コンテンツマーケティング施策14種類を徹底解説|ユーザーの行動フェーズに適した選び方も紹介
認知拡大や売上アップなどを目的にコンテンツマーケティングを行う場合、具体的にどのような施策を実施するのか検討する必要があります。
コンテンツマーケティング施策の種類は多岐にわたるため、目的や期待できる効果などに合わせて選択することが求められます。
そこで今回は、コンテンツマーケティングの代表的な施策の種類をご紹介します。
ユーザーの行動フェーズごとに施策の選び方も解説するので、コンテンツマーケティングに取り組む際の参考にしてください。
コンテンツマーケティングとは?
コンテンツマーケティングとは、価値ある情報(コンテンツ)を活用したマーケティングのことです。
コンテンツというとブログやコラムといったWeb記事のイメージが強いものの、実際には動画・メルマガ・SNS・ホワイトペーパーなどもコンテンツに含まれます。
ユーザーが興味・関心を示す情報や価値ある情報を提供し、ユーザーとの信頼関係を構築していきます。そこから認知や購買などの成果につなげていくことがコンテンツマーケティングの目的です。
新規顧客の獲得をはじめ、既存顧客へのアプローチや教育にも活用できます。ユーザーと信頼関係を築いて成果につなげていくためには、ユーザー目線でコンテンツを作っていくことが重要です。
コンテンツマーケティングの基礎知識については以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
コンテンツマーケティングとは?活用するメリットや成功事例を紹介
代表的なコンテンツマーケティング施策14種類
コンテンツマーケティングの施策の種類は豊富なので、それぞれの特徴を理解した上で適した施策を選んでいく必要があります。
ここで、代表的なマーケティング施策を14種類ご紹介しましょう。
コンテンツSEO
コンテンツSEOとは、検索エンジン経由でWebサイトへの流入を促すための施策です。検索ユーザーのニーズに合った情報をまとめた記事などのコンテンツを継続的に発信していくことになります。
有益な情報の発信を通じて、ユーザーに興味を持ってもらえたり、ファンになってもらえたりする可能性があるでしょう。
ブログやオウンドメディアの作成・運営が定番ですが、購入・契約前の悩みを解消できるFEAQや質問集などをコンテンツSEOとして活用するケースもあります。
検索エンジンから集客することになるので、SEOを意識してコンテンツを作ることがこの施策のポイントです。
競合調査やキーワード調査・選定などをしっかり行った上でユーザーニーズを満たしたコンテンツを作り、特定のキーワードでの上位表示を目指す必要があります。
コンテンツSEOについては以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
コンテンツSEOとは?実施するメリット・デメリットから手順や注意点まで徹底解説
SNS運用
Facebook・X(旧Twitter)・InstagramなどのSNSもコンテンツマーケティングでよく活用されています。SNSはリアルタイムで情報が拡散され、話題性もあるので、認知拡大に効果的なコンテンツです。
スマートフォンの普及に合わせてSNSの利用者は増加しており、若者を中心にコミュニケーションや情報収集を目的に使われています。若年層をターゲットにする場合、SNSの有効性は高いといえるでしょう。
ただし、SNSによって特徴や利用者層が異なります。そのため、商材やターゲット層に合わせてSNSを選び、認知やファン化につながる情報発信をしていくことが大切です。
SNSの運用については以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
企業SNS運用とは?中小企業の成功事例と3大SNSの特徴・ルール
インフォグラフィック
インフォグラフィックとは、イラストや図表、箇条書きなどで情報やデータをわかりやすく伝える施策です。定量的な数字に基づいて高い訴求ができることがメリットになります。
インフォグラフィックは標識や地図、新聞・雑誌の解説図などに用いられており、身近なものとなっています。Web上でも2011年あたりからインフォグラフィックを取り入れられるようになりました。
情報を可視化しやすくするので見た人の理解度が高まるだけではなく、SNS上ではいいねや拡散などのアクションを受け取る確率が高まるという効果もあります。
企業ロゴやブランドカラーを用いたインフォグラフィックであれば、ブランドの認知度向上にも期待できるでしょう。
動画コンテンツ
YouTubeやTikTokなどの動画配信プラットフォームは市場が拡大していることもあり、動画コンテンツを活用する企業は増えています。
