コンテンツSEOとは?実施するメリット・デメリットから手順や注意点まで徹底解説
検索エンジンで上位に表示されるとサイトへの訪問者が増え、自社の商品やサービスの認知度が向上し、問い合わせや資料請求、購入につながる可能性が高まります。
しかし、サイトを開設しただけでは上位表示は望めません。検索エンジンで上位表示を狙うには、SEO対策が必要です。
SEO対策にはさまざまな方法がありますが、その中でも「コンテンツSEO」は自然検索からの集客を増やすための重要な手法として、多くの企業が採用しています。
この記事では、コンテンツSEOの基本的な概要、メリット・デメリット、実施方法、注意点について詳しく説明します。
コンテンツSEOに興味がある方や導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
コンテンツSEOとは?
コンテンツSEOとは、検索エンジンを通じてユーザーが求める情報を提供することで、Webサイトへの訪問者を増やすための施策です。
多くの人はコンテンツSEOというと、企業のブログ記事やオウンドメディアを思い浮かべるかもしれませんが、それだけではありません。
商品やサービスに関するFAQも、ユーザーが悩みを解決するためにWebサイトにアクセスしやすくするための情報なので、コンテンツSEOの一部といえます。
コンテンツSEOの目的
コンテンツSEOを実施する主な目的は、Webサイトの訪問者数やページビュー(PV)を増加させることです。訪問者数やPVが増えることで、最終的にはコンバージョンの達成数の増加にもつながります。
一方で、コンテンツSEOを行っていないと、ユーザーがキーワードで検索しても自社のサイトを見つけられず、サイトへ訪問できません。訪問数が上がらないと、当然ながらコンバージョン数は上がりません。
このような事態を避けるためにも、コンテンツSEOを導入することをおすすめします。
コンテンツSEOとコンテンツマーケティングの違い
コンテンツSEOと似た言葉に「コンテンツマーケティング」があります。コンテンツマーケティングは、ユーザーに対して質の高い価値あるコンテンツを提供し続けることで、信頼関係を築く手法です。
これは広範な枠組みであり、各チャネル(SNS、動画配信、メールマガジンなど)に応じて戦略を立て、それにもとづいて施策を実行します。
各チャネルには異なる特性や効果があるため、それぞれに適した戦略が必要です。一方、コンテンツSEOは、主に検索エンジンへの最適化を目的としています。
コンテンツマーケティングの一環としてコンテンツSEOを活用することもありますが、その目的は検索エンジン経由のWebサイトへの訪問者数を増やし、最終的にコンバージョンを上げることです。
一方、コンテンツマーケティングは、Webサイトへの訪問数を増やすことだけでなく、ユーザーをファンにし、長期的な信頼関係を築くことも目的としています。
コンテンツSEOとコンテンツマーケティングの違いについては以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方は参考にしてみてください。
コンテンツマーケティングとコンテンツSEOの関係性とは?注目に至る背景も
コンテンツSEOとテクニカルSEOの違い
テクニカルSEOとは、検索エンジンがWebサイトの情報を正確に読み取れるようにするための施策です。
これにより、サイトの内容が正しく評価され、検索結果で上位に表示されやすくなります。一方で、コンテンツSEOも上位表示を目指す施策ですが、ターゲットが異なります。
テクニカルSEOは検索エンジンをターゲットにしており、URLやサイト構造の最適化を行います。一方、コンテンツSEOはユーザーをターゲットにしており、有益な情報を提供することで上位表示を狙います。
このように、テクニカルSEOとコンテンツSEOはターゲットが異なるため、両方の施策を並行して行うことが可能です。サイト内部を最適化しつつ、質の高いコンテンツを提供し続けることで、SEO対策の効果がより高まるでしょう。
コンテンツSEOとテクニカルSEOの違いについては以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方は参考にしてみてください。
コンテンツSEOとテクニカルSEOの違いやそれぞれのメリット・デメリットを解説
コンテンツSEOが必要になった背景とは?
SEO対策にはさまざまな方法がありますが、その中でも特にコンテンツSEOが重要視されるようになった背景には、検索エンジンの評価基準の変化があります。
以前はブラックハットSEOが流行しており、検索順位を上げることが比較的容易でした。しかし、その結果として、ユーザーが検索しても有益な情報にたどり着けないことが多くなっていました。
そこで、検索エンジンはユーザーにとって有益な情報を提供するためにアルゴリズムのアップデートを実施。このアップデートにより、価値のあるコンテンツが高く評価されるようになり、コンテンツSEOの重要性が増したのです。
ブラックハットSEOとホワイトハットSEOの歴史
ブラックハットSEOとは、Googleなどの検索エンジンのガイドラインに反する方法で検索順位を上げる手法のことです。
例えば、ブログのコメント欄に無関係な自社サイトのリンクを貼り付けて被リンクを得る「コメントスパム」や、業者や他のサイトからリンクを購入する「自作自演リンク」などがあります。これらの方法を使うことで、簡単に検索順位を上げることができました。
しかし、Googleはアルゴリズムを何度もアップデートし、その精度を向上させることで、ブラックハットSEOの抑制に成功しています。
具体的には、SEOの過剰利用やスパムを含むサイトを検索結果から除外する「ペンギンアップデート」や、低品質なサイトの表示順位を下げる「パンダアップデート」などです。
これらのアップデートにより、検索エンジンやユーザーから評価されるコンテンツを作らない限り、上位表示されにくくなりました。
そのため、現在ではブラックハットSEOの対極にある「ホワイトハットSEO」と呼ばれる手法が主流となっています。ホワイトハットSEOは、ガイドラインに従い、質の高いコンテンツを提供することで検索順位を上げる方法です。
コンテンツSEOの実施における7個のメリット
コンテンツSEOを実施することで、さまざまなメリットが得られます。具体的にどのようなメリットが得られるのか解説していきます。
長期的な集客効果が期待できる
