オウンドメディアの戦略の立て方とは?戦略の立て方や成功事例17選もご紹介!
オウンドメディアで成果を出すためには、しっかり戦略を描いた上で運用することが大切です。戦略は、何を目的にオウンドメディアを運営するのかによって異なります。
しかし、具体的にどのように戦略を立てればよいのかわからず、悩んでいる方もいるでしょう。
そこで今回は、オウンドメディアにおける戦略の重要性や立て方、成功事例などをご紹介します。オウンドメディア戦略を立てる上でのポイントがわかるので、ぜひ参考にしてみてください。
オウンドメディアにおける『戦略』とは?
オウンドメディアの戦略とは、運用の目的や達成に向けた目標を明確にして、リソースを確保しつつ具体的な実行スケジュールを決める作業を指します。
戦略を練ることで、オウンドメディアを運用する際の方向性・指針が定まり、目標達成の実現率が高まります。
オウンドメディアは成果が出るまで時間がかかるからこそ、戦略は重要です。戦略の設計では、具体的に以下の内容を決めていきます。
目的 | 最終的にどのような結果を目指してオウンドメディアを設計・運用するのか |
ターゲット・ペルソナ | 誰に向けたオウンドメディアなのか |
コンテンツのテーマ | ターゲットに対してどのようなコンテンツを届けるのか |
運用・集客体制 | 誰がどのように継続的にコンテンツの制作・公開・改善などを行うのか、どのような方法でオウンドメディアに人を集めるのか |
実行計画 | どのようなスケジュールや予算でコンテンツの制作・運用を行うのか |
数値目標 | オウンドメディアを通じて達成するべき数値目標は何か |
KPI | 数値目標を達成に向けた個別の行動目標や数値目標はどうするか |
オウンドメディア戦略の立て方
オウンドメディアの戦略を練るにあたって、手順を理解しておくことは大切です。戦略を立てる流れは以下のとおりです。
1.オウンドメディアの目的を定める
2.競合他社をリサーチする
3.ペルソナを設定する
4.KPIを設定する
5.PDCAを回しながら改善していく
それでは、具体的な戦略の立て方をご紹介します。
1.オウンドメディアの目的を定める
まずは、オウンドメディアを運用する目的を決めます。目的がはっきりしていない状態では、具体的な目標や効果的な施策などが検討できません。
そのため、どの状態になればオウンドメディアの運用が成功しているといえるのか、正確に定義することが大切です。
目的を設定するにあたって、自社が抱える課題の洗い出しが必要です。オウンドメディアを運用する目的には、以下などが挙げられます。
・見込み客の獲得
・売上の向上
・ブランディング
・採用活動の促進
ここでは、各目的におけるオウンドメディアの効果をご紹介します。
見込み客の獲得
オウンドメディアの運用は、見込み客の獲得にもつながります。良質なコンテンツを作り、検索エンジンの検索結果で上位表示されれば、オウンドメディアへのアクセス数を増やすことが可能です。
また、上位表示され続ける限り、自然検索からの継続的な流入に期待できるでしょう。
さらに、良質なコンテンツはSNSで拡散されたり、ほかのメディアからリンク設置(被リンク)されたりする可能性も高まります。
それにより、自然検索だけではアプローチできていなかった潜在顧客を見込み客として獲得できる可能性もあります。
売上の向上
オウンドメディアを通して、自社の商品・サービスの売上向上につながります。売上を上げるためには、商品・サービスの特徴や魅力を発信し、顧客の購買意欲を高めることが大切です。
オウンドメディアでは、自社商品・サービスで解決できる問題や魅力などを発信し、購入の訴求ができます。その結果、オウンドメディアを経由して継続的に売上を生み出すことが可能です。
オウンドメディアで売上向上を目指すのであれば、顧客が求める情報を押さえ、その情報を提供できるコンテンツ作りが求められます。
また、競合他社との差別化ができれば、顧客から商品・サービスを選んでもらいやすくなるでしょう。さらに、スムーズな購入につなげるための導線の設計も必要です。
ブランディング
オウンドメディアはブランディングにおいても効果的です。ブランディングは自社ブランドの価値を高め、他社との差別化を目指す施策になります。
