インタビュー記事の作り方・書き方・まとめ方と準備や取材の流れ
当記事ではインタビュー記事を書く際の、取材方法から実際の執筆までの流れ、また、まとめ方について徹底解説します。
「インタビュー記事の担当をすることになった」
「インタビューの方法や記事の書き方がわからない」
と取材や執筆に高いハードルを感じて不安になっている方は是非参考にしてみてください。
インタビュー記事の品質を高めるためには「事前準備」が重要です。この事前準備は取材前の段階から行う必要があります。
当記事を読んで、質の高い記事を作成していきましょう。
まずはインタビュー記事を書く目的・役割をおさえよう
インタビュー記事とは、インタビュイー(取材をされる人)へ質問し、得た回答をテキスト化(記事化)したものです。企業のWebサイトや新聞、雑誌などの紙面でインタビュー記事を目にする機会が多くありますが、このように企業で取り上げられる目的は3つあります。
・商品・サービスの信憑性の向上
・自社のブランドイメージの向上
・新商材の販売促進
企業の商品・サービスを実際に購入した体験者の記事は、購入・比較検討中の読者にとって有益な情報です。購入者のリアルな感想は記事の信憑性を高めます。
会社の経営者や社員に対して質問を行い、企業理念や職場についてのリアルな回答を得た記事は、会社の魅力が伝わりやすく、ブランドイメージの向上にもつながるでしょう。
また新商品・サービスの販売促進を目的として、開発に至るまでの経緯や失敗談、苦労した点などのエピソードを取り上げた記事は読者の共感や関心を惹きつけることが期待できます。
インタビュー記事の作り方・書き方
まず大前提として、インタビューの際は予め許可を取ったうえで、やりとりを録音するようにしましょう。インタビュー中の会話をその場で全てメモをすることは困難であり、また内容を忘れてしまうこともあります。
録音データを用意したうえで、以下に紹介する具体的な作り方と書き方を参考にしてみてください。
1.文字起こしと振り返り
まず録音した音声を文字に起こしていきましょう。また記憶が鮮明なうちに取材内容の振り返りを行い、簡単にまとめていきます。
どこで盛り上がったか、どの内容が読者に刺さりそうかなど、文字起こしと同時に記事の重要な部分も抽出していくと、後々の執筆がスムーズになります。以下で詳しく解説します。
インパクトのあるワードやエピソードを見つけておく
インパクトのあるワードやエピソードを見つけておくと、印象的なタイトルや見出しを作成しやすいです。
Webサイト上で記事を読んでもらうためには、タイトルで引きつけ、読者にクリックしてもらう必要があります。単純なタイトルよりも、キャッチーなワードを入れたり、インパクトのある言葉を入れたりすることで、読者の目に留まりやすくなります。
また、上手く記事に誘導できても見出し(目次)に魅力がない記事では、すぐに離脱する可能性もあります。予めインパクトのあるワードや、興味をそそるようなエピソードを洗い出しておくことで、読者を引きつける工夫ができるようになるでしょう。
インタビュー内容を取捨選択しておく
文字起こしの段階では会話の内容を全て書き起こしますが、実際執筆する際は全ての内容を記載する必要はありません。
取材中は話が逸れたり、まとまっていなかったりすることもあるためです。文字起こし・振り返りの段階で、内容を取捨選択しておくことで執筆の際に負担が減りおすすめです。
2.記事構成を組み立てる
次に文字起こし中に洗い出した重要箇所などを参考にしながら、記事の構成を組み立てていきましょう。構成を立てる際に最低限意識したいポイントは以下の2つです。
・冒頭にはインタビュイーの情報をまとめる
・流れを意識したストーリー仕立ての構成にする
順番に解説します。
冒頭にはインタビュイーの情報をまとめる
記事の冒頭にインタビュイーの情報をまとめると、読者が記事をスムーズに読み進めることができます。
記事の主役となるインタビュイーがどんな人なのか全く分からない状態では、読者は興味を持ちづらいです。バックボーンを紹介することで、共感する部分があったり、尊敬の意や好感を持つ部分がでてきたりするので、読者は興味を抱きやすくなるでしょう。
