動画制作の見積もりに含まれる項目や費用を抑えるポイントを紹介
動画制作を依頼する際には、見積もりをもらう必要があります。見積もりには、動画制作にかかる費用がすべて記載されていますが、見積書をよく確認し、費用を抑えるポイントを理解しておくことが大切です。
動画制作は、同じ条件であっても、制作会社によって費用が大きく異なります。そのため、複数の制作会社に見積もりを出してもらい、比較検討しましょう。
今回の記事では、動画制作の見積もりに含まれる項目や見積書を確認・比較する際の注意点について解説します。動画制作に携わる人はぜひご参考ください。
動画制作の見積書に含まれる主な項目
動画制作の見積書に含まれる主な項目は以下です。
・企画費
・ディレクション費
・キャスト・撮影・編集・その他人件費
・スタジオ費やロケ地の利用費
・その他の諸経費
順番に見ていきましょう。
企画費
動画制作の見積書に記載されている項目1つ目は、企画費です。企画費は、動画制作プロジェクトの初期段階で発生する費用を指します。
動画のコンセプトや内容、出演者などアイデアを考え出すための費用、ターゲット層を絞るための市場動向の調査・リサーチ費用、使用する映像素材や音楽などの著作権確認に関する費用があげられます。
ディレクション費
ディレクション費は、動画制作プロジェクトにおける見積もりの中で、企画から撮影に至るまでのディレクション業務に関連する費用を指します。
絵コンテやシナリオの方向性を決めていくのも基本的にはディレクターの仕事です。このディレクターの報酬もディレクション費に含まれます。
大規模な動画制作プロジェクトの場合は、アシスタントディレクターや制作スタッフの費用、コーディネーターの費用もかかってきます。
質の良い動画の制作には経験と知識を持ったディレクターの存在は欠かせません。スキルを持ったディレクターに依頼する場合はディレクション費も高くなります。
キャスト・撮影・編集・その他人件費
キャスト・撮影・編集の費用も、動画制作の見積もりを取る際に重要です。YouTubeで撮影や編集の裏側を見ることもできるようになったため、動画制作をする上で、最もイメージがしやすいでしょう。
・キャスト費用
女優や俳優のCMやドラマの1本の出演ギャラランキングを見たことがある人も多いのではないでしょうか。
キャスト費用は、動画に登場する俳優やモデル、ナレーターのギャラや報酬に関連します。キャストの経験や知名度、役割の重要度、出演時間の長さなどに基づいて決定されます。
・撮影費用
撮影費用は、映像の撮影に関連する費用を指します。これにはカメラマン、照明スタッフ、音声スタッフ、撮影助手などの専門スタッフの給与や報酬が含まれます
・編集費用
編集者に対する費用です。編集者によって、CGが得意、アニメーションが得意など得意ジャンルも異なるため、コンセプトにあった編集者を選ぶことが重要です。
・その他の人件費
撮影に必要な、ヘアメイク、衣装、照明スタッフなどです。
スタジオ費やロケ地の利用費
動画制作の見積もりにおいて、スタジオ費やロケ地の利用費も比較検討するべき重要な要素です。
スタジオ費は時間単位での利用料金が一般的ですが、ロケ地の利用費は場所や期間によって異なります。比較する際には、スタジオ費とロケ地の利用費を含めた総額を確認しましょう。
また、スタジオ費には追加の設備やスタッフの費用が含まれているか、ロケ地の利用費には使用許可料などが含まれているかも確認してください。
さらに、スタジオとロケ地の使い勝手や魅力も比較ポイントです。どちらがプロジェクトの雰囲気やコンセプトに合っているかも含めて検討しましょう。
その他の諸経費
DVDやBlu-rayを作成するなど、マスターデータを作る必要がある場合は、マスターデータ作成費と呼ばれる費用が発生します。企画費でも触れましたが、映像作品や使用する楽曲に関する著作権の使用料、オリジナル楽曲を制作する際の費用も諸経費に含みます。
キャスト・スタッフの食事や、大道具・小道具の制作が必要な場合は、その費用も見積もりとして発生します。また、 スタッフやキャストの移動費、宿泊費なども諸経費に含まれます。
また、ナレーションのためにスタジオを借りる場合は、MAスタジオ費も考慮すべき項目です。比較の際は、ナレーターが必要なのか、MAが必要なのかも考慮してその項目が見積もりに含まれるか確認しましょう。
※MAスタジオ:音声編集を行うダビングスタジオのこと。「MAスタジオ費」にはスタジオ利用料だけでなく、技術者の人件費が含まれることもある。
諸経費は、動画制作のプロジェクトごとに大きく異なります。プロジェクトの進行に伴い予期せぬ費用が発生する可能性もあるため、余裕を持った予算で見積もりを作成してもらうことを推奨します。
動画制作見積もりの相場はどのくらい?