ブランドに対するイメージアップや共感性が高まることから、ブランディングを重視する企業もいます。
オウンドメディアでは、コンテンツから企業の価値観やビジョンを伝えることが可能です。企業・ブランドの個性や特色を表現することで、他社との差別化が図れます。
自社のメディアなので自由に情報発信ができることから、ユーザーとの接点を増やす施策なども行いやすく、信頼関係の構築につながりやすいのもオウンドメディアのメリットです。
ブランドに対する魅力や信頼によりつながったユーザーはファン化する可能性があります。
採用活動の促進
採用活動としてもオウンドメディアは活用できます。どのような人材を募集しているのか、自社はどのような特徴をもった会社であるのかは、求人広告や求人サイトからアピールできます。
しかし、文字数の制限によって掲載できる内容が業務内容や契約の条件といった概要だけになり、伝えたいことが伝えきれないことは珍しくありません。
その点、自由度の高いオウンドメディアは、自社の理念から存在価値・働き方・求められるスキルなどといったあらゆる情報を発信できます。
具体的な仕事内容や社員のインタビューなども掲載できるので、求職者に実際に働いたときのイメージやどのような社員と一緒に働くのかが明確になり、企業に対する興味や信頼感を高められるでしょう。
採用に関する幅広い情報を発信することで、自社にマッチする人材の募集を促すことができます。自社の理念や価値観に共感し、必要なスキルが備わった人材であれば、入社後のミスマッチが減り、早期離職も回避できるでしょう。
2.競合他社をリサーチする
オウンドメディアの戦略を立てるにあたって、競合他社のメディアをリサーチすることが重要です。リサーチを行うことで、ライバルが掲載しているコンテンツや上位表示されているキーワード、競合他社の強み・弱みなどを把握できます。
どのようなメディアを運用しているのか把握することで、自社のメディアのポジションや優位な部分を比較でき、どう差別化を図るか検討しやすくなります。
競合他社のメディアを利用するユーザーの属性やニーズなども調査・分析すれば、コンテンツ作りの参考にできるでしょう。
競合他社をリサーチする際に見るポイントは、以下のとおりです。
・オウンドメディアのテーマやコンセプト
・人気のコンテンツ
・被リンクの多いコンテンツ
・アクセス数
・流入経路
・ユーザーの属性
・コンバージョンへの導線
3.ペルソナを設定する
ペルソナは、ターゲットとなる理想のユーザー像のことです。年齢・性別・職業・居住地・ライフスタイル・興味関心・悩みなど、パーソナル情報を細かく決めて、ターゲットを具体化していきます。
ペルソナを設定することで、企業側の主観や思い込みを排除し、ユーザー目線で戦略や施策を考えられるようになります。
ターゲットに対する理解度を高め、ユーザーのニーズに合ったコンテンツを作っていくためにも、ペルソナの設定は重要です。
また、ペルソナがあることで、チーム内で狙うターゲットの認識を統一させることができます。それにより、方向性のズレを防いで統一感のあるコンテンツ作りが可能となるでしょう。
4.KPIを設定する
KPIは、最終的な目標(KGI)を達成するまでの中間目標のことです。KPIを設定することで、最終目標の達成度を把握できるようになります。
最終目標の達成につなげていくためには、KPIを一つひとつクリアしていくことが大切です。
KPIを設定する際に、最終目標達成に必要な要素を可視化したKPIツリーを作成することで、全体像を把握できるようになります。
目標達成のための要素や行動が明確になるので、オウンドメディアを運用する上での行動指針とすることが可能です。
KPIは目的に合わせて具体的な数値で決めていきます。例えば、ブランディングが目的であれば、PV数やコメント数、SNSのシェア数などで目標を決めるのが一般的です。
また、KPIの設定方法やKPIツリーの作り方、PV数を指標にする際の設定方法などについて以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。
関連記事:オウンドメディアの成功を左右する指標とは? KPIツリーの作り方も解説
関連記事:オウンドメディアのPV数|平均の目安は?上げるためのコツを解説!
