとは、顧客管理やWebサイトの構築の際に役立つMAツールであり、事業の効率化や販売促進に大きく貢献するマーケティングのプラットフォームです。
HubSpotには、マーケティング、セールス、カスタマーサービスなどのツールが含まれており、便利なマーケティングツール・プラットフォームとして多くの企業が活用しています。
HubSpotを使用することで、項目ごとに分けられたツールの中から必要なものを組み合わせ、自社に必要なプラットフォームを作り上げることが可能です。
HubSpotを開発した会社概要|創立者はインバウンドマーケティングの提唱者
HubSpotの創設者であるハリガンとシャアは、消費者の購買行動の変化に着目し「今まで行われていたマーケティング手法よりももっと良い方法があるのでは?」と考え、創業に至りました。彼らは、企業が収益をあげるために必要なものを
・顧客に役立つ情報
・良心に従った行動
・思いやり
とし、インバウンドはそれらを実現するために欠かせないものだ、と考えました。
また、HubSpotの理念には消費者目線が強く反映されています。彼らは、現代では派手な広告などを用いた従来の営業手法が通じなくなっていった、という点に着目しました。
そのような変化を踏まえて、HubSpotは創業から現在にかけて、消費者の支援を行う企業への包括的なプラットフォームを提供し続けています。
HubSpot開発の元となった「インバウンドマーケティング」とは
HubSpot開発の元となったインバウンドマーケティングとは、見込客が必要としている有益な情報を先に提供し続けることで、見込客を自社へと引き寄せることです。また、引き寄せた見込客を顧客へと転換させることをゴールとしています。
旧来のマーケティングは、売りたい相手に向けてプッシュするアウトバウンド型でした。
しかし、情報に溢れている現代では、消費者・購買者が一方的な情報を避けるようになったため、インバウンドマーケティングが必要となったのです。インバウンドマーケティングについての詳細は、以下の記事にて詳しく解説しています。
見込客に有益情報を提供して得た信頼関係から顧客を獲得する手法
インバウンドマーケティングの具体的な手法は、見込客が求めている情報をコンテンツにまとめてウェブ上で公開することです。自社サービスの必要性を提案することで、見込客を顧客化します。
消費者や購買者が自発的に行動した結果、自分に必要な情報として企業側のマーケティングメッセージを受け取ります。その結果、消費者や購買者が自ら企業の方に向かってくることから、インバウンド(内側に向かう)の仕組みが成り立つのです。
また、見込客が必要とするタイミングで情報提供者である企業にコンタクトが取れるため、双方の無駄なストレスを省き、良好な関係を築くことにも繋がります。
インバウンドマーケティングの思想を表した「フライホイール」
フライホイールとは、回転エネルギーを効率的に蓄えるように設計された機械装置と言われています。HubSpotでは、自社のビジネスを成長させる原動力で大切な顧客が中心のインバウンドマーケティングを、フライホイールで表しています。
見込客を惹きつける「Attract」、信頼関係を築く「Engage」、満足させる「Delight」の3段階でホイールの回転を上げられるため、結果として満足度の高い口コミが新たな見込客を引き寄せる好循環を生み出し、より大きなホイールへと成長します。
インバウンドマーケティングに必要なすべてを集めたプラットフォームがHubSpot
インバウンドマーケティングでは、Web上に公開した有益情報がSNSなどによって拡散されて、見込客を自社サービスへ引き寄せるという手法が用いられます。この一連の流れを得意としているサービスが「HubSpot」です。
HubSpotでは、インバウンドマーケティングを実現するための基本的な機能や、HubSpot上に登録されている人に向けたメール配信など、さまざまな機能や手段を合わせたマーケティングを実現することができます。
HubSpotには、大きく分けて以下の4つのサービスがあります。
・Sales Hub
・Marketing Hub
・Service Hub
・CRM Hub
これらは順に、「営業管理」「マーケティング活動」「カスタマーサクセス」「顧客管理」に必要な機能です。
HubSpotの機能|中核となるCRMと5つのHUB
HubSpotの最大の特徴は、新規顧客へのアプローチから顧客情報の管理、アフターケアをまとめてできる機能が揃っている点です。
インバウンドマーケティングで顧客を獲得するには、顧客の動向を把握しなければなりません。そのため、顧客とのやり取りをまとめられる情報管理のシステムが必要です。
見込客を獲得するため「マーケティング」「営業」「カスタマーサービス」の多方面から顧客の求める情報を提供します。