「その人らしさ」は記事のオリジナリティアップにもなるため、インタビュイーの情報を冒頭に盛り込んでみてください。
流れを意識したストーリー仕立ての構成に
インタビュー記事は、話の流れを意識したストーリーに仕上げる必要があります。そのため、構成を作る際は「起承転結」を念頭におくことが重要です。
例えば、絵本や漫画などで考えると起承転結がイメージしやすいでしょう。作品の中に起承転結の要素が1つでも不足してしまうと、物語の流れが不自然に感じたり、盛り上がりに欠けたりします。面白くないと判断した読者は途中で読むことをやめてしまうでしょう。
インタビュー記事も作品同様に、ストーリーの展開がつかみやすいよう留意しながら記事構成をしてみてください。
3.構成に沿って執筆する
記事構成を整えた後は実際に執筆をしていきましょう。執筆の際に最低限抑えておきたいポイントは以下です。
・人柄が伝わるようなエピソードを盛り込む
・話し言葉や不自然な表現を直す
順番に解説します。
人柄が伝わるようなエピソードを盛り込む
取材中の質問・回答のみを記載した単純な記事では、読者を惹きつけることはできません。魅力的な記事にするためにも、人柄が伝わるようなエピソードを盛り込むといいでしょう。
例えば、新商品の開発を決心したのは「いつ、どこで、何がきっかけだったか」など、具体的なエピソードを予め聞き出し、執筆することが重要です。
インタビュイーの体験談は、その人の思考や人柄が伝わりやすいため、読者に関心や共感を与えることができます。ただし誇張表現や事実と異なる内容にならないよう、注意してください。
話し言葉や不自然な表現を直す
取材中の話し言葉を書き言葉に言い換えたり、文字では伝わりにくい会話の表現を直す必要があります。
取材担当者はその場で話を聞いているため言葉のニュアンスなどから内容の理解ができますが、話の内容をそのまま文章にしても、読者は理解することが難しい場合もあります。
そのため、記事を読んだ際に伝わりづらい部分には言葉を追加したり、伝わりやすい表現に言い換えたりするテクニックが求められます。
4.インタビュイーを含めて複数の目で校正・編集する
執筆後は社内担当はもちろんのこと、他にもインタビュイーを含めた複数の目で校正・編集を行ないましょう。以下の例のように、1人の確認が終わったら次の担当者にボールを渡していくフローにすることで、より精度の高い記事へと仕上がります。
1.執筆者本人による自己確認
2.校正担当者による校閲
3.編集担当者による編集および確認
4.インタビュイーによる確認
もし執筆した本人のみが確認したり、確認の目が少なかったりすると、不自然で読みづらい表現や誤字脱字が残っている場合にも、見落としてしまう可能性が出てくるでしょう。人の目が増えれば増えるほど、こうしたミスに気付く確率は高くなり精度があがります。
また執筆者は、日時や数字などのデータを記載する場合、エビデンスがとれるURLやデータを残しておくと良いです。そうすれば校正者や編集者はデータを確認しつつ、正確な情報をチェックすることができます。
5.インタビュイーへ最終チェックを依頼する
記事が完成した後は、インタビュー内容に過不足や誤りがないか最終チェックをしてもらいます。修正があれば、その都度対応する時間が必要になるため、余裕を持った期日の設定をしましょう。
作成前に知っておきたい|インタビュー記事の主な3つのまとめ方
ここからは、取材担当者の視点から捉えたインタビュー記事の書き方を3つ紹介していきます。それぞれの長所・短所も解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
対談タイプ(Q&A)
対談タイプは、取材担当者がインタビュイーに語りかける形式で質問と回答が順番に出てくるのが特徴です。文体の基本は「です・ます」調で、例にすると以下のような文章になります。
A:〇〇です。
Q:なぜ好きなのでしょうか?
