コンテンツマーケティングとは?定義や種類、実際の運営プロセスも
コンテンツマーケティングとは何か?
コンテンツマーケティングの定義や、求められることになった背景について詳しく解説していきます。
コンテンツマーケティングとは?活用するメリットや成功事例を紹介
コンテンツマーケティングの定義とは
ユーザーが求める情報をコンテンツとして発信していき、ファンを育成することで、商品やサービスの購買を狙うマーケティング手法をコンテンツマーケティングと呼びます。
既存顧客をファンやリピーターに育成していくことが大切なので、顧客分析に力を入れることがポイントです。ユーザーが知識を得るだけではなく、行動へと一歩踏み出せるようなコンテンツを作成していくことで、他社との違いを出せるでしょう。
コンテンツマーケティングが求められることとなった背景
コンテンツマーケティングは、情報化社会・顧客の商品やサービスの購買に対する考え方の変化により求められるようになりました。以下で詳しく解説していきます。
web上に情報があふれていることで、「売り込み型」が不向きに
web上に多くの情報が掲載されるようになり、ユーザーは知りたい情報を自分で検索できるようになってきました。そのため、テレビCMなどの広告やテレアポセールスなどによる「売り込み型」が通用しなくなってきたのです。
以前はできるだけ多くの人に会うことがBtoBマーケティングの成功の秘訣といわれていましたが、ネットで調べれば情報が入手できるようになってきたため、こうした売り込み型の広告では通用しなくなってきました。
これからのマーケティングと 「ZMOT」の考え方
最近登場してきた消費者の購買モデルである「ZMOT」。Zero Moment of Truthの略で、顧客は店舗に来て商品を購入する前にインターネットで情報を調べて、購入するものを決めているという理論です。
この理論では、webのみで収益をあげている企業だけではなく、店舗メインで商品やサービスを販売している企業でもインターネットでの情報提供が重要といわれています。
多くの顧客は購入前に情報をしっかり調べてきているため、自社商品の情報をユーザーに届けていかなければ、競合会社に顧客を取られてしまうのです。
コンテンツマーケティングとコンテンツSEOの違い
コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを発信し続けて購買を促すマーケティング手法のことです。一方で、コンテンツSEOは「検索エンジン最適化」のことを指し、検索結果を上位表示させるための取り組みのこと。
コンテンツマーケティングは、資料請求や商品の購買が目的となりますが、コンテンツSEOは検索順位をあげることが目的です。
また、ターゲットもコンテンツマーケティングは購買を検討している層であるのに対し、コンテンツSEOは情報を検索エンジンでリサーチする層とやや異なります。
コンテンツマーケティングとSEOの違いとは?従来の手法との違いも紹介
コンテンツマーケティングとコンテンツSEOが混同される背景
コンテンツマーケティングとコンテンツSEOが混同されるようになったのは、名前が似ているためでしょう。また、コンテンツマーケティングを成功させるための手法のひとつとして、SEOが挙げられるので混同している人が多いのかもしれません。
コンテンツマーケティングの種類
コンテンツマーケティングの種類は、大きく分けて5つです。それぞれ詳しく解説していきます。
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記事コンテンツ(コンテンツSEO)
テキストメインの記事コンテンツは、最も一般的なwebコンテンツです。競合会社が同じようなものを配信しているため、差別化を図ることでユーザーに興味を持ってもらえて、SEO効果を発揮します。
シンプルなテキストのコンテンツではなく、加工した画像や動画を取り入れたりして、自社の強みをアピールすることが大切です。
またコンテンツマーケティングをする上で、その分野の専門性を高めることも重要です。
「〇〇について知りたいときは、この会社のサイトを見よう。」という認識をユーザーに持ってもらえるようなコンテンツを作成していくことで、ファンを育成でき、購買へと促せることができます。
SNS
SNSを利用することで、ファンを獲得することも可能です。SNSはユーザーとの距離が近く、コミュニケーションを取りやすいのが大きな魅力です。ユーザーに寄り添った投稿を続けることで、自社へ愛を持ったファンを育成することができるでしょう。
