BtoB企業がX(Twitter)を運用するコツ|成功事例10選も紹介!
X(Twitter)は、他のSNSと比較して情報の拡散力に優れたプラットフォームであることから、マーケティング戦略にX(Twitter)を選択するBtoB企業が増えてきました。
しかし、X(Twitter)を運用しているものの、なかなか成果につながらないといった課題に直面し、頭を悩ませているSNS担当者の方も多いでしょう。
そこで、本記事ではBtoB企業がX(Twitter)を効果的に運用するためのコツを解説していきます。Twitter運用に成功している企業の事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
X(Twitter)を運用するBtoB企業の割合
X(Twitter)は、他のSNSに比べてユーザー数が多く、幅広い年齢層に利用されていることから、BtoC企業だけでなくBtoB企業でも人気の高いソーシャルメディアです。
2015年にガイアックスソーシャルメディアラボが実施した「企業のWeb担当者330名に聞いたマーケティング実態調査」によると、BtoB企業のソーシャルメディア活用率は68.9%という結果が出ています。
そのなかでも特に効果の高かったソーシャルメディアとして、X(Twitter)(37.5%)が2位にランクインしました。
X(Twitter)を運用するメリット
BtoB企業がX(Twitter)を運用するメリットは、主に以下3つが挙げられます。
・広報や採用活動に活用できる
・他の企業と出会える
・コストが低い
それでは1つずつ詳しく見ていきましょう。
広報や採用活動に活用できる
1つ目のメリットは、広報や採用活動に活用できることです。X(Twitter)を利用している求職者に対し、企業文化や働き方に関する情報を発信することで、優秀な人材を引き寄せる手段として利用できます。
また、情報収集を目的にX(Twitter)を利用しているビジネスパーソンも多いため、自社のプレスリリース記事を投稿するだけでも自社ブランドの認知度が上がり、問い合わせ増加の可能性が高まるでしょう。
他の企業と出会える
2つ目のメリットは、他の企業との接点を創出できることです。X(Twitter)を利用している企業は業界・業種問わず幅広いため、他の企業や業界関係者と簡単につながることができます。
交流が深まれば業界の最新動向を共有し合ったり、新しいビジネスの創出につながったりとビジネスネットワークの拡大も期待できます。ハッシュタグの使い方によっては、企業のSNS運用担当者とつながりやすくなるため積極的に活用しましょう。
コストが低い
3つ目のメリットは、X(Twitter)にかかる運用コストが低いことです。アカウント作成はもちろん、情報を発信することも無料なので、お金をかけずに自社の商品・サービスを宣伝できるのといった点が特徴です。
ただし、認証マークの取得や長時間の動画投稿、1日に20件を超えるDM(ダイレクトメール)送付を利用する場合はX Premium(旧 TwitterBlue)に加入する必要があります。
X(Twitter)を運用するデメリット
X(Twitter)をビジネスで活用することは多くのメリットがある一方で、以下のようなデメリットも存在します。
・工数が発生する
・炎上のリスクがある
・プラットフォームの仕様変更による運用見直しが必要
1つずつ詳しく見ていきましょう。
工数が発生する
まず、1つ目のデメリットは運用に工数が発生することです。X(Twitter)の効果的な運用には、しっかりとユーザーに響く情報を発信し続けなければなりません。
そのためには、課題の分析やブランディング設計、ターゲット設定、原稿作成、投稿作業、コメント管理、炎上対策などを行う必要があり、一定の工数が発生します。またX(Twitter)の運用にはノウハウも必要になるため、SNS運用に精通した人材の確保も必須でしょう。
炎上のリスクがある
2つ目のデメリットは、炎上のリスクがあることです。情報の発信内容や発信方法によっては、ユーザーから非難のコメントや抗議などが大量に寄せられる可能性があり、アカウントが炎上するといったことが起こり得ます。
炎上が起きた場合、企業は迅速かつ適切な対応をしなければならず、不適切な発言や対応が炎上の拡大につながることもあります。炎上してしまうと企業の信頼性や評判を落とすことにもなりかねないため、発言する内容には十分に注意しなくてはなりません。
そのため、あらかじめ運用マニュアルを作成する、社内でチェック体制を整えるなどの炎上防止策を講じておくことが大切です。
プラットフォームの仕様変更による運用見直しが必要
3つ目のデメリットは、X(Twitter)のアップデートによりルール変更の可能性があることです。2023年7月、X(Twitter)のオーナーであるイーロン・マスク氏がX(Twitter)の名称やロゴを変更したことは大きくメディアで報じられました。
他にも詳細な変更点が行われ、無料で使えていた機能が有料化されたり、逆に有料プランで使えていた機能が一部削除されたりといった動きが見られています。
