オウンドメディアとコンテンツマーケティングの違いとは?【徹底解説】
オウンドメディアやコンテンツマーケティングという言葉を聞いたことがあっても、明確にその違いを理解していない方も多いかもしれません。
効果的な運用を行うためには、この二つの違いを正しく理解することが重要です。
この記事では、コンテンツマーケティングとオウンドメディアの違いをわかりやすく解説し、それぞれがなぜ重要なのか、さらにその役割や目的、運用方法についても詳しく紹介します。
また、コンテンツマーケティングの一環としてオウンドメディアを成功に導くためのポイントも取り上げます。
コンテンツマーケティングやオウンドメディアについて知りたい方や、オウンドメディアの運用を検討している企業担当者の方にとって、この記事が参考になれば幸いです。
コンテンツマーケティングとオウンドメディアの関係性
コンテンツマーケティングとオウンドメディアは、密接な関係があります。しかし、両者の違いが詳しく分からない人も一定数いるのではないでしょうか。
それぞれの定義と違いを詳しく紹介します。
コンテンツマーケティングとは?
コンテンツマーケティングとは、非認知層および見込み客に対して有益な情報を発信して自社の集客につなげる手法です。ブログ記事や動画、SNS投稿など多くの種類があります。
最終的な目標は、自社で設定したコンバージョンを達成することです。ただしユーザーに対してアクションするよう、ストレートに訴求するケースは少ないです。
コンテンツマーケティングでは、ユーザーが悩みを解決できるような情報を優先して届けることで、ファンを増やし、長期に渡ってコンバージョンを得られる可能性も高めていくことが多いです。
コンテンツマーケティングの詳細は以下の記事を御覧ください。
コンテンツマーケティングとは?活用するメリットや成功事例を紹介
オウンドメディアとは?
オウンドメディアとは、個人や企業が自身で保有するメディアのことです。一度立ち上げれば自由に情報発信できるため、多くの企業が活用しています。
オウンドメディアの長所は、半永久的に保有できる点です。ファン層が多くなれば、継続的にアクセスしてもらえる可能性も高まります。
一方で、多くの層に認知されるまで、ある程度の時間を要するところが注意点です。特に検索エンジンでヒットさせるには、質の高いコンテンツを投稿し続ける必要があります。
オウンドメディアに関してはすぐに結果を求めようとせず、長期的な視点で戦略を立てましょう。
また、オウンドメディアの種類には、コーポレートサイト、ブログ、ECサイト、ブランドサイト、メールマガジン、採用サイトなどがあります。
それぞれのタイプによって、適切なコンテンツを提供することで顧客との関係が深まります。
コンバージョン獲得型や独立事業型など、さまざまなメディアタイプを持つのがオウンドメディアです。
さらに、専門知識型、自社PR型、提案型、サポート型、オピニオン型、ユーザー参加型、EC型などのオウンドメディアも存在します。
オウンドメディアのタイプによって、目的や運用方法、想定されるKPIが異なります。
企業は自社の特徴や目的に合わせて、適切なオウンドメディアの形態を選び、顧客とのコミュニケーションを強化していくことが必要です。
コンテンツマーケティングとオウンドメディアの違い
そもそもコンテンツマーケティングとオウンドメディアは、概念に大きな違いが見られます。
前者はWebマーケティングの一種で、後者はその手法を支える存在です。関係性としては、オウンドメディアはコンテンツマーケティングの一部となります。
コンテンツマーケティングは、ユーザーが必要としている情報を提供し、最終的に購入や契約などのCVへとつなげることを目指します。
一方、オウンドメディアは、コンテンツを使って集客やユーザーとの関係構築を行うことが主な目的です。
また、コンテンツマーケティングはプラットフォームを問わず情報発信が可能ですが、オウンドメディアはWEBサイトを通じて情報発信することです。
両者は密接な関係にあり、コンテンツマーケティングの一部としてオウンドメディアを利用することがあります。
オウンドメディアはコンテンツマーケティングの戦略の一部であり、計画や作戦の手法や手段です。
このように、コンテンツマーケティングとオウンドメディアは異なる役割を持ちながらも、相互に関連しています。