動画コンテンツ
動画コンテンツは、ユーザーに情報をしっかり届けたいときに便利です。他のコンテンツと比較して、ユーザーの記憶に残りやすいため、多くの情報を発信したいときにもおすすめです。
また、実際に商品を使っている動画を掲載することで、写真ではわからないような特徴を伝えられます。ECサイトを運営していて、商品の購買数が伸びない場合などに活用してみるとよいでしょう。
レビュー・事例
多くのアイテムやサービスを扱う会社の場合は、レビュー・事例記事を掲載するのもおすすめです。各商品のおすすめポイントや特徴だけではなく、デメリットや注意点まで詳しく紹介することで、ユーザーから信頼を得られるでしょう。
ホワイトペーパー
ただサイト内の情報を閲覧してもらうだけではなく、顧客情報を獲得してユーザーにプラスで情報を提供しながら関係を構築していきたい場合は、ホワイトペーパーがおすすめです。
ホワイトペーパーは、ダウンロードと引き換えに会社情報やメールアドレス・氏名などの情報を入力する必要があるため、ユーザーの情報をゲットできるのが大きな魅力です。
顧客との信頼関係が大切なBtoBの取引をする際にとくにおすすめのコンテンツといえます。
実際のコンテンツマーケティングの流れ
ここからは、コンテンツマーケティングの流れを解説していきます。
コンテンツ制作で記事作成を行う手順を紹介!外注時のポイントも
コンテンツマーケティングで重要となるプロセス
コンテンツマーケティングのプロセスは以下の通りです。
1.【認知・興味】オウンドメディアの立ち上げとアクセス収集
2.【興味・検討】PVを見込み客に昇華させる
3.【購入】見込み客から新規顧客への成長
4.【継続・応援】新規顧客から優良顧客への成長
5.それぞれの過程における効果測定と改善
それぞれ詳しく解説していきます。
①【認知・興味】オウンドメディアの立ち上げとアクセス収集
最初のステップとして、オウンドメディアを立ち上げて、アクセスを集めましょう。顧客が興味を持ちそうな内容のコンテンツを掲載することで、PV数を得られます。
②【興味・検討】PVを見込み客に昇華させる
オウンドメディアを閲覧したユーザーにより興味を持ってもらうために、顧客・競合分析をしっかり行うことが大切です。どのような顧客に向けてコンテンツを作成するか明確にすることで、よりユーザーの心をつかむものを作成できます。
また、競合会社を分析することで何を強みにしてコンテンツを作成するか考えやすいでしょう。他の会社がSNSに力を入れていないのであれば、作成した記事コンテンツをSNSで宣伝するなど、自社だけの魅力を出していくことが大切です。
③【購入】見込み客から新規顧客への成長
見込み顧客から新規顧客へと成長させるためには、顧客が興味を持つような情報を定期的に発信していくことが大切です。知りたい情報を入手できるサイトだと思ってもらうことで、自社のファンになってもらえるでしょう。
また、商品やサービスを購入しやすい導線を確保することも重要です。商品紹介のページの最後に購入先やサービスの契約先のリンクを貼ることで、スムーズに行動できるでしょう。
興味を持ったのに購入方法が複雑だと、ユーザーが離れていってしまう可能性があるため、企業目線ではなくユーザー目線でサイト設計をすることもポイントになります。
④【継続・応援】新規顧客から優良顧客への成長
継続的に商品やサービスを購入してくれるユーザーを確保するためにも、良質なコンテンツを配信していくことが大切です。
商品やサービスに満足するだけではなく、興味がひかれるコンテンツを常に配信していると思ってもらえれば、継続的に自社を利用する顧客になってもらえるでしょう。
大型商品やあまり買い換える必要がないアイテムを販売している会社の場合は、メールマガジンなどを利用してユーザーとの接点を作るのもおすすめです。顧客との繋がりを切らないことで、優良顧客への育成も図れます。
⑤それぞれの過程における効果測定と改善
コンテンツマーケティングをする上で、効果測定と改善も大切なステップのひとつです。コンテンツは公開したら終わりではなく、アクセス数、滞在時間、コンバージョン数などを分析して定期的に情報を更新していくことで、より良質なコンテンツを作成できます。
多くのコンテンツを作成している場合、頻繁に改善することは難しいかもしれませんが、自分で頻度を決めて情報収集・改善していく習慣をつけるとよいでしょう。
コンテンツマーケティングのメリット・デメリット
ここでは、コンテンツマーケティングのメリットやデメリットを解説していきます。
コンテンツマーケティングのメリットとデメリットを詳しく解説!