動画制作の見積もり相場は非常に幅広く、制作する動画の長さや種類によって異なります。ここでは、動画の種類別にそれぞれの大まかな費用を紹介します。
・YouTube動画:15万〜20万円
・会社・事業紹介動画:30万〜100万円
・ブランディング動画:100万円~
・イベント・セミナー動画:15万〜200万円
上記の費用は、あくまでも費用の相場です。演出やキャストの費用によっても大きく差が出るため見積額の目安と捉えてください。また、動画制作の費用相場は以下の記事でより詳しく解説しているのであわせて確認ください。
動画制作会社に見積もり依頼をする際に伝えるべき項目
ここまで、動画制作に含まれる項目について1つずつ詳しく紹介してきましたが、実際に動画制作会社に見積もりを依頼する際には、その他にも伝えるべき項目が大きく分けて4つあります。
動画を制作する目的や目標
動画制作の見積もりを取る際は、必ず、目的や目標を明確に伝えましょう。
・なぜ動画を制作するのか
・動画を見た視聴者には、視聴後どのようなアクションを取ってほしいのか
・動画で伝えたいメッセージ
・完成イメージが固まっている場合は、その完成イメージ
これらが共有できていれば、制作会社とのギャップも生じにくくなります。社内向けの動画なのか、個人向けのエンターテインメントを提供する動画なのか、といった大まかなターゲット層のイメージも合わせて共有しましょう。
予算
予算は動画制作プロジェクトにおいて重要な要素です。見積もりを取る際、主に2つのパターンが考えられます。
1つは、動画の内容やイメージがすでにできており、その動画を作成するのにどのくらいの費用が発生するか確認したいパターン。2つ目は、既に予算が決まっており、この予算内で制作内容を依頼するパターン。
2つ目のパターンでは、予算内での見積もりが基本となりますが、1つ目のパターンでは、動画に付加価値をつけるために制作会社からオプションや追加の提案を受けることもあります。
大幅に予算をオーバーした見積書を提示されないよう、事前に大まかな予算をきちんと伝えておきましょう。
希望の納期や動画公開日
希望納期や動画公開日も事前に伝えておくと無難です。動画制作は途中でスケジュールが押してしまったり、完成したあとに修正が必要なったりするケースが少なくありません。
希望する納品日だけでなく公開日を伝えることで、万が一イレギュラーな対応が必要になった際や、スケジュールが押した際も「公開日には何とか間に合わせる」という姿勢で、進めてくれることがほとんどです。
納期と公開日を明確にし、それを見積もりの際に伝えましょう。
参考となるイメージ動画
動画制作の見積もりを取る前に、動画の目的や目標を考えるはずです。この際、参考となる動画やYouTubeなどで関連する視聴回数の多い動画を数本ピックアップしましょう。
文章だけで、このような動画を作りたいと説明をしても、制作会社との動画のイメージが共有しづらいため、参考となる動画を用意しておくことが重要です。
そのうえで、すでにアップロードされている動画との差別化を図るために、どのような動画素材が欲しいのかといった提案も行うと視聴者に刺さりやすい動画を作ることができます。
動画制作の見積もり額を抑える方法
動画制作を制作会社に依頼する場合は、複数の製作会社に見積もり依頼を出し、比較検討した上で正式に契約を交わしましょう。ここからは、具体的な動画制作の見積もり額を抑えて、コストを削減する方法を2点解説します。
撮影箇所を必要最低限に減らす