コンテンツマーケティングとオウンドメディアの共通点
コンテンツマーケティングとオウンドメディアは、見込み客に価値ある情報を提供することが目的です。
コンテンツマーケティングでは、興味を持ってもらえるコンテンツを作成し、顧客との信頼関係を築きます。オウンドメディアでは、自社メディアを通じて顧客に有益な情報を提供し、関係性を深めます。
また、どちらも重視している点は顧客のニーズや課題に応えることです。コンテンツマーケティングでは、顧客の問題が解決できるコンテンツを提供し、ブランドや商品・サービスの認知度や評価を向上させます。
オウンドメディアでは、自社のコンテンツを通じて顧客の関心事に応え、ブランドの価値を高めます。
さらに、両者は見込み客に適切な情報を発信して、最終的に購入いただけることです。このように、コンテンツマーケティングでは、顧客のニーズに合わせた情報を提供し、購買意欲を高めます。
オウンドメディアでは、自社メディアを通じて顧客に必要な情報を提供し、売上につなげます。
コンテンツマーケティングやオウンドメディアが重要な理由
インターネットとソーシャルメディアの進化により、情報へのアクセスと共有が簡単にできるようになりました。
これにより、ユーザーの情報収集方法も変化し、ユーザーは自分自身で必要な情報や興味のあるトピックを検索し選択できるようになりました。
そこで、企業はオウンドメディアやコンテンツマーケティングを活用し、ユーザーと接触するための施策を行う必要があります。
ターゲットを明確に定め、ニーズに合致する高品質なコンテンツを作成し、集客やブランディング、拡散の効果を最大化することが重要です。
オウンドメディアとコンテンツマーケティングは、情報過多の時代において差別化と成果を上げるために欠かせない要素です。
コンテンツマーケティングとオウンドメディアの役割
コンテンツマーケティングとオウンドメディアは、マーケティング戦略において重要な役割を果たします。ここでは、それぞれの役割について解説します。
オウンドメディアの役割:リード獲得
BtoBにおいては、SEO対策で自社メディアを上位表示化させ、ユーザーからの問い合わせや資料請求を獲得することが大きな役割となっています。
ユーザーに有益だと感じてもらえる情報や「使ってみたい」と興味をそそられるコンテンツを作成するようにしましょう。
例えば、業界の最新動向やトレンド、問題解決のヒントなどを提供することで、ユーザーの関心を惹きつけます。
ただ、SEOで上位表示させるには、一定のテクニカルスキルが必要になりますので、そちらも把握した上で、コンテンツを作成することが必要になります。
オウンドメディアの役割は、リードの獲得だけではありません。育成やブランドの価値向上にも関わっています。
企業はオウンドメディアを有効活用し、継続的なコンテンツ提供を行うことで、効果的なマーケティング戦略を展開できます。
コンテンツマーケティングの役割:継続的なアプローチ
コンテンツマーケティングは、商品やサービスに興味を持ってもらうためのきっかけ作りから、信頼を獲得して購入や利用、そしてリピートしてもらうまでのプロセスを担っています。
コンテンツマーケティングでは、オウンドメディアの運用や動画の制作、ホワイトペーパーやメールマガジン、ウェビナーなど、さまざまな形式のコンテンツを活用します。
ターゲットに合わせてさまざまな手法でアプローチし続けることができます。この手法の特徴として、プル(引き出す)型のマーケティングであることが挙げられます。
つまり、企業が情報を発信し、消費者が自分のタイミングで情報を取得するという方法です。情報過多の現在では、プル型のほうが好まれる傾向にあります。
コンテンツマーケティングとしてのオウンドメディアの目的
オウンドメディアは、コンテンツマーケティングの目的を達成させる際にも必要な存在です。うまく運用すれば、自社のビジネス全体にも良い影響を与えます。
オウンドメディアを保有する目的について紹介しましょう。
潜在顧客へのアプローチ
オウンドメディアの目的として、潜在顧客へのアプローチが挙げられます。コンテンツマーケティングでどれだけ情報発信しても、企業の存在を認知していないユーザーには届きません。
潜在顧客から問い合わせや資料請求をしてもらうには、サイトへつなげるための入り口が必要です。