それぞれの情報を各部門で別々に管理すると情報の分析や管理に莫大な時間と費用が必要です。正しい情報が提供されないと見込客が離れる可能性があります。
HubSpotの機能は「自動化・外部システム連携機能」「ホームページ作成向け機能」「マーケティング担当者向け機能」「営業担当者向け機能」「カスタマーサービス担当者向け機能」に分かれており、最終的に顧客関係管理のためCRMに集約されるシステムになっています。
中核:HubSpot CRM
HubSpotの中核を担っているのはCRMです。
HubSpotのCRMでは、Excel不要で1,000件まで無料で顧客情報の管理ができるため、膨大な情報の蓄積と管理に適しています。さらに顧客情報を一元管理するだけでなく、集約した情報を営業担当やカスタマーサービス担当者と共有可能です。
顧客情報をトラッキングしているため、サイトを訪れた際の情報を細かく分析、把握できます。CRMで管理している情報を実際の対応に当たる担当者と事前に共有することで、顧客とのやり取りがスムーズに行えます。
HUB:Marketing Hub
Marketing HubはHubSpotの中で最も多く導入されており、マーケティングオートメーションの役割を果たします。見込客発見のためのマーケティングに関わるブログや、ランディングページ作成などを担うツールです。
その他の機能として、広告のトラッキングと管理、ソーシャルメディア管理、マーケティングオートメーション、ウェブチャット、リードのトラッキングと管理、マーケティングアナリティスクがあります。
Marketing Hubを活用すると、一人ひとりに合わせた関連性の高いブログや動画、広告を制作したり、SEOの検索エンジンで上位表示させるようなアプローチができます。新規顧客獲得のためにEメールマーケティングやWebチャット、CTAなどのツールを活用しましょう。
Marketing Hubはインバウンドマーケティングの初めのステップ「Attract」の部分を担います。「有益なコンテンツを顧客自らがWeb上で見つける機会」を作り、自社商品やサービスを必要とする見込客を惹きつけ、商談につながりそうな場合は営業担当に引き継ぎます。
HUB:CMS Hub
CMS Hubはインバウンドマーケティングの「Attract」部分の情報を発信するためのコンテンツを効率よく作成、管理、運用するためのシステムです。
主な機能はSEOアドバイス、ローカル環境でのWeb開発、統合型のCRM、ドラッグ&ドロップエディター、コードアラート、無休体制のセキュリティ監視と脅威検出、標準のSSL 、Webサイトのパフォーマンスの監視です。
ドラッグ&ドロップエディターを使うことで、見込客を惹きつける魅力的なWebサイトの作成が簡単にできます。
より多くの人の目に止まるためにはSEO対策も重要です。Webサイトの最適化とパーソナライズのためのチャットやレポートの作成などのツールもあり、SEOに関するアドバイスも受けられます。
また、魅力的なWebサイトの作成が簡単にでき、編集・更新にも柔軟に対応可能です。Web開発に快適な開発環境が整えられており、セキュリティ面でも無休体制での監視システムがあるため、信頼度の高いWebサイトの作成が実現できます。
HUB:Sales Hub
Sales Hubは短期間で効率よく、より多くの見込客を顧客に転換するための営業支援システム(SFA)で、マーケティングを加速させるツールです。
主な機能はコールのトラッキングと記録、Eメールのトラッキング、Webチャット、分析とレポート、AB(アカウント・ベースド・マーケティング)があります。
インバウンドマーケティングの「Engage」のステップで必要な見込客とのコミュニケーションツールが揃っており、営業活動を効率化するためにGメールやOutlookとの連携、メール送信の自動化が設定可能です。
また、営業案件の進捗をパイプラインで管理することで担当者の生産性とパフォーマンスの記録、取引の予測もできます。営業案件を管理できることから、資料を探したり顧客のステータスを確認するために業務が停滞することを防げます。
Sales Hubを利用して営業レポートから得られた改善点をその後の活動に活かしながら、顧客に合わせたコミュニケーションを効率化し、一人ひとりに合った対話が可能になりより多くの成果が見込めます。
HUB:Service Hub
Service Hubはインバウンドマーケティングの「Delight」のステップで、顧客に対するアフターケアを支援するカスタマーサクセスツールです。
主な機能にカスタマーポータル、Webチャット、カスタマーサービスの自動化、顧客アンケートによるフィードバック収集があります。顧客が求める情報だけでなく、期待を上回るサポートを提供し、中長期的な継続関係を維持することで顧客の成長を加速させます。
