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【実績公開】BtoBマーケティングとは?基本プロセスや手法と事例

BtoBマーケティング アイキャッチ

「BtoBマーケティングの基本的なプロセスが知りたい」

 

「BtoBマーケティングにはどのような手法があるのかを知りたい」

 

本記事は上記のような悩みを抱えている方に向けた記事です。新規顧客の獲得や競合他社との差別化を図るには、ターゲット顧客に向けて自社の商材を効果的に広めるための施策を考える必要があります。

 

しかし、BtoBマーケティングに関する知識が浅いと、なにから手を付けたらよいか分からない方も多いでしょう。

 

そこで、本記事ではBtoBマーケティングの基本プロセスと代表的な手法を、マーケティング初心者の方でも理解できるよう丁寧に解説していきます。記事後半では、BtoBマーケティングの成功事例も8つご紹介しているので、自社のマーケティング施策の参考にしてください。

BtoBマーケティングとは?

BtoBマーケティングとは

BtoB(Business to Business)とは、商品やサービスなどの企業間取引のことを指します。BtoBマーケティング(Business to Businessマーケティング)とは、企業間取引に特化したマーケティング手法のことです。

 

BtoC(Business to Consumer)と比べ、BtoBは単価が高く、クライアント社内における意思決定者も複数いることから、BtoB独自のマーケティング手法が編み出され「BtoBマーケティング」といわれるようになっております。

 

具体的には、市場を捉え、ターゲット企業が、いつ、どこで、どのような課題を持つかを考え、自社の商品を購入、契約してもらえるようなコミュニケーション(プロモーション)を行うことです。

 

BtoBマーケティングが普及した背景には、インターネットの普及があります。従来の企業間の取引は、顔見知りの担当者や既存の取引先など、人との関係性を軸として受発注が成立していました。

 

インターネットの普及により、法人においても能動的にネットで情報を調べ、取引先を探すようになりました。これにより、BtoBにおけるアプローチ手法の多様化が進み、競争が激化し企業間取引独自のマーケティング手法が提唱されるようになりました。

 

2020年以降では、新型コロナウイルスのまん延により、リモートワークが浸透しました。これに伴い、ウェビナー、Web会議での商談、電子契約など顧客接点から取引開始までの流れも大きく変わりました。

 

このような世の中の変化から、BtoBマーケティングではオンラインの攻略も不可欠と思われております。

 

BtoBマーケティングとBtoCとの違い

BtoBマーケティング BtoCマーケティング
顧客層 企業 一般消費者(個人)
意思決定プロセス 複数の意思決定者が関与

検討期間が長い

高額な取引が多い

一人、もしくは少数で決定
検討期間が短い
BtoBに比べて少額
満足度の要素 主にアフターサービス

サポートなどの信頼関係

主に製品の品質
営業・マーケティング・ターゲティングの考え方 企業ごとに個別アプローチ
one to one
(主に大手は)マス向けにアプローチ

BtoBマーケティングとBtoCマーケティングの主な違いは、対象となる顧客層です。BtoBマーケティングは企業間取引を対象とし、特定のニーズや課題に対応するための製品やサービス提供が求められます。

 

BtoCマーケティングは一般消費者を対象としたマーケティングで、広範囲な顧客層へのアピールが重視されます。BtoBマーケティングでは、意思決定プロセスが通常BtoCマーケティングよりも複雑です。例えば、以下のような観点があげられます。

 

<BtoBマーケティングの意思決定プロセス>

・複数の意思決定者が関与

・検討期間が長い

・高額な取引が多い

 

このように意思決定のハードルが高いため、お客様との信頼関係の構築が重要です。これに伴い、アフターサービスやサポート体制が重要視されるケースも多いです。企業間取引では、製品やサービスの購入後にも継続的なサポートが必要となることが多いためです。

 

これに対して、BtoCマーケティングでは個々の消費者が直接製品やサービスを購入するため、広告やプロモーション活動が重要となります。一度の取引で完結するケースが多いため、顧客満足度を向上させるためにサービスや品質が重要となります。

 

また、BtoBマーケティングでは、ターゲット企業の業種や規模に応じたカスタマイズが必要です。そのため、市場調査や顧客ニーズの分析が重要で、適切な価値提案やソリューションを提供することが求められます。

 

一方、BtoCマーケティングでは、広範囲な消費者に訴求するため、まずは認知獲得を狙いマスコミュニケーション手法が主に用いられます。

 

BtoBマーケティングが必要な理由と効果

BtoBマーケティングが必要とされる背景には、スマートフォンの普及やIT技術の発展などによる購買プロセスの変化が挙げられます。これまでの企業間取引においては、営業からのアプローチによって、その企業や商品のことを認知していました。

 

しかし、誰もがいつでも簡単に多くの情報にアクセスできるようになったことで、営業からのアプローチの前に顧客が自ら商品情報を収集するようになりました

 

そのため、BtoBマーケティングを行い、企業側から情報を発信し多くの顧客と接点を創出する必要があります。

 

また、新型コロナウイルスの流行により、対面での営業が困難になったこともBtoBマーケティングが活発化した要因の1つです。インターネットを通じた広範なアプローチへと変化を余儀なくされました。

 

このような環境の変化によって、多くの企業がBtoBマーケティングを行っています。今やWeb上に情報が出ていなければ、新たな顧客と接点を持つことは難しいといえるでしょう。

 

BtoBマーケティングで求められる顧客との関係性構築ステップ

BtoBマーケティング 顧客との関係性構築ステップ

BtoBマーケティングでは、段階を踏んで顧客と関係性を構築していく必要があります。ここでは、BtoBマーケティングの基本となる関係性構築の4つのステップをご紹介します。

 

ステップ1:見込み顧客の獲得

まずは見込み顧客の獲得です。リードジェネレーションと呼ばれることもあります。自社や、商品・サービスを知ってもらい、興味関心を醸成することで見込み顧客を獲得します

 

