オウンドメディアとホームページの違いとは?運営方法や事例も解説!
インターネットを使うことが当たり前になっている昨今、オウンドメディアでの集客を検討する企業が増えてきています。オウンドメディアとホームページはどちらも企業が自社で所有するWebサイトを指すため、両者の違いがわからないという人も多いでしょう。
本記事では、オウンドメディアとホームページの違いと、オウンドメディアのメリット、デメリット、運営方法を解説していきます。成功事例も紹介しているので、参考にしてください。
オウンドメディアとホームページの違いは目的にある
オウンドメディアとホームページはそれぞれ目的が異なります。
オウンドメディアは集客・ブランディングを目的にしている一方で、ホームページは興味を持ってくれているユーザーに会社・商品・サービスを深く知ってもらうことが目的です。ここでは、それぞれの目的について詳しく解説します。
オウンドメディアの目的とは?
オウンドメディアは自社のことを知ってもらい、最終的に利益に繋げることを目的にしています。問い合わせ、資料請求、求人の応募などを獲得することで企業の利益に繋がります。
また、広範囲の顧客へリーチし、コンテンツを提供することで見込み顧客を育てることも可能です。
問い合わせ、資料請求、求人応募を獲得する
オウンドメディアでコンテンツを発信していくことで、顧客からの問い合わせや資料請求、求人応募などを獲得することができます。見込み顧客に対して有益な情報を発信し、自社への理解を深めてもらうことで問い合わせに繋げていきます。
また、オウンドメディアは採用においても活用されています。企業イメージを求職者へアピールすることで企業理解を促し、企業理解が深まった状態で応募してもらうことで、ミスマッチを回避することができます。
すでに制作してあるホームページやECサイトとは別に、SEO対策でオウンドメディアを立ち上げる場合もあります。この場合は、オウンドメディアから既存サイトへの導線を作り、集客を狙っていきます。
潜在的な顧客へのリーチ
オウンドメディアでは、今すぐに問い合わせや資料請求をして自社のことを知りたいとは考えていない、潜在顧客へのリーチが可能です。
広告出稿は、広告費用がかかってしまいますが、オウンドメディアの場合は広告費がかかりません。コストを抑えながら、将来顧客になる可能性のある方にアプローチができます。
ホームページの目的とは?
ホームページは商品・サービス、会社概要、理念など企業のことを理解してもらうことが目的です。企業の魅力を紹介し、問い合わせに繋げていくことも可能です。
企業情報の発信基地
ホームページは、インターネット上で企業の情報を発信するサイトになります。会社概要や事業内容、商品・サービスを公開し、自社への知識を深めてもらうことができます。
ホームページに訪れるユーザーの多くが会社名・商品・サービス名の検索から流入してきます。従って、ある程度興味を持ってくれているユーザーに対して、会社・商品・サービスへの理解を深めてもらうことができます。
事業・サービス情報の提供
ホームページでは、企業の事業内容やサービス内容、商品の情報を提供します。
ユーザーがホームページを訪れた際に、商品・サービスの情報が詳しくわからないと問い合わせまでつながらずに離脱されてしまいます。事業内容やサービス・商品内容についてはできるだけ詳しく、魅力的に掲載しておくことが必要です。
提供している情報に誤りがあると企業の信頼性の損失につながってしまう恐れがあるので、掲載する内容には注意が必要です。
オウンドメディアが注目されている理由
オウンドメディアが注目されている理由は、従来の広告のみの集客効果に限界を感じ、オウンドメディアはより低コストで長期的な運用が可能なことに、多くの企業が魅力を感じているためです。短期的な集客ではなく、長期的な集客効果が注目されています。
また、従来型の広告だけでは限界があることも、オウンドメディアが注目されている理由です。世の中は多くの広告で溢れており、競合他社を含めた広告のなかで埋もれてしまいます。
また、ユーザーのリテラシーが向上したことで、広告だとわかるとスルーされてしまうこともあり、メッセージは年々届きづらくなっています。
プライバシー侵害の観点から、ユーザーが特定されないようにネット広告の規制も強化されているので、広告の集客効果を向上させていくことも難しくなってきています。
このような時代背景から従来型の広告一辺倒では効果に限界が見えてきており、企業は別の集客方法もあわせて検討せざるを得ない状況となっています。
オウンドメディアのメリットについて
オウンドメディアの活用には、以下のメリットがあります。
・広範囲へのリーチ
・リピーターの獲得
・広告費の削減
・人材採用の強化
ここから詳しく解説しますので、オウンドメディアを作ろうか迷っている方は参考にしてください。
ホームページより広範囲なリーチができる