Service Hubを導入するとCRMをベースに全ての顧客データを一元管理でき、顧客の質問や問い合わせに関する支援提供や顧客の維持率の向上、顧客基盤の拡大が可能です。
ナレッジベースを活用して顧客のニーズや悩みに対応できれば、業務効率の向上が図られ顧客満足度の向上も期待できます。
HUB:Operations Hub
Operaitions Hubは顧客への営業や対応ではなく、運営サイドのビジネスプロセスの自動化などに活用できるオペレーション支援ソフトウェアです。
主な機能は顧客データの同期と整理、さまざまなビジネスプロセスの自動化、データ集合の定義とレポートの作成があります。
Operaitions Hubを導入すると、これまで手動だったアプリ連携や顧客データ管理などの作業工程を、一つのCRMプラットフォーム上でまとめて自動化できます。
組織全体を俯瞰する経営部門から、営業部門のような特定機能の担当部門まで、規模や体制に関わらず効果的な連携が可能です。
また、社内システムや各部署で保存している最新の情報やデータの一元管理・共有もできるため、業務の効率化、整合性や適応力の向上が期待できます。
HubSpotを用いて無料でできること|無料の使用範囲まとめ
HubSpot無料版は、無期限でさまざまな機能を利用できるのが最大の魅力です。基本的なCRMに加え、フォームやメール送信、広告管理等の見込客の獲得機能も使えます。
また、SFA機能も備わっているため、取引管理やメールマガジン、チャットボットなどにより見込客を顧客化することも可能です。
無料版の機能だけではマーケティングや営業活動を自動化して営業効果を上げることは困難です。しかし、マーケティングや営業活動を可視化しながら管理を簡略化する分には、十分な役割を果たします。
また、スプレッドシートやExcelを使う必要がなくなり、顧客管理を簡素化できるのでおすすめです。HubSpot無料版の主な機能は以下の通りです。
・見込客獲得:フォーム作成機能、チャットフロー、広告管理、
・顧客との関係構築:コンタクト管理、企業管理、Eメール、取引管理
・営業活動支援:タスク
・成果管理:ダッシュボード
HubSpot・5つのHUBそれぞれの料金プラン
HubSpotではほぼすべてのツールに無料版もしくはデモ版があります。
一方、有料版は企業規模や必要な機能によって2〜3のプランに分けられているため、どのプランが自社に最適なのか見比べながら検討出来ます。複数のツールを組み合わせての契約も可能です。
公式ホームページでは費用のシュミレーターが用意されているため、実際に導入する際の予算や製品の比較検討ができます。
各サービスやプランに応じて価格設定されており、利用する際の初期費用は必要ありません。価格設定は他のMAツールに比べて比較的リーズナブルです。MAツールの導入が初めての場合にもチェックしやすいメリットがあります。
以下に2023年3月14日時点の価格表-製品プルダウンメニュー内「JPY(¥)」の値を参考に各ツールとプランの料金を表にまとめました。
HubSpotはそれぞれのツールが常にブラッシュアップされていることから、実装機能や価格が変更される場合があります。最新の情報はオフィシャルサイトでご確認ください。
Marketing Hub | Sales Hub | Service Hub | CMS Hub | Operaitions Hub | |
スターター | 月額2,400円 | 月額2,400円 | 月額2,400円 | 月額3,000円 | 月額2,400円 |
プロフェッショナル | 月額16,800円 | 月額60,000円 | 月額60,000円 | 月額48,000円 | 月額96,000円 |
エンタープライズ | 月額432,000円 | 月額144,000円 | 月額144,000円 | 月額144,000円 | 月額240,000円 |
HubSpotの安全性はどのように図られているのか
自社情報だけでなく顧客情報も管理できるのがHubSpotです。セキュリティは厳重で、6つの標準機能に加えGDPR機能を有効化したり、HubSpot以外の部分に対してもセキュリティ関連サービス(ウイルス対策ソフト、ファイアウォールなど)を導入しています。
以下、HubSpotのセキュリティ対策機能について詳しく解説します。
HubSpotに取り入れたデータの安全性対策
HubSpotはデータの格納先としてさまざまなデータストアを採用しています。
一つは大手ECサイトAmazonが提供しているクラウドプラットフォーム「AWS(アマゾン・ウェブサービス)」と、Google が提供しているクラウドコンピューターサービス「Google Cloud」です。
HubSpotのプラットフォームに保存されたデータは3つのデータセンターにレプリケートされています。