そのため、サービス資料のダウンロードやホワイトペーパーなどを用いてフォームに企業情報を入力してもらうようにマーケティング設計を行います。これらの活動により、見込み顧客を蓄積し、次の育成のステップへ進めます。

 

ステップ2:見込み顧客の育成

見込み顧客の育成はリードナーチャリングと呼ばれることもあります。獲得した見込み顧客に対して有益な情報を届けることで、顧客との信頼関係を構築し、商品やサービスの購買欲求を高めます。その結果、商談の機会を得ることが目的となります。

 

BtoBマーケティングは一般に検討期間が長く、顧客との関係性の構築が重要であるとされています。しかし、営業担当者が長期にわたり、多くの顧客との関係を維持するのは難しいでしょう。

 

見込み顧客の育成においては、MA(マーケティングオートメーション)などのITツールを用いながら定期的に情報を発信するなど継続して接点を持ち続けることが、商談機会の創出に重要な役割を果たします。

 

ステップ3:契約の獲得

続いて、契約の獲得です。契約の獲得は、商談やセールスなどと言い換えられることもあります。営業担当者が顧客と実際にやりとりをしながら、契約や購買につなげるプロセスです。具体的には、商談を行い、顧客の課題を解決できる提案を行い、契約へと結びつけます。

 

契約の獲得においては、商品・サービスに対する顧客の理解と、課題を解決できる情報を提供することが重要です。

 

顧客はどのような企業、担当者なのか、といった基本的な情報はもちろん、これまでのマーケティングで自社とどこで接点を持ったのか、何を見て興味を持ってもらえたのかなども確認する必要があります。

 

ステップ4:顧客の満足度向上

契約後には、顧客の満足度向上のステップがあります。カスタマーサポートやカスタマーサクセスなどがこのステップにあてはまります。

 

顧客の満足度を上げることで、継続利用を促したり、アップセルやクロスセルを目指したりし、売上を上げることが目的です。また、信頼関係を構築し、自社の評判を上げることで、紹介での新規顧客の獲得や認知度の向上を目指すことも役割の1つです。

 

カスタマーサポートとは、顧客からの問い合わせに回答するなど、サービスへの疑問を解決をすることが主な役割です。一方、カスタマーサクセスは顧客の成功を目的としています。

 

顧客からの要望の有無にかかわらず、定期的に有益な情報の提供や、自社商品を活用した課題解決の策定サポートなどを行います。どちらも顧客の満足度向上のために重要な役割です。

 

BtoBマーケティング戦略から実行までのプロセス

BtoBマーケティング戦略

実際にBtoBマーケティングを行う際の、戦略設計から実行までのプロセスを解説します。ここでは、顧客理解とターゲットの設定、ターゲット向けカスタマージャーニー設定、施策立案、効果の分析と改善の4つのステップに分けてご紹介します。

 

ステップ1:顧客理解とターゲットの設定

まず、顧客理解とターゲットの設定を行います。自社の商品・サービスはどのような企業や担当者に向けたものなのかを理解し、かつ現状の自社の顧客がどのような層であるのかについても分析します。

 

購入に至った層だけでなく、見込み顧客であるが購入に至らなかった層、商談を行ったが失注した層が、なぜ契約や購入に至らなかったのかを分析することでも、顧客理解が深まります。

 

分析の結果をもとにターゲットの設定を行います。ターゲットとなる企業の業界や業種、企業規模、所在地、担当者の役職、役割などを細かく設定しましょう。

 

また、ペルソナを設定することもマーケティング戦略においては重要です。ペルソナとは象徴的に1人の顧客を想定することです。どのような企業のどのような担当者であるのか、年齢や性別、役職から、抱えている課題まで具体的に想定しましょう。

 

ステップ2:ターゲット向けカスタマージャーニー設定

ターゲットを設定したら、カスタマージャーニーを考えます。カスタマージャーニーとは「顧客の旅」と訳され、顧客が自社の商品やサービスを認知してから、購入や契約に至るまでのプロセスのことを指します。

 

一般的には、顧客の検討フェーズは「認知・興味関心」「情報収集」「比較検討」「契約・購買」「ロイヤル化」といった流れとなっています。AIDMAやAISASといったフレームワークも有名です。

 

これらのフェーズごとに、顧客の行動や思考を想定した上で、必要な施策を洗い出します。カスタマージャーニーの設定では、顧客目線で考えることが重要です。自社の願望が含まれたものにならないよう注意しましょう。

 

ステップ3:施策立案

続いて施策を立案します。カスタマージャーニーと、前章で紹介した見込み顧客の獲得から顧客の満足度向上までのステップを照らし合わせて、実際に行う施策を検討します。

 

一般的には、「見込み顧客の獲得」から「顧客の満足度向上」までの4つのステップごとに施策を行います。施策を検討する際には、全体でのマーケティング目標に加え、各ステップごとに達成すべき目標を決めておくことが重要です。

 

例えば、「見込み顧客の獲得」では、顧客の獲得数を最も重要な指標とするのか、見込み顧客からの商談化率が重要なのかによって、実施すべき施策は変わってきます。自社の現状を整理した上で、施策を立案しましょう。

 

ステップ4:効果の分析と改善

施策を実行した後には、効果を分析し、改善を目指します。BtoBマーケティングでは、はじめから求める成果を得ることは難しいでしょう。仮説を立て実行し、効果を検証しながら改善を継続して繰り返すことで、マーケティング成果の最大化を図ることが重要です。

 

目標やKPIを達成できたのかを確認し、達成できていない場合には、なぜ達成できなかったのか、どのポイントがネックになっているのかを分析します。細かく数値をみていくことで改善すべきポイントが明らかになります。

 

マーケティングを開始したばかりの場合には、設定した目標が妥当であるかについても確認しましょう。

 

BtoBマーケティングで成果を出すために押さえるべきポイント

BtoBマーケティングで成果を出すために押さえるべきポイント

ここからは、BtoBマーケティングを成功させるために押さえておくべきポイントを5つご紹介します。

 