動画は、映像と音声によって視覚と聴覚の両方から情報をわかりやすく伝えられる特徴があります。
複雑な仕組みや全体のビジュアル、利用イメージなども短時間で伝えることが可能です。テキストや静止画と比べて、視聴者の記憶に残りやすいのも動画のメリットです。
最近はYouTubeから商品を探したり、情報収集をしたりするユーザーも増えています。
そのため、動画配信プラットフォームに動画を投稿すれば、検索結果から動画を視聴してもらい、自社や商品・サービスを認知してもらえる可能性があるでしょう。
また優れた動画は、SNSなどで拡散され、潜在層へのアプローチにつながるメリットもあります。
動画コンテンツについては以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
コンテンツマーケティングに動画を活用する効果は?手法や事例も紹介
LP
LP(ランディングページ)は、特定の商品・サービスの情報をまとめたセールス特化のWebページです。
1つのページで、商品やサービスの訴求を行い、購入や問い合わせなどにつなげていきます。検索結果や広告、SNSなどからの遷移先に適しており、特にWeb広告との相性がよい施策です。
LPは広告的な要素が強いコンテンツになりがちです。ユーザーに有益な情報を届けるというコンテンツマーケティングの性質に合わせるためには、読み物としての価値があるLPにする必要があります。
ユーザーの悩み・課題を解決できる情報を伝えた上で、自社商品・サービスの有用性を認識してもらえるコンテンツになれば広告感を抑えながらアピールすることが可能です。
LPについては以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
LPとは?特徴からメリット・デメリット・制作や運用のコツまで解説
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーは、自社の商品・サービスに関する情報をまとめた資料のことです。自社の研究や調査報告・商品やサービスの紹介・導入事例などの情報がまとめられています。
商品・サービスのページよりも専門的な内容を伝えられるので、商品・サービスに対する理解を深めてもらうことが可能です。
また、特定の分野において専門的な知見を保有する証拠にもなるので、信頼度の向上にもつながります。
自社サイトやオウンドメディアなどでダウンロードを促すとよいでしょう。ダウンロードする際に、名前(社名)やメールアドレスなどの情報を入力してもらう仕組みにすれば、リード獲得もできます。
ホワイトペーパーについては以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
メールマガジン
メールアドレスを登録している顧客に向けて、Eメールで定期的に情報を発信するコンテンツです。有益な情報の発信を通じて顧客との接触回数を増やせるので、信頼関係の構築・維持に役立ちます。
なかなかメールを開かない人も定期的に送信者から企業名を見ることになるので、必要なときに企業名を想起しやすくなります。他にも見込み客の育成・短時間でのコンバージョンの獲得といった効果も期待できるでしょう。
メールマガジンでは、新商品や人気商品の紹介・イベントやキャンペーンの開催・お得なクーポンの配布などさまざまな内容の情報を顧客に届けることが可能です。
また、LPや記事コンテンツなど他のコンテンツマーケティング施策と組み合わせることもできます。
メールマガジンについては以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
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プレスリリース
プレスリリースは、主にメディア関係者に発信される企業や組織が発表する公式文書です。各メディアでコンテンツを作成しやすくするために、一次情報や画像・動画などがまとめられています。
新商品・サービスやイベント・キャンペーン情報をはじめ、新規事業や経営情報の発表などに活用されています。
プレスリリースを通じて影響力の大きい各メディアに掲載してもらい、知名度や信頼度の向上を目指すことが可能です。
今ではインターネット上でも閲覧できるようになったため、メディア関係者だけではなく、消費者にも役立つコンテンツとなっています。そのため、購入や採用などの反響にもつながる可能性が高いです。
プレスリリースについては以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
ウェビナー
ウェビナーは、オンラインで開催されるセミナーです。各ジャンル・テーマの専門家によるノウハウの解説や事例紹介などを聞くことができます。