データの保存先を複数採用することで、万が一データサーバーに障害が発生しても他のデータセンターのレプリカサーバーへ処理が引き継がれるため、サービスの中断による被害が最小限に抑えられます。
それぞれのデータストアはデータの安全性や復旧に関するベストプラクティスにもとづいて構成されており、安全性も十分保障されている点が特徴です。
HubSpotの6つのセキュリティ対策
HubSpotは複数のプラットフォーム上で膨大な量のデータや顧客情報の管理を行うため、セキュリティ対策は重要なポイントです。
HubSpotには標準で以下6つの機能が備わっており、セキュリティ対策を万全にしています。それぞれのセキュリティ対策機能について詳しく解説します。
1.標準SSL証明書
SSLとはSecure Sockets Layerの略称で、Webサイトとサイトを閲覧しているユーザーとの通信を暗号化する機能です。
通信情報を暗号化することで個人情報漏洩の心配もなく、ユーザーは安心してWebサイトへアクセスできますし、検索順位の上昇などSEO効果も期待できます。
HubSpotでは、ホスティングされる全てのコンテンツや見込客のデータが保護されているため、セキュリティ対策は強固です。
2.シングルサインオン
シングルサインオン(SSO)とは、一度のログインで複数のサービスを利用可能にするシステムです。ユーザーは1つのIDとパスワードのみでHubSpotや複数のツールにアクセスできます。
パスワードを複数作成したり使い回す必要がないため、万が一不正アクセスされた場合の被害を最小限に食い止められます。単純にログイン時の手間を省くだけでなく、パスワードを一元管理することによりセキュリティやアクセス権管理の強化にもつながります。
3.2要素認証
2要素認証とは、性質の異なる要素を2つ組みあわせて本人確認を行う認証方式です。IDとパスワード以外に、本人しか登録できない新たな情報を登録することによりセキュリティをより強固にします。
HubSpotで2要素認証を有効にすると、ログイン時に他のデバイス(スマートフォンなど)を使った認証を必須にできるため、安心してHubSpotを活用できます。
4.アクセス権設定
HubSpotでは、外部ユーザーに対してユーザー名とパスワードを使用したログインを要求することで、ホスティングしている特定のページへのアクセスを制限できます。
CRMのプラットフォーム上で莫大な情報を集約・管理しているため、アクセスの制限を設定し、大事な顧客情報や企業情報が漏洩しないように対策しているのです。
5.ページのパスワード保護
HubSpotには対象ページに対するパスワード保護機能がついており、パスワードを保護することでコンテンツを表示できるユーザーを限定できます。
未承認ユーザーからのアクセスを未然に防ぎ、パスワード保護機能を使って不正アクセスや情報漏洩の対策を行うことができます。
6.ドメインセキュリティ設定(カスタム)
HubSpotの利用開始の際は、独自のドメインセキュリティ設定をカスタマイズできます。
Webサイトへのアクセス方法を指定することで、外部ユーザーによるコンテンツへのアクセス管理ができます。また、事前設定やメンテナンスの必要がないため、簡単でより強固なセキュリティ対策の実現が可能です。
HubSpotの使い方|マーケティングに沿った活用方法
HubSpot以外にも多くのCRMがあります。最も重要なのは自社のマーケティング手法に合ったCRMを導入することです。
CRMを導入したものの上手く活用できなければ時間と経費を浪費します。効果があるマーケティングを行うために、HubSpotの活用方法を紹介します。
1.目標設定を行う
HubSpotを導入する目的と、CRMを活用した結果達成したい目標を明確にする必要があります。
HubSpotはマーケティング、セールス、カスタマーサポート、オペレーションなど多方面の支援ツールが備わっているため、自社の課題を分析し、必要な領域のツールを導入しましょう。
そのためには、プロセスごとに必要な基準を達成するための中間指標(KPI)や最終目標(KGI)の設定が重要です。KPIとKGIの違いや、その具体的な設定方法が気になる方は、以下の記事を参考にしてみてください。
2.戦略を立てる
自社の課題を分析し、具体的なKPIやKGIの設定ができたら、目標を達成するための経営戦略を立てます。目標達成に向けて、HubSpotのどの機能を活用して「なにを」「いつ」「誰に対して」「どのように」「どこで」行うのか立案しましょう。
3.HubSpotを設定する
立案した経営戦略をHubSpotの機能と照らし合わせ、プランの設定を行います。後述のように、HubSpotは無料版でも多くの機能が活用できますが、必要に応じて有料プランに加入すると機能の拡大が可能です。
4.試行後の検証と改善を進める