顧客ニーズを深く理解する

顧客ニーズを深く理解することは、マーケティング活動の基盤です。顧客の課題や要望をしっかりと把握できれば、それに適した戦略や施策を立案し、効果的なマーケティング活動を展開できます。

 

逆に顧客ニーズの理解を怠ると、誤ったマーケティング戦略の設計につながってしまい、効果的なリーチが難しくなるでしょう。

 

BtoBマーケティングにおいては、複数の意思決定者が関与することになるため「だれに」「なにを」「どのように」アプローチする必要があるのかを、顧客ごとに考えていくことが大切です。具体的にできることとして、下記のような方法があります。

 

【顧客ニーズを理解するためにできること】

・既存顧客・見込み顧客へのアンケート調査

・営業、インサイドセールス、カスタマーサポートとの連携

・購買データの分析

 

データを用いて状況を可視化する

マーケティング活動の効果を高める上で欠かせないプロセスが効果測定です。

 

その施策を実施したことで「どのくらいの成果が得られたか」「費用対効果はどうか」などデータを用いて可視化・分析することで、各施策の適切性や改善点が見えてきます。

 

Web広告の効果検証を例に挙げた場合、インプレッション数(広告が表示された回数)やクリック数、コンバージョン数(広告からの流入で商品購入や資料請求などのアクションに至った回数)を計測することで、自然検索からサイトに訪れたユーザーと、広告からきたユーザーとでは、どちらがコンバージョンに至りやすいかを分析できます。

 

もし、自然検索から訪れるユーザーの方がコンバージョン率が高ければ、Web広告ではなくSEO施策に力を入れる必要があるといった判断ができるでしょう。

 

このように実行した施策の効果や状況を可視化し、細かく評価することで改善点や課題を見付け出し、今後のマーケティング活動に有益なアイデアを得ることができます。

 

部門間の連携を強化する

BtoBマーケティングを成功させるためには、マーケティング部門と営業部門の連携が欠かせません。

 

コミュニケーション不足などでうまく連携できていないと、改善策を協議することが難しくなり、一向に成果を上げられないといった問題が起こります。

 

そのため、マーケティング部門は「どのくらいのリードを獲得したか」を、営業部門は「マーケティング部門からつないでもらったリードは案件化したのか」「案件化していない場合どのような状況なのか」をそれぞれ共有し合い、両部門のパフォーマンスを向上させることが重要です。

 

また、状況に応じてMAツールやSFAツールを導入すれば、マーケティング部門と営業部門の連携をより促進させることができるでしょう。

 

ツールや施策の目的を明確にする

ツールの導入時や新しいマーケティング施策を始める際は、どのような目的で何を達成したいのかを明確にすることが大切です。例えば、競合他社がWeb広告を打ち出したからといって、それに合わせて広告施策を考える必要はありません。

 

Web広告はリスティング広告やSNS広告などさまざまな媒体が存在しますし、アプローチしたいユーザーや求める結果によって、選定する媒体は大きく変わってきます。

 

目的を明確にせず広告を打ってしまうと、効果的な広告運用が難しくなる他、広告費の浪費やブランドイメージの悪化などにもつながる可能性があります。

 

このような状況に陥らないためにも「自社にとってやるべき施策は何か」「その施策を実施することでどんなメリットをもたらすか」「なんのためにツールを導入するのか」といった目的を明確にすることが大切です。

 

適切なKPIを設定する

BtoBマーケティングにおいて成果を上げるためには、適切なKPI設定が重要です。KPI(Key Performance Indicator)とは、目標の達成度合いや成果を計測するための基準として置く定量的な指標のことで、日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。

 

KPIを正しく設定することで、企業の目指す最終的な数値目標であるKGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)達成に向けたパフォーマンスの動向を把握でき、マーケティング活動の効果的な計画・実行・評価が可能となります。

 

例えば「Webサイトからの問い合わせ数を前年比180%にする」というKGIであれば、以下のようなKPIが設定できます。

 

【KPI例】

・今年の〇月までに記事コンテンツを50増やす

・特定のキーワードでGoogleの検索順位を3位以内にする

・Web広告の出稿でサイトへの訪問者数を1,000人増やす など

 

以上のように、KPIを設定する際は「定量化できる具体的な指標になっているか」「現実的な数値目標か」「期限が定まっているか」「項目が多すぎないか」という点を意識し、KGIに則したものとなるようにしましょう。

 

BtoBマーケティングの代表的な手法

BtoBマーケティングの代表的な手法

BtoBマーケティングの代表的な手法をご紹介します。ここでは、リードジェネレーション(見込み顧客の獲得)とリードナーチャリング(見込み顧客の育成)のプロセスにおいて有効な手法を解説します。

 

リードジェネレーション手法10個

リードジェネレーション手法

リードジェネレーション(見込み顧客の獲得)のプロセスにて活用される手法を10個取り上げます。

 

・SEO

SEOは、検索エンジン最適化を行い、自社のWebサイトやオウンドメディアにて集客を行う手法です。BtoBマーケティングにおいて、顧客はインターネットで情報を収集することが多く、検索結果に自社のサイトが上位表示されることで認知度の向上を目指します

 

さらに、サイト内に資料のダウンロードや問い合わせフォームを設置することで、見込み顧客の獲得に役立てます。ターゲットとなるユーザーが、日頃どのようなことを課題と捉えて検索をするのかを考え、それらのキーワードで上位表示を狙えるコンテンツを作成します。

 

成果が出るまでに時間がかかり、中長期的な視点でみていく必要がありますが、一度サイトを作成すれば、以後も有効なマーケティングツールとなります。

 

SEOはユーザーが何かしらの課題を持ち、能動的に検索しているため、問い合わせにつながった場合、商談化率、契約率も高くなる傾向があります。

 

・Web広告

web広告の種類

広告には、検索エンジンの検索結果に表示させるリスティング広告やメディア内に表示するディスプレイ広告、SNS広告、YouTube広告など、さまざまな媒体や手法があります。ターゲットの興味関心や行動、達成したい目標、予算などから戦略を立て、実施します。