A:主人公がどんな時も前向きで、見ている私もポジティブな気持ちになれるからです。
対談タイプの良いところは、実際の取材の雰囲気に近く、また質問に対してテンポよく回答も進んでいくため読者は文章が読みやすいことです。
一方で、質問と回答の繰り返しになってしまうので単調になりやすく、構成を整えることが難しい場合があります。さらに、テキスト量に対して盛り込める情報量が限られてしまうことはデメリットでしょう。
モノローグタイプ(一人称視点)
モノローグタイプは、取材担当者がインタビュイーとの会話を1人で話すような記事になります。文体の基本は「です・ます」調で、例にすると以下のような文章です。
このように、モノローグタイプではインタビュイーの人柄や思いがより伝わりやすいです。文章が柔らかい印象になるため、読者に親近感を抱いてもらうことができます。一方、対談タイプと同様に構成を整えたり話の展開を切り替えたりすることが難しい短所があります。
ルポタイプ(三人称視点)
ルポタイプは、取材担当者の視点で第三者に向かって内容を語るような記事です。印象深いエピソードを盛り込むことができ、記事の臨場感を高めます。文体の基本は「だ・である」調が多く、例えば以下のような文章です。
多忙な彼女が、つかの間の休息に開いた本は〇〇だった。
なぜ今それを読むのかと伺うと「うまくいかないことや辛いことが起きても、この主人公のように強く前向きに頑張っていれば、いつか光は見えてくるように思える」と彼女は言った。
そう答える彼女の目は、キラキラと輝いているように見えた。
少し堅い印象になりますが、読者に説得力を与えることができます。報道などに多用されるケースが多いようです。
インタビュー取材に必要な事前準備の流れ
インタビュー記事で重要なポイントは、冒頭でも述べたとおり「事前準備」です。準備次第で記事の品質が変わるため、以下で取材前にやるべきことを確認しておきましょう。
1.テーマを決めてインタビュイーを選定する
まずはインタビュー記事の目的を明確にしましょう。記事で読者に何を伝えたいのかによって、誰にインタビューするべきか、そして何を質問して何を引き出すべきなのかも変わってきます。
またインタビュイーの選定は、市場の認知度や販売・売上実績などをもとに対象者を決める方法も一つです。記事のテーマ・目的にあっており、かつ認知度や経験、信頼のできる人を探してみましょう。
2.アポイントメントを取る
次はアポイントメントを取り、場所と日時を決めましょう。自社以外で取材をする場合には、事前に場所の予約をしたり、許可をとったり、予め何か問題はないか確認しましょう。
場所とスタッフの都合が良い日をインタビュイーに伝え、日時を決めていきます。急な体調不良やその他事態に備え、予備日も予め決めておくとスムーズです。
3.インタビュイーについて徹底的にリサーチする
アポイントメントが取れたら、インタビュイーについて徹底的にリサーチしましょう。WebサイトやSNS、新聞、雑誌などあらゆる媒体でチェックします。
相手のことを何も知らないまま取材をすることは、失礼にあたります。とくに専門性が高い職種では用語を確認しておかなければ、話についていけません。インタビュイーから補足してもらうのではなく、事前に最低限の知識をつけておくことが重要です。
限られた時間を有効活用するためにも、質問をしなくても把握できる情報は調べておきましょう。その場でしか得られないインタビュイーの人柄や貴重な体験談が聞けると、記事の価値とオリジナリティアップにつながります。
4.質問する内容をあらかじめ決めておく
あらかじめ質問する内容を決めておくと、スムーズに取材を行うことが可能です。とくに、はじめて取材を担当するのであれば、当日の流れや質問内容を決めておくと落ち着いて進行することができます。
またインタビュイーが質問の回答につまるケースも考えられるでしょう。その際に、答えやすく誘導してあげられるような言葉や質問も用意しておくと、インタビュイーも安心して取材に応じることが可能です。
5.取材や質問の内容を共有しておく
取材当日はインタビュイーが緊張している場合や、質問内容によりその場ですぐに回答できないこともあります。そのため、事前に質問内容を共有しておくと当日スムーズな取材の進行が可能です。
また、全ての質問を取材時間中に聞くことできない場合もあります。そのため、優先するべき質問と時間があれば聞く質問など、分けて考えておくと良いです。
とはいえ、唐突に話が変わってしまうとインタビュイーも混乱しますので、極力自然な会話の流れになるよう留意しながら質問の順序を整えることがポイントです。
6.当日必要な持ち物を準備する
以下で、取材当日に最低限必要な持ち物を紹介するので入念にチェックしておきましょう。
・名刺
・時計
・ボイスレコーダー
・パソコンもしくはノート
・カメラ
ボイスレコーダーは最低でも2台用意すると安心です。もちろんスマホでも問題ありません。複数の録音機材を使うことにより、「録音ができていなかった!」という不測の事態を防ぐことができます。
ICレコーダーとスマートフォンの充電を入念に確認しておくことも重要です。