オウンドメディアでは、ホームページよりも広範囲のユーザーに対してリーチすることができます。コンテンツの内容に関心を持っている人をターゲットにするため、自社について認知されていない人にもリーチし、知ってもらうことができます。
さまざまなキーワードから顧客のニーズを満たすコンテンツを発信することで、顧客との接点を作ります。検索数が多いキーワードを対策することで、認知を効率良く拡げていくことが可能です。
潜在的な顧客層へのアプローチに課題を持っている企業では、広範囲なリーチができることは大きなメリットです。
顧客に自社について深く理解してもらえる
オウンドメディアで発信しているコンテンツから接点を作り、そこから企業・商品・サービスを深く理解してもらう機会を作ることができます。顧客の理解が深まることで、企業・商品・サービスを好きになってもらう可能性が高まり、ファン作りにもつながります。
結果として、定期的に商品やサービスを申し込むリピーターを獲得することが期待できます。リピーターを獲得できればLTVが高まり、売上を安定させることに繋がります。
※LTV:Life Time Valueの略で「顧客生涯価値」。顧客が生涯を通じて自社にもたらしてくれる利益の総量を指す。
広告費の削減が期待できる
オウンドメディアの運営により広告費の削減が期待できます。
広告を活用して集客をする場合には、掲載している期間は継続的に広告費が発生します。一方でオウンドメディアは、コンテンツを制作すれば資産のようにストックされて働き続けてくれるので、費用を抑えることが可能です。
ユーザーの求める質の高いコンテンツを継続的に発信していけば、検索エンジンで上位に表示され、費用を抑えながら多くのユーザーとの接点を作り出すことができます。
最初のサイト開発やコンテンツ制作には工数が必要なので、一定の費用がかかります。しかし、広告媒体に継続的に広告費をかけていくよりは費用を削減することが期待できます。
人材採用強化が期待できる
オウンドメディアで自社のブランディングを強化することで、人材採用への効果も期待できます。自社での仕事内容や働き方、企業理念などを発信し、サイトを訪れた求職者に企業理解を促しましょう。
企業理解を深めた状態で応募すれば、企業と求職者のミスマッチが起こりづらいので、採用の効率も上がることが期待できます。
オウンドメディアを通して企業の魅力を発信していくことで、転職活動をしていない人の認知も獲得することができます。いざ転職活動を始めた時点で、すでに企業認知があれば、応募につながることも期待できるでしょう。
オウンドメディアのメリットについての詳細はこちらを参考にしてみてください。
オウンドメディアのデメリットについて
オウンドメディアの運営にはメリットが多くありますが、デメリットもあるので理解しておく必要があります。
効果が出るまでに時間がかかる
オウンドメディアは効果が出るまでには時間がかかります。基本的には3ヶ月から半年以上の期間を使い、継続的に取り組んでいく必要があります。
このオウンドメディアの特徴を理解していないと、結果が出る前に諦めてしまうことも考えられます。基本的には長期的な運用が必要なことを理解しておき、コンテンツを継続的に発信し、サイトを育てることが必要です。
Googleの検索結果にサイトを表示する仕組みから考えると、数本コンテンツを投稿しただけでは、検索結果で上位を獲得し、ユーザーを集めることは難しいとされています。
内部対策、外部対策、コンテンツ制作の大きく3つの対策をする必要があり、一朝一夕ではオウンドメディアの集客は不可能に近くなっています。オウンドメディアの運用では、効果測定をしてコンテンツを改善しながら、コツコツ続けていくことが重要です。
リソースが必要になる
コンテンツを制作するだけでも、キーワードの選定、構成の作成、執筆など多くの工数が発生します。コンテンツの完成後にも、定期的に効果測定をして改善していく必要があるので、コンテンツの数が多くなるほど管理の工数が多くなります。
また、コンテンツの質を担保するために、作成のそれぞれの工程で確認・修正作業を行う必要があります。社内のリソースを使用することになるので、最初に準備しておかないとリソース不足で想定通りのオウンドメディアを制作できない可能性があります。
事前に成果がでるまでの期間や必要人数、予算などの必要なリソースを想定して、用意しておくことが必要です。自社内のリソースが不足する場合は、制作会社への外注も視野に入れて検討すると良いでしょう。
オウンドメディアの始め方をわかりやすく解説
オウンドメディアを始めるためには必要なステップが5つあります。
・オウンドメディアの目的の決定
・ターゲットやコンセプトの設定
・サイトの構築
・コンテンツの制作
・公開
それぞれをわかりやすく解説します。
オウンドメディア設計の手順を解説!成功するためのポイントとは?