 

広告の目的は、多くの場合、見込み顧客を獲得することにあります。問い合わせや無料相談、資料のダウンロード、イベントなどへの参加申し込みなどを目標にし、獲得単価を抑えながら、多くの見込み顧客の獲得を目指します

 

広告は、SEOと異なり、出稿するには費用がかかります。その分、短期間での効果が期待できるとされますが、求める効果を得るためには的確な戦略設計が重要です。

 

BtoBマーケティングにおいては、リスティング広告、Facebook広告がリード獲得につながりやすいため始めやすいでしょう。

 

・SNS

SNSの運用も、BtoBマーケティングに有効です。TwitterやFacebookなどが多く使われています。

 

企業アカウント、もしくは自社のスタッフによるアカウントを運用します。それぞれのSNSの特徴を理解した上で、どの媒体を利用するのか、どのような情報を発信するのかを検討しましょう。

 

SNSは、ユーザーとのコミュニケーションが取れることが大きな特徴です。ユーザーの反応をダイレクトに受け取ることができるため、施策の効果検証や改善がしやすいことはもちろん、自社への印象を分析したり、広く一般の声を集めたりすることにも役立ちます。

 

また、拡散されやすいため、認知拡大を目指す場合にも効果的です。

 

・動画マーケティング


動画マーケティングは、YouTubeに動画を投稿し、認知度を高める手法です。自社のYouTubeチャンネルを立ち上げ、自社の商品・サービスの紹介や、お役立ち情報を発信します。動画は複雑な事柄でも理解しやすく、記憶に残りやすいという特徴があります。

 

そのため、システムの仕組みや専門的な概念など理解の難しい事の多い、BtoBマーケティングに有効です。

 

最近では、YouTubeだけでなくTikTokやInstagramのリール動画なども主流になりつつあります。ターゲット層やどのような情報を伝えたいかによって、利用する媒体を選定しましょう。

 

・FAXDM

FAXDMは、FAXを利用して企業に届けるDMです。以前から普及している手法であり、現在でも使われています。

 

FAXは一度も確認されずに捨てられることは考えにくく、開封率はほぼ100%であるといえるでしょう。そのため、確実に届けたいメッセージや、ターゲットである企業全体に関連する情報をFAXDMで送ると有効です。

 

ただし、近年リモート化が進んだ影響もあり、即時性は薄まりつつあります。とはいえ、紙でのコミュニケーションが多い業界、業種ではまだまだ効果の高い手法です。

 

・展示会

展示会とは、複数の企業が合同で行うことが多く、それぞれの企業が商品やサービスを紹介し、興味関心を寄せてくれた見込み顧客と接点を作る場となっています。

 

展示会はテーマ(業界や業種)が決められていることもあり、展示会に訪れる人はもともとそのテーマに関心を寄せているため、見込み顧客を獲得しやすい手法であるともいえるでしょう。

 

これまでは対面で、会場を用意して行われることが一般的でしたが、近年ではオンラインで開催される展示会も増えています。出展料の他に、ブース設計、設営、装飾、展示ツールなども必要なため、100万~1,000万程度かかることもあらかじめ把握しておきましょう。

 

・プレスリリース

プレスリリースとは、企業が社会に対してメッセージを届けるための公式文書や資料のことですが、BtoBマーケティングでも活用することができます。新商品の発売、新規事業の開始などの他、経営や人事に関する事柄などを発信します。

 

プレスリリースを発信することでメディア掲載を狙い、認知度の向上や信頼感を獲得します。あわせてプレスリリースに対する反応を分析することによる自社の現状把握なども可能です。

 

多くの人の興味を引く内容であれば、メディアに取り上げられる確率も上がるでしょう。

 

「PR TIMES」や「PRワイヤー」などが有名なプレスリリースサイトです。プレスリリースを通して、アンケート調査データをホワイトペーパーにして配信すると見込み顧客獲得につながるでしょう。

 

・テレアポ

テレアポは、ターゲット企業や担当者に電話をかけることで見込み顧客の獲得につなげる手法です。インターネットや電話帳などを活用し荷電リストを作成します。

 

ターゲットに対し、能動的なアプローチが可能である反面、成功確率が低い手法となっています。ユーザーニーズを的確に把握したトークスクリプトの作成など工夫が必要です。商談化率は商材にもよりますが、一般的にコール数に対して1%~2%程度と言われています

 

・交通広告

交通広告とは、電車やバス、タクシーなど公共交通機関に出稿する広告です。多くの人にみてもらえるため、認知度の向上を目指すことができます。地域に根ざした企業にもおすすめです。

 

また、タクシー広告は特にBtoBマーケティングに活用されることが多い交通広告です。

 

タクシーの利用者層から、ビジネスマン、特に経営者層にダイレクトにメッセージを届けることができるためです。乗客の年齢層や性別などから、個々に適した広告を流す技術もあるようです。

 

・TVCM

TVCMも、見込み顧客の獲得に有効です。特に、一気に知名度を拡大したい時や大々的なキャンペーンを打つ時などに効果的です。費用はかかりますが、その分多くの人に見てもらうことができ、信頼の獲得にもつながります。

 

最近では、テレシーノバセルなど運用型TVCMも注目を集めております。従来のTVCMよりは料金が安く、数値が可視化されるためPDCAも回しやすいでしょう。

 

リードナーチャリング手法5つ

リードナーチャリング手法

続いて、リードナーチャリング(見込み顧客の育成)のプロセスで有効な手法を5つご紹介します。

 

・メールマーケティング

メールマーケティングは、メールマガジンやステップメールなど、メールを通じて情報を届けることで、ナーチャリングを行う手法です。メールは多くの企業が使用しているツールであり、適切なタイミングで、有効な情報を届けることで、興味関心を高めることができます。

 

また、定期的にメールでコンタクトを取ることで、検討期間の長いBtoBマーケティングにおいては、顧客の興味・関心を維持するという効果があります。

 