オンラインで開催されるため、場所に縛られることなく、自由に参加できることがユーザーにとっての大きなメリットです。
視聴者と対話できるので、リアルタイムで質問に答えて疑問を解消したり、直接意見を聞いたりできます。参加申し込みの際に名前やメールアドレスを収集できれば、見込み客の獲得が可能です。
また、ライブ形式ではなく、事前に録画したセミナーをWebで公開する形式にすることも可能です。
双方向のコミュニケーションは取れませんが、参加者は自分の好きなタイミングで視聴できるので、気軽に視聴してもらって商品・サービスについて知ってもらうことができます。
ウェビナーについては以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
ポッドキャスト
インターネット上で配信される音声コンテンツです。RSSフィードによって音声ファイルが公開される仕組みなので、ポッドキャストに対応したアプリに一斉にコンテンツを配信することが可能です。
社員インタビューや新商品・サービスの紹介などの情報をラジオ番組のような感覚で配信しているケースが多くみられます。動画と比べるとインパクトは欠けますが、ユーザーは“ながら聴き”ができるメリットがあります。
最新情報やここでしか聞けない情報などを発信することで、認知拡大やブランディングなどにつなげることが可能です。
プレゼンテーション資料
プレゼンテーションの内容をわかりやすく伝えるために作成される資料です。文章では伝えにくい部分は、データやグラフなどを使い視覚的に作ることで、わかりやすく説明できます。
プレゼンテーション資料は、パンフレットと比べると自社の強みや専門的な内容などが記載されています。そのため、企業のことや商品・サービスなどについて、より深く理解してもらうことが可能です。
また、資料の最後に自社サイトのURLやQRコードを記載して、Webサイトへのアクセスを促すことができます。
eBook
コンテンツマーケティングで活用されるeBookとは、商品・サービスの魅力をわかりやすく紹介した電子書籍です。
本質はホワイトペーパーと似ていますが、イラストや図表を使いながら簡潔に紹介するので、eBookの方がややラフなコンテンツになります。
eBookは、HTMLや画像ファイルで構成されています。そのため、PDFと比べてファイル容量が軽く、すぐに開いて読むことが可能です。
また、基本的に無料で配布するものなので、ユーザーが気軽にダウンロードできるのもメリットです。
こちらもダウンロードする際に、氏名・社名やメールアドレスなどの情報を収集することが可能です。その情報を活用して、顧客にとって魅力に感じるコンテンツを発信し続けることができます。
導入事例(ケーススタディコンテンツ)
事例をまとめたコンテンツです。成功事例や失敗事例などを提示することで、ユーザーは商品・サービスに対する具体的な活用イメージを持つことができます。
導入したきっかけや結果などがわかり、対象の商品・サービスの特徴や価値、実績などが把握できます。そのため、商品・サービスの理解や信頼性向上に効果的なコンテンツです。
商談の際、商品・サービスに魅力を感じているものの、契約になると不安になって躊躇してしまうケースは少なくありません。
しかし、事例から第三者の声を聞いて安心感を持ち、契約や購入を決断してくれる可能性が高まります。
また、自社について知らないユーザーへの認知にも事例は役立ちます。事例は顧客視点で商品・サービスについて書かれており、自分と似た悩みを持つユーザーの興味や関心を引くことが可能です。
その時点で商品・サービスについて知らなくても、Webページに事例を掲載することで、そこから認知して興味を持ってくれる可能性があります。
インタビューコンテンツ
インタビュー内容を掲載したコンテンツです。インタビューコンテンツには、業界の有識者・開発者・社員のインタビューとさまざまな種類があります。
また、顧客による導入事例(ケーススタディコンテンツ)もインタビューコンテンツの一種といえます。
どのようなインタビューコンテンツを制作するかは、目的によって変わってくるでしょう。たとえば、商品・サービスの魅力を伝えたいのであれば有識者や開発者インタビューが有効です。
有識者であれば、専門的な知見から客観的に商材の優位性を裏付けてくれます。開発者インタビューでは、開発の経緯やこだわった部分、技術レベルの高さを伝えて商材の信頼性をアピールすることが可能です。
採用目的であれば、社員インタビューが有効です。実際に働いている人の目線で企業や事業の魅力を伝えられ、求職者は具体的なイメージを持てるようになります。
インタビューコンテンツは第三者による客観的な声を用いて作成されるコンテンツであるため、説得力の高さが魅力です。リアリティや信憑性を求めるコンテンツとしておすすめです。