5.PDCAを回しながら改善していく
オウンドメディアはPDCAを回し、改善していくことが大切です。PDCAには、以下の意味があります。
・P=Plan(計画)
・D=Do(実行)
・C=Check(評価)
・A=Action(改善)
上記のサイクルを繰り返すことで、オウンドメディアの目的達成につながっていきます。実施した施策が必ずしも成功するとは限りません。そのため、施策の実施後は効果検証を行い、成果が出ていなければ改善する必要があります。
PDCAを回して改善していくためにも、あらかじめデータ分析を行う担当者や改善の実施方法などを決めておきましょう。
オウンドメディア戦略のよくある失敗
オウンドメディア戦略が不十分で、期待する成果が出ないという失敗ケースがあります。よくある失敗を知っておくことで、成果を生み出すオウンドメディア戦略を打ち出せるでしょう。
ここでは、オウンドメディア戦略のよくある失敗例をご紹介します。
中~長期的な事業計画が立てられていない
オウンドメディア戦略が失敗する要因としては、短期的な事業計画になっていることが挙げられます。
短期的な事業計画でオウンドメディアの運用目的を達成するのは難しいものです。オウンドメディアは効果が高い施策とはいえ、成果が出るまで一定の期間を要します。
そのため、中~長期的な事業計画を立てて、施策を実施していく必要があります。中~長期的に達成したい最終目的を決め、それに向けた短期的な目標と施策を設計し、段階的に実施していくことでオウンドメディアの運用は成功しやすくなるでしょう。
十分なリソースが確保できていない
リソース不足もオウンドメディア戦略が失敗する要因です。オウンドメディアは継続してコンテンツの制作・公開・改善を行っていきます。コンテンツの制作と改善は同時進行で行われることもあります。
運用・管理に必要な人員や施策を実行するための時間といったリソースが足りないと、高品質なコンテンツ作りやメディアの運用が難しくなるでしょう。
そうならないためにも、オウンドメディアを運用するにあたって、制作・運用体制をしっかり整えることが大切です。
社内でリソースを確保できない場合、アウトソーシングを活用するのもよいでしょう。記事作成や運用の代行サービスを利用すれば、リソースが限られる企業でもオウンドメディアの展開が可能となります。
オウンドメディアの運用代行については以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
関連記事:オウンドメディアの運用代行業者おすすめ15選|選ぶポイントも紹介
宣伝を意識しすぎている
宣伝感が強すぎるオウンドメディアは成果が出ない傾向にあります。
コンテンツの内容がターゲットの知りたいこと・有益な情報ではなく、自社が伝えたいことが多くなってしまっている場合、ページやサイトから離脱されやすくなります。
ターゲットの悩みやニーズに応えたお役立ちコンテンツの方がユーザーから好まれやすく、ファン作りや顧客のナーチャリングにつなげることが可能です。
企業視点の宣伝ばかりのコンテンツではなく、第三者性のある有益なオウンドメディアを作ることを意識しましょう。
SEO対策ができていない
SEO対策ができていないオウンドメディアも失敗しやすいので注意が必要です。SEOは、検索エンジン最適化を意味し、特定のキーワードで検索した際に検索結果の上位表示を目指す施策になります。
検索結果の上位に表示された方が、ユーザーに記事をみてもらう回数とユーザーのクリック率が高まります。そのため、オウンドメディア戦略ではSEOを意識することが大切です。
SEO対策が不十分の場合、SNSや広告からの流入に頼らなければならず、安定したアクセスを得られない可能性があります。
自然検索から安定した流入を得るためにも、ターゲットやペルソナをしっかり設定して、ユーザーにより寄り添ったSEOコンテンツを作っていきましょう。
オウンドメディアの失敗事例やSEOに強いオウンドメディアの特徴については以下の記事で紹介していますので、参考にしてみてください。
関連記事:オウンドメディアにありがちな失敗11選|注意すべきポイントも解説
関連記事:SEOに強いオウンドメディアとは?SEOで上位表示させるコツを公開!