メールマーケティングでは、見込み顧客のニーズ分析が重要です。興味を引く内容でなければ、開封してもらうことすらできません。見込み顧客が今どのような検討フェーズにいるのかを見極め、シナリオを作り、有益な情報を届けましょう。

 

・セミナー・ウェビナー

セミナーやウェビナーも、見込み顧客の育成に有効な手法です。ウェビナーとは、オンラインで行うセミナーのことであり、近年多くの企業が取り入れています。

 

セミナーでは、商品やサービスの紹介を行います。導入事例を紹介したり、課題解決をフックに商品やサービスをおすすめしたりすることもあります。

 

ウェビナーは、オンラインで行うため、対面で行うセミナーと比較し、参加へのハードルが低くなりました。また、開催する側にとっても、会場の設営などのコストが不要になったため、より費用対効果の高い施策となりました。

 

最近では、オンラインと対面をどちらも取り入れた形式のセミナーも開催されています。

 

・勉強会

勉強会とは、業界のことや専門知識、課題解決方法などについて見込み顧客の知識を深めてもらう手法です。

 

勉強会を開催することで、見込み顧客との接点を増やすだけでなく、業界の知見の豊富さをアピールし信頼を高めたり、課題解決方法の1つとして自社商品に誘導したりします。無料で開催することが多く、見込み顧客の育成の場として活用されています。

 

・ホワイトペーパー

営業資料とホワイトペーパーの違い

ホワイトペーパーとは、見込み顧客に対して課題に対するソリューションをはじめ、研究や調査結果をまとめた報告書のことを指します。

 

見込み顧客に配布することで、検討材料の1つとしてもらうことができます。また、自社メディアなどに掲載することで見込み顧客の獲得に利用されることもあります。

 

ホワイトペーパーは、営業資料とは異なり、顧客の欲しい情報や課題解決につながるノウハウに基づいて作成します。見込み顧客がどういった情報に関心を寄せているのか、どういった課題を抱えている顧客が多いのかを理解して作成することが重要です。

 

・インサイドセールス

インサイドセールスとは、見込み顧客に対して電話やメールなどでコンタクトを取り、商談のアポイントを取ることを目的としています。顧客と商談を行うフィールドセールスに対し、自社内にいながらセールス活動を行うため、インサイドセールスと呼ばれています。

 

一般的に多くのリードナーチャリングの手法では、こちらからは情報を発信するばかりで、商談に至るためには見込み顧客からのアクションを待つ必要があります。

 

それでは商談機会を逃す可能性が高くなってしまいます。インサイドセールスは、能動的にアプローチを行い、有望な見込み顧客を確実に商談につなげる役割を果たします。

 

・MAツール導入

MA(マーケティングオートメーション)ツールとは、新規顧客の獲得や見込み顧客の育成、顧客情報の管理など手動で行っているマーケティング活動を自動化できるツールです。

 

このツールにより、これまで人的に行われていたリードの管理やナーチャリング、ホットリードの抽出、メルマガ配信など全てのプロセスを効率的に行えます。

 

特に、BtoBでは検討フェーズに時間がかかることが多くあります。例えば、リードナーチャリングや顧客の懸念点排除、継続的な有益情報の提供には、膨大な工数がかかってしまうでしょう。そこで活用したいのがMAツールです。

 

MAツールには、見込み顧客の検討度合いに応じたメール送信機能が付いている他、メール開封後の見込み顧客の行動なども把握できるため、顧客にとってより有益な情報を提供できます。

 

BtoBマーケティングで活用できるフレームワーク

BtoBマーケティングで活用できるフレームワーク

マーケティング施策を具体化するには、フレームワークの活用が有効です。BtoBマーケティングで活用されるフレームワークにはさまざまな種類がありますが、シーンによって使い分ければ、課題の原因や解決策、将来的なリスクなどを分析するのに役立ちます。

 

そのため、各フレームワークの特徴をしっかりと理解し、自社のマーケティング戦略に適合するフレームワークを選択しましょう。以下は、BtoBマーケティングで役立つフレームワークのなかでも、特に重要となる8つを抜粋しています。

フレームワーク フレームワークの概要
5F分析 「競合他社の脅威」「代替品の脅威」「新規参入者の脅威」「買い手の交渉力」「売り手の交渉力」という5つの要素から、自社の将来性を予測する。
3C分析 「市場・顧客(Customer)」「競合他社(Competitor)」「自社(Company)」という3つの要素から、内部・外部両方の環境情報を整理し分析する。
PEST分析 「政治(Politics)」「経済(Economy)」「社会(Society)」「技術(Technology)」という4つの要素から、外部環境に関する情報を分析する。
SWOT分析 「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」という4つの要素から、自社の状況や将来的なリスクを分析する。
PDCA 「計画(Plan)」「実行(Do)」「評価(Check)」「改善(Action)」という4つのプロセスを繰り返して継続的な業務の改善を促す。
AISAS 「注意(Attention)」「興味(Interest)」「調査(Search)」「行動(Action)」「共有(Share)」という5つのインターネット時代における購買モデルから、ユーザーの購買心理を読み解く。
AIDMA 「注意(Attention)」「興味(Interest)」「欲求(Desire)」「記憶(Memory)」「行動(Action)」という5つの購買モデルから、ユーザーの購買心理を読み解く。
STP分析 「市場の細分化(Segmentation)」「ターゲットの選定(Targeting)」「自社のポジションの明確化(Positioning)」という3つの要素から、狙うべき市場を決定する。

 

BtoBフレームワークについての詳細は、以下記事で解説しているのでご確認ください。

【図解あり】BtoBマーケティングのフレームワークを用いて効果的な施策を進めよう!