オウンドメディアは、その入り口としてユーザーに商品やおよびサービスを認知させる役割があります。
さまざまな観点から有益な情報を届け、潜在顧客がファンになってくれるよう取り組みましょう。まずは、相手の信頼を得ることがオウンドメディアの運用で重要です。
見込み客の獲得・育成
オウンドメディアは、見込み客の獲得や育成に役立ちます。
見込み客とは、まだ自社の製品やサービスを利用したことはないものの、興味や関心を持っていて、将来的に購入や利用する可能性がある人のことです。
例えば、アパレル企業の場合、ただ「服が欲しい」と思っている人全般が潜在顧客です。
それに対して、見込み客は「このブランドのトップスやインナーに興味がある」と具体的に自社の商品に関心を持っている人を指します。
潜在顧客には、どんな種類の洋服を取り扱っているのかといった基本的な情報を発信しますが、見込み客に対しては、洋服の詳細な特徴やコーディネート方法など、より深い情報を提供することが重要です。
それぞれのニーズに合わせたコンテンツを配信できれば、次のステップへとつながるでしょう。
顧客ロイヤリティの向上
顧客ロイヤリティとは、顧客が企業やブランドに対して抱く信頼や愛着の強さを指します。
特定のブランドや企業に対してロイヤリティを持っていない顧客であれば、とくに決まったブランドにこだわらず、商品のみに着目して購入を検討するでしょう。
例えば、靴が欲しい場合、特定のブランドに興味がない人は靴屋さんに行って、デザインや履き心地を基準にいろいろなブランドの靴から選びます。
しかし、ロイヤリティが高い顧客は、他のブランドを見ずに、常にお気に入りのブランドから靴を選んで購入します。つまり、靴が必要な時には、そのブランドの靴を必ず選ぶということです。
さらに、こうした顧客は、長期間にわたって自社製品を買い続けるだけでなく、口コミで好評を伝えたり、友人や家族に勧めたりすることで、自社の認知度を自然に広めてくれる存在でもあります。
このような、商品の購入以上に強い関係を築くために、オウンドメディアは非常に効果的なツールといえるでしょう。
自社ブランディング
オウンドメディアは、自社のブランディング(企業や商品およびサービスの価値を高めること)を図る目的でも使われます。売買する上で特に心がけたい要素が、信頼関係の構築です。
いくら性能の高い商品を提供しても、顧客からの信頼が得られなければ簡単には購入してもらえません。商品やサービスに対して、いかに良いイメージを持ってもらえるかが大切です。
オウンドメディアでブランディングを図るには、他社との差別化を意識しましょう。そのためにも、オリジナル性あふれるコンテンツを提供してください。
独自の観点で情報発信することが、自社の認知拡大につなげるコツです。
コンテンツマーケティング、オウンドメディアそれぞれの開始前の確認事項
コンテンツマーケティングとオウンドメディアは、企業が情報を発信する手法ですが、それぞれ特徴が異なります。
コンテンツマーケティングでは、企業が自社の価値を提供するためのコンテンツを作成し、それを通じて顧客との関係を築きます。
一方、オウンドメディアは、企業自身が運営するメディアであり、自社の情報やコンテンツを発信することで顧客との関係を深めます。
コンテンツマーケティングを始める場合は、継続してコンテンツを作成できる体制が整っているか確認しておく必要があります。
コンテンツ作成は容易な作業ではないため、継続が難しい場合は外部の制作会社にアウトソーシングすることも検討しましょう。
また、オウンドメディアを始める場合は、目的を明確にし、作成チームと共有することが重要です。
ガイドラインの作成や更新スケジュールの設定なども行い、効率的にオウンドメディアを運営することが必要です。
コンテンツマーケティングとオウンドメディアは、アプローチは異なりますが、共通して継続的なコンテンツの作成と発信が求められます。
これらの手法を適切に活用することで、企業のブランディングや顧客との関係を構築できます。
コンテンツマーケティングとしてのオウンドメディアの運用方法
コンテンツマーケティングは、ただオウンドメディアで情報発信すればいいわけではありません。
魅力的なコンテンツを発信するためにも、しっかりと手順を押さえる必要があります。その具体的な運用方法について解説しましょう。
オウンドメディア設計の手順を解説!成功するためのポイントとは?