【目的別】オウンドメディア運営における具体的な戦略事例
オウンドメディアの戦略は目的に合わせて立てますが、具体的にどのような戦略を立てるのかイメージが掴めていない方もいるでしょう。
ここでは、目的別に取るべき戦略事例をご紹介するので、戦略設計の参考にしてみてください。
「見込み客の獲得と育成」を目的とした場合
見込み客の獲得と同時に自社の顧客に育成する戦略を立てることで、売上アップにつながります。この目的でオウンドメディアを運用する場合、以下の戦略が考えられます。
・ユーザーに寄り添ったお役立ちコンテンツの制作
・具体的な導入事例の紹介
・SEO対策の徹底
ユーザーの悩みの解消や知りたいことがわかるコンテンツは、見込み客の獲得につながります。専門性が高い有益な情報を発信し続けることで、顧客の育成にもつながります。
また、具体的な事例を紹介するコンテンツもおすすめです。例えば、サービスを導入した背景や導入の効果を伝えることで、導入イメージや得られる効果・メリットが明確になるので、自社やサービスに興味を持ってもらいやすくなります。
自然検索からの流入率を高めるためには、SEO対策に徹底して上位表示を目指すことも大切です。
「ブランディング」を目的とした場合
オウンドメディアによるブランディングでは、顧客の定着化・競合との差別化・信頼の獲得といった効果につながります。ブランディングを目的に運用する場合の戦略事例は以下のとおりです。
・ターゲットから共感を得られるコンテンツの制作
・多様なジャンル・テーマのコンテンツ制作
・SEO対策やSNSとの連動
・ターゲットやブランドのイメージにマッチしたデザイン設計
ブランディングは共感を広げる取り組みであるため、ターゲットから共感されるコンテンツ作りが求められます。
さまざまな要素からオウンドメディアに流入してもらえるように、企業やブランドに関連しつつ、多様なジャンルやテーマでコンテンツを展開していくのもよいでしょう。
SEO対策をしっかり行って自然検索からの流入を促す、拡散性の高いSNSからの流入を促すためにSNSと連動するといった戦略も有効です。
また、オウンドメディアはサイトのデザインの影響を受けやすいので、ターゲットやブランドのイメージに合致するデザインで設計しましょう。
オウンドメディアのデザインについてやSNSとの連動については以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
関連記事:オウンドメディアのデザインで参考になる事例20選|コツもご紹介!
関連記事:オウンドメディアとSNSで集客向上!違い・事例なども解説
「採用活動の促進」を目的とした場合
採用に特化したオウンドメディアは、自社の社風やビジョンに共感してくれる採用候補者の獲得につながります。採用活動の促進を目的に運用する場合の戦略事例は以下のとおりです。
・社員インタビューや社内の出来事をコンテンツ化
・事業体制や事業内容などをユーザー目線で紹介
・業務で役立つ知識や開発秘話の紹介
・SNSと連動
社員のインタビューや社内での出来事・社員の日常などをコンテンツ化することで、求職者に親近感を与えられます。働いている人や社内での過ごし方のイメージが掴めるので、入社後のギャップも減るでしょう。
また、事業内容や体制などを紹介し、企業や仕事に理解を持ってもらうコンテンツも必要です。難しい言葉や専門用語を使うと内容の理解度が下がるので、どのようなユーザーにも理解しやすい表現で事業内容や理念などを伝えましょう。
業務に役立つテクニックや開発秘話を紹介したコンテンツも求職者から注目や関心を集めるオウンドメディアになります。SNSを採用候補者とのタッチポイントとして活用する企業はSNSと連動させるとよいでしょう。
オウンドメディアを採用活動に活用する方法については以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
関連記事:採用オウンドメディアとは?成功事例や求人サイトとの違いも解説!
オウンドメディア戦略の成功事例17選
オウンドメディアの戦略を打ち出し、成果を上げている企業は多くあります。ほかの企業がどのようなメディアを立ち上げているのか、参考に成功事例をご紹介します。
比較.com(手間いらず株式会社)
商品・サービスの比較ができる比較.comは、手間いらず株式会社が運営するオウンドメディアです。
ネット証券・FX・電子書籍・ウォーターサーバーなど幅広いジャンル・カテゴリーの比較記事や口コミ評判などのお役立ちコンテンツを展開しています。
比較.comでは、「FXに関する既存コンテンツのPV数が少ない」「金融やWeb・SEOに関する専門知識・知見が不足している」という課題がありました。
そこで、Hub Worksを通じて金融業界特有のアドバイス・提案や競合の情報整理といった施策を講じ、コンテンツを改善しました。
その結果、金融領域で順位が上昇し、PV数が改善前より8倍に増えるという結果を出しています。
関連記事:半年間でPV数約8倍に!課題解決だけではないプラスαのコンテンツアドバイスとは?