コンテンツSEOは、長期的に集客効果を持続させるのに非常に効果的です。テレビCMや雑誌広告は、一時的には高い集客効果を発揮しますが、その効果は徐々に薄れていきます。リスティング広告も同様で、広告費を止めるとすぐに集客効果がなくなる手法です。
一方で、コンテンツSEOは、一度作成したコンテンツを削除しない限りWeb上に残り続け、集客効果を持続的に発揮します。
また、SEO対策を施して検索結果で上位表示されると、その成果は継続しやすくなるでしょう。もちろん、定期的に新しいコンテンツを追加したり、既存のコンテンツをメンテナンスしたりすることで、さらに長期的な集客効果を期待できます。
ブランドの認知度が向上する
良質なコンテンツは、自社のブランドイメージ向上にも大いに役立ちます。
例えば、特定のキーワードや関連キーワードで検索した際、常に上位に表示されるサイトに対して、ユーザーは「○○について調べる時はこのサイトをチェックしよう」と考えるかもしれません。これにより、検索からの流入やリピーターを増やすことができます。
ブランドの認知度を高めたい場合、広告のようなコンテンツの制作は避けるべきです。販売目的が明白なコンテンツは、ユーザーに敬遠されることが多いからです。
ユーザーにとって有益な情報を提供するためには、常にユーザーの視点に立ってコンテンツを作成することが重要となります。
企業としての信頼性が向上する
定期的に良質なコンテンツを発信し続けることで、「このサイトからは正しい情報が得られる」というイメージがつきやすくなります。
これにより、サイトやその運営企業への信頼度が高まり、結果的に商品やサービスの購入につながる可能性が高まります。
ユーザーは商品を購入する際、全く知らない企業の製品をすすめられても信用できないため、すぐに購入しようとはしません。場合によっては、話を聞くことすら避けることもあるでしょう。
しかし、企業が一定の信頼を得ていれば、ユーザーは話を聞く姿勢を持ってくれるかもしれません。このように、ユーザーからの信頼性を高めるためにも、コンテンツSEOは非常に有効です。
見込み客との接点の増加を図れる
リスティング広告や雑誌の広告は、主にすでに商品やサービスに興味を持っている顧客をターゲットにしています。
このターゲットに該当する顧客は自分の悩みや問題を理解しているため、広告を見て商品を購入する可能性が高いです。しかし、まだ興味を持っていない見込み客(潜在顧客)には情報が届きにくいという欠点があります。
一方で、コンテンツSEOは興味を持っている顧客だけでなく、まだ興味を持っていない見込み客も引き込むことができます。
ユーザーがコンテンツを読むことで、自分が持つ潜在的なニーズに気づき、その後顧客になってくれる可能性があるのです。つまり、見込み客と接点を持ちたい場合にも、コンテンツSEOは有効な手法といえます。
広告費削減につながる
良質なコンテンツを発信することで、検索結果の上位に表示されやすくなり、検索からの流入も増加します。その結果、広告費をほとんどかけなくても集客が可能となるでしょう。
簡単に上位表示させたい場合は、リスティング広告の利用が効果的です。しかし、リスティング広告は「広告」と明記されるため、一部のユーザーはクリックを避ける可能性があります。
そのため、上位に表示されてもクリック率が低くなることがあるのです。
一方、コンテンツSEOは効果が現れるまで時間がかかりますが、リスティング広告を出稿しなくても集客効果を高めることができる施策です。
長期的には広告費の削減につながり、コストパフォーマンスの高い施策となるため、導入を検討してみてください。
コンテンツが資産となる
コンテンツは自分で削除しない限り、どんどん蓄積されていきます。さらに、質の高いコンテンツを作成すれば、その価値は時間が経っても失われにくく、長期間にわたって集客に役立つことになります。
このような価値の失われにくいコンテンツを「ストック型コンテンツ」と呼びます。
ストック型コンテンツの場合、個々のコンテンツが良質であれば、それぞれが集客力を持つため、Webサイトの訪問者数や閲覧数が増加するでしょう。
また、Webサイトの訪問者数が増え、サイト全体の評価が向上すれば、過去に作成したページも評価されて順位が上がる可能性もあります。
良質な被リンクの獲得につながる
コンテンツSEOは集客に効果的であるだけでなく、質の高い被リンクを得やすいという利点もあります。被リンクとは、他のWebサイトから自社のWebサイトやページへ向けて設置されているリンクのことです。
検索エンジンはコンテンツを完全には評価できません。例えば、キーワードが多く含まれているページが必ずしも有益な情報を提供しているわけではありません。
それでも検索エンジンはそのようなページを上位に表示することがあります。しかし、被リンクを検索順位の評価基準に取り入れることで、質の高いコンテンツであることを証明できる要素となり、より正確にコンテンツを評価できるのです。
そのため、コンテンツSEOを実施し、良質な被リンクを獲得することは、検索順位の上位化を目指す上で重要です。
被リンクの効果などについては以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
【SEO対策】被リンクの効果とは?被リンクの獲得する方法を紹介!
コンテンツSEOの実施に伴う7個のデメリット
コンテンツSEOには多くのメリットがある一方で、デメリットにつながる部分もあります。どういったデメリットがあるのかご紹介します。
効果が出るまでに時間がかかる
質の高いコンテンツを作成しても、検索結果の上位に表示されるまでには時間がかかります。すぐに効果が出るわけではなく、場合によっては数カ月から数年の期間を要することもあります。
また、一度上位に表示されても、その状態を維持するためにはさらに時間と努力が必要です。
コンテンツSEOは即効性がないため、上司からの理解を得るのが難しいことがあります。しかし、長期的に見れば大きな効果を期待できるため、その点を上司にしっかり説明し、承認を得ることが重要です。
継続的な更新やリライトが必要になる
質の高いコンテンツを一度作成しても、継続的に更新しないと検索順位がすぐに下がってしまいます。
これは、検索エンジンのアルゴリズムが定期的にアップデートされることと、ユーザーのニーズが時間とともに変化することが原因です。そのため、コンテンツSEOでは継続的な更新やリライトが重要です。
しかし、継続的な更新やリライトを行うためには、長期的にリソースを割く必要があり、それが課題となることもあります。
リライトについては以下の記事も参考にしてみてください。
【SEO】リライトとは?SEOへの効果や対象記事の選び方解説!