動画制作において、最も費用が上下するのが撮影の工程で、動画制作の見積もりでは、撮影工数が増えるほど費用も増えます。キャストを用意する場合は、拘束時間が長くなるほど人件費も高くなり、撮影時間が伸びるほど、スタジオやロケにかかる費用も高くなります。
新たに撮影をするのではなく、すでに社内にある画像や動画を使用して説明をしたり、ナレーションをつけて説明をするなど、撮影時間を必要最低限に減らす工夫も必要です。
社長や自社の社員をキャストに起用する
撮影時間を減らすのではなく、キャストの人件費を減らすことも、動画制作における見積もり額を減らす一つの手です。
そのため、キャスト(出演者)に自社の社長や社員を起用することで、制作費を抑えられます。株式会社ワンキャリアやすしざんまい、高須クリニックなどが有名な例です。
参照:
イメージに合ったキャストを探す時間や手間の削減、オーディションにかかる費用をカットすることができます。しかし、知名度の高いタレントやインフルエンサーが出演する動画は視聴回数が増える傾向があるため、目的や内容、予算に合わせて検討するようにしてください。
動画制作の見積もりの注意点
最後に、動画制作の見積もりを確認する際の注意点についても2点紹介します。
1. 知的財産権の帰属
2. 不明点の質問
知的財産権の帰属
動画制作の見積もりを確認する際の注意点1つ目は、動画の著作権がどこにあるのかを明確にすることです。自社webページ用の動画を作成し、2次利用して展示会やセミナーで流したり、YouTubeで収益化を想定している場合などは特に重要です。
1から全て制作会社が動画を作った場合は、著作権が動画制作会社にある場合も存在します。2次利用が制限されるケースもあるため、依頼する前に知的財産権(著作権)の所在を明確にしておきましょう。
不明点の質問
動画制作の見積もりを確認する際の注意点2つ目は、分からないことは質問することです。
前述した通り、見積書を提示された際に、制作会社からオプションを提案される場合もあります。契約後に必要ない項目が含まれていた、といった問題を発生させないためにも不明点は1つずつ質問し、解消していきましょう。
また、動画制作会社ごとに見積書のテンプレートがあり、書き方も異なります。企画費にディレクション費が含まれていたり、諸経費の中にカメラマンやアシスタントの費用が含まれている場合もあります。
費用の内訳を1つずつ確認することで、コスト削減する際にも検討がしやすくなります。
まとめ
動画制作の見積書は、動画制作に想定される費用をすべて記載したものです。しかし、見積もり書に記載されている費用が必ずしも正確であるとは限りません。
そのため、見積書をよく確認し、費用を抑えるポイントを押さえておくことが大切です。動画制作の費用を抑えるためには、複数の制作会社を比較し、制作費を交渉しましょう。
なるべく見積もり額を抑えた動画制作をしたいと考えている場合は「コンテンツファクトリー」にご相談ください。最も費用がかかる本格的な撮影を省いた動画制作を得意としています。
アニメーション動画や資料を利用した動画にすることで費用を抑えた提案が可能です。ぜひ一度お問い合わせください。
以下の動画でもコンテンツファクトリーについて詳しく解説していますので、興味のある方はご覧ください。
株式会社HubWorks マーケティング部 2021年よりインターネット広告代理店に入社し、月間数億規模の広告運用を経験。 2022年に株式会社Hub Worksに入社しマーケティング担当者として、ウェブ広告やSEOなどの集客、 記事やホワイトペーパー作成などのコンテンツ制作業務に従事。