参考:比較.com
退職代行OITOMA(株式会社5core)
退職代行OITOMAは、株式会社5coreが運営している退職代行サービスです。サイト内で退職代行や退職、労働問題などに関する基本知識・情報を提供し、認知拡大やサービスの利用を促しています。
そんな退職代行OITOMAでは、検索順位やPV数・CVを上げるためのリライト施策が必要でした。しかし、社内でリライトをするためのリソースがない、外注に対する不安といった課題がありました。
そこでHub Worksにご相談をいただき、リライトの代行をさせていただきました。競合の記事分析を行った上で独自のノウハウをもとにしたリライトを実施した結果、検索順位が大幅に上昇し、多くの流入数獲得につながっています。
関連記事:【リライト事例】1ヶ月間で検索順位大幅上昇!再現性のあるノウハウにより、様々なジャンルの記事で順位アップ!
参考:退職代行OITOMA
北欧、暮らしの道具店(株式会社クラシコム)
北欧、暮らしの道具店は、株式会社クラシコムが運営するECサイトです。
北欧のライフスタイルをテーマに、インテリア・キッチン用品・ファッションなど暮らしに関する多彩な商品を販売すると同時に、オウンドメディアの側面も持っています。
オウンドメディアの運用目的は、サイト内での商品購入の促進やブランディングが挙げられます。商品に関する情報を写真と共に細かく発信し、購買意欲が高まるコンテンツを作成しているのが特徴です。
スタッフによるレビューや使用・着用イメージの紹介といったユーザーが親近感を抱きやすいコンテンツを通じて、ファンの獲得につなげています。
参考:北欧、暮らしの道具店
C-magazine(キヤノンマーケティングジャパン株式会社)
C-magazineは、キヤノンマーケティングジャパン株式会社が運営するオウンドメディアです。同社のテクノロジーや製品・サービスに関する情報からマーケティング領域の情報まで発信しています。
「世界遺産を旅する」「大人のたしなみ」といった独特なカテゴリーが存在しているのが特徴です。事業や技術など、対企業向けの記事だけではなく、一般ユーザーも楽しめる記事を制作し、ブランディングにつなげているようです。
世界遺産に関するコンテンツでは、同社の製品であるカメラで撮影した映像を掲載していることもあり、さりげなく技術や製品の質をアピールするという工夫もされています。
参考:C-magazine
ベネッセ教育情報(株式会社ベネッセコーポレーション)
株式会社ベネッセコーポレーションが運営するベネッセ教育情報は、教育に関する幅広い情報を提供しているオウンドメディアです。教育動向や受験関連・学習法・子育てなど、保護者や受験生に役立つ情報を得られます。
コラムだけではなく、漫画や動画、体験談といったコンテンツが充実しているのが特徴です。とくに体験談は、閲覧者にとって共感できる内容が多く、同じ悩みを抱えるユーザーは解決策や工夫を知ることができます。
また、宣伝感を押さえつつも自社サービスや無料オファーなどにつなげるCTAも設置されています。質の高いコンテンツでブランディングを行いつつ、コンバージョンにつなげる工夫がされているオウンドメディアです。
参考:ベネッセ教育情報
サイボウズ式(サイボウズ株式会社)
サイボウズ式は、サイボウズ株式会社が運営するオウンドメディアです。同社は、クラウドベースでグループソフトウェアの開発を手掛けています。
働き方に関するお役立ち情報を発信することで、企業の認知拡大・ブランディングにつなげているのが特徴です。
また、サイボウズ式はお役立ち情報の発信をメインにしており、商品・サービスのPRがほとんどないことも特徴です。
宣伝感がない分、ユーザーはストレスなくコンテンツを閲覧できます。その結果、企業の認知向上から採用ブランディングで成果を出している事例です。
同社のノウハウが集結したコラムだけではなく、有識者のインタビューや対談などもあり、読み応えがある点もファンを獲得する要素となっています。
参考:サイボウズ式
キャリアハック(エン・ジャパン株式会社)