 

【2023年】BtoBマーケティングのトレンド

【2023年】BtoBマーケティングのトレンド

ビジネスの成長を促すためには、常に最新のトレンドやテクノロジーに敏感に対応し、積極的に新しいアプローチを取り入れることが重要となります。

 

そこで、本章ではBtoBマーケティングにおける最新のトレンドを4つご紹介します。これらのトレンドをしっかりと把握し、自社のマーケティング活動に応用していきましょう。

 

AIの活用が加速する

これから先のBtoBマーケティングでは、AI(人工知能)の活用が一層進展すると予想されています。膨大なデータを高速で分析し、顧客の行動や嗜好を把握可能なAIを活用することで、ターゲティングの精度が向上し、より適切なメッセージを顧客に届けられます。

 

また、AIの加速で社内に膨大なデジタルデータが蓄積され、それをもとに顧客・市場ニーズの変化や顧客行動の予測、顧客流出の予兆など、さまざまな予兆分析にも活用されると考えられます。

 

そのため、企業は膨大なデータを社内で一元管理できるシステムを構築しておくことが重要となるでしょう。

 

Web3.0が真のパーソナライゼーションをもたらす

Web3.0は、ブロックチェーン技術を基盤として構築される新しいインターネットの概念で、Web2.0時代での「データの中央集権型所有」を改善するために提唱されました。

 

「Web上コンテンツの分散型所有」を進めていくことで、特定の企業や管理者に依存せず、個人のデータや情報を自分自身で管理できるメリットがあります。

 

今後、マーケティングでこの技術が活用されれば、顧客のデータをより安全に管理し、真の意味でのパーソナライゼーションを実現できる可能性があります。

 

BtoBマーケティング領域に直接関係するWeb3.0サービスの1つとして挙げられるのが、2019年にBrave Software社が発表した「Brave」ブラウザです。

 

BraveはGoogle Chromeに対抗する形で開発されました。広告トラッキングのブロック機能や第三者クッキーの自動ブロック機能を組み込むことで、プライバシーやセキュリティの保護を重視しています。

 

今後ユーザーは、Braveのようなよりプライバシーやセキュリティが強化されたサービスを求めるようになると考えられるため、広告主側も新しい広告戦略を検討する必要がでてくるでしょう。

 

ABM(アカウントベースドマーケティング)が再注目される

ABM(アカウントベースドマーケティング)とは、BtoBマーケティングにおいて、企業が特定のアカウント(顧客)に、個別にカスタマイズされた施策を行う手法です。

 

幅広い顧客層にアプローチを行っていた従来のリードベースドマーケティングに対し、ABMは特定の顧客にリソースを集中させることで、無駄な施策を減らし、かつROI(投資利益率)を向上させることを目的としています

 

デジタルツールの発展により、ABMが再び注目されるようになりました。MAツールやSFAツール、CRMツールなどの業務支援ツールが誕生し、企業単位での顧客管理が容易になったことで、より最適な施策を打てるようになったのです。

 

また、ABMではマーケティング部門と営業部門が足並みをそろえて戦略的に顧客にアプローチすることになるため、部門間の連携が強化され、社内の業務円滑化にもつながるでしょう。

 

コンテンツマーケティングの需要が高まる

コンテンツマーケティングは、価値ある情報を顧客に提供することで、ブランド認知やリード獲得につなげるマーケティング手法です。

 

今後、コンテンツマーケティングはさらに競争が激化すると予想されており、他社との差別化を図ったコンテンツが求められるようになるでしょう。

 

動画コンテンツやオリジナル性の高いコンテンツが注目を集めるとともに、顧客のニーズに応えるクオリティの高いコンテンツが重要性を増すと考えられます。

 

BtoBマーケティングの成功事例8つ

BtoBマーケティングの成功事例

BtoBマーケティングの成功事例を8つご紹介します。

 

成功事例1:株式会社HubWorksの事例

弊社の事例となります。BtoBマーケティングにおけるホワイトペーパー施策を実行しました。訴求切り口ごとにホワイトペーパーを複数作成し、これをFacebook広告やプレスリリースを配信して、見込み顧客を獲得。短期商談化を図りました。以下が結果となります。

株式会社HubWorksの事例

ご覧の通りホワイトペーパー訴求Aが商談化率(アポ率)が高い傾向にありました。今後はメール配信などでリードナーチャリングを行います。※実数は四捨五入しております。

 

弊社では、このような独自のBtoBマーケティング×コンテンツの事例が多数ございます。より詳細を知りたい方はお問い合わせください。

 

成功事例2:A社(SaaS企業)の事例

SaaSサービス事業を展開するA社の事例です。A社は、過去に作成したオウンドメディアのコンテンツの質が低いことを課題としていました。また、新サービスの提供に向けて、短期間で数百記事を新たに作成し、検索結果の上位表示を目指すことも目標として掲げていました。

 

そこでA社は、優先的に対策すべきキーワードを分析し、効率的にコンテンツを作成しました。また、仕組み化された制作フローを持つコンテンツ制作会社と協力することで、質の高いコンテンツを掲載でき、短期間での上位表示を達成しました。

 

BtoBマーケティングでは、自社に合ったマーケティング会社や制作会社などに委託することも成功のためのポイントです。

 

成功事例3:富士通Japan株式会社の事例

富士通Japan株式会社は、自治体、教育機関などの公的機関や医療機関などに向けた情報システムの開発や運用、DXの推進支援を行っています。同社は、オウンドメディアの運用(SEO)を中心にBtoBマーケティングを行い、ウェビナーや展示会なども開催しています。

 

富士通Japan株式会社のBtoBマーケティングの特徴は、基盤作りにあります。マーケティング専門のチームを立ち上げ、顧客のデータベースを管理、分析するところから始めました。

 

そのため、顧客理解にもとづいたコンテンツ制作が可能であり、検索エンジン経由で多くの見込み顧客を獲得することに成功しています。

 

成功事例4:トランスコスモス株式会社の事例

トランスコスモス株式会社は、Webサイトやスマートフォンアプリの運営を通して、デジタル課題の解決を支援するBPO企業です。

 

同社は、これまでWebサイトの問い合わせ窓口からの引き合いのみに対応するという受け身の体制をとっており、特にマーケティング施策は行っていませんでした。

 