ペルソナの設定
オウンドメディアを運用するときは、はじめにコンテンツを届けたいペルソナを設定します。
ペルソナとは、自社の商品やサービスを利用する典型的な顧客像のことです。顧客のイメージを思い描くだけでも、コンテンツの方向性や内容が定まりやすくなります。
ペルソナの設定においては、性別や年齢といった属性を意識するだけでは不十分です。
どのような悩みを持ったユーザーに発信するか、普段どのようなチャンネルで情報を収集しているかなど、詳細にイメージする必要があります。
顧客の状況を思い描き、ニーズに合わせたコンテンツ制作を心がけてください。
コンセプトの設定
ペルソナを設定したら、次にオウンドメディアのコンセプトを定めましょう。コンセプトが明確になれば、制作するコンテンツのテーマを決められます。
方向性がさらに定まるため、コンテンツも作りやすくなるでしょう。また、オウンドメディアに投稿するコンテンツ内容に一貫性があり、専門的だとGoogleから判断された場合、SEO上の評価を高められます。
SEOでの評価を高めるためにもコンセプト設計はしっかりと行いましょう。
コンセプトを設定するときは、自社の強みを1番に考えてください。他社と差別化できるポイントを探し、コンテンツで強調することが重要です。
アピールポイントを伝えつつ、ユーザーの課題を解決するためのコンテンツ制作を意識しましょう。
ユーザーの導線の設計
オウンドメディアに来たユーザーが、何を考え、どのような行動をするのかを設計するようにしましょう。
問い合わせ獲得が目的のオウンドメディアであれば、コンテンツを見に来たユーザーが問い合わせをしてくれるにはどのようなUI・UXにすべきかを考案します。
例えば、サイドバーにお問い合わせを促すようなバナーを入れたり、問い合わせフォームを常時表示しておいたりすることも考えられます。
コンテンツの制作
ペルソナの設定や導線の設計が完了したら、コンテンツ制作に取りかかりましょう。
ターゲットがどのような課題や悩みを持っているのか、どのようなコンテンツであれば興味を持ってもらえるのかを考えます。
SEOでの上位表示を狙うコンテンツを作成する場合は、実際にGoogleで検索し、上位表示されている記事を読むことで、大枠のターゲットの課題や悩みを把握できます。
コンテンツ制作では、内容だけではなくデザインにも注意しなければなりません。
画像や文字装飾(太文字やマーカーなど)もうまく活用しながら見やすさを重視し、ユーザーに「読みやすい、わかりやすい」と思わせるのが理想です。
公開
コンテンツを制作したらすぐに公開をしましょう。SEOでは、記事をアップロードしたあと、インデックスと呼ばれるGoogleへのページの登録があります。
いち早くコンテンツをインデックスしてGoogleに評価してもらうことで、サイトの評価を高められますので、可能な限り早いタイミングで公開するようにしましょう。
SEO対策を行い、狙ったキーワードで上位化を狙うことも良いでしょう。よりターゲットが含有しているチャネルでユーザーにとって意義のあるコンテンツを発信することで、効果を感じられやすくなるでしょう。
効果検証
コンテンツを制作したら、必ず効果検証を行ってください。具体的には、GA4を用いて、どの程度のユーザーがアクセスし、コンバージョンにつながったかを分析しましょう。
アクセス数が多いにもかかわらずコンバージョン数が少ないのであれば、離脱率の高い状況です。以下をチェックしてみましょう。
・文章がわかりづらくないか、文字ばかりで読みづらくないか
・スマホでも読みやすいか
・記事内にコンバージョンへの導線があるか
・コンバージョンへの誘導の流れは適切化
記事内以外にも、サイトの読み込みスピード、デザイン、など別の要因の場合もあります。合わせて確認しましょう。
コンテンツマーケティングとしてのオウンドメディアを成功に導く5つのポイント
コンテンツマーケティングとしてのオウンドメディア運用を成功させるためにも以下のポイントに注意をして運用していきましょう。
オウンドメディアの運用目的を明確にする
オウンドメディアを運用するにあたって最も大切なポイントは、目的を明確化させることです。オウンドメディアを運用する目的は、企業によって異なります。
そのため、まずは解決すべき課題や課題解決のために必要なことを明確にしなければいけません。目的の一例は以下の通りです。
・ECサイトの販売数をアップさせる
・リードを獲得する
・見込み客との接触機会を作りたい
・自社サービスの認知拡大
・自社サービスの好意度をアップさせる
・会員獲得を目指す
・人材採用