一定のコストと社内リソースの負担が必要になる
広告費を削減できるメリットを紹介しましたが、広告費を削減してもコストがゼロになるわけではありません。コンテンツSEOにも一定のコストがかかります。
また、リソースの負担も発生します。例えば、記事を制作する際には、ライターが構成案や文章を作成し、編集者が校正を行います。その後、Webデザイナーがサイトやページのデザインを担当し、エンジニアが保守運営に携わります。
このように、コンテンツSEOのすべての工程を一人で行うのは難しいため、複数のメンバーが分担して対応するのが一般的です。
社内のリソースが不足する場合は、外注を利用することもできますが、その場合はコストが上がるでしょう。
SEOに関する専門知識が必要となる
コンテンツSEOを効果的に運用するには、SEOの専門知識が欠かせません。適切な方法で施策を行わないと、期待する成果を得られないことがあります。
例えば、検索回数が多く、コンバージョン率が高いキーワードでの上位化を狙ってコンテンツを作成するとします。しかし、こうした人気のキーワードは他の企業も上位表示を目指しているため、競争が激しくなりがちです。
SEOの知識が不足していると、このような競争環境で思うような結果が出ず、苦戦する可能性があります。
コンテンツの品質が属人的になりやすい
上記でも記載したとおり記事作成には専門知識が必要なため難易度が高く、特定の人に業務が依存しやすくなるというデメリットがあります。
属人的な業務では、その人だけが作業のやり方を知っているため、忙しい時に誰もサポートできない状況に陥りやすいです。その結果、一部の社員に負担が集中し、業務が滞るリスクがあります。
さらに、担当者が会社を辞める場合、引き継ぎがうまくいかなければ、記事の品質が低下する可能性も高いです。特に記事作成では個人差が出やすく、前任者の文章に近づけようとしても、質が低くなることがあります。
良質な記事の作り方については以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方は参考にしてみてください。
読まれる記事の作り方|作成手順や信頼性を高めるコツも解説
効果測定が難しい
コンテンツSEOを効果的に運用するためには、定期的な効果測定とメンテナンスが不可欠です。しかし、どの指標でコンテンツを評価すべきかがわかりにくく、数値化するのが難しいことがあります。
例えば、「コンテンツの質を向上させる」という目標を設定した場合、具体的に何を基準に質の向上を評価するかが課題です。
効果測定を行う際には、目標をできるだけ数値化することが重要となります。さらに、コンテンツSEOは長期的な取り組みであり、すぐに効果が現れないことも理解しておく必要があります。
業界によっては効果が限定的になる可能性がある
コンテンツSEOは、業界によっては効果が限定されることがあります。例えば、地域に限定して商品やサービスを販売している場合、全国からの集客を目指すSEOのメリットが十分に発揮されない可能性があります。
さらに、商品単価や利益、顧客生涯価値(LTV)が低い商品を扱う業界では、長期間にわたるコンテンツSEOの運用が難しくなり、継続的なコストを賄うのも困難です。
そのため、自社の業界とコンテンツSEOの相性を事前に確認し、適切な方法を取り入れることが重要です。
コンテンツSEOのやり方・手順
コンテンツSEOでは、ユーザーニーズを満たすためにさまざまなステップを踏むことになります。ここでは、コンテンツSEOの具体的な手順をご紹介します。
1.コンテンツSEOを実施する目的を明確にする
コンテンツSEOに取り組む前に、まずその目的を明確にしましょう。目的に応じて戦略や作成するコンテンツの内容が異なるからです。
例えば、売上アップが目的の場合、購買意欲を高めるキーワードを選ぶことが大切です。また、商品やサービス名での検索流入を増やす戦略も有効といえます。
このように、目的を明確にすることで、コンテンツSEOの方針も自然と定まります。
さらに、目的だけでなく、最終的な目標(KGI)やその達成に向けた中間目標(KPI)も設定することが重要です。これにより、企業全体の方向性が一致し、効果的な測定も可能になります。
2.ペルソナを設定する
目的が明確になったら、ターゲットに合わせたペルソナを設定します。コンテンツSEOでは、見込み客が求めているものや、興味・関心を持っていることを理解することが成功の鍵となります。
ペルソナを設定することで、見込み客の悩みや知りたいことが明確になり、顧客視点のコンテンツSEOが実現しやすくなるでしょう。また、ペルソナを社内で共有することで、認識のズレを防ぐ効果もあります。
ペルソナを設定しなくてもコンテンツSEOは可能ですが、ターゲットが不明確だと、メッセージ性が弱くなってしまいます。
ターゲットの心に響く強いメッセージを持つコンテンツを作成するためにも、ペルソナの設定が重要です。
3.カスタマージャーニーマップを作成する
カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品を購入したりサービスを利用したりするまでの行動を視覚的に表した図のことです。
このマップでは、顧客の行動を段階ごとに、具体的な行動や心理状態、考えていること、接点となるポイント、直面する課題、そしてそれに対する対応策を整理してまとめます。
このカスタマージャーニーマップを作成することで、顧客の行動パターンを詳細に理解できます。その際、顧客の思考や感情も考慮することが重要です。マップの構成は、設定する目標によって異なります。
例えば、商品やサービスの認知度を高め、最終的にはリピーターになってもらうという長期的な目標を設定する場合、数年単位のマップが必要です。
一方で、キャンペーンを通じて会員登録を促すといった短期的な目標を設定する場合は、数日や数時間単位のマップで十分でしょう。
カスタマージャーニーマップの作り方については以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
【BtoB】カスタマージャーニーマップのつくり方|役立つツールと成功事例を紹介
4.検索ニーズや競合サイトの調査を実施する
次に、ターゲットの検索ニーズや競合サイトの調査を行います。ターゲットがどのようなキーワードで検索しているか、どのような要望や悩み、疑問を持っているかを調べましょう。
検索エンジンにキーワードを入力すると表示されるサジェストや関連キーワードを参考に、検索ニーズやユーザーが知りたい情報を把握します。
しかし、キーワードを一つひとつ入力して調べるのは手間がかかるため、ツールを使って効率よく検索ニーズを抽出する方法が便利です。また、競合サイトの調査を行うことで、どのキーワードで上位表示されているかがわかります。
これにより、競合がどのようなSEO対策をしているかを推測しやすくなるだけでなく、自社サイトとの違いを明確にでき、競合サイトとの差別化を図ったSEO戦略を立てることが可能になります。
5.キーワードを選定する
次に、対策するキーワードを選びます。カスタマージャーニーマップを作成している場合、ユーザーの行動フェーズからどのようなキーワードで検索するかを把握できます。
まずメインキーワードを選び、それに関連するキーワードをツールを使って幅広く洗い出しましょう。
キーワードをある程度抽出できたら、トピックごとに分類します。トピックごとに一貫性のあるコンテンツを作成することで、SEOの効果が最大化されるためです。
次に、目標やマーケティング戦略、ペルソナの特徴を考慮しながら、キーワードの優先順位を設定します。
一般的には、カスタマージャーニーにもとづいて、競合が少なく成果が出やすいロングテールキーワード(検索ボリュームが100~1,000以下)を優先します。
検索ボリュームが多いキーワードは競合が多く、上位表示が難しいです。そのため、検索ボリュームと競合性が高いキーワードは優先度を下げることが推奨されます。
キーワード選定については以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
SEOキーワード選定の鉄則|効果的なキーワードの見つけ方を紹介!