KPIやKGIの具体的な目標設定から経営戦略の立案、HubSpotの設定ができたら、試行後の効果の検証と改善を行いましょう。
HubSpotでは顧客との取引やあらゆるコミュニケーションの情報がデータとしてCRMに蓄積されます。収集したデータから現状の把握はもちろん、設定した目標に近づけるための検証と改善が可能です。
データを分析して、目標が達成できた場合は成功要因を、達成できなかった場合は原因を分析して、経営・サービスの向上につなげられます。
HubSpotナレッジベースの活用でより具体的な使い方がわかる
HubSpotのツールの不明点を解決するために、アカウントの設定方法から使い方までジャンル分けして解説しているのがHubSpotナレッジベースです。
運営しているのはマーケティングソフトウェアやCRMソフトウェアを展開する「HubSpot Japan株式会社」で、Webマーケティングに役立つ様々なサービスを展開しています。
HubSpotの活用方法の解説だけでなく、カテゴリーの見やすさや検索フォームの使いやすさにこだわって設定されている点が特徴です。
検索フォームにキーワードを入れると知りたい情報の記事がすぐにヒットし、HubSpot活用に関する疑問が解決できます。検索フォームだけでなく、評価の高い記事はまとめて表示されたり、ツールや機能によってジャンル分けされているため非常に便利です。
また、Webチャット機能もあるため、検索してもよく分からない場合はより具体的な解決策がわかります。
HubSpotの他ツールの導入よりも優れた5つのメリット
HubSpotのメリットは「無料で使える機能の範囲が広い」「必要な機能だけをピックアップできる」「人的コストの削減につながる」「公式コミュニティが活用できる」「インバウンドマーケティングを効率よく進められる」の5つです。
それぞれの詳細について解説しますので、自社に最適なツールかを判断するための参考にしてください。
無料で使える機能の範囲が広い
HubSpotは、他のMAツールと比較すると無料で使える機能の範囲が広いです。マーケティング、顧客管理、営業などさまざまな部署で、無料で使える機能が豊富にあります。
例えば、マーケティングであれば、フォームの作成や回答の管理ができます。他にも、あらゆる条件でセグメントしたリストの作成も可能です。営業やCSなどの部署で活用できる機能も多数あるため、まずは無料で使えるサービスを体験し、有料に切り替えるのがおすすめです。
必要な機能だけピックアップできる
HubSpotの無料・有料のさまざまな機能は、必要なものだけをピックアップして利用できます。特に、有料の機能を利用する場合は、自社の課題や目標に合わせた機能だけを洗い出せば不要なコストがかかりません。
多くのMAツールは、有料で利用する場合に使わない機能まで搭載されていることがあります。HubSpotは必要な機能だけ利用できるため、コストを抑えながら効果の出る運用が可能です。
人的コストの削減につながる
HubSpotの活用によりさまざまな機能を自動化できるため、人員コストの削減につながります。
自社発信のブログや広告から見込客の情報を集約・分析し、戦略に沿ったオートメーション機能を実装することでコンテンツから興味をもった見込客から自社に接触してくるケースもあります。
公式コミュニティが活用できる
HubSpotには有料ユーザーだけでなく、無料ユーザーも利用できる公式コミュニティがあります。
コミュニティ内ではHubSpot販売パートナーや連携アプリ開発者ともコンタクトをとれるため、実際にHubSpotを使用して感じた不安や疑問を解消できる、よりスムーズなCRM運用方法を学べるといった利点があります。
HubSpotはアメリカ発祥のツールですが、日本語版コミュニティもあるため、英語が分からない人も安心してコミュニティを活用できます。
インバウンドマーケティングを効率よく進められる
HubSpotCRMは、顧客情報の管理だけではなくWebサイト上での動きも詳細に分析できるため、インバウンドマーケティングを効率的に進められます。
見込客の要望やニーズを適切に理解したうえで情報提供するには、HubSpotCRMで顧客の個人情報を管理・分析する機能が役立ちます。
HubSpot導入時に気を付けたい2つのデメリット・注意点
HubSpotは、無料版でも十分な機能が搭載されているため魅力的ですが、デメリットになりうるポイントや注意点もあるため確実におさえる必要があります。導入検討時に特に気を付けたい2点について確認しましょう。
日本語訳がわかりづらい場面がある
HubSpotはもともとアメリカで開発されたツールのため、Webサイト上に記載されている文章は英文の日本語訳が中心です。和訳が不十分な箇所や文章構成が分かりにくい部分がありますが、翻訳の文章に抵抗が少ない人や海外製ツールに慣れている人であれば違和感なく使用できます。