例えば、もし「人材採用」を目的にしているにもかかわらず、サービスや商品の紹介ばかりを行っていては、採用活動にはつながりません。
人材採用が目的であれば、その目的に沿ったコンテンツを積極的に発信し、応募者の関心を引くことが重要です。
目的が散漫になれば、メディアとしての統一感も薄れてしまうので興味関心も薄れてしまいます。メディアを運用することだけが目的にならないように注意してください。
KPIやKGIを正しく設定する
KPIは重要達成度指標と呼ばれ、目標を達成するための各プロセスにおける達成度合いの測定や評価を指す言葉です。
一方、KGIは重要目標達成指標と呼ばれ、最終的な指標すなわちゴールを指します。
例えば、オウンドメディアを立ち上げてからすぐに「売上を○○円にする」と目標を定めても、日々の運用では達成に向かっているのか正しく把握することが難しいです。
明確な成長が見られなければ「失敗」と判断されてしまいます。
しかし、中間目標として「リード獲得月500件」や「商談数月50件」などとKPIを設定して客観的な数値を指標にすれば、評価基準の統一に加えて進捗度合いの分析にも役立ちます。
ユーザー目線のコンテンツ作成を心がける
オウンドメディアで配信するコンテンツは、常にユーザー目線を意識することが大切です。
たしかにオウンドメディアを立ち上げたばかりの頃は、ユーザーを増やすために多くの記事を作成する必要があるでしょう。
しかし、その際、「とにかく数をこなそう」と考えてしまうと、内容が薄くなってしまいがちです。
・閲覧者が知りたい役に立つ内容が書かれている
・必要な情報が漏れなく記載されている
・読みやすくわかりやすい記事が掲載されている
これらの点を押さえたうえで、メディアに多くのアクセスを集めるには、ユーザーが簡単に見つけられるように動線設計も重要です。
どんなに有益な情報を提供しても、ユーザーに見てもらえなければ意味がありません。適切な導線を設け、多くのユーザーに記事が届くよう工夫しましょう。
中長期で運用し続けられるチーム体制を整える
オウンドメディアの運用では、短期間で結果が出ると期待する人もいますが、実際には立ち上げてすぐに成果が出るわけではありません。
毎日コンテンツを配信しても、ユーザーからの反応や成果につながるまでには、数か月から1年以上かかることが多いです。
そのため、オウンドメディアの運用には根気が必要だと事前に理解しておくことが重要です。準備不足のまま始めると、運用や更新の手間に挫折してしまう可能性があります。
予算の確保や運用体制の整備など、しっかりと準備を整えたうえで、オウンドメディアの運用をスタートさせましょう。
常に効果検証と改善を実施する
オウンドメディアを成功に導くためには、効果検証と改善が欠かせません。
具体的にデータを分析してサイトパフォーマンスの評価を実施しましょう。効果検証には以下の分析が当てはまります。
・トラフィックの分析
・コンバージョン率の評価
・ユーザーフィードバックの収集
・コンテンツ品質チェック
・SEO戦略の見直し
メディアを立ち上げたばかりの段階では、まずはメディアへの流入を増やすことが重要です。
記事を投稿した後は、PV数(ページビュー)、UU数(ユニークユーザー数)、セッション数などの指標を確認し、現状を把握しながら改善を行いましょう。
流入数が増えてきたら、次に見込み客を獲得するために、オウンドメディア全体に興味を持ってもらうことが大切です。
ユーザーが記事にたどり着いても、直帰率が高い場合は、サイトからすぐに離れてしまい、見込み客を獲得できない可能性があります。
直帰率や回遊率、滞在時間、スクロール量などの指標を参考に、ユーザーの行動を分析してみてください。
見込み客が増えたら、次はコンバージョン(CV)につなげるための動線を強化する段階です。CV率を高めるためには、サービスの比較記事や、サービス名が具体的に記載された記事が効果的でしょう。
これらの記事は購買意欲を引き出しやすく、CVにつながりやすいからです。CVしやすい記事やCV数が多い記事のPV数やCV数をしっかり把握し、それに基づいて改善を進めていきましょう。
コンテンツマーケティングとしてのオウンドメディアの成功事例
コンテンツマーケティングを成功させるには、他社の事例から学ぶことも大切です。自社でも参考にできる要素があったら、積極的に取り入れてみてください。ここでは、さまざまな業種の事例について紹介します。
コンテンツマーケティングの成功事例18選!成功のためのポイントも紹介
海外のコンテンツマーケティングの成功事例13選|ポイントを押さえよう!