キャリアハックは、転職支援サービスを展開するエン・ジャパン株式会社が運営するオウンドメディアです。こちらのオウンドメディアは、「テック業界で働く人のためのWebメディア」をコンセプトにしています。
テック業界で活躍する有識者や若手のインタビューを通じて、ノウハウや生き方などの情報を発信しているのが特徴です。
インタビュー内容を1つの記事にまとめるのではなく、テーマごとに分類して連載形式で発信していることもあります。
連載形式にすることで何度もアクセスを誘導できるので、PVの増加やリピーター・ファンの獲得につながっているようです。また、コンテンツの企画力を強みとしており、唯一無二のコンテンツで差別化を図っています。
参考:キャリアハック
LINEヤフーストーリー(LINEヤフー株式会社)
LINEヤフーストーリー(旧OnLINE)は、LINEヤフー株式会社が運営するオウンドメディアです。インタビューや対談中心のコンテンツを掲載しています。
インタビューを通じて自社サービスの強みや魅力、自社の取り組みなどをうまくPRしています。社員や有識者のインタビューがメインであるため、宣伝感が薄く、閲覧者に好感を持たれやすいオウンドメディアになっているのも特徴です。
さまざまな職種の取り組み事例や社内の様子などがわかるコンテンツが多く、ブランディングから採用活動の促進といった成果を上げています。
参考:LINEヤフーストーリー
ferret(株式会社ベーシック)
ferretは、株式会社ベーシックが運営するオウンドメディアです。「マーケターのよりどころ」をキャッチコピーに、Webマーケティングに関するお役立ちコラムを掲載しています。
月間550PV・会員数50万人以上(2024年6月時点)を獲得しており、Webマーケティングメディアとしては、国内トップレベルの規模を誇ります。
検索エンジンからの流入に注力しており、多くの記事が検索上位に表示されているのが特徴です。
「SEO対策」などのビッグワードにおいても上位を獲得しており、検索エンジンから信頼性の高いメディアと認識されています。さらに、記事広告サービスによって、メディア内で収益化を実現しているのも特徴です。
参考:ferret
merucan(株式会社メルカリ)
merucanは、株式会社メルカリが運営するオウンドメディアです。採用活動の促進を目的としており、同社の情報を定期的に発信しています。
月間平均30万PVを獲得している実績があり、多くの人に見てもらえていることがわかるメディアです。
社員の活動や企業の取り組み、魅力を中心に情報を発信することで、採用候補者とのミスマッチを減らす工夫をしています。
また、同社に転職した社員のインタビューもあり、転職希望者は企業に対して具体的なイメージを持つことが可能です。
参考:merucan
レイビー(株式会社グローバル・リンク・マネジメント)
レイビーは、株式会社グローバル・リンク・マネジメントが運営する不動産投資に関するオウンドメディアです。初心者向けに不動産投資のナレッジを紹介しています。
不動産投資の基礎知識から不動産会社・投資用物件の選び方、最新のトレンド情報までチェックすることが可能です。また、体験談も掲載しているので、閲覧者は不動産投資における悩みを解決できます。
今では不動産に関する複数のビックワードでも上位表示を実現していますが、リードの獲得ができなかった時期もあったそうです。
記事数を増やしながらSEOを強化し、さらにCTAの設計やインサイドセールスとの連携体制を構築するといった戦略により、メディアからリードの獲得・売上アップにつなげています。
参考:レイビー
健康美塾(第一三共ヘルスケア株式会社)
健康美塾は、第一三共ヘルスケア株式会社が運営するオウンドメディアです。ライフスタイルや季節に合わせたスキンケア、体の悩み・症状の対策、市販薬の使い方など美容や健康に関する幅広い情報を発信しています。
医薬品メーカーが運営していることに合わせて、美容・健康の専門家や医師によるコラムが多いので閲覧者に安心感を与えるオウンドメディアとなっているのが特徴です。
また、各記事の中に関連性のある自社商品を紹介し、認知拡大やブランドサイト・商品紹介ページへの誘導につなげています。