こういったアップデートは定期的に行われており、内容によっては運用方法を見直さなければならない場合もあるでしょう。このように、X(Twitter)を運用するには常に最新の情報をキャッチし、都度ルールに合わせた運用方法を模索していく必要があります。
BtoB企業のX(Twitter)活用事例10選
本章では、マーケティングでX(Twitter)をうまく活用しているBtoB企業の事例10選をご紹介します。「フォロワーを増やすための具体的な運用方法が分からない」「どのような投稿内容がよいか分からない」と悩んでいるSNS担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
森田アルミ工業株式会社
森田アルミ工業株式会社は、建築金物やインテリア製品の製造・販売を行う会社です。同社が運営する公式アカウントでは、自社商品の使い方や実際の使用事例などを発信しています。
BtoB企業でありながらも、堅いイメージを避けるためにイラストや絵文字を活用するなどして、一般ユーザーにも親しまれやすいスタイルで投稿しているのが特徴です。2023年9月現在のフォロワーは2万人超と、BtoB企業のなかでも一際存在感を放つアカウントとなっています。
Yahoo!マーケティングソリューション
出典:Yahoo!マーケティングソリューション 公式X(Twitter)
Yahoo!マーケティングソリューションは、Web広告を中心に広告運用サポートツールやマルチビックデータを活用したDSPなどを提供している会社です。
同社が運用する公式アカウントでは、各種広告主や広告代理店、マーケターに向けて自社の広告事業、データマーケティングの最新情報、成功事例などを発信しています。
同社のアカウントはターゲット設定が的確で、ユーザーのニーズに合ったYahoo!らしさあふれる情報発信ができている点が特徴です。
また、自社オウンドメディア内のコンテンツを頻繁にX(Twitter)で紹介することで、効果的にオウンドメディアへ誘導している理想的な例といえます。
コベルコ建機株式会社
コベルコ建機株式会社は、日本のインフラを支える建設電機メーカーです。同社のアカウントでは、自社製品に関するイベント情報や会社の歴史、エピソードなど幅広いコンテンツを発信しています。
製品の機能紹介だけにとどまらず、実際の活用場面などを画像や動画を用いて紹介し、ユーザーが身近に感じられるような内容を投稿しているのが特徴です。また、高い投稿頻度を維持することで、フォロワーの離脱率を防ぎ2023年9月時点で1.1万フォロワーを誇っています。
ディレクターバンク株式会社
ディレクターバンク株式会社は、2016年に設立されたWebマーケティング会社です。200名以上のWebマーケティングのプロフェッショナル人材ネットワークを活用し、企業のWebマーケティング運用をワンストップで支援しています。
同社が運用する公式アカウントでは、Webマーケティングに関する最新情報や支援事例などをメインに発信を行っています。会社案内資料のリンクを先頭に固定することで、多くのユーザーに自社サービスを知ってもらう・見てもらえるよう工夫している点が特徴です。
また、Webマーケティング関連のフリーランスを募集するなど、採用活動にもX(Twitter)を活用しているのが伺えます。
株式会社石井マーク
株式会社石井マークは、標識・銘板・配管識別表示の製造・販売を行っている会社です。同社の運用するアカウントでは、日常生活に潜む事故のリスクを見やすいイラストや図解で表し、防災や防犯意識を高める情報を発信しています。
また他企業・一般ユーザーのつぶやきに積極的に反応することで、ユーザーとの接点を増やしているのが印象的です。ユーザーの興味を惹きつけるユーモアかつ実用性のある投稿スタイルは、これから運用していく企業が率先して取り入れたいポイントの1つです。
株式会社モリサワ
株式会社モリサワはフォント製品・サービスやソフトウェアの開発・販売を行うフォントメーカーです。同社が運用する公式アカウントでは、自社の新商品やイベント情報、文字・フォントにまつわる情報をメインに発信しています。
ユーザーから投稿されたフォントに関する疑問や悩みをツイートで分かりやすく解説し、ユーザーとのコミュニケーションを重視しているのが印象的です。また、季節や時事ネタを絡めた企画ツイートも充実しています。
丸安毛糸株式会社
丸安毛糸株式会社は、国内外のデザイナーズブランドやアパレルメーカーに毛糸を供給している老舗ニットメーカーです。「丸安毛糸の中のひと」というアカウント名で、ニットに関する情報を発信しています。
随時クーポン配布キャンペーンなどを実施しており、ユーザーに喜ばれるツイートが充実しているのが特徴です。また、ニットの身近さなどを伝えることで、手芸を始める人のきっかけづくりにも貢献しています。
株式会社タカ・リセントホーム
出典:株式会社タカ・リセントホーム 公式X(Twitter)