しかし、Webサイトを通じて能動的に見込み顧客にアプローチし、コンバージョンにつなげていく体制を構築していく必要があると考え、企業ブログを立ち上げ、記事発信に力を注ぎました。

 

その結果、月間セッション数20,000件超、コンバージョン数約50件と、前年比200%超という大きな成長を遂げています。

 

成功事例5:ライオン株式会社の事例

同社は、Webサイト内にノベルティの問い合わせページを設置したものの、なかなか問い合わせ数が増えないという課題を抱えていました。

 

そこで、同社は自社の商品に関心を持つユーザーをスムーズに問い合わせへ誘導するための導線を、各ノベルティ製品ページに設置しました。

 

その結果、リニューアルオープン後すぐに問い合わせ数が伸び、3カ月で約6.2倍、目的外の問い合わせ比率も50%から10%まで低下しました。

 

その後も問い合わせ数は伸び続け、月間平均問い合わせ数はリニューアルから5年で8.7倍、7年で10.1倍を達成するなど、飛躍的な成長を遂げています。

 

成功事例6:株式会社アスマークの事例

株式会社アスマークは、ネットリサーチや会場調査、デプスインタビューなどを通して企業のマーケティング支援を行っているインターネット調査会社です。同社は「営業力」を強みとしていたこともあり、データを活用したマーケティング施策には力を入れていませんでした。

 

しかし、世の中のオンライン化が進むにつれ、これまでの営業方法だけでは限界があると考え、顧客の分析からデータを活用したマーケティングを実施していくことを決めました。

 

同社は、SFAツールやMAツール、顧客管理ツールを導入しデータを連携することで、データ分析の基盤を構築しています。その結果、施策の効果検証を細かく可視化できるようになり、施策の改善スピードを上げることにつながったのです。

 

また、MAツールはウェビナー参加者の行動履歴を追うなどしてリードナーチャリングにも役立てられており、顕在化したホットな顧客は、1年で約2倍にまで上昇しました。

 

成功事例7:株式会社村田製作所の事例

株式会社村田製作所は、セラミックをベースに電子部品の開発・生産・販売を行う総合電子部品メーカーです。同社は、顧客の購入プロセスの可視化ができていないことと、新規市場の開拓を課題としており、これを解決するためにMAツールを導入しました。

 

同時に、誘導先となるWebサイトのコンテンツ強化にも力を注ぎ、MAツールを用いてデータ分析やアプローチの最適化を図りました。その結果、徐々にナーチャリングが実現し、導入から2年後の2015年には売上高1兆円を達成しています。

 

成功事例8:日立グローバルライフソリューションズ株式会社の事例

日立グローバルライフソリューションズ株式会社は、日立グループにおける家電・空調を中心としたプロダクト事業やソリューション事業を行う電機メーカーです。

 

同社は、業務用エアコンの市場シェア拡大を目指し、ペルソナ設計に力を入れました。より現実的なペルソナをつくるため、1,800社以上を対象に、自社で作り出したペルソナに関するアンケートやインタビュー調査を実施しました。

 

そして、得られた回答をもとにフィードバックを行い、具体性を持った完璧なペルソナを再設計したのです。その結果、業務用エアコンの市場シェアを9.8%から11.1%に拡大させることに成功させました。

 

BtoBマーケティングについてのQ&A

BtoBマーケティングについてのQ&A

BtoBマーケティングについてよくある質問に回答します。

 

Q1 BtoBマーケティングとは何ですか?

BtoBマーケティングとは、法人向けサービスにおいて売上を上げるためのマーケティング活動のことを指します。

 

BtoBマーケティングは、リードジェネレーション(見込み顧客の獲得)、リードナーチャリング(見込み顧客の育成)、セールス(顧客の獲得)、カスタマーサクセス・サポート(顧客満足度の向上)といったプロセスに分けられます。

 

このプロセスごとに、さまざまな施策を行い、売上拡大を目指します。

 

Q2 BtoBマーケティングとBtoCマーケティングにはどんな違いがありますか?

BtoBの商材は、BtoCと比較し商品単価が高く、検討期間が長い、契約や購入の意思決定者が複数にわたるなどの特徴があります。

 

そのため、BtoBのマーケティング活動は長期にわたることが多いです。商談をする営業活動だけでなく、見込み顧客を獲得、育成したり、契約後のフォローやサポートが重要です。

 

Q3 BtoBマーケティングで成功するためにはどのようなポイントが重要ですか?

BtoBマーケティングで成功するためには、顧客理解と戦略が重要です。

 

顧客がどのような課題や悩みを抱えているのか、なぜ自社の商品・サービスを利用してくれるのか、など顧客の目線で自社商材への理解を深めましょう。その上で、解決すべき自社の課題を洗い出し、必要な施策を考えて戦略を立てることが重要です。

 

顧客理解と適切な戦略ができていなければ、的外れな施策となってしまい、成果を上げることは難しいでしょう。流行っているからなどと、手法単体で実施してしまわないよう、気をつけましょう。

 

Q4 BtoBマーケティングでのリードジェネレーションとは何ですか?

BtoBマーケティングにおけるリードジェネレーションとは、見込み顧客(リード)を獲得するプロセスのことです。

 

BtoBマーケティングの第一段階のプロセスです。自社の商品やサービスについて知ってもらい、興味関心を高めて、こちらからアプローチするための情報を取得する役割を持っています。主な手法には、SEOや広告、SNS、展示会などがあります。

 

Q5 BtoBマーケティングでのリードナーチャリングとは何ですか?