6.コンテンツを作成する
対策キーワードを選定したら、次にコンテンツ作成に進みます。まずは、どのような記事にするかを明確にするため、構成案を考えましょう。
構成案作成の際には、ユーザーの検索意図を理解し、競合サイトの調査を行います。競合が取り上げているテーマや内容を参考にして、大見出しや中見出しを決めましょう。
また、本文だけでなく、タイトルや見出しにもメインキーワードや関連キーワードを盛り込むことが大切です。
コンテンツは文字数が多いだけでは評価されません。訪問者の課題を解決できる内容であることが重要です。独自性や網羅性を意識して、構成案やコンテンツを作りましょう。
本文に含めるキーワードは、最低でも全体の文字数の2%程度を目安にします。ただし、一箇所に集中させたり、不自然な文章にならないようしたりするなどの注意が必要です。
価値のあるコンテンツと評価されるためには、自然な形でキーワードを盛り込むことが求められます。
7.コンテンツを公開し、効果検証を行う
コンテンツが完成したら公開前に誤字脱字のチェックを行い、検索意図に合致しているかを確認しましょう。
また、情報のファクトチェックも重要です。必要に応じてフィードバックを出し、修正を行った上で、問題がなければ公開します。
公開後は1カ月程度経過した時点で効果検証を行いましょう。GoogleサーチコンソールやGoogle Analyticsなどのツールを使うと、コンテンツへのアクセス数や滞在時間、クリック率などが把握できます。また、順位計測ツールを使えば、検索順位の変化も観察できます。
これらのデータを分析することで、記事がどれほど読者に受け入れられているか、どのように改善できるかを判断するための情報が得られます。データをもとに改善策を考え、実行していきましょう。
8.定期的なリライトを行う
情報は日々更新されるため、定期的なリライトも重要です。公開後に上位表示されない記事は特に見直しが必要です。
ユーザーにとって価値の低い内容を削除し、上位サイトと比較して不足している情報を追加することで、コンテンツの質が向上し、検索エンジンからの評価が上がります。また、構成やキーワードが適切かも確認しましょう。
さらに、上位表示されている記事でも、情報が古いと順位が下がる可能性があります。そのため、リライトで最新の情報に更新することが大切です。
9.内部リンクの設置を行う
ある程度コンテンツが蓄積されたら、内部リンクを設置しましょう。
内部リンクを設定することで、関連する記事を閲覧者に紹介でき、より詳しい情報を得られるようになります。これにより、サイトの滞在時間が延びるというメリットもあります。
さらに、内部リンクを設置すると、Googleのクローラーがサイト全体を巡回しやすくなり、その結果、サイトの評価が上がって検索結果で上位に表示される可能性も高まるでしょう。
内部リンクについては以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
SEOに効果的な内部リンクとは?効果や貼り方をわかりやすく解説!
コンテンツSEOを実施する際に効果検証すべき分析ポイント
コンテンツSEOで成果を出し続けるためには、効果検証と改善を繰り返すことが大切です。効果検証をするにあたって、分析するべきポイントがいくつかあります。
そのポイントは以下のとおりです。
検索順位のモニタリング
自社のコンテンツの検索順位をモニタリングすることは、Googleの評価やユーザーの閲覧状況を把握するために重要です。
検索順位が高いほど、クリック数やアクセス数が増加する傾向があります。また、アクセス数の変動だけでなく、コンバージョンにも影響を与えるため、順位が低い場合は改善が必要です。
検索順位が上位に達していないページは、リライトを行い、少しずつ検索順位を向上させていきましょう。場合によっては、キーワードやターゲットの設定を根本から見直すことも必要です。
また、検索順位が上位であっても、ページビュー数やコンバージョン数が低い場合は、タイトルや見出しに問題がないか確認し、改善を図りましょう。
トラフィックの分析
トラフィックの分析も、コンテンツSEOの効果を測定する上で重要です。
トラフィックとは、Webサイトへの訪問者数を指し、その動向を把握することで、コンテンツの人気度や集客力を評価できます。トラフィックの分析をする際は、主に以下のポイントを意識しましょう。
訪問者数の推移 | 日別、週別、月別での訪問者数の推移を確認し、どの期間に訪問者が増減しているかを把握します。特定のキャンペーンや記事の公開によりトラフィックが急増する場合もあるため、時系列でのデータは重要です。 |
流入経路の特定 | オーガニック検索、直接訪問、リファラル(他サイトからのリンク)、ソーシャルメディアなど、どの経路からの流入が多いかを分析します。これにより、効果的な流入元を特定し、そこに注力する戦略が立てられます。 |
新規訪問者とリピーターの比率 | 新規訪問者とリピーターの割合を把握することで、サイトの魅力度を評価できます。リピーターが多い場合、コンテンツがユーザーにとって価値があることを示しています。 |
直帰率と離脱率 | サイトに訪れたユーザーがすぐに離脱する直帰率や、特定のページから離脱する離脱率を分析します。これらの数値が高い場合、コンテンツの改善が必要な可能性があります。 |
上記の分析結果をもとに、コンテンツの質やサイト構造の改善を行い、さらなるトラフィックの増加を目指しましょう。
ユーザーエンゲージメントの測定
ユーザーエンゲージメントの測定も、コンテンツSEOの効果を評価するために不可欠なポイントです。エンゲージメントとは、ユーザーがサイト内でどれだけ積極的に行動しているかを示す指標であり、以下のようなことがわかります。