導入してから定着までの間の時間・コスト・労力がかかる
HubSpotは機能性が高いため、システムに慣れると非常に便利ですが、導入から定着までには時間とコスト、労力がかかります。担当者がHubSpotを使いこなせるように十分な教育期間が必要です。
さらに、中長期的には社内でノウハウを蓄積して仕組化を図る必要があります。
HubSpotは無料版でも十分な機能を発揮しますが、自社に必要な機能が使えない場合は有料プランの導入が必要な場合は、機能と予算は事前に計画しておきましょう。メリットとデメリットを比較すると、以下のようになります。
No | メリット | デメリット |
1 |
無料で使える機能の範囲が広い | 日本語訳がわかりづらい |
2 |
必要な機能だけ選択可能 | 定着までに労力がかかる |
3 |
人的コストの削減 | |
4 |
公式コミュニティが活用できる |
HubSpotの導入をおすすめしたい企業が有する特徴
HubSpotの導入には、メリットがあればデメリットもある中で、ここからはHubSpotの導入が向いている企業にはどんな特徴があるのかを解説します。まだHubSpotの導入を迷っている担当者の方はぜひ参考にしてください。
1.初期費用を抑えてスモールスタートしたい
HubSpotは、リーズナブルにCRMツールを導入したいと考えている企業におすすめです。HubSpotは無料版でも多くの機能を活用できるという大きなメリットがあります。
マーケティング、セールス、サービス、CRM、オペレーションのそれぞれに無料とは思えない機能が搭載されているため、まずは無料版でツールを利用して様子を見るのがいいでしょう。
2.MA/CRM/SFAの導入を未実施である
これまでにMAツールを導入したことのない企業は、最初のステップとしてHubSpotを使用することをおすすめします。
価格設定がリーズナブルである以外にも、マーケティング、セールス、カスタマーサポート、オペレーションなどのMAツールが全て揃っている点はHubSpotの長所です。
各ツールの活用方法も一度にまとめて導入したり、用途や自社の目的に応じて必要なツールだけを段階的に導入したりと自由に選択できます。
顧客情報や営業情報の管理をアナログで行う負担や管理の抜け漏れの解消のために、初めてMAツールやCRMを導入しようと考えている場合はHubSpotの無料版から試してください。MAツールについては、toBとtoC、それぞれ以下の記事で触れています。
▼toBを踏まえたMAツールについて
▼toCを踏まえたMAツールについて
3.インバウンドマーケティングを一元管理したい
インバウンドマーケティングは見込客に自社のサービスや商品を見つけてもらい興味を持たせるために、ニーズをキャッチアップして適切な情報を発信する必要があります。
多方面から見込客にアプローチする際に、顧客情報が整理されていないとマーケティングの効果は上がりません。
インバウンドマーケティングを支援するサービスは多数存在しますが、複数のサービスを利用すると情報が散在して管理の手間やコストがかかります。
HubSpotを導入すれば1つのプラットフォーム上でさまざまな情報を一元管理できるため、効率的なマーケテイングに効果的です。
4.SEO対策に力を注ぎたい
より多くの見込客のアンテナにヒットさせるため特定のWebサイトを上位に表示したい企業にも、HubSpotはおすすめです。
HubSpotは簡単に操作できるインターフェースが搭載されています。SEO対策やブログのモバイル最適化機能が標準搭載されているため、ブログマーケティング初心者でも操作しやすいです。
自社商品やサービスを検索上位表示させるための機能だけでなく、Webサイトのパフォーマンスを測定し分析するためのアナリティクス機能も含まれています。ブログの寄稿だけでなくPDCAをより正確に早く回すことができ、中長期的な成功確率の向上につながります。
SEOやその対策について、そもそも何のことなのか、そして具体的にどういった対策方法があるのかについては、以下の記事で詳しく解説しています。
5.SNS対策に力を注ぎたい
HubSpotはブログや広告だけでなく、SNS対策に力を注ぎたい企業との相性も抜群です。HubSpotはマーケティング、セールス、カスタマーサクセスなど多方面の情報をシームレスに連携できる豊富な機能を備えています。
見込客の獲得から将来顧客の育成、顧客管理まで幅広い分野の業務支援を可能にしており、SNS対策にも効果的です。
HubSpotの評判を口コミから知ろう
多くの企業が導入しているHubSpotですが、実際に使っていないと分からないことも多いです。ユーザーからの口コミをもとにHubSpotの良い点と悪い点の両方を把握して、今後の導入の参考にしてください。
HubSpotの良い評判・口コミ