①オウンドメディアの目的を決定する
オウンドメディアは目的によって最適な運用施策が異なってくるので、まずは目的を決めることが必要です。オウンドメディアの目的は「ブランディング」「顧客の獲得」「採用」「売上」など企業によって異なりますが、目的を意識した運用をすることが大切です。
目的を決定することで、オウンドメディアの方向性が明確になるので、運用が進めやすくなります。目的を決めずに運用を始めてしまうと、中途半端なオウンドメディアとなってしまい、成果につながらない場合も多いので注意が必要です。
②ターゲットやコンセプトを設定する
オウンドメディアの目的が決まったら、次にターゲットとコンセプトを決めていきます。
ターゲットとなるユーザーが求めていることを理解することで、発信するべきコンテンツが見えてきます。ターゲットを理解する際には、カスタマージャーニーマップを作成することを推奨します。
ステータスによって変動する「ターゲットが考えていること」を正確に把握し、見込み客がどのような情報を求めているのかを把握できるためです。
コンセプトは、オウンドメディアを制作するうえでのデザインやコンテンツ内容の軸になるので、時間をかけてしっかりと検討することが重要です。
③サイトを構築する
オウンドメディアの目的、ターゲット、コンセプトが決まったら、サイトを構築していきます。
サイト構築に使える便利なツールがありますので、目的にあわせて必要な機能を備えたツールを選ぶようにしましょう。サイトの構築はオウンドメディアの基盤になるので、自社で構築できない場合は外注も選択肢として考えておく必要があります。
④コンテンツを制作する
オウンドメディアではユーザーに価値のあるコンテンツを発信していくことが必要です。
制作前にターゲットが検索しそうなキーワードを選び、検索意図に合わせてコンテンツの内容を考えます。タイトルや構成、文章の内容まで、ユーザーが求めていることにあわせて作り込んでいくことが大切です。
競合サイトのコンテンツを調査し、自社の特徴や強みを活かすことができるコンテンツを盛り込むすることも重要です。競合記事と同様の内容を記載しただけのコンテンツは、Googleから高い評価を得られないためです。
⑤公開する
ターゲットの求めるコンテンツが完成したら、公開していきます。
コンテンツは公開してからすぐに評価されることは期待できません。検索エンジン側でコンテンツを評価するまでに時間がかかります。
また、コンテンツは制作して終わりではなく、検索エンジンに評価されるために定期的なメンテナンスが必要です。コンテンツごとにキーワードの状況を分析し、改善することで評価される質の高いコンテンツにしていきましょう。
オウンドメディアの運用方法についてはこちらを参考にしてみてください。
オウンドメディアを成功させるコツとは
オウンドメディアを成功させるためには3つのコツがあります。
・SEO対策をきちんと行なう
・分析と改善を繰り返す
・他のチャネルと連動させてユーザーを誘導する
それぞれのコツを解説します。
オウンドメディアの集客で成功するための具体的な方法を徹底解説!
オウンドメディア運用のポイント|成功事例に学ぶ効果的な運用方法
SEO対策をきちんと行う
オウンドメディアへのアクセス数を増やしていくためにはSEO対策をきちんと実施していくことが大切です。
SEO対策では、検索意図を理解して、ユーザーに有益なコンテンツを発信することが大事です。検索意図とは、ユーザーが検索する上で求めている内容のことを指します。
検索意図を理解するためには、検索エンジンで上位に表示されているコンテンツや関連キーワードを調査することが必要です。
また、上位表示を獲得していくためには、既存の情報だけではなく、自社独自の情報が重要です。自社独自の情報を発信したり、ライター情報を掲載したりするなど工夫を凝らしましょう。
分析と改善を繰り返す
オウンドメディアは定期的なメンテナンスが必要です。オウンドメディアで公開しているコンテンツごとに検索順位やクリック数数、クリック率率、競合サイトの状況を確認し、足りない部分を改善していくことで、評価される質の高いコンテンツにしていきましょう。
定期的に効果測定と分析により不足している部分を見つけ、改善を行っていくことでオウンドメディア全体の成長に繋がります。定期的な効果測定と分析、改善を継続するためには、チェックポイントを設けておくと効率的です。
他のチャネルと連動させてユーザーを誘導する
より多くのユーザーにオウンドメディアに訪れてもらうためには、SEO対策を行うだけでなく、他のチャネルの施策と連動させることが効果的です。
例えば、拡散力の高いSNSは、一度バズれば多くの人に認知拡散ができます。目を引くコンテンツをSNSで定期的に発信することで、オウンドメディアへのユーザーの誘導を狙いましょう。
メルマガの配信や外部メディアへの掲載、オフライン媒体の活用も効果的です。他のチャネルと上手く組み合わせることで、オウンドメディアをより多くの人に読んでもらい、見込み顧客を獲得しましょう。
オウンドメディアを用いた集客方法については、こちらを参考にしてみてください。
オウンドメディアの成功事例5選
この記事では、オウンドメディアの運用についてさまざまなポイントを紹介してきました。ここではオウンドメディアの成功事例を紹介しますので、実際の事例からイメージを膨らませてみてください。
オウンドメディアのデザインで参考になる事例20選|コツもご紹介!