ページビューと滞在時間 | ページビューはユーザーが閲覧したページ数、滞在時間はそのページでの滞在時間を示します。これらを分析することで、ユーザーがどのコンテンツに興味を持っているかを把握できます。滞在時間が長いページは、ユーザーにとって有益で魅力的なコンテンツである可能性が高いです。 |
スクロールの深度 | ページ内でユーザーがどれだけスクロールしたかを測定することで、コンテンツ全体を読んでいるかどうかを把握できます。スクロール深度が高いほど、ユーザーがコンテンツをしっかりと読んでいることを示しています。 |
ソーシャルシェア | SNS上でコンテンツがどれだけ共有されているかを確認します。シェアが多いコンテンツは、ユーザーにとって価値が高く、他者と共有したいと思われる内容であることを示しています。 |
コメントとフィードバック | ユーザーがコンテンツに対してコメントを残したり、フィードバックを提供したりすることも重要なエンゲージメント指標です。これにより、ユーザーがどのようにコンテンツを受け取っているか、どのような改善点があるかを把握できます。 |
クリック率(CTR) | 内部リンクやCTAのクリック率を測定することで、ユーザーが次のアクションを起こしているかどうかを確認できます。高いCTRは、コンテンツがユーザーの興味を引き、行動を促している証拠です。 |
これらの指標を定期的に分析し、ユーザーエンゲージメントを高めるための施策を講じることで、コンテンツSEOの効果を最大化できます。
ユーザーの行動データを活用し、継続的な改善を図りましょう。
コンバージョン率の追跡
コンバージョンは、コンテンツを通じて得られる成果のことです。自社が設定したコンバージョン目標が達成されているかも定期的に確認しましょう。
コンバージョンは「コンバージョン率(CVR)」という指標で測定できます。コンバージョン率を見ることで、訪問者のうち何割が実際にコンバージョンに至ったかがわかります。これにより、SEO対策が成功しているか、改善が必要かを判断できます。
コンバージョン率が低い場合、コンテンツがユーザーのニーズを満たしていない、または行動を促す効果が足りないなどの問題が考えられます。
SERPsにおけるクリック率(CTR)の測定
SERPsとは、検索エンジンでキーワード検索を行った際に表示される検索結果のことで、そこでのコンテンツへのクリック率(CTR)を測定することも重要です。
検索エンジンは、クリック率が高いコンテンツや流入が増加しているコンテンツを評価します。そのため、コンテンツを上位に表示させたり、流入数を増やしたりするためには、クリック率も測定し、高めていくことが重要です。
クリック率を上げる方法として、タイトルやメタディスクリプションを最適化することが挙げられます。
具体的には、対策キーワードをタイトルやメタディスクリプションの冒頭に配置し、ユーザーがクリックしたくなるような文章や表現を含めるとよいでしょう。
被リンク数の分析
被リンクとは、他のウェブサイトから自社のWebサイトへのリンクのことを指します。被リンクが多いと、認知度やアクセス数が増えるほか、Webサイトのドメインパワーも向上するというメリットがあります。
そのため、どれだけの被リンクを獲得しているかを分析することも、コンテンツSEOの成功を判断するための重要な要素です。分析する際には、リンクの数だけでなく、どのサイトから被リンクされているのかも確認しましょう。
ただし、悪質な被リンクは検索エンジンからの評価を下げる原因となることがあります。具体的には、以下のような被リンクはスパムとみなされる可能性があるため注意が必要です。
・関連性の低いサイトからのリンク
・同一のIPアドレスやドメインからの大量リンク
・自動化ツールや金銭を支払って得たリンク
上記のような悪質な被リンクを発見した場合は、Googleサーチコンソールのリンク否認ツールを使って対策を行いましょう。
ユーザーからのフィードバックの収集
ユーザーからのフィードバックを反映させたWebサイトは、信頼性と権威性が向上しやすいです。したがって、フィードバックを積極的に収集し、サイトに反映させることも重要です。
フィードバックの収集方法には、コンテンツごとにコメント欄を設置したり、アンケートを行ったりする方法があります。これにより、ユーザーの意見を効果的に集めることができます。
コンテンツSEOで成果を出すためのポイントやコツとは?
コンテンツSEOで成果を出すためには、さまざまな工夫が求められます。ここでは、成果を出すために押さえておきたいポイントやコツについて解説します。
読者にとって魅力的なタイトルをつける
コンテンツのアクセスを増やすためには、読者を引きつける魅力的なタイトルが重要です。記事の内容がどれほど有益であっても、タイトルが魅力的でなければクリックされない可能性があります。
メインキーワードと関連キーワードを使いながら、記事の内容が一目でわかるタイトルをつけましょう。
例えば、「売上 コツ」というキーワードの場合、「プロが伝授!売上を2倍に増やすコツを解説!」のようなタイトルが考えられます。読者の興味を引く言葉や数字を使うことで、クリック率や閲覧数を増やすことができるでしょう。
ただし、検索結果では長いタイトルは省略されるため、重要なキーワードを盛り込みつつ、32文字以内に収めるのがポイントです。
タイトルについては以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
SEOに強いタイトルの付け方とは?作成手順とコツを6つ紹介!