コンテンツマーケティングのメリット
コンテンツマーケティングの利点は大きく分けて3つです。1つ目は、低コストで始められるということです。広告などを利用する場合、月々に費用が発生しますが、コンテンツマーケティングの場合オウンドメディアがあれば人件費のみで始められます。
2つ目は、コンテンツが資産になっていくということです。良質なコンテンツを作成できれば、半永久的に集客効果を発揮するため、24時間365日集客効果を発揮するツールになります。
3つ目は、質の高いコンテンツの場合SNSで拡散される可能性が高いということです。SNSで広く拡散されれば、今まで自社に興味を持っていなかったユーザーとも接点を持てるので、新規顧客の獲得にもつながるでしょう。
コンテンツマーケティングのデメリット
コンテンツマーケティングのデメリットは2つです。1つ目は、効果が出るまでに時間がかかるということです。広告のように即効性を発揮するものではないため、中長期的な視野を持つことが大切といえます。
2つ目は、運営に時間と手間がかかるということ。いくら良質なコンテンツを作成したとしても、コンテンツの数が少ないとユーザーに興味を持ってもらえないため、ある程度コンテンツを作成する必要があります。
コンテンツマーケティングにおける効果測定の方法
コンテンツマーケティングにおける効果測定の方法は、認知系KPIと理解系KPI、比較・選択段階の効果測定の3つです。以下でそれぞれ詳しく解説していきます。
コンテンツマーケティングの指標とは?設定の方法やポイントも紹介
コツやツールをご紹介!コンテンツマーケティングの効果測定
認知獲得段階の効果測定(認知系KPI)
顧客を獲得する段階でチェックしたい指標のひとつが、検索順位です。検索順位が高いほどサイトを閲覧してくれるユーザーの数が増えます。また、ユーザーが閲覧したページ数(PV数)もチェックしましょう。
閲覧数が多いコンテンツを参考にしながら、新たなコンテンツのキーワードや構成を考えていくことで、よりユーザーが興味を持つコンテンツを作成できます。
調査・理解段階の効果測定(理解系KPI)
顧客に理解してもらう段階でチェックしたいのが、直帰率です。直帰率が高い場合は、ユーザーにとってコンテンツの価値がなかったということを示します。また、滞在時間やスクロール率、回遊率もチェックしましょう。
スクロール率はユーザーがコンテンツを閲覧してくれた量、回遊率はユーザーが1回の訪問で閲覧してくれたページ数になるので、これらが多いほどユーザーにとってサイトが興味深かったということになります。
比較・選択段階の効果測定
比較や選択段階の効果測定で見たいのが、コンバージョン数です。資料請求や商品購入など、サイトによって内容は異なりますが、ユーザーがコンテンツを閲覧して行動した数の指標になります。
アクセス数や滞在時間、回遊率が高いのにコンバージョン数が伸びない場合は、サイト設計に問題がある場合もあります。
資料請求や商品購入のページへ飛ぶ方法がわかりにくい、入力する情報が多いなどユーザーが行動に移せない理由があると考えられるので、対策をとるとよいでしょう。
コンテンツマーケティングを成功に導くためには分析が不可欠
コンテンツマーケティングを成功させるためには、分析が不可欠です。ここではオウンドメディアの失敗事例や成功事例から学ぶことを解説していきます。
オウンドメディアの失敗事例
オウンドメディアが失敗に終わってしまうポイントは多数あるため、段階ごとに紹介していきます。
準備段階で失敗してしまう場合は、目的やペルソナが不明瞭であることが多いでしょう。なぜ作成するのかを明確にしないことで、誰の心にも刺さらないコンテンツになってしまいます。
また、運営体制が整っていないことで失敗してしまうこともあります。誰が何を担当するかしっかり決めないと、連携が取れず質の低いコンテンツを量産することになってしまいます。
さらに制作段階では、検索キーワードを考えずに記事を書いてしまい失敗することがあります。競合・キーワード分析を行わずに適当に作成してしまうと、よく陥いる傾向です。
オウンドメディアを作成する際には、常に自社目線ではなくユーザー目線で良質なコンテンツになっているか考えることが大切です。
成功事例の研究が成功への近道
オウンドメディアの成功事例を見てみると、コンテンツの目的やペルソナを明確に定めている傾向にあります。目的に関しては、ユーザーの行動にアプローチすることをゴールに設定しておくことが大切です。
たとえば、旅行情報を提供するコンテンツの場合、「旅行に興味を持ってもらう」ではなく、「自社のサイト内から旅行の予約をしてもらう」のように目的を定めましょう。こうすることで、どのような内容を扱えばユーザーに興味を持ってもらえるかが具体的に考えやすくなります。
またペルソナ設定に関しては、年齢や性別だけではなく人生観やそのコンテンツに興味を持った背景などをしっかり設定することがポイントです。ペルソナを明確に設定することで、まるで実際に接客しているかのような感覚でコンテンツを作成できるでしょう。
コンテンツマーケティングの流れを理解しよう
コンテンツマーケティングを行う上で大切なのが、段階ごとに効果測定をすることです。アクセス数や滞在時間が伸びない場合はコンテンツの質が低い可能性があるので、掲載するコンテンツを考え直す必要があるでしょう。
また、PV数や回遊率は高いのにコンバージョン数が伸びない場合は、導線がしっかり確保できていない場合があります。ユーザーの行動をサポートできるようなサイト設計を心がけて、コンテンツマーケティングを成功させましょう。