ブランドサイト・商品ページから販売している店舗検索やECモールへの移動が可能なので、購入も促せる仕組みとなっています。
参考:健康美塾
アマノ食堂(アサヒグループ食品株式会社)
アマノ食堂は、アサヒグループ食品株式会社が運営しています。同社のフリーズドライ食品ブランド「アマノフーズ」のオウンドメディアです。
こちらのメディアでは、旬の食材に関する豆知識・料理家のレシピを紹介しているほか、アマノフーズのフリーズドライに関するインタビュー記事を連載形式で掲載しています。
食に関するコラムや自社製品の魅力などを伝えるコンテンツを通じて、ブランディングや購入意欲の向上につなげているようです。
料理家やクリエイターによるレシピは美味しいだけではなく、毎日自炊を頑張る人にとっては嬉しいコンテンツなので、ファン化の後押しになっています。
参考:アマノ食堂
THE BAKE MAGAZINE(株式会社BAKE)
THE BAKE MAGAZINEは、お菓子の製造・販売を手掛ける株式会社BAKEが運営するオウンドメディアです。
ブランディングを目的に運営しており、同社の商品に関する記事から企業に興味を持ってもらえるような情報まで発信しています。
こちらのメディアの月間PV数は約3万です。自社の特集だけではなく、生産者や業界関係者のインタビュー、競合他社の紹介などのコンテンツを掲載しています。
ほかにもSEOの取り組み・アクセス状況なども公開し、幅広い切り口で流入やファンを増やしているメディアです。
はたわらワイド(パーソルホールディングス株式会社)
はたわらワイドは、パーソナルホールディングス株式会社が運営するオウンドメディアです。「はたらいて、笑おう。」というキャッチコピーで、経営者や労働者向けにコンテンツを展開しています。
テレワークや副業、ワーケーションなど働き方が多様化し、悩みを持つ経営者が増えました。そこで、働き方に関する悩みに注目し、さまざまな価値観を知ることができるオウンドメディアとなっています。
ユーザーの悩みに寄り添ったコンテンツを通じて、働き方に悩む読者の集客に成功しているようです。
また、インバウンドマーケティング施策をするために戦略を見直し、ホワイトペーパーを制作するなどの取り組みによってCV数を増やしています。
参考:はたわらワイド
LISKUL(SO Technologies株式会社)
LISKULは、SO Technologies株式会社が運営するオウンドメディアです。Webマーケティングに関する幅広い知識・ノウハウを発信しています。
テーマに関連するキーワードの獲得とユーザーにとって役立つコンテンツの発信を通じて、多くの記事が検索結果において上位表示されているのが特徴です。
メディア内では、同社の知識・ノウハウを惜しまず公開しています。専門的で有益なコンテンツであるために、2021年3月時点で月間平均80万PV、問い合わせ件数200件という実績を上げています。
参考:LISKUL
となりのカインズさん(株式会社カインズ)
となりのカインズさんは、株式会社カインズが「ホームセンターを遊び倒すメディア」をコンセプトに運営しているオウンドメディアです。生活に役立つ情報からエンタメとして楽しめるコンテンツまで充実しています。
各分野の専門家や著名人がホームセンターのCAINZで取り扱っている商品について幅広い視点から紹介する記事が多いです。マニアックな情報も面白く、何度も足を運びたくなるコンテンツでファンを獲得しています。
記事内で紹介された商品画像から販売ページにアクセスできるので、気になった商品をそのままオンラインから購入できる導線もしっかり作られています。
また、ポイントプレゼントやイベント情報などもまとめてチェックすることが可能です。
参考:となりのカインズさん
まとめ
今回は、オウンドメディアの戦略の立て方から成功事例についてご紹介しました。オウンドメディアの効果を最大限発揮するためには、目的に合わせて戦略を立てることが重要です。
そのため、まずは運用の目的・具体的な目標やターゲット・ペルソナなどを明確にして、効果的な戦略を検討してみてください。
オウンドメディアは継続的に運用していくことになるので、中~長期での視点を持って戦略を立てることも意識しましょう。