ユーザーの動線を考慮したサイトマップを作成する
サイトの動線が悪いと、ユーザーは「どこを見ればいいのか」「どう進めばいいのか」がわからず、サイトから離れてしまうことがあります。
その結果、目的のページにたどり着けなかったり、コンバージョンが達成されなかったりすることがあるでしょう。
そのため、ユーザーが使いやすい動線を考慮してサイトを構築することが重要です。サイトの構造を一目でわかりやすくする方法の一つに、サイトマップの設置があります。
サイトマップを設けることで、ユーザーは目的のページに簡単にアクセスできるようになり、さらにクローラーもサイト全体を認識しやすくなるため、SEO対策としても有効です。
サイトマップについては以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
E-E-A-TやYMYLを意識する
E-E-A-Tは、コンテンツの質を評価する基準の一つです。以下の要素から成り立っています。
Experience | 経験 |
Expertise | 専門性 |
Authoritativeness | 権威性 |
TrustWorthiness | 信頼性 |
質の高いコンテンツとして検索エンジンに評価されるためには、次の4つの要素を含むことが重要です。
例えば、記事に口コミや体験談を加えたり、執筆者の情報を記載し、プロフィールを記載したりすることでE-E-A-Tを高めることができます。
YMYLは「Your Money Your Life」の略で、お金や健康、生活に関わるジャンルを指します。これらのジャンルは、特に正確で信頼性の高い情報が求められるため、検索エンジンの評価基準も厳しいです。
専門家による執筆や監修、信頼できる情報源にもとづく内容など、信頼性と正確性を意識してコンテンツを作成しましょう。
E-E-A-Tについては以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
コンテンツの更新頻度を保つ
コンテンツの更新頻度を保つことは、間接的に検索エンジンからの評価を高める手段として有効です。定期的に更新することで、閲覧者に常に最新情報を提供しているサイトという印象を与えることができます。
これにより、サイトへのリピート率が上がり、安定したPV数を維持できるでしょう。さらに、サイトでの滞在時間が長くなると、検索エンジンから価値のあるサイトとみなされやすくなります。
また、記事を定期的にリライトして鮮度を保つことも重要です。これによりコンテンツの質が向上し、検索エンジンのクロール頻度も増えるため、迅速に評価されるチャンスが高まります。
自社が伝えたいことではなく、ユーザーの検索意図に応える
コンテンツSEOでは、企業視点ではなくユーザー視点を持つことが重要です。コンテンツを作成する際は、自社の伝えたいことよりもユーザーの検索意図に応える内容にすることを心がけましょう。
ユーザーの検索意図に応えたコンテンツは、ユーザーの満足度を高め、検索エンジンからも高く評価されやすくなります。
的外れなコンテンツを作らないためには、ターゲットの分析や上位表示サイトの調査、ペルソナの設定などを行い、検索意図を正確に把握することが大切です。
良質な外部リンクを獲得する施策を実施する
コンテンツSEOで成果を上げるためには、良質な外部リンクを獲得することも重要です。以下の3つのポイントを意識して、外部リンクを獲得していきましょう。
ブログ内にシェアボタンを設置する
シェアボタンは、ユーザーが記事を他の人と共有するための機能です。Webサイトにシェアボタンを設置することで、記事が多くの人に広まりやすくなります。
これにより、検索エンジンではリーチできなかったユーザー層にも記事を読んでもらえる可能性が高まるでしょう。
記事が評価されると、シェアされた記事がさらに他の人にシェアされるという好循環が生まれます。これはSEO対策としても効果的で、Webサイトの認知度を高める助けになります。
しかし、ユーザーがコンテンツを「いいな」と思っても、シェアするのが面倒だと感じれば、シェアはされにくくなります。シェアボタンが見づらい場所にあると、ユーザーがシェアボタンを見逃してしまう可能性もあるでしょう。
そのため、Webサイトにシェアボタンを設置する際は、記事タイトルの近くや記事を読み終えた直後など、ユーザーがすぐにアクションを起こせる位置に配置することがおすすめです。これにより、記事を拡散させやすくなります。
できるだけ一次情報で作成する
一時情報とは、個人の直接的な体験や、自身で行った調査・実験によって得られた情報のことです。
例えば、科学的研究の発見や専門家の意見、論文データの掲載などが具体的な例となります。このような情報は、信頼性が高く、独自性も強いのが特徴です。
検索結果において、情報量が異なるだけで内容が類似している記事は引用したいとは思わないでしょう。しかし、独自のアンケート調査や専門家の意見が含まれていると、そのコンテンツは有益とみなされやすくなります。
また、商品やサービスを利用した顧客の声や体験談を掲載するだけでも、独自性を持たせることができます。
他のサイトでも引用されるようなコンテンツを作成するためには、他から得た情報や書籍などを通じて得た情報(二次情報)に頼るのではなく、できるだけ一時情報を活用することが重要です。
プレスリリースを利用する
プレスリリースは、企業が自社の情報をステークホルダーに伝えるための手段の一つです。これは、主にメディア関係者に向けて発信される公式文書であり、最新情報や画像、動画などが含まれます。
プレスリリースを通じて、サービスの告知、ウェビナーの情報、アンケート調査の結果、新商品の紹介など、さまざまな情報を発表できます。
新商品の紹介を行った場合、プレスリリースを読んだユーザーがSNSでその情報を好意的にシェアする可能性があります。
また、ユーザーがプレスリリースを共有することで、被リンクを獲得し、SEO効果を高めることも期待できます。そのため、プレスリリースを積極的に活用することも検討するとよいでしょう。
プレスリリースが広く共有されるためには、キャッチコピーを作成し、狙った検索キーワードを含めることが重要です。内容にも工夫を凝らし、効果的な配信を目指しましょう。
プレスリリースについては以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
図などの視覚的なコンテンツを活用する
コンテンツSEOで成果を上げるためには、図や画像の使用も重要です。
図や画像自体が直接的にSEO効果をもたらすわけではありませんが、文章だけでは伝わりにくい内容を視覚的に補足することで、読者の理解を助けます。内容がわかりやすい図や画像が含まれていると、記事の信頼性や権威性を高めることができます。
また、図や画像を含むことで、読者の滞在時間が延びることもあります。これにより、検索エンジンのランキングが向上する可能性もあるでしょう。
さらに、Googleの検索結果には「画像」タブがあり、画像のみを検索することが可能です。これにより、使用した図や画像が検索結果に表示されれば、サイトへの流入が増加することも期待できます。
テクニカルSEOも考慮する
テクニカルSEOは、検索エンジンが自社サイトの情報を正しく読み取れるようにするための施策です。