ECでコンテンツマーケティングを活用するには?成功事例も紹介!
サイボウズ式
サイボウズ式は、ソフトウェアやクラウドサービスの開発を事業とするサイボウズ株式会社のオウンドメディアです。
「新しい価値を生み出すチームのメディア」がコンセプトで、インタビュー記事を積極的に掲載しています。
コンテンツ制作は社内で行っており、仕事のみならずライフスタイルに関する情報も多い点が特徴です。そのため、さまざまな層が楽しめる内容となっています。
吹き出しや漫画も多く、スラスラと読める点も強みです。
この特徴が注目を集めるようになり、オウンドメディアを立ち上げてから約3年半で平均月3万PVを獲得。マネジメントでも効果を発揮し、離職率が28%から4%と大幅に下がりました。
「働きがいのある会社」と認知され、ブランディングにも良い影響を与えた事例です。
THE BAKE MAGAZINE
チーズタルトを専門的に販売する株式会社BAKEでは、オウンドメディアのTHE BAKE MAGAZINEを運用しています。
製菓業界をターゲットにして、さまざまな商品の画像を積極的に活用する点が特徴です。特にオウンドメディアでは、他社の商品の宣伝もうまく取り入れています。
製菓業界全体の変革と株式会社BAKEのブランディングを目指しており、主な目標としてオウンドメディアによる求職者の増加も掲げていました。
コンテンツマーケティングに取り組んだところ、初回の記事で早速2万PVを達成。平均で月7万PVを超えるようになり、多くの人から閲覧されるオウンドメディアとなりました。
目標に掲げていた求職者数の増加も実現したそうです。
ジモコロ
ジモコロは、株式会社バーグハンバーグバーグと株式会社アイデムの2社で運用しているのが特徴です。
株式会社バーグハンバーグバーグはコンテンツ制作を中心に行う会社で、株式会社アイデムは求人広告の事業に取り組んでいます。
オウンドメディアの運用を開始した理由は、地方の採用エントリーを増加させるためです。
地元密着型のコンテンツが特徴で、アイキャッチ画像の作成にも力を入れています。8コマ漫画を取り入れるなど、オリジナル性の高さも魅力です。
地方へ向けた情報発信をし続けた結果、正社員のみならずアルバイトの採用数も増加。求人広告の事業を行う株式会社アイデムのブランディングにも貢献しました。
企業全体の採用数を増やすには、コンテンツマーケティングが役立つと証明された事例です。
ミクシル
ミクシルは、SNSの「mixi」やスマホゲームの「モンスターストライク」で有名な株式会社ミクシィのオウンドメディアです。
ミクシルの主な役割は、mixiを中心に自社のサービスを紹介すること。「ミクシィを知る」が名称の由来となっています。
サービスの紹介のみならず、スタッフのインタビュー記事も掲載している点が特徴です。これまでのキャリアを質問しつつ、今後の仕事に対する目標を記事にしています。
スタッフのエピソードを背景に、株式会社ミクシィの業務内容や社風も把握できるコンテンツです。
ミクシルを運用した結果、採用時のミスマッチを防ぐことに成功しました。ニーズの合った社員を集めようと取り組む企業は、ミクシルのコンテンツも参考にしましょう。
ferret
Webマーケティングのコンサル事業を行う株式会社ベーシックでは、オウンドメディアのferretを運用しています。
Web広告やSNS運用といった、Webマーケティング全体のノウハウを提供している点が特徴です。
アイキャッチ画像も丁寧に作成しており、読む前からコンテンツの内容を把握できるように工夫されています。
記事内でも画像を積極的に用いて、ボリューミーなコンテンツを作成。「資料をダウンロード」などのCTAも多く、コンバージョン数を上げようと取り組んでいるのもポイントです。
ferretを運用したことで、株式会社ベーシックの月間PV数は半年で100万を超えます。さらに、コンテンツを充実させたことが功を奏し、多くの見込み客も獲得しました。