株式会社タカ・リセントホームは、北海道全域で住宅のリフォーム事業や不動産業を展開している会社です。同社の公式アカウントは、SNS運用担当の「しゃけ」という方の日常ツイートがメインとなっています。
親しみやすいキャラクター、かつゆるめの投稿内容により、BtoB企業のSNSでありながらもユーザーからのコメントが多いのが特徴です。また、相互フォローを積極的に行うことで、着実にフォロワーを伸ばし2023年9月時点で7,000人を超えています。
ヤナセ製油株式会社
ヤナセ製油株式会社は自動車、農業、食品などさまざまな業界のニーズに応える潤滑油を製造・販売している会社です。
同社の公式アカウントでは、潤滑油に関する基礎知識や情報を分かりやすく発信しています。専門的な商品だからこそ画像を用いて丁寧に解説することで、ユーザーが具体的な利用場面をイメージしやすいよう工夫している点が特徴です。
有限会社Lプランズ
有限会社Lプランズは、官公庁や民間企業の施設の電気設備設計を手掛けている会社です。同社が運用する公式アカウントでは、主に採用にまつわる情報を発信しています。
「#〇卒と繋がりたい」「#中途採用」「#転職」といったハッシュタグを積極的に活用することで、就職・転職活動中のユーザーが投稿を発見しやすくなるように工夫しているのが特徴です。
また、人事による就活ラジオの宣伝も行っており、ユーザーとの距離を縮め自社への関心を高める取り組みも行っています。
BtoB企業のX(Twitter)運用のコツ
BtoB企業がX(Twitter)を有効に活用するためには、以下のようなポイントを意識しながら運用していくことが求められます。
・業界の話題に触れる
・業界用語を解説する
・企業の中の「個人」に向けて発信する
・個性のある投稿をする
1つずつ詳しく見ていきましょう。
業界の話題に触れる
BtoB企業がX(Twitter)を効果的に運用するためには、自分たちの業界に関連する話題に積極的に触れることが大切です。業界の最新ニュースやトレンドなどに合わせたツイートを定期的に行うことが、フォロワーの興味を惹きつける秘訣です。
また、X(Twitter)上で話題となっている業界ニュースに反応することで、自社の投稿が多くのユーザーに発見してもらえる可能性も高まります。
業界用語を解説する
BtoB企業がX(Twitter)を運用する際は、業界用語を解説することも大切です。X(Twitter)はさまざまな人々が利用するプラットフォームであり、業界用語や専門知識に精通していないフォロワーも少なくありません。
そのため、企業は自社の専門分野に関連する専門的な用語や概念を分かりやすく説明し、ユーザーの理解度を深める工夫が必要です。
たとえば、自社の製品・サービスに関する業界用語を、イラストや動画などを用いて解説することで理解してもらいやすくなることもあるでしょう。このようなツイートを通じて、フォロワーにとって価値ある情報を提供し続けられれば、情報拡散も期待できます。
企業の中の「個人」に向けて発信する
X(Twitter)で成果を上げるためには、企業に属する「個人」に向けた情報発信が欠かせません。通常であれば、BtoB企業は自社の商品・サービスを企業に対して提供しますが、X(Twitter)を利用しているのは企業に属する「個人」です。
そのため、X(Twitter)上では自社のターゲット企業で働く「個人」が興味を持ちそうな情報(業界の最新情報に対する考察、自社商品・サービスの導入事例など)を発信する必要があります。
個性のある投稿をする
X(Twitter)を効果的に運用するためには、ユーザーの関心を惹きつける個性的な投稿が必要です。
BtoB企業のX(Twitter)は、単に自社のサービスを紹介するだけではユーザーの関心を集めることはできません。他社との差別化を図るには、オリジナルかつ独自の情報を発信し、企業の個性やブランドイメージを際立たせファンを増やすことが肝要です。
自社の事業内容に関連性のあるテーマで統一し、最終的には「〇〇の情報収集だったら△△社」といった状態に持っていけるよう工夫しながら運用していく必要があります。
まとめ
本記事では、BtoB企業がX(Twitter)を運用するメリット・デメリットや運用のコツについて解説しました。
BtoC企業が一般の個人向けに商品・サービスをPRするのとは異なり、BtoB企業はターゲットが他の企業であるため、X(Twitter)で発信する内容には工夫も必要です。
始めは効果が見えにくい部分もあるかもしれませんが、BtoB企業であっても適切に活用することで認知度向上や新規顧客の獲得につなげることができます。
今後X(Twitter)をマーケティングに活用しようと考えている企業は、本記事でご紹介した成功事例を参考にし、ぜひX(Twitter)運用にチャレンジしてください。
株式会社HubWorks マーケティング部 2021年よりインターネット広告代理店に入社し、月間数億規模の広告運用を経験。 2022年に株式会社Hub Worksに入社しマーケティング担当者として、ウェブ広告やSEOなどの集客、 記事やホワイトペーパー作成などのコンテンツ制作業務に従事。