これは、Webサイトを検索エンジンがクロールしやすくし、情報を効率よく収集できるように最適化する技術的な手法です。また、Webサイトの動作速度を向上させることも含まれます。
検索エンジンがWebサイトを正しく認識することで、検索結果の順位が上がる可能性があり、より多くのユーザーにコンテンツを届けることができます。
Google Search ConsoleやBing Webマスターツールを活用すると、クローラーが巡回したページや検索インデックスの状況をすぐに把握できるため、施策の効果を簡単に検証することが可能です。
SNSも活用する
コンテンツSEOで成果を出すためには、SNSの活用も重要です。SNSからのリンクは「nofollow」属性がついているため、SEOに直接影響を与えることはありませんが、シェアやリポストによってコンテンツが広まることで、外部サイトからのリンクが増える可能性があります。
特に若い世代にアプローチするには、SNSの利用が効果的です。若者はSNSを活発に利用しており、情報の共有や発信も頻繁に行っています。
企業やブランドがSNS上で存在感を示すことができれば、若者の関心を引きつけ、結果的に検索エンジンの順位も向上しやすくなります。
また、シェアや「いいね」の数が多いコンテンツは、注目されやすくなるでしょう。これにより、さらに多くの若い世代に広まる可能性が高まります。
SEOツールも利用する
コンテンツSEOで成果を出すためには、SEOツールの活用が有効です。ただし、SEOツールにはさまざまな種類があるため、選ぶのが難しいかもしれません。
そこで、以下におすすめのSEOツールをいくつかご紹介します。
Googleアナリティクス
出典:https://marketingplatform.google.com/intl/ja/about/analytics/
Googleが無料で提供しているアクセス解析ツールです。このツールを使えば、Webサイトへのアクセス状況を詳しく分析できます。
ホーム画面では、アクセスの全体状況が一目でわかるデータが表示されており、ユーザー数やコンバージョン率などの基本的な指標を確認することが可能です。
また、レポートページでは、過去30分間のユーザー数、参照元、ページごとの表示回数、ユーザー属性や流入元などの詳細なデータをチェックできます。
Webサイトのパフォーマンスを把握するために、このツールは非常に重要といえるでしょう。
Google Search Console
出典:https://search.google.com/search-console/about?hl=ja
Google Search Consoleは、Google検索でのWebサイトのパフォーマンスを分析するためのツールです。Googleが提供しているため、Yahoo!やBingなど他の検索エンジンのパフォーマンスは分析できませんが、Google検索において以下の情報などを調査できます。
・合計クリック数
・合計表示回数
・平均CTR
・平均掲載順位
このツールを使うと、Webサイトのパフォーマンスを確認できるほか、外部からのリンクの状況もチェックできます。
また、インデックスにエラーがないかどうかも確認でき、問題があればその原因を特定して対処することが可能です。Googleアナリティクスと同様に、無料で利用できるツールです。
Keywordmap
SEOやコンテンツ制作を支援してくれるツールです。Keywordmapは、特に重要なキーワード選定に役立ち、調査や分析といった手間のかかる作業を効率的にサポートします。
また最大の魅力は、国産ツールである点です。日本語は言語構造が複雑で、自然言語処理による解析が難しい場合があります。
海外のツールを使うと、同じ意味を持つキーワードが抽出されるなど、精度が低い場合も珍しくありません。しかし、国産のKeywordmapなら、このリスクを回避できます。
さらに、Keywordmapは日本語データベースを豊富に保有しており、そのデータ量は圧倒的です。新しいトレンドに対応した新語にも強く、キーワード選定やコンテンツ制作において大きな効果を発揮します。
また、使い方に不安がある場合でも、個別トレーニングやユーザー企業による勉強会の開催、豊富な情報発信があるため、安心して利用できるツールといえるでしょう。
コンテンツSEOを実施する際に理解しておきたいリスクや注意点
コンテンツSEOを実施する際には、以下のポイントを理解しておくことでリスクを防ぐことに役立ちます。注意点を把握してから、コンテンツSEO対策を行いましょう。
アルゴリズムのアップデートによる急激な順位の変動
Googleでは、定期的にアルゴリズムのアップデートが行われています。これにより、現在1位を獲得しているキーワードの検索順位が大幅に下がる可能性があります。
アップデート後もそのままの状態が続いてしまうと、成果が出なくなり、大きなダメージにつながることがあるでしょう。したがって、アップデート内容に応じて、改善すべき箇所を検討する必要があります。
例えば、サイトの表示速度に関するアップデートが行われた場合、その影響を受けた場合には、ページ速度を向上させるためにサイトを改善する必要があります。
アップデートの前には告知が行われることが多いので、最新の情報を必ずチェックしておきましょう。
ライターによるコンテンツの品質のばらつき
コンテンツの品質はSEOに大きな影響を与えます。Googleは、コンテンツがユーザーにとって有益かどうかをもとに検索結果の順位を決定します。有益だと判断されなければ、検索結果の上位に表示されることはありません。
例えば、複数のライターが記事を書く場合、ライターによって記事の完成度にばらつきが生じることがあります。
説明がわかりにくかったり、不自然な日本語が使われていたりすると、ユーザーがそのサイトを離れてしまう可能性があるでしょう。
Googleの評価基準に満たない低品質なコンテンツが多いと、サイト全体の質が下がる原因となるため注意が必要です。
対策としては、ターゲットとなるペルソナやトンマナを明確にすることが重要です。また、記事の骨子を事前に作成するなどの準備を行い、品質を一定に保てるように工夫しましょう。
コピーコンテンツによってペナルティを受ける可能性
コピーコンテンツとは、他社のコンテンツと似たコンテンツや同一のコンテンツを指します。
・他サイトのコンテンツをそのままコピーして使用し、参照元を表記しない
・他サイトのコンテンツの語尾を変えただけの文章
・同じようなコンテンツが存在しているサイト
上記のようなパターンがコピーコンテンツに該当します。万が一、コピーコンテンツをサイト上に掲載してしまうと、以下のような弊害が考えられます。
・検索結果に表示されなくなる
・検索順位が下がる
・コピー元からクレームがくる
Googleはユーザーにさまざまな情報を提供するために、同じような内容のWebページを検索結果に複数表示しないようにしています。
そのため、独自性のないコンテンツの場合、検索結果に表示されにくくなる可能性があるでしょう。
さらに、他のサイトを参考にして作成したコンテンツであっても、コピーコンテンツとみなされると元のサイトからクレームが来る可能性があります。
完全にコピーした場合や内容が非常に似ている場合、削除を求められることもあるでしょう。仮にすぐに削除したとしても、自社サイトの信頼が低下するリスクがあるため注意が必要です。