経営ハッカー
「経営ハッカー」は、freee株式会社のクラウド会計サービスを紹介するBtoB用のオウンドメディアです。
経理の基礎知識やビジネスにおける会計ノウハウなどの情報が提供され、経営者や経理担当者から注目されています。
特に注目されるのは、他社の成功事例に焦点を当てたインタビュー記事です。成功している企業の悩みや解決策が詳細に紹介されることで、読者の関心を引き付ける効果があります。
また、事業規模の近い企業の経営者へのインタビューは、共感を呼びやすく、自社サービスの利用促進にも効果的です。
オウンドメディアに組み込むことで、読者とのつながりを深め、サービスの利用を促進することができます。
パーソルホールディングス
パーソルホールディングスは、従来のWeb広告やイベントによるリード獲得に加えて、インバウンドマーケティングの一環としてオウンドメディアを導入することで、新規顧客の獲得を目指しました。
具体的な施策は、戦略の立案と設計、それに付随するコンテンツ制作、ホワイトペーパー(ダウンロード資料)の作成・実装などです。
結果として、パーソルホールディングスの法人サイトへの流入数は3倍増加し、毎月200件以上のコンバージョンが達成されました。
これにより、コンテンツマーケティングによるオウンドメディア導入は、既存メディアの戦略と運用を見直し、より効果的なリード獲得を実現するための手段として成功した事例となりました。
株式会社ホンダアクセス
「カエライフ」は、株式会社ホンダアクセスが運営するライフスタイルマガジンであり、レトロカー、カスタムカーの紹介、普通車を車中泊仕様にカスタムする体験談、キャンプや車での旅行など、カーライフに関する様々な情報を提供しています。
ホンダアクセスの特徴的な戦略は、カーパーツの会社ならではの専門情報を積極的に発信し、Facebook、Twitter、YouTubeなどのSNSでユーザーとの接点を築いていることです。
最近ではInstagramにも取り組み、若者や女性層にもアピールしています。
「カエライフ」では丁寧な記事作りが特徴です。読者に伝わりやすい記事を作成することで好調な数字を収めています。
また、SEOとのバランスを取るために、キーワードの検索ニーズも考慮して記事を企画しています。
今後は記事数の増加とInstagramへの注力を計画しており、引き続き興味深いコンテンツを提供していく予定です。
オウンドメディアの運用を外注する方法もある
オウンドメディアとコンテンツマーケティングは、運用に多くの労力と時間を必要とします。そのため、外注先を活用することも一つの方法です。
外注先を活用することで、企業内のリソースを有効活用できるだけでなく、専門的な知識やスキルを持ったライターや編集者が高品質なコンテンツを提供してくれます。
また、柔軟な人員配置やスケジュール管理もできるため、効率的な運用が可能です。
株式会社HubWorks(ハブワークス)は、コンテンツ制作サービスを提供するコンテンツファクトリーを運営しています。
オウンドメディアの運用において、コンテンツファクトリーを活用することで、業界最安値級のお値段で質の高いコンテンツを制作し納品いたします。
外注することで、コンテンツの品質の向上だけではなく、制作の工数削減により、他の業務への集中も可能です。
コンテンツの質や社内リソース、制作にかかる費用にお困りの方は、ぜひコンテンツファクトリーに相談してみてください。
まとめ
今回は、コンテンツマーケティングとオウンドメディアの違いや関係について解説しました。
オウンドメディはコンテンツマーケティングの一部であり、手段として認識してもらえるとよいかと思います。
オウンドメディアを運用するには、ペルソナやコンセプトの設定といった緻密な戦略を練る必要があります。他社の事例も参考にしつつ、コンテンツマーケティングに生かしてください。