またインタビュー時の写真を抑えておくことで、記事を制作する際に役立ちますのでカメラも準備しましょう。取材に集中したい場合は、カメラマンを別の担当者に任せる方法もあります。
インタビュー取材の流れとポイント
ここからは取材をスムーズに進めるためのポイントと流れを紹介します。
1.取材開始前|話を始める場を整える
まず当日の服装選びもポイントです。話しやすい環境を作るためにも少しラフなカジュアルスーツを着用するといいでしょう。
取材場所に到着後は、予め準備していた複数の録音機材やノートなどを用意し、環境を整えておきます。インタビュイーがどこに座るのかも予め決めておきましょう。
またインタビュイーの席には、飲み物の準備をしてあげると親切です。そしてインタビュイーが現場に到着しても、急に取材を始めてはいけません。これについて詳しく解説します。
取材にあたって必要な内容を伝達・確認する
まず取材を開始する前に、以下の内容をインタビュイーに確認しておくことで認識の齟齬を防ぎ、よりスムーズに取材を進めることができます。
・目的の説明
・予定終了時間
・録音、撮影の承諾(用途以外に使用しない)
・記事は後で修正・編集が可能であること
始める前に全体の流れや時間が把握できると、インタビュイーの緊張もほぐれるでしょう。
アイスブレイクで相手の緊張をほぐしておく
話しやすい雰囲気にするためにアイスブレイクは重要です。挨拶を交わし名刺交換後にいきなり取材を開始してしまうと、インタビュイーの緊張が解けず、良いパフォーマンスが発揮できない可能性があります。
まずはお互いに打ち解けるためにも、取材とは関係のないカジュアルな会話をしてみてください。とくに取材に慣れていないインタビュイーの場合は、趣味などの話をすると打ち解けやすくなり緊張もほぐれるでしょう。
※アイスブレイク:その場に集まった参加者の緊張を和ませること
2.取材本番|テンポよく進行する
準備していた質問リストを見ながらテンポよく進行していきましょう。
インタビュイーが言葉に詰まった際は、答えやすいように別の言葉を投げかけつつ補助してあげると良いです。とはいえ、時には静かに待ってあげることも大切なので、状況を見ながら判断しましょう。
相手の表情をみながら上手に進めることで、気持ちよく取材を受けてもらうことができます。
進行をコントロールする
限られた時間で取材を進める必要があるため、相手に不快感を感じさせないように、かつ進行をコントロールするテクニックが求められます。
その場の雰囲気を盛り上げることは大切ですが、盛り上げることに集中しすぎて時間が足りなくなり、聞きたい質問が聞けないまま終了してしまうようなことは避けましょう。
進行をコントロールするために、時間配分を常に意識します。例えば、1時間の取材の場合、アイスブレイクで10分、質問1〜10までを25分程度、質問11〜20は最後の25分程度、もしも時間が余れば〇〇を質問する、など細かく考えておくと良いです。
メモを取ることに集中し過ぎない
実際に取材することは、録音機材では残せない相手の表情やその場でしか感じられない雰囲気を記録することが可能です。後々執筆する際にイメージがしやすいといったメリットがあります。
しかし、メモを取ることに集中しすぎると話が途切れるなど、テンポよく取材を進行することができません。メモは当日の流れやストーリーを適度に記録する程度に留めておきましょう。
話しやすい雰囲気を保つ
話しやすい雰囲気をキープするためには、聞く姿勢を見せることがポイントです。相槌を適宜入れるなどして、関心を持っていることを相手に表現しましょう。
また取材側は表情にも気を付けてください。真剣に話を聞くあまり、固く怖い表情をしていると、相手も話しにくくなります。
答えやすい質問をして話題を引き出す
先述したように質問をしても、インタビュイーは回答につまる場合があります。その際は「オープン・クエスチョン」と「クローズド・クエスチョン」を使うと効果的です。
例えば、オープン・クエスチョンで相手が考え込んでしまい答えられない際は「それはAとBどちらの方が近いですか?」というように、クローズド・クエスチョンに変えて誘導してあげましょう。
3.取材終了後|お礼と今後の予定を伝える
取材終了後は、取材を受けてくれたことへの感謝の気持ちを直接伝えましょう。同時に今後の予定や、以下のような「お願い」を伝えることも重要です。
・記事掲載までのスケジュールを共有し、掲載前に記事の確認をお願いする
・文章にする際、読者に伝わりやすいよう表現を言い換える場合があることを了承してもらう
細かいところまで配慮することは、相手に信用と好印象を抱いてもらうことにつながります。誠実に対応しましょう。
まとめ
インタビュー記事で重要なポイントは「事前準備」です。コンテンツ作成の目的や内容を明確にすることで、取材と記事の書き方をスムーズに進行することができます。
ぜひ当記事を参考にして、読者の心に響く記事を作成してみてください。
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