コピーコンテンツについては以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
コピーコンテンツとは?チェックが必要な理由や基準を詳しく解説
過剰なキーワードの使用によるペナルティ
コンテンツSEOでは、スパムポリシーにも気をつけましょう。このポリシーは、ユーザーを保護し、検索結果の品質を向上させることを目的としています。
コンテンツを制作する際は、スパムポリシーに違反しないように以下の点に注意することが大切です。
・検索キーワードを含めたコンテンツを作成するために、ユーザーにとっては全く意味のないコンテンツページを大量に生成している
・キーワードを不自然なほど繰り返してコンテンツの文章内に詰め込む
スパムポリシーに違反すると、検索結果の順位が下がったり、サイトが表示されなくなったりする可能性があります。過剰なキーワードの使用以外にも違反とみなされる行為は多数あります。
そのため、コンテンツ制作の前に「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」をよく確認し、コンテンツを作成しましょう。
著作権侵害などのリスク
ウェブサイトを作成する際には、著作権に関するリスクにも注意が必要です。著作権とは、芸術作品や知的創作物に対する権利であり、創作者がその作品を管理・制限する権利を指します。
もし著作権を侵害する記事を作成してしまった場合、法律違反となるだけでなく、SEOにも重大な悪影響を及ぼします。
例えば、著作権侵害が指摘されると、コンテンツの削除が必要なため、検索結果の上位に表示されることはなくなるでしょう。
また、検索エンジンから警告を受けたり、コンテンツが削除されたりすると、サイトの信頼性が低下し、今後も評価されにくくなる可能性があります。
著作権に配慮したコンテンツを制作するためには、まずオリジナリティを高めることが重要です。著作権侵害のリスクがある場合は、自身でコンテンツを作成するか、著作権フリーの素材を使用するようにしましょう。
引用の範囲内であれば他人の著作物を使用できますが、その際には必ず出典を明記する必要があります。さらに、必要であれば著作権者の許可を取ることも忘れないようにしましょう。
外注も視野に入れる
コンテンツSEOには専門知識が必要で、誤った方法で実践してしまうとSEOに悪影響を及ぼす可能性があります。
もし自社での実施が難しいと感じた場合は、コンテンツ作成の専門家に外注することも検討しましょう。これにより、効果的なコンテンツ制作が可能となり、リスクも抑えることができます。
外注する際は、SEO対策をすべて業者に任せる方法と、自社でできない部分だけを外注する方法があります。予算に応じて依頼内容を決めることが大切です。
コンテンツSEOの費用相場
コンテンツSEOを自社で行う場合、主に必要な費用は人件費です。ただし、効果を測定するツールやキーワード選定のためのツールを使用する場合、その料金も発生します。
無料ツールもありますが、有料ツールもあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。コンテンツSEOを外部に依頼した場合を想定した時の費用相場は次のとおりです。
費用の種類 | 相場 |
初期費用 | 20~50万円 |
構成案 | 30,000円~100,000円 |
ライティング(1記事) | 5,000円~50,000円 |
監修 | 20,000円~ |
作図 | 2,000円~ |
HTML化 | 5,000円~ |
一部の業務を専門業者に外注することで費用を抑えることができます。ただし、ターゲット設定、キーワード選定、記事執筆、分析などすべての作業を依頼すると、費用が高額になる可能性があります。
また、上記の費用はあくまで相場です。業者ごとに費用は異なるため、事前に複数の業者から見積もりを取り、比較してから外注先を決定することが重要です。
その際、費用だけでなく提案力や相性も考慮して選びましょう。
コンテンツSEOの成功事例3選
最後に、コンテンツSEOの成功事例についてご紹介していきます。
北欧、暮らしの道具店
北欧、暮らしの道具店は株式会社クラシコムが運営するECメディアです。
このサイトでは、北欧やその他の国で作られたインテリア雑貨、日本製雑貨、そしてオリジナルブランドの商品を取り扱っています。「北欧 食器」や「北欧 インテリア」などの検索キーワードで上位に表示される人気のサイトです。
商品紹介だけでなく、バイヤーの新商品情報や買い付け・出張時のエピソード、日々の暮らしや仕事に関するミニコラムなども掲載されています。また、スタッフによる商品レビューも読むことができるコンテンツも掲載されているのが特徴です。
Instagramのフォロワー数は130万人以上(2024年7月時点)であり、SEO対策だけでなく、積極的なコンテンツ配信で多くの集客に成功しています。
サイボウズ式
出典:https://cybozushiki.cybozu.co.jp/
サイボウズ式は、サイボウズ株式会社が運営するオウンドメディアです。サイボウズ株式会社は、会社管理ソフトやクラウドサービス(例:サイボウズoffice、kintone)を提供しています。
このメディアは「新しい価値を生み出すチームのメディア」というテーマのもと、会社や組織、働き方や生き方に関するさまざまなコラムを掲載しているのが特徴です。
自社サービスを直接PRするのではなく、興味を持たれる読み物として閲覧者に提供することで、サイボウズを知らない人々にもアピールし、会社名の認知度を高めています。
土屋鞄製作所
土屋鞄製作所は1965年に創業し、革製品を中心に扱う会社です。ランドセルや鞄、小物の製作・販売を行っています。
同社は自社のホームページで製品の販売をしているだけでなく、ブログの配信も行っています。このブログは「読み物」として提供されており、革の知識や土屋鞄のモノづくりへの情熱を知ることができます。
さらに、スタッフや実際の購入者へのインタビューも掲載されているので、購入を検討している方にも参考になるコンテンツが掲載されているのが特徴です。
また、文章は簡潔で、写真が大きく使われているため、製品や製作者の想いが伝わりやすくなっています。その結果、「革製品」や「革 バッグ」「革財布」といったキーワードで常に上位にランクインしています。
まとめ
今回は、コンテンツSEOについて詳しくご紹介しました。検索エンジンで特定のキーワードを検索し、上位に表示されることで、自社製品やサービスの認知度が向上し、購入につながる可能性が高まります。
ご紹介したコンテンツSEOの方法や分析のポイント、成果を出すためのコツを参考に、ぜひ自社の制作に取り入れてみてください。
もし自社での制作が難しい場合は、外注を検討して専門家に任せるのも一つの方法です。費用はかかりますが、期待通りの効果が得られる可能性が高まるため、予算に応じて活用を考えてみましょう。
株式会社HubWorks マーケティング部 2021年よりインターネット広告代理店に入社し、月間数億規模の広告運用を経験。 2022年に株式会社Hub Worksに入社しマーケティング担当者として、ウェブ広告やSEOなどの集客、 記事やホワイトペーパー作成などのコンテンツ制作業務に従事。