オウンドメディアの成功事例10選と3つのポイント|自社の運用戦略に活かそう
オウンドメディアにありがちな失敗11選|注意すべきポイントも解説
手間いらず株式会社
比較サイト「比較.com」の運営や、予約サイトコントローラー「TEMAIRAZU」シリーズの開発・提供を行う手間いらず株式会社の事例です。FXに関するコンテンツのPV数が少なく、SEOや金融領域における知見に対して課題がありました。
Hub Worksが競合の情報整理を行い、社内で保有している金融業界の専門知識や知見から具体的なアドバイスを提供してサポートしていくことで、PV数は半年で約8倍になりました。今まで読まれていなかったページにもCVが付くようになり、売り上げにもつながりました。
詳細はこちら
株式会社5core
「FACT of MONEY|海外仮想通貨取引所」や「退職代行OITOMA」を運営する株式会社5coreの事例です。
既存記事のリライトに対してHub Worksに相談を行い対策した結果、キーワード「退職代行 選び方」は9位から 3位に、「退職代行 流れ」は16位から4位に検索順位が上昇しました。このケースでは、コンテンツの制作だけに留まらず、被リンク取得も行いました。
詳細はこちら
株式会社産経デジタル
「産経ニュース」などさまざまなメディアを手がける株式会社産経デジタルの事例です。
新たなオウンドメディアを立ち上げる段階で、社内リソースが足りず、Hub Worksに相談を行い、質の高いコンテンツを大量投入したことで、掲載開始から約3カ月で20万PVを達成しました。
業界の知見があるライターやディレクターを動員し、SEOの専門スキルも活かしたコンテンツにより、予想を超えるPV数を獲得できました。狙うべきキーワードやランディングページへの誘導動線設計などを定期的に見直すことで、SEO的に評価されるメディアとなりました。
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SaaS事業者
某SaaSサービス企業では、数百記事を短い期間で制作して上位表示させるプランを立てていました。しかし、複数の会社に依頼していたので、連携がうまくいかずコンテンツの質が担保できなかったので、結果、集客がうまくいっていない状況でした。
そこでHub Worksに依頼を行い、月30〜50本以上の記事を制作しました。結果、記事投稿後に数カ月でSEO順位が上がり、検索結果の1ページ目に表示される記事が増えました。
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サイボウズ式
「サイボウズ式」は「kintone」などの会社管理ソフトやクラウドサービスを展開するサイボウズ株式会社が、認知度向上とブランディングを目的に運営しているオウンドメディアです。
働き方や仕事の意義について考えることを目的にしているので、自社の発信したい内容ではなく、ユーザーに寄り添った内容に特化しています。お問い合わせページや資料請求への導線も引かれていないのが特徴です。
直接的なコンバージョン設定がないオウンドメディアでも、自社の認知度を高めたり、ブランディングを強化することで、潜在顧客を集めることができます。効率的に働くことを重要視した配信から、管理ソフトの導入で業務を効率化することを広めていった成功事例です。
まとめ:オウンドメディアとホームページの違いを理解して最適な戦略を検討しよう
本記事ではオウンドメディアとホームページの違いを紹介しました。
問い合わせや資料請求など顧客と繋がる施策を考えている企業には、オウンドメディアがおすすめです。効果が出るまでに時間はかかりますが、広範囲の顧客へリーチすることで見込み顧客を育てることも可能です。
長期的な集客チャネルを作りたい企業はオウンドメディアを立ち上げて、ユーザーに有益なコンテンツの発信をし、効果的な運営を目指しましょう。
株式会社HubWorks マーケティング部 2021年よりインターネット広告代理店に入社し、月間数億規模の広告運用を経験。 2022年に株式会社Hub Worksに入社しマーケティング担当者として、ウェブ広告やSEOなどの集客、 記事やホワイトペーパー作成などのコンテンツ制作業務に従事。