「HubSpot無料版はフリーランスにはおすすめ。LPやフォーム作成、CRMがほぼ無料で完結できてメールも月2,000件無料なのはすごい」
「最初は難しかったけど、BtoB向けのビジネスはMAが楽になるし成約率上がると思う」
「Cloudflareの障害で止まってたけど、復旧の速さにクラウドプラットフォームを使うメリットを感じる」
など実際に使ってみると慣れるまでは難しく感じる部分もあるようですが、無料版でも十分高機能だとの声があります。
HubSpotの悪い評判・口コミ
「HubSpotは使いにくい」
「HubSpotでCSの対応を管理するCRMを作りたくて頑張っているのですが、分からない」
「ツールとしては問題ないしカスタマーサポートのチャット対応も満点だが、パートナーの質が悪い。パートナーのハードルが低いのかと思ったけど、技術面も言葉も態度も若い企業が多い」
など、慣れるまでは運用に難しさもあるようです。コミュニティに参加したり、パートナー(代理店)の協力を得ようとしても思うような成果につながらない場合もあるといった声があります。
HubSpotを導入する前に自社で整理したいポイント
ここまではHubSpotを導入することで顧客情報の管理・共有がスムーズになることや、マーケティング、セールス、カスタマーサポートまで幅広くカバーできることを紹介しました。
自社で導入する目的、複数あるツールの中から必要な機能は何なのか、操作性は問題ないのか、契約は代理店を通した方がいいのか、実際に導入する前に整理しておくべきポイントを4つ解説します。
自社では何を目的とするのか
なぜ自社ではHubSpotを導入する必要があるのか、目的を明確にすることが大切です。HubSpotは複数の機能をオールインワンで活用できる便利なプラットフォームですが、目的がはっきりしていないとどのツールを使えば良いか迷います。
HubSpotの新規導入に伴い従業員の負担が増えると、パフォーマンスの質や量の低下につながる可能性があるため、目的に沿って導入・意向ができるスケジュールを立てる必要があります。
目的に合った必要な機能はどれか
導入時に明確にした目的を達成できる機能はどれなのか事前に確認する必要があります。まずHubSpotの無料版で使える機能と自社に必要な機能をすり合わせましょう。
有料プランを契約する際は、ビジネスの状況や課題をしっかり分析して、自社のマーケティングに適したツールだけを契約することで不要な支出を抑えられます。
担当者が日常業務に取り入れられる操作性か
便利な機能が多数搭載されているHubSpotですが、実際に操作する担当者が使いこなせなければ導入しても効果が実感できません。
HubSpotは各ツールごとに無料のデモ版が提供されています。導入の事前段階として担当者に実際の操作をしてもらい意見を聞いておくと、イメージと現実のミスマッチを防げます。
代理店を通すのか・直接契約するのか
いくら操作性に優れたツールでも、実際に活用していくとさまざまな問題が生じます。
HubSpotには、機能面の相談に限定されていますが、コミュニティやメール、チャットなど問題解決のためのサポート体制が整っています。マーケティング戦略の設計や改善に関して相談できる代理店を別に見つけておくと安心です。
また、代理店を通してHubSpotの契約をするにはメリットとデメリットの両方があります。
メリットは、HubSpotを導入して目標を達成するための適切な戦略設計のアドバイスを受けられることです。戦略通りに実行した施策効果の検証と改善に関しても相談できます。
業務改善のPDCAについて、豊富な経験にもとづくアドバイスができる代理店がパートナーになってくれると心強いです。
一方、代理店に自社のビジネス内容や業務環境を把握してもらう必要があり、情報伝達やコミュニケーションに時間がかかる点はデメリットになりえます。実績豊富な代理店がパートナーであれば、自社状況の把握から戦略設計までの時間はある程度短縮できるでしょう。
サポート体制の側面から代理店を経由するのか、直接契約するのか検討しておくことをおすすめします。
HubSpotと類似ツールとの比較
MAツールにはHubSpotだけでなく他の会社が提供するサービスも多くあり、それぞれに独自の特徴を兼ね備えています。
HubSpot以外にどのような特徴を持ったツールがあるのか「Maruketo(マルケト)」「Engagement(旧Pardot)」「WordPress(CMS)」の3つの類似ツールの比較内容を解説します。
Adobe Marketo Engage
Maruketo(マルケト)はAdobe社が提供しているMAツールで、全世界で6,000社以上が導入しています。外部パートナーエコシステムが構築されており、650社以上の外部システムと広範に連携可能です。