BtoBマーケティングにおけるリードナーチャリングとは、見込み顧客(リード)を育成し商談化するプロセスのことです。

 

リードジェネレーションにおいて獲得した見込み顧客に対し、コミュニケーションを取ったり、情報を届けたりすることで、検討度合いを高めます。主な手法には、メールマーケティングやセミナー、インサイドセールスなどがあります。

 

BtoBマーケティングが基礎知識から学べるおすすめの本

BtoBマーケティングが基礎知識から学べるおすすめの本

BtoBマーケティングを効果的に実践するためには、マーケティングにおける正しい知識と戦略が欠かせません。そこで、以下ではBtoBマーケティングを基礎から学べるおすすめの書籍を3冊ご紹介します。

 

これらの書籍を通じて、最新のマーケティング手法やトレンドを学び、自社のマーケティング活動に活かしていきましょう。

 

事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践

本書は、SNSなどで情報発信し、高い人気を誇る株式会社才流の栗原社長が、BtoBマーケティングについて語った1冊です。

 

実際の企業例をもとにしたケーススタディを中心に「オンラインで効率的にリードを増やす方法」や「コンテンツマーケティングの始め方」など、BtoBマーケティングを効果的に行うためのノウハウが網羅されています。

 

ビジネスシーンに即した実践的なアドバイスが多く盛り込まれているため、すぐに自社のマーケティング活動に役立てることができるでしょう。

 

また、マーケティング用語の解説が充実している他、解説内容を直感的に理解できる図や表が50点以上収録されているため、基礎からマーケティングを勉強したい方やマーケティング初心者の方にも読みやすい専門書です。

タイトル 事例で学ぶBtoBマーケティングの戦略と実践
著者 栗原 康太
内容 BtoBマーケティングの基礎、マーケティングプロジェクトの進め方、11種のケーススタディなど
出版日 2020年11月22日
価格 1,980円(税込)

 

現場のプロが教える! BtoBマーケティングの基礎知識

本書は、BtoBビジネスの最前線で活躍する著者陣により執筆されたもので、現場ですぐに役立つマーケティングの基礎知識や、プロモーションを学びたい方におすすめの1冊です。

 

「BtoBビジネスの基本」「BtoBの顧客獲得戦略」「施策の実行」という3つのテーマから構成されており、マーケティング戦略の組み立て方やオンラインシフトで変化した施策が具体的に解説されています。

 

どこから読み進めても理解しやすい内容であるため「知識を整理したい」「SEO施策だけを知りたい」などといった場合に、該当パートだけを効率よく読み返せるのが特徴です。

 

特に、BtoBビジネスの経験が浅い方や、これからマーケティング分野に関わっていく初心者であれば手元に置いておいて損はないでしょう。

タイトル 現役のプロが教える! BtoBマーケティングの基礎知識
著者 飯髙 悠太、 枌谷 力、相原 ゆうき、秋山 勝、安藤 健作、今井 晶也、岸 穂太佳、戸栗 頌平、室谷 良平、日比谷 尚武
内容 BtoBマーケティングの基礎、BtoBの顧客獲得戦略、オンライン施策
出版日 2022年4月26日
価格 2,948円(税込)

 

ノヤン先生のマーケティング学

本書は、30年近くマーケティング一筋で研究を続けるシンフォニーマーケティング株式会社の庭山社長により執筆された、9年以上にわたり支持を集めるマーケティング本です。

 

「ホールプロダクト戦略」といったマーケティング理論や、「STP」「SWOT分析」などの代表的なフレームワークを身近で理解しやすい具体例を用いて解説しています。

 

また、実際の展示会やセミナーで起こったエピソードを交えながら、マーケティングの実践的な側面も紹介されています。初心者の方にも理解しやすく、かつ魅力的な内容であるため、これからマーケティングを学びたい方にとって最適な入門書といえるでしょう。

タイトル ノヤン先生のマーケティング学
著者 庭山 一郎
内容 マーケティングの基礎と歴史、マーケティングのフレームワーク、現場で起こったエピソードなど
出版日 2014年4月21日
価格 2,090円(税込)

 

もっと知りたい方に!BtoBマーケティングセミナーの紹介

BtoBマーケティングセミナーの紹介

BtoBマーケティングに関するセミナーは、多くのマーケティング会社や制作会社が行っています。無料で開催されていたり、オンラインで参加できるものもあり、より理解を深めたい方は参加してみてはいかがでしょうか。

 

BtoBマーケティング支援を行っている株式会社才流は、BtoBマーケティング戦略といった基本的なセミナーから、SEO、Webサイトといった各手法に対するセミナーまで幅広く行っています。

 

中には、他社と共同開催しているセミナーもあり、BtoBマーケティングの知見を広めたい場合におすすめです。

https://sairu.co.jp/event/

 

ワンマーケティング株式会社は、BtoBマーケティングのコンサルティングを中心に、ツール導入支援なども行っています。同社が行うセミナーはテーマが絞られており、課題解決に関する知識が得られます。ツールの活用方法などを取り上げる回もあります。

https://www.onemarketing.jp/seminar/

 

欲しい情報が得られるセミナーが開催されていないかチェックしてみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

本記事では、BtoBマーケティングとは何かという基本的な情報から、BtoBマーケティング実施までの方法や具体的な施策までご紹介しました。

 

BtoBビジネスにおいて、マーケティング活動は重要な役割を果たします。顧客との接点の創出から、契約、契約後のフォローまでを営業担当のみで行うのは、非効率的であり、最大の成果を出すことは難しいでしょう。

 

解説したように、プロセスごとに顧客とのコミュニケーションの取り方を工夫する必要があります。すでにBtoBマーケティングを成功させている企業の事例なども参考にしながら、より効果的かつ効率的なマーケティング戦略を立案・実行しましょう。

 

是非、本記事を参考にBtoBマーケティングへの理解を深め、実践してみてください。

執筆者:Hub Works 近藤

株式会社HubWorks代表取締役 2013年より大手インターネット広告代理店に入社。月間数千万規模、主要チャネル(Yahoo・Google・Facebook・LINEなど)のウェブ広告運用を経験。 2017年に転職し、SaaSのBtoBマーケティング担当に従事。リード獲得からナーチャリング、コンテンツマーケティングなど幅広く対応 2018年から独立しシェアオフィス専門ポータルサイトの立ち上げやコンテンツ制作BPOコンテンツファクトリーのサービスを立ち上げ。 ウェブマーケティングの知見をいかし、全事業早期黒字化を達成 パーソナルジム「ソロジム」を運営

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