インタビューコンテンツについては以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
インタビュー記事の作り方・書き方・まとめ方と準備や取材の流れ
ユーザーの行動フェーズに適したコンテンツマーケティングの選び方
ここまでコンテンツマーケティング施策の代表的な種類をご紹介してきましたが、実際に実施する際はユーザーの行動フェーズに合わせて適した施策を選ぶことになります。
どのフェーズにどの施策が適しているのか、選び方を見ていきましょう。
認知フェーズ
認知フェーズは、本格的に商品・サービスを導入することは考えておらず、課題解消にどのようなものがあるのか模索中の段階です。
数多くの商品・サービスがある中で、自社を認知してもらうためのコンテンツマーケティング施策の実行が求められます。
この段階でおすすめのコンテンツマーケティング施策は以下のとおりです。
・記事コンテンツ
・動画コンテンツ
・SNS
・プレスリリース
・インフォグラフィック
認知フェーズでは、商品・サービスを強くPRするのは避けた方がよいでしょう。課題解決や製品の強みに気付いてもらえるきっかけを与えるコンテンツを作るのがおすすめです。
また、認知拡大にはSNSが特に有効です。発信した情報がタイムリーで拡散されるほか、口コミ・レビューを通じて情報が広まる可能性があります。
興味関心フェーズ
商品・サービスについてあまり知らないものの、興味や関心を持ち始めている段階です。この段階でしっかりアピールできれば、次の比較検討フェーズや購入フェーズにつながります。
この段階でおすすめのコンテンツマーケティング施策は以下のとおりです。
・記事コンテンツ
・動画コンテンツ
・SNS
・LP
・ホワイトペーパー
・eBook
顧客の興味・関心を引くためには、より具体的な情報を提供することがポイントです。具体的な情報を提供することで、商品・サービスの有効性をアピールできます。
比較検討フェーズ
購入や導入する商品・サービスが明確になり、複数のアイテムを比較しながら検討している段階です。ここでは、自社商品・サービスを理解してもらい、優位性を伝えられるコンテンツが求められます。
この段階でおすすめのコンテンツマーケティング施策は以下のとおりです。
・記事コンテンツ
・LP
・メルマガ
・ウェビナー
・ホワイトペーパー
・導入事例(ケーススタディコンテンツ)
比較検討フェーズで具体的な情報が求められるため、興味関心フェーズよりも詳しい情報を提供することがポイントです。
単純に商品・サービスの特徴だけではなく、不安を解消できるコンテンツも有効です。
購入フェーズ
比較検討を経て、購入や導入を決める段階です。ここでは、購入を後押しするためのコンテンツが求められます。
このフェーズでおすすめのコンテンツマーケティング施策は以下のとおりです。
・記事コンテンツ
・LP
・導入事例(ケーススタディコンテンツ)
・eBook
購入を決断したとはいえ、直前まで「この選択肢は正しいのか」と迷いが生じる可能性があります。
「正しい決定をした」と確信してもらえる情報を発信して、購入の後押しをしましょう。第三者の導入事例(ケーススタディコンテンツ)は特に有効といえます。
継続フェーズ
マーケティングは購入に至って終わりではありません。継続して商品・サービスを利用してもらうためには継続フェーズにつなげる必要があります。
継続フェーズでは、商品・サービスのよさを感じてもらい、リピートしてもらえるように働きかけていきます。
このフェーズでおすすめのコンテンツマーケティング施策は以下のとおりです。
・記事コンテンツ
・メルマガ
・ウェビナー
上記のコンテンツを活用することで、顧客と継続的に信頼関係を築くことが可能です。
メルマガで定期的にアプローチしたり、会員制の記事コンテンツを公開したり、会員限定ウェビナーの開催という施策を講じるとよいでしょう。
特別感を与えられるコンテンツを発信することで、顧客ロイヤリティを向上できます。
まとめ
今回は、コンテンツマーケティング施策の種類や行動フェーズごとの施策の選び方をご紹介しました。
コンテンツマーケティングには多くの施策があるので、どの施策を実施するか悩んでしまうことが多いでしょう。
しかし、施策の種類によって期待できる効果が異なります。そのため、顧客の行動フェーズに合わせて適した施策を講じるようにしましょう。
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株式会社HubWorks マーケティング部 2021年よりインターネット広告代理店に入社し、月間数億規模の広告運用を経験。 2022年に株式会社Hub Worksに入社しマーケティング担当者として、ウェブ広告やSEOなどの集客、 記事やホワイトペーパー作成などのコンテンツ制作業務に従事。