HubSpotのCRMのような一元化された顧客管理システムはありませんが、カスタマイズ性が高く柔軟な分析方法が多数搭載されています。顧客がどのように商品を認知したのか、購入に至ったのかなど詳細なデータを可視化・分析して戦略に還元できます。
幅広い分析項目を活用して顧客に適したアプローチを実行したい場合は、Maruketo(マルケト)がおすすめです。
Salesforce Account Engagement
Engagement(旧Pardot)はSalesforceドットコム社が提供しているツールで、Salesforceと連携することでCRMの機能と統合して利用できます。メールを活用して見込み顧客のフォローアップができるのが特徴です。
すでに自社を認識している見込客に合わせたアプローチから契約に結び付ける点はHubSpotの機能と似ていますが、料金形態に違いがあります。Salesforceはユーザーごとに料金が発生し、機能を組みあわせると別途料金が発生するため注意が必要です。
新規顧客の獲得だけでなく、既存の顧客の満足度を上げ契約につなげることを目的とする場合はEngagement(旧Pardot)がおすすめです。
WordPress(CMS)
WordPressはブログやWebサイトを作成できるオープンソースのソフトウェアで、CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)と呼ばれます。Webサイトのテキストや画像を適切に更新・管理するためのソフトウェアで、CMS内のコンテンツなどの一元管理が可能です。
HubSpot CMS Hubと違い、サーバーの立ち上げや機能追加、メンテナンスなどを自社で行う必要があります。自社で行う手間はありますが、膨大な種類のプラグインを活用することでSEO機能が利用可能です。
数千種類もの拡張機能を任意に追加することで、必要な機能の付け外しが自由にできる特徴があります。
HubSpotと連携可能なツールの例
HubSpot単体でも十分な機能が備わっていますが、他の外部ツールと連携することでより便利に活用できます。
連携可能なツールとして「Salesforce(顧客管理ツール)」「Slack (グループチャット)」「Zoom(Web会議システム)」「Canva(デザイン作成ツール)」「G Suite(グループウェア)」 の5つを紹介します。
Salesforce(顧客管理ツール)はアメリカのSalesforce.com.incが提供するCRM/SFAツールです。
HubSpotで得た顧客の興味・関心情報は自動的にSalesforceに反映され、営業チームはリアルタイムで情報を把握できるためそれぞれの顧客に合ったアプローチの最適化が可能です。HubSpotと連携すると、お互いのツールを最大限活用できます。
Slack (グループチャット)はグループチャットの一つで、個別チャットやグループチャットを簡単に作成できます。また、過去のメッセージを遡ることも可能です。SlackとHubSpotを連携すると、HubSpotの更新情報はもちろん、メッセージをSlackを通して受け取れます。
Zoom(Web会議システム)は無料で使えるオンライン会議システムです。コロナ禍をきっかけに今では多くの企業や個人の間で活用されています。
ZoomとHubSpotを連携すると、ウェビナーの申し込みや受付、参加者管理をスムーズに行えます。また、ミーティング機能を使ってZoomリンクを顧客へ自動的に送信することも可能です。
Canva(デザイン作成ツール)はプロ顔負けのデザイン作成ができるツールです。多様なデザインプレートがあり、初心者でも扱いやすい操作のため注目を集めています。SNSの投稿画像・ロゴ・プレゼン資料など、使用用途はさまざまです。
CanvaとHubSpotを連携すると、Canvaのデザイン編集をHubSpotのダッシュボード上で行えます。また、ブログ記事用の画像をCanvaで作成すると、シームレスにHubSpotブログに反映可能です。
Google Workspace はGoogle が提供する企業向け情報共有システムです。G SuiteとHubSpotを連携することで、G-mail上での顧客とのやり取りをHubSpotへ履歴として送信でき、過去に顧客とどのようにコミュニケーションしたのかが一目で確認できます。
まとめ
HubSpotはマーケティング、セールス、カスタマーサポートなどインバウンドマーケティングに必要な機能が豊富に詰まったCRMツール・プラットフォームです。
顧客管理からアフターケアまで多方面的にカバーできる機能から自社に必要な機能を選択・カスタマイズできるため、自由度が高いという特徴があります。
料金設定もリーズナブルで無料プランから試せて始めやすいという利点があるため、HubSpotを活用して新